fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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『みちのく山のゆなな』(国土社)『ファミリーマップ』、エンタメシリーズ『家守神』1~4巻、『おはようの声』幼年童話『ヘビくんブランコくん』『オンチの葉っぱららららら♪』、短編集『友だちの木』・歴史物語『アテルイ 坂上田村麻呂と交えたエミシの勇士』他、好評発売中です。原稿・講演など各種ご依頼は、左側のメッセージからお願いいたします。    

『金メダリスト・タカマツペア物語 二人でなら、世界一になれる!』光丘真理(PHP研究所)

2018年04月30日 | 本の紹介
         

 2016年、リオデジャネイロオリンピックのバドミントン女子ダブルスで、金メダルを手に入れた高橋礼華選手・松友美佐紀選手(タカマツペア)。それは日本バドミントン史上初の快挙でした。

 二人とも、幼い頃にバドミントンに出会います。高校時代にペアを組んでその後約十年間、何度も挫折を繰り返してきた二人は、あきらめないで挑戦し続けてきました。本書は、二人の強さの秘密に迫り、子どもたちにエールを送る本です。(PHP研究所HPより)

 作家光丘真理さんは、物語、ノンフィクションと数多くの著作を世に出されていますが、共通しているのは、あたたかい眼差しです。ノンフィクションを書くためには、かなりの取材をしなくてはならないはず。その取材を元に、子ども達が読んで理解できる文章で書く。取材相手の気持ちを代弁する。これは簡単なことではありません。
 すらすら読めるということは、それだけ作者が苦労しているということだと思います。

 私は子どもの頃、こういったノンフィクションを読む機会がありませんでした。こういう本を読んでいたら、もっといろんなことを真剣に取り組んでいたかも(笑)。才能だけではなく、努力する。これでもか、これでもかと打ち込む。その結果の金だということが伝わってきます。

 金メダルを取ったことがゴールではない。その後の苦悩もあり。そして、目指すは東京オリンピック! 

上野の森親子ブックフェスタ 

2018年04月27日 | 日記
          

 あららら、あと1週間となりました。

 おかげさまで、「ビブリオバトル&トーク 5人の作家がおすすめの児童文学」は、定員を大幅に超えるお申し込みがあったそうです。主催者側で厳選な抽選を行い、入場券がわりの葉書が郵送されました。お申し込みいただいたのに、葉書がいかなかった方には、申し訳なく思います。でも、公園の会場では、各出版社さんの本が2割引で買えるし、サイン会、工作教室、読み聞かせなど、いろいろ楽しめます。

 私達もビブリオバトル終了後は、サイン会ブースに場所を移し、サイン会も行います。

 きゅうに緊張してきました。

 どうぞよろしくお願いいたします!! 
 

第一回かわせみ句会&「季節風」二次会短冊廻し

2018年04月22日 | 俳句
 私を含めて14名。場所は、国分寺、おばあさんの知恵袋。

入り口は、こんな感じ。

 5句出しで行いました。

 秋近き心の寄るや四畳半   という芭蕉の句のような句座でした。

 中は、こんな感じ。
 このお店は、絵本屋さんですが、ギャラリーでもあり、読み聞かせ、英語教室、童話の会、ミニコンサートなど多様な利用ができます。駅からも近く、いい雰囲気です。句会は15人までならできるかな。
 マンションの地下通りですが、古本屋、アンティークショップ、ギャラリーなど、おもしろい空間が広がっています。そこのケーキを買って、おばあさんの知恵袋で食べるというのもありだとか。

 さて、句会ですが、所属の会のまちまちな児童文学作家&作家の卵が集まり、なかなかバラエティに富んだ、個性のある句が集まったと思います。
 私的には、何か言葉をひとつでも覚えていただければ、それでOKという気持ちで臨みました。
 それから先は、言葉を生業になさっている皆さんですから、きっとご自身で咀嚼されるでしょう。

 私が特選に選んだのは、

 桜蘂踏みて戦う十四歳   耕実
 しあわせになれるだろうか花吹雪  こみち
 そういえばわたし春つて苦手だつた  朋

 もちろん、他にもたくさんいい句がありました。

 ワイシャツのポケットにペン春惜しむ  むつみ
 老犬はあくびかみしめ花の宴   福音
 満員のバスから見えた君の春   まちこ
 青き踏む足甲高で幅広で   成美
 若鮎や水面切り裂きのぼりゆく   あこ
 啓蟄の朝隣家からジャズ流れ  真理
 風光る鉄路の先にオホーツク  お遊
 病院の窓ごしに見る花ふぶき  結
 涼麺の汁をとばして本の町   不埒
 花の刻あれよあれよと駆けゆけり  湖魂
 
