fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

お知らせ・防備録。
記事の無断転用はお断りいたします

Information

『みちのく山のゆなな』(国土社)『ファミリーマップ』、エンタメシリーズ『家守神』1~4巻、『おはようの声』幼年童話『ヘビくんブランコくん』『オンチの葉っぱららららら♪』、短編集『友だちの木』・歴史物語『アテルイ 坂上田村麻呂と交えたエミシの勇士』他、好評発売中です。原稿・講演など各種ご依頼は、左側のメッセージからお願いいたします。    

『けんか餅 お江戸豆吉1』桐生 環/作 野間与太郎/絵(フレーベル館)

2021年05月22日 | 本の紹介
 
 昨年のフレーベルものがたり新人賞、優秀賞作品が、本になりました。
 江戸時代の和菓子やさんが舞台です。
 冒頭から、引きつけられました。
 リヤカーをひいて、引っ越しをしているのは、日本橋の老舗の和菓子や鶴亀屋の若旦那と豆吉。
 若旦那は、和菓子の腕はいいのに、けんかっぱやくて、お客さんと大げんかをしてしまい、修行をしてこいと追い出されたのです。そこになぜか豆吉がつきそうことになったのです。
 なぜ、自分が・・と愚痴る豆吉。
 石ころにもけんかをふっかける若旦那。

 二人がついたのは、浅草。ぼろくて小さな店です。ここで、商いを始めることになりました。

 この二人に、魅力的なキャラの登場人物がほかにも加わって、話は進んでいきます。
 ところどころに、江戸の豆知識も差し込まれていて、楽しいです。

歴史物語、私も書いていますが、子供が読むには難しくなりがちです。『けんか餅』は、豆吉のかわいらしさ、一生懸命さが子どもにとって等身大なので、そこがクリアされて読みやすい作品になっています。歴史ものを書いている方にとって、参考になりそう。

 シリーズのようなので、まだまだ豆吉の活躍がみられそうです。
 今回読んでいて、大福餅が食べたくなりました。今後もどんな和菓子が出てくるか。そこも見所ですね。