fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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人の背景

2022年09月23日 | 雑感など
 先日、正岡子規の俳句を書いていたとき、作品だけで鑑賞するか、作者の生涯、その背景を知った上で鑑賞するか、ということにちょっとだけ触れました。そのとき、思ったことです。
 少し前に、書いたような気がしますが、今若い方達は、知り合っていっしょにお茶を飲んだりするようになっても(ママ友とか)、その方の背景を聞かないということに驚きました。
 子どもの話をして、中学受験が大変だったという話になっても、で、その子が何中に入学したかは聞かない。パパがどんな仕事をしてるのか、聞かない。ええ~? って感じです。
 先日は、オンラインで雑談していて、ある方の娘さんが、久しぶりに日本にもどってきて・・という話題になりました。となると私って、すぐ、その方がなぜその地にいるのか、どういう仕事をしているのか、結婚しているのか? 気になっちゃうんです。
 もちろん、そういうことなしに、お互いを知ることもできるでしょう。言葉、興味のある本、そういうところで、その人の考えとかを感じ取ることはできます。でも、どういう学校を出たのか(っていうと、学歴主義とかになっちゃうのかなあ)、どんな仕事をしているのか、私は知りたいんですよね。
 編集者さんと話していても、以前は、ご結婚されていると聞けば、お子さんは? なんて、聞く場合もありました(でもききやすい雰囲気の方だけか)。すると、相手の方のほうから、妻は高校の先生で、と教えてくださったり。
 でも、時代はそうではないようです。
 最近は、ん? この方もしかして結婚されたかな? と思う編集者さんがいらっしゃるんですが、こちらからきかなかったりしています。
 結婚したとあちらから言っていただけたら、簡単なお祝いをお渡ししたりしたこともあるんですけどね。(岩手の塗りのお箸セットとか・・今、夫婦箸と書いて、こういうのも古いなあとおもいました笑)
 時代に追いつけない部分、ありますが、ツイッターで流れてくる知らない言葉は、なるべく、調べます。先日はおやじ構文。サブスクというのは、まだよくわかってないかも。

 ニラの花
 

人との比較は、辛くなるだけ

2022年06月11日 | 雑感など
 先日、かわせみ句会をしました。
 夏雲システムという、大変便利なシステムを作ってくださった方がいて、これが便利。これがなかったら、対面ではなくネットでの句会、こんなにスムーズに気楽にはできないでしょう。
 
 ただ、1つだけ難点があります。
 それは、得点、序列が出てしまうこと。
 一番人気の句から順に・・・。人気の句に選ばれた人は嬉しいけど、最下位になった人は、辛いですよね。ただ、これ、ほんっっとうに、違うんです。一番人気の句が一番いいってわけじゃあない。これは句会の場数を踏めばわかるんですけど、うちの句会は数ヶ月に一度なので、なかなかきついだろうなあと思います。それでも言っておきたい(届かない方も多いでしょうが)。
 一番人気の句が、一番いいってことじゃあないんです。
 最下位が、ダメってことじゃあないんです。

 これは、結社内でもあることです。
 どうしても、毎月の結社紙でも、主宰が順番をつけるように、巻頭というのがあります。それから、大きい文字で掲載される作品、そして、だんだんその他大勢・・私なんか、ずっとその他大勢ですよ!
 
 でもやっぱり、選ばれると嬉しい。それが次への原動力になる。これもまた確かなこと。そこがやっかいです。児童文学だって、そうですよね。あの人はいっぱい本を出している。いろいろ賞をとっている、売れている。他の方と比較していたら、きりがありません。
 でもやっぱり、本が出ると嬉しいし、売れると嬉しい。
 自分がどう頑張っているか。数年前の自分と比較してどうか。
 人との比較ではなく、自分自身が納得できているか、という基準で考えたい。

 話がずれました。
 俳句、やはり認められたい。いいねと言ってもらえると嬉しい。それが句会です。それでも、選ばれなくても、ほめられなくても、自分が作りたい句を作る。そして、基本をやっぱり見直して、自分の句を見直す。そうありたいものです。

 私は、昨年、「童子」大会で、主宰に「あなたは忙しいのに、俳句をやめなくてえらいわね」と言っていただけました笑。「いい俳句つくってるわね」じゃあないんですよ。でもそれでいい。
 そして、私の一句というテーマで原稿を依頼され、

 わたくしはわたくしなりに北開く   辻桃子 をあげました。

 この句は、ずっと私を支えてくれています。これからも、です。
 ほんっと、自分に言ってます。
そう。こうやって書くことで、自分も解放できます。

       
 この木の花は、なんだろう。

   

紅玉忌・『故郷』(偕成社)『風景』(岩崎書店)ー後藤竜二

2012年07月21日 | 雑感など

 本日「季節風」では、〈紅玉忌〉が行われます。前季節風代表後藤竜二が亡くなられたのは7月3日ですが、毎年〈紅玉忌〉として後藤竜二作品の研究会が開かれます。今年は『故郷』と『風景』。どちらも自伝的小説です。