 花過ぎの地下へ地下へと上野駅  あぶみ


 
 そして、翌日「季節風」春研の二次会で、短冊廻しを。

 春の宵ブランコのりたいきぶんです   そうや     これが、秀逸でした。ブランコも春の季語とわかって作られたかどうか、確認しないでしまいましたが、この季重ねは、問題ないというか、逆に効いていると思います。昼ではなく、夜にブランコにのりたい気分になる。
 とても平易な句ですが、類句もなく、そしてちょっとその気持ちがわかり、かつほのかな恋も感じられます。
 その場で、これを出せるのだから、たいしたものです。普段、俳句やってない方ですよ。

 文学をやるからには、手垢のついていない言葉での表現をめざしたいものです。

 「季節風」の春研はどうだったかというと、それはもう、もちろん、商業出版する、つまりプロとして書いていくことの厳しさ、文学への向かい方など、甘さの入る余地はないのだと肝に銘じました。

第5回芝不器男俳句新人賞公開選考会

2018年04月17日 | 日記
 先週、第5回芝不器男俳句新人賞の公開選考会を聴いてきました。
 自分の記録として書きます。興味のないかたは、スルーしてください。

 芝不器男は、「ホトトギス」において、期待の新人だったけれど、24歳で夭折した俳人です。代表句は、
 永き日のにはとり柵を越えにけり
 麦車馬におくれて動き出づ
 向日葵の蘂を見るとき海消えし
 あなたなる夜雨の葛のあなたかな
 卒業の兄と来てゐる堤かな
 白藤や揺りやみしかばうすみどり
 一片のパセリ掃かるゝ暖炉かな



 この賞は、応募資格が40才まで。つまり若手の俳人のための賞です。私には縁のない賞。なのになぜ、のこのこ出かけていったかというと、公開選考というのが興味深かったことと、昨年俳句甲子園のおっかけをしてから、若い方の俳句への取り組みが、いいなあと感じていたこと、それと、これまでずーーっと自分が所属している結社以外の方の句に関心を持っていなかったのが、やはり俳句甲子園をきっかけに、目が外にも向いたためです。
 
 応募総数は140編ほど、最終選考に残ったのは34編でした。
 ネット上に、その34編の句が出ていたので、プリントをし、読んでから行こうと思っていたのですが、この賞、一人100句なので、全部読むのは無理でした。それで、4分の1、25句を読んで、よさそうなものは100句読むことにしました。

 私が、いいなと思ったのは、5編。
 はからずも、選考委員の先生達も、5編くらいを選んで、それを元に選考をするやりかたでした。

 選考委員の先生は、

 城戸朱理 (詩人)
 齋藤慎爾 (俳人)
 対馬康子 (俳人 「麦」主宰、「天為」同人)
 中村和宏 (次期現代俳句協会長)
 西村我尼吾 (「天為」同人)

 特別賞選考委員として、 関悦史    (敬称略)

 先生達は、最終的に2~3編に絞り込み、そこから受賞者が決まっていきました。この最終的に絞られた中に、私が選んでいっていたのは、1編しか入っていませんでした。そのくらい、いいと思う句が違うということ。これはある程度予想していましたが。

 でも、いろいろおもしろかったです。
 
 受賞作品に対しては、
 ・人を感動させる作品。俳句人格ともいうべき世界を持っている。どの句を読んでも、作者がそこにいる。季語を肉体かしている。
 俳句は日常が基本、遠くにあるものではなく身の周りのことをどう見ていくかが大事。 
 涙の出ない悲しみに100句が○○している。(ここ、自分のメモが読めない。大事なとこなのに) などの評がありました。ほとんどは、中村先生の評です。

 対馬先生は、選考することは、自身の俳句観が問われるとおっしゃっていて、本当だなと思いました。
 現代俳句協会が関係していることもあり、先生達のコメントでは、

 ・有季定型写生を突き抜けていいのでは。
  アバンギャルドである事の難しさ。新たな前衛とはどうあるべきか、考えてほしい。
  もっと変わってもいいはずなのに、今の俳壇はなんでもありになってしまっている。
  新しい詩を発見しようという姿勢があるか。(城戸)
 ・時代が病んでいるときは、真っ先に詩人が病まなくてはならない・・・三島由紀夫。今の俳壇は通常の俳人が多すぎる。俳人とは、「人に非ず」なのである。(齋藤)

