万福寺 大三島のつれづれ

瀬戸内・大三島 万福寺の日記です。
大三島の自然の移ろいと日々の島での生活を綴ります。

さるとりいばらの実

2010年10月24日 | Weblog
 先日、宗方のY・Kさん宅の報恩講にお参りしましたら床の間に山草が各種生けてありました。その中に「ぼての実」が生けて

ありました。「これはぼての実ですねエ」と尋ねますと「サンキライの実です」と答えられました。これは「サンキライ」と云う

ことを初めて知りました。昨日台(うてな)ダムの深山(みやま)へ採集に行ってきましたとのことです。

 今朝時間がありましたので私も深山に行ってみました。ダム湖をめぐるといろいろな実が色づき始め、野菊なども咲きこぼれて

いました。

 画像の「さるとりいばら」は「山帰来」(さんきらい)とも呼ばれていますがこの辺りでは「ぼて」と呼ぶ方が誰でも知ってい

ます。私が小さい頃、旧歴の端午の節句には「ぼての葉」でくるんだ「かしわ餅」をどの家でも作っていました。子供たちには

楽しみなことでしたが、「ぼての葉」を山へ取りに連れて行ってもらうことも楽しいことでした。作る量も半端な数ではなく、米

粉で作った白いのや、団子麦の粉で作った黒っぽいのや沢山作られて数日そればっかり食べていたことを思い出します。

 「ぼて」は「さるとりいばら」と呼ぶのが一般的な呼称で「山帰来」とも呼ばれていることが辞書や植物図鑑に見られました

が、「ぼて」と云う呼び名は見当たりません。

 各種の辞書、辞典を調べていて「ぼて」を説明している辞書にやっと出会うことが出来ました。小学館から昭和50年頃編纂さ

れた「日本国語大辞典」に「ぼて」の項がありまして「さるとりいばら。愛媛県大三島」とあり「ぼて」と云う呼び名は大三島地

域の呼び名であることが判明いたしました。本当にびっくりしました。

 なぜ「ぼての葉」と呼ぶようになったのだろう、「なぜ」この問いは数日続きましたが、私の結語は「布袋さまのような形をし

た葉っぱ」と誰かが言いはじめたのが「ほていの葉」となりいつしか「ぼての葉」となったのであろうとの結論に達しました。

 腹などが肥満しているのを「ぼてとる」とか「ぼてぼて」とかよく聞く言葉ももしかしたら「布袋のような」から来ているので

はないかなどと思ってみたりしています。
コメント
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