fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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『みちのく山のゆなな』(国土社)『ファミリーマップ』、エンタメシリーズ『家守神』1~4巻、『おはようの声』幼年童話『ヘビくんブランコくん』『オンチの葉っぱららららら♪』、短編集『友だちの木』・歴史物語『アテルイ 坂上田村麻呂と交えたエミシの勇士』他、好評発売中です。原稿・講演など各種ご依頼は、左側のメッセージからお願いいたします。    

間引き菜~河北新聞連載始まります。

2020年08月30日 | 日記
 インスタに写真俳句を発表していますが、先日は、

 菜を間引く名刺整理をするごとく  あぶみ  

 というのを出しました。大根や青菜など、一カ所に3粒くらいの種をまいて、芽が出て伸びてくると、一番元気な1本を残して間引きます。間引き菜、間引き大根、うろ抜き大根など、秋の季語になります。
 さて、俳句のできはともあれ(はっきりいってたいしたことない)、ちょうど新刊をお送りするため、名刺ホルダを開いていたら、すでに故人の方のものがあったり、5年以上前にお会いしてその後交流のない方、新聞社の方など所属が変わっているかなというのもけっこうありました。放っておくと増える一方なので、ほんの数枚ですが、処分させていただきました。
 でも、これ、案外、胸にチクリとするものがあって・・・。もしかしたら(というか、たぶん)私の名刺もこうして処分されているだろうなとか。あと、いつか、またご縁があるかもしれないし、とか。
 
 そして、ふと作品も、こうして間引きながら育てているなあとも思ったのです。
 1作品をものにするため、その作品だけを書くということをせず、他にもたくさんの作品を書いています。その中では、ファイルからもう削除してしまったものもありますし、じっと眠っているのもあります。
 こうして、たくさんの種をまき、のび具合によって、それに栄養を与え、作品化を目指します。
 問題なのは、間引いたほうの作品です。
 
 いったん別の畑に植えておいて、何年か後にまた着手するのがいいのか、潔くあきらめたほうがいいのか。私はどちらかといえばあきらめきれないほう。

 その1つが、こんど河北新報で連載する「みちのく山のゆなな」です。



 この作品の原型は、何年も前に書いたもの。その後、何度も書き直していますが、どうもうまくいかない、でも捨てられないというものでした。
 このたび、河北連載を視野に入れ、ただの山神だったのを、みちのく山の神とし、舞台を東北のどこかにある山とイメージしました。そうしたことで、かなり内容が深まりました(と、自分では思っています)。
 そんなこともあるので、やはり間引いたものは、熟成する期間という意識がいいのかなと思っています。

 *連載は、9月3日(木)。毎週木曜日の夕刊。夕刊のない地域(宮城以外?)は、金曜日になると思います。この辺はあとでまた確認します。ぜひお読みください。 
 後日もう少し詳しく、内容をお知らせいたします。 

 

『俳句ステップ!』発売です!! よろしくお願いいたします。

2020年08月28日 | 自作紹介
      

 本日発売日です。地方など、来週になる書店さんもあるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

  

  

 佼成出版社さんのサイトに出してくださっている中の画像です。こんなふうに、イシヤマアズサさんのイラストがたくさん。とってもかわいいです。
 俳句物語、高学年や中学生向けのものはありますが、中学年向けのものでは、初めてではないかと思います。国語の教科書で最初に俳句が出るのが3年生。近年の俳句ブームもあり、小学校で俳句の授業も始まっています。ぜひ、親しんでいただきたいと思います。
 

残暑お見舞いを申し上げます

2020年08月25日 | あいさつ
 コロナ、熱中症という言葉が聞こえない日がありませんが、少しずつ秋の気配はしています。
 エアコンも朝の数時間は、つけなくても平気になってきました。
 蝉が鳴いていますが、命を終え、落ちている蝉も見かけるようになりました。

   白いのは、仙人草。
 
   赤い小さな花は、なんでしょうか。

  数日歩かない道を歩くと、ふとこの前は咲いていない花があり、この変化が嬉しいです。
*追記 赤いのは、マルバルコウソウと教えていただきました。

『俳句ステップ!』おおぎやなぎちか作・イシヤマアズサ絵(佼成出版)

2020年08月22日 | 自作紹介
    

 28日発売ですが、見本を送っていただきました!! いい感じです。

 主人公七実は三年生。ある日、担任の先生が、「このクラスから俳句大会での大賞が出た」と発表します。黒板に書かれたその俳句は七実のものでした。ところが作者の名前は別の子。優等生の早知恵だったのです。え、どうして? どういうこと?  
 