 などという言葉が、ありました。

 「童子」の仲間では、松本てふこさんが、中村和弘賞を、見事受賞。やりました! 
 彼女の句に対しては、対馬先生が、
 ・オーソドックスかと思うと変なところで肩すかしがあり、たんたんと自分自身を映し出している。

 と、評されました。私はやはり、てふこさんの俳句はとてもしっくりくるものが、多かったです。

 

 これは、上野の都立美術館前のオブジェ。こういうものが、前衛と言われたこともあったでしょうが、今では普遍的なものになっていると思います。新しさということを考えつつ、頭の中だけでそれをやる危うさも感じた次第です。
 会場にいらしてた若い受賞者が、これからの俳壇を担っていかれるのでしょう。長い道のりですが、期待大です。
 ご興味のある方は、芝不器俳句新人賞で検索していただければ、入選句を読むことができるはずです。

(メモに基づいて書いたので、誤字があるかもしれません)
 
 

 

第5回童話塾in東北

2018年04月12日 | 日記
         

 童話塾in東北の募集が始まりました。
 開催は、9月2日とまだ先ですが、合評会は作品を送っていただいて読み合う時間が必要なため、申し込みが5月25日締め切りとなっています。

私はC分科会を担当します。
 東北の方はもちろん、東北以外の方もぜひ、お待ちしております!! 
 
 チラシに名前のある作家さん以外でも、佐々木ひとみさん、堀米薫さん他、いらっしゃいます。

天然理心流

2018年04月10日 | 日記
           

 天然理心流については、間違ったことを書くといけないので、割愛しますが、新撰組の浪士達が、通っていた日野道場で行われていたものです。近藤勇は師範代だった……かな。(すみません、おぼつかなくて)

 日野にはこの天然理心流を井上源三郎のご子孫が受け継いで道場をやっています。折に触れて、演舞を披露し、観客に体験もさせてくれます
 で、行ってきたわけで。やってきたわけです。
 場所は日野宿本陣駐車場。かつて土方歳三などが通っていた道場があった場所です。
 
 マスクとれよ。でもマスクしてるから、ここにも出せるのですがね。 

 このときは、真剣での菰切りもありました。むしろをダイコンくらいに丸めたものを、えいっと切って。
 そのときに、そのむしろが濡らしてあったので、「なんでですか?」と聞いたところ、「人の体に近づけるため」という思いもかけない答えが返ってきました。
 人を斬るためのものなのだ! 

 武術も、極めるためには、ちょっとやそっとじゃあ、無理ですからね。
「やー」
「たーっ!」 とかけ声だけは、しっかりやりましたよ。

*写真は、日野市のカメラマンIさんが撮って送ってくださいました。その件名が「さらなる転身を」だったので、しばし開いても大丈夫なものか躊躇しましたよ。(笑)

第42回児童文芸家協会賞~『オオカミのお札』(一~三)くもん出版

2018年04月01日 | 自作紹介
           

 このたび、

 『オオカミのお札(一)カヨが聞いた声 江戸時代』
 『オオカミのお札(二)正次が見た影 戦時中』
 『オオカミのお札(三)美咲が感じた光 現代』
 の三部作。いずれも、くもん出版、中川学・絵 

 が、第42回児童文芸家協会賞を受賞いたしました。

 身に余る光栄です。

 これからも、気持ちをひきしめ、子ども達に作品を通してエールを送ることができるよう、努めたいと思います。

 この本ができるまで、そしてできてから、多くの方に力をいただきました。

 『カヨが聞いた声』の冒頭部分を投稿し、3部作としてから合評会に出した「季節風」の皆様、編集のTさん、くもん編集部の皆様、画家の中川学さん、デザイナーさん、営業の方、取り次ぎ、本屋さん、それ以外にも印刷会社、紙問屋、運送屋さん、など。
 そしてこのたび、賞の候補にしてくださった児童文芸家協会様、選考委員の諸先生。
 すでに本を読んでくださった皆様。これから読んでくださる皆様。

 ありがとうございました!!
 これをきっかけに、さらに多くの方が手にしていただけたらと願っております。
 今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。