      高学年~大人向け

 北海道美唄のりんご農家の次男として生まれた後藤竜二は、反骨の固まりのような子ども時代を過ごしています。

 私は数多い作品の中で、やはりこの2作が飛び抜けて好きです。東京にいたら絶対参加していたのですが、残念。また竜二忌ではなく、「紅玉忌」と名づけたのは、こちらも代表作に『紅玉』という作品があるからです。本当のことを言うと、俳人的には、紅玉という秋のものを7月に亡くなった方の忌日名としてつけることにかなり抵抗がありました。例えば太宰は6月が命日で『桜桃』という作品があり、桜桃の時期だから「桜桃忌」、芭蕉は11月が命日で「時雨」という季語が好きで、時雨の時期だから「時雨忌」、子規は9月が命日で絶筆となった3句が「糸瓜(へちま)の句だから「糸瓜忌」と、どれもその時期のものをつけています。困ったなあと思っていたのですが、例外がないか調べました。すると、子規忌には「獺祭忌(だっさいき)」というのもあり、これは子規が自分で「獺祭書屋主人」と名乗っていたことからきています。ところが「獺の祭」というのは2月のもの。カワウソは、とった魚を供物のように川縁に並べるという伝説からきています。獺祭は、転じて詩文を作る時に多くの書物をひろげちらかすことも意味しているそうです。「獺魚を祭る」というのが、2月春の季語としてあるので、それを確認してなんだか勝手にほっとしたものでした。

 『紅玉』に関してはもう一つ思い出があります。生前、一度だけ講演会を聴きに行きました。その講演の最後、後藤さんは自ら『紅玉』を朗読。そのときの「明白(ミンパイ・わかった)」という声が未だに耳の奥に残っています。 (新日本出版社) 絵本ですが高学年から大人向け。表紙の絵はいずれもお兄様の高田三郎さんです。あのとき遠かったのですが、行ってよかった。

 秋田でご盛会をお祈りしております。


風力発電・水力発電

2012年06月28日 | 雑感など

 走っている車から撮ったので……。山の向こうの細い風車のようなものが、風力発電です。鳥海山の近く。

 仁賀保風力発電所

 私のような感覚的人間は、風力発電=エコ。いいじゃんと思ってしまいますが、この風力発電は、低周波振動がおきるため、近くに人が住むことができないのだそうです。老後田舎でゆっくり暮らそうと退職金をはたいて買った家の近くに風力発電ができて、おそろしく体調を崩したという話を本でも読みました。だから人が住まないようなところに作られるわけですが、そうするとこんどは長い距離を送電しなくてはならず、えらくコストがかかる。(数字に弱くて。ここで年間いくらいくらかかるのよ! と言えればいいのですがね)

 奈曽の白瀧

 鳥海山の雪解水が流れる瀧です。ここに行く途中には、東北電力の小さな看板がありました。こちらは下にダムがあり水力発電をしているようです。

 私の祖父は、30代という若さで亡くなったのですが、ダムの設計、建設管理の仕事をしていたそうです。実家には東北3県(青森、秋田、岩手)の建設中のダムの写真がたくさんあります。資料的に貴重なものではないかと思っています。(大正から昭和初期のもの)


東京新聞

2012年06月16日 | 雑感など

 東京新聞をずっと購読しています。他紙より安かったからです。子どもにお金がかかっていた頃は、なによりそこがポイントでした。チラシは少なく、読みやすいし何も問題なくずっと続けていました。

 で、この頃東京新聞の評判をちらほら耳にするようになりました。原発関連の記事が他より多いとか? そこで先日人間ドックでの待ち時間、そこにあった大手の他社の新聞を開いてみました。なるほど、原発関連の記事、小さいのがひとつだけ。同じ14日、東京新聞では野田首相の大飯原発再稼働についての演説について、二面に渡って識者たちが「謎解き」をしていました。作家の宮崎学さん、「薬物をやめない言い訳を滔々と主張する薬物依存者の姿に似ている」。神戸女学院大名誉教授内田樹さん、「学生のレポートなら零点」などなど。また「マンガ家が描く原発と新エネルギー展」(日本新聞博物館で7月1日まで)に関連しての記事はカラーで一面。「フクシマの波紋」として海外原発の今、各地で観測された放射線量も小さくですが載っています。

 15日は、「東電の電気料金1割値上げに意義あり」としてとあれこれ。ふむふむ。

 情報というのは、操作できるということなのですね。

 テレビもですが、岩手にいると、年寄りといっしょなので、朝昼夕とごはんを食べながらNHKを観ます。かなりの量の被災地関連のニュースや情報が流れているのですが、東京に来ると、あれ? と思ってしまいます。テレビを観る時間も少なくはなるのですが、朝はNHKをつけています。「被災地からのメッセージ」、あれは他の地域ではやってないのですね……。先日は南相馬から   

 「何も考えずに頑張っていたいと思います」(女性)
 「戦わざるものに勝利なし」((きのこを栽培している方、男性)
 「なにをどうしたらいいのか全くわかりません」 (妹さんを亡くされた女性)
 「開拓38年の想いは簡単には捨てられない」 (酪農をしている男性)、が出てらっしゃいました。女性アナウンサーが二人、ふざけあって便利グッズを紹介するコーナーはやめて、被災地からのメッセージを放送していただきたいです。

 さて今日は、

 http://jibunkyo.no-blog.jp/blog/2012/05/311_c597.html へ行ってきます。

 ところで、東京新聞。実は一番のお気に入りは、4コマ漫画「おーい栗之助」です。時代物4コママンガです。