 俳句歴のほうが児童文学歴より長い私にとって、この俳句物語を出せたことは、特別なこと。
 有名な俳句はもちろん、小学生達が作った俳句として私が考えた俳句も出ています。

 書店へのご予約をぜひ、お願いいたします。

改めて宮澤賢治を

2020年08月20日 | 日記
 宮澤賢治を読んでます。って、今更? 
 そう。そりゃあ、これまでも読んでましたよ。いろいろ。
 
  
 
 なぜまた読もうと思ったかというと、宮澤賢治は、1921年に岩手の家を出て、東京本郷に住みます。そして、妹トシが危ないという知らせを受け、帰るまで、東京でたくさんの童話を書きます。
 そう。来年2021年は、賢治が本格的に創作を開始して、100年目にあたるのです。それを知り、もう一度読もうと思い、文庫の全集を買いました。これが、よかった!
 カバーに安野光雅さんの絵があるだけで、中には一切イラストがありません。
 これまで読んだものは、いろんな方が素晴らしいイラストを描いた絵本や本でした。でも、そのイメージがあまりにも強烈で、賢治の言葉を味わう妨げになっていたことに気づきました。
 イラストがないほうが、ずっと心に沁みます! 

 ただ、子ども向けの本として出す場合は、やはりイラストいりますよね。
 でも大人の皆さんには、ぜひ、イラストなしで味わうことをおすすめしたいです。

 さて、賢治はトランクいっぱいに童話を詰めて、花巻にもどり、毎日トシにその童話を読んでやります。これから、しばらく賢治は「注文の多い料理店」を出した、「永訣の朝」を書いたと、100年前の賢治に思いをはせる年月を過ごすことができます。

 

悩ましいです

2020年08月19日 | 日記
 月一回多摩センターでやっている句会は、今通信句会にしています。
 メールをしない方もいるので、その方達にはFAXで投句していただき。でも、今回このとりまとめや句会費など経理は、別の方にお願いをしました。(お二人)対面での句会のまとめはやっていましたが、ぽつぽつ来る俳句をまとめたりするのは、案外神経も使うし、でも大事な俳句なのでミスはできないし、私はうっかりが多いので、お願いをしました。ホントによくやっていただいて、感謝。
 9月からはそろそろ対面でできるかなと思い、会場も押さえていただいていました(これも、担当の方がいます)。

 でも、感染は収まるどころではありません。
 長くお会いしていないので、集まって顔を見たい。対面だからこそ、忌憚なく言い合えることもあります。
 学校や会社など、感染に注意しながら社会は動いています。
 でも、あちこちでクラスターが発生したというニュースもまた聞こえてきます。

 高齢者が多いけれど、若い方もメンバーにはいます。
 何より私自身、いつ感染するかわからないというのが、今の東京の状況。

 年内はもう無理か。というより、来春まで無理か。というより、期限を決めず、当面通信句会にとしたほうがいいか。
 悩んでいます。会場キャンセルに料金がかからない28日まで決断しなくては。(っていうか、ほんとはもう、決めていますが)
 ZOOMでというやり方も若い方たちはやっているようですが、何しろメールさえやってない方がいますから。

  

 ワクチンと治療薬ができないかぎり、前の暮らしにはもどれないように思います。
 ウイルスが変異し、毒性が弱まっているという情報もありますが、不確かです。そして、感染して直った(陰性になった)人が後遺症で苦しんでいるという情報も。やはり、怖いです。

 

『しゅるしゅるぱん』コンビ復活! 

2020年08月17日 | 自作紹介
        

 

 2015年に福音館書店から発売になったデビュー作です。
 
 ご先祖様を供養するお盆が過ぎましたが、この本は、4世代にわたる1家が描かれています。正確にいえば、一家ともう一人、三枝面妖という妖怪作家がその一家に関わることで、生まれた少年を描いています。

 私たちこの個人がここに存在するということは、奇跡のようなこと。両親がいて、そのまた両親がいて・・・と、命の繋がりを感じていただけたらと思います。といっても最初からそういうテーマで書いていったわけではなく、最終的に「ああ、これは命の繋がりの物語」だと自分自身が納得したものでした。

 アマゾンでは、めずらしく在庫があります。今本の流通が滞っているのか、他の本は、なかなか補充されずに、品切れだったりするのですが、これは大丈夫です。
 
 絵を描いてくださったのは、仙台在住の古山拓さん。東北の景色を描ける方ということで、編集者さんが探してくださいました。
 実は9月から、宮城県を中心とした東北の新聞社、河北新報社さんで、毎週木曜日の夕刊、童話を連載します。1面まるまる使った贅沢な紙面づくり。この物語の挿絵も古山さんです。『しゅるしゅるぱん』コンビ、復活!
 新聞連載については、また近づいたら告知させていただきます。

終戦記念日~『オオカミのお札(二)正次が見た影』

2020年08月15日 | 日記
 きょうは終戦記念日です。
 年をとるごとに、この日に対しての思いが深くなります。
 決して、今後戦争が起こってはなりません。強く強く思います。

 

 これは、『オオカミのお札 (二) 正次が見た影』の挿絵の一枚です。
 父親が戦地へ行き、母と双子の兄と家にいましたが、とうとう自分たちが住んでいる町にも空襲がきます。八王子空襲を調べて参考にさせていただきました。

 

 先日は、地元の郷土資料館に立ち寄ったのですが、ここにも、戦時中の資料がありました。米軍が空襲を予告して事前に撒いたチラシがありました。我々の敵はあなたたちではなく、おろかな指導者だというようなことが書いてありました。そしていくつかの町を名が裏に書かれていて、ここの人達は、離れなさいとあるのです。八王子、久留米など・・・。そして実際に八王子は空襲にあいました。

 『オオカミのお札』では、早く大きくなって兵隊になりたい。お国のために戦いたいと思っていた正次ですが、生き残ることこそ大事なことだと気づいていきます。
 あの戦争で、たくさんの命が奪われました。しかも、戦地では餓死が多かったともいいます。むごいことです。自分の子どもや孫が、そんなことになったらと、まずは思えば、戦争はあってはならないとわかるはず。子どもがいない人でも大切な人がいるでしょう。次に戦争になったら、女性だからといって猶予はないかもしれませんよ。なにしろ、男女同権なのですから。以前とはちがい、これからは、重い鉄砲を担いでの戦争の時代ではないのですから。
 
 人と人との戦いは、古代からありました。それを思えば、人はなんとおろかなことと思ってしまいます。学んでいないということですからね。
 10月発売予定の本は、その古代の戦いを描いています。
 描きながら、いろいろな疑問もわいてきました。結局強い相手に屈しなくてはならなかった? ただ、それで物語を終わらせてはならない。そう思いながら描きました。
 新刊情報、まだ出ていませんが、きょうという日を考えていたら、つい書いてしまいました。
 でも10月はきっとあっという間。
 どうぞよろしくお願いいたします。
 
 
 
 

絹の道資料館

2020年08月14日 | 日記
         

 八王子はかつて絹産業がさかんでした。今の横浜線は、八王子から横浜へ絹を運んだ「絹の道」の名残です。
 その八王子遣水というところに、絹の道資料館があります。小さな資料館です。
 
  

 絹という布が、蚕という幼虫の口からはき出されたものということ、その生糸の美しさを実感できます。自然って、すごい。

 この資料館には、10年以上前に俳句の人達ときたことがあったのですが、展示が少し変わっていました。当時は、蚕に関する古文書も展示されていて「蚕の養育書」というのがあったのが印象的でした。でも今回そういうのはありませんでした。
 古文書はずっと出していると痛むのかもしれません。

 でも「養育書」という言葉から、どれほど蚕を育てることを大事にしていたのかがうかがえました。

盆の入り

2020年08月13日 | 日記
 きょうからお盆。
 うちは、夫が先日一人でひっそり行って、早めの墓参りをしてきました。
 きょうは、おじさんがまた行ってくれます。ご先祖様も、それで勘弁してくれるでしょう。
 
  
 カラスウリの花。夜しか咲かない妖艶な花です。

 出版社もお休みだけど、画家さんは休みなしで、10月予定のイラストの仕上げをしてくださっています。
 今朝2枚送られてきて、今日中に4枚と書かれていました。
 ありがとうございます!! 
 歴史ものなので、ラフの段階で細かいチェックも入り、神経を使っていただいています。でも、いいですよ~。お楽しみに。

 

コロナの時代の新しい表現方法

2020年08月10日 | 日記
 8月9日の秋田さきがけ新聞ウエブ記事です。(一部)


 目の前でダンサーが踊り始める。観客はただ一人。見る側と見られる側の間に緊張感が走る。まるで、真剣勝負のような時間が流れていく。

 6月14日。秋田市大町のココラボラトリー(通称ココラボ)で小さな公演があった。タイトルは〈ダンス、おひとついかがですか?〉。踊り手は秋田市のダンサー、加賀谷葵さん(29)。

 実はこの公演、コロナ禍が生んだ一つの試みだった。

 ココラボ代表の後藤仁さんが語る。「決まった開演時間に、集まった人の前で踊るのが通常のダンス公演だと思う。でも今回は違った。お客さんは好きな時間に来て、ダンサーはその人に向けてマンツーマンで踊る。一人のためのダンス公演だったんです」


 このダンサーは、私の友人の娘さん。昨年までイスラエルにダンス留学をしていた方です。
 この試みを聞いたときも、すごいなあと思いました。今観客席の間を開けての公演、ウエブでの観覧などが行われていますが。このように、1対1でというのは、他に聞いていません。近くだったら、絶対に行きたかったと思います。当然、一人の方のために踊る時間は、短いでしょう。ダンサーにしてみれば、大勢の観客の前で一度に踊るより、ずっと大変かもしれません。

 何が素晴らしいって、人と同じことをするのではなく、自分の頭で考えてやっていること。

 私の場合、みちのく童話賞を立ち上げたとき、まさか2020年がこんな年になるとは思ってもいませんでした。でも今、本当にやってよかったと思っています。大勢が集まらなくてもできること。これからは、そこを模索する時代なのかもしれません。

 

おおぎやなぎちか文庫コーナー

2020年08月09日 | 日記
            

 出身小学校の図書室前に、コーナーを作っていただきました。 
 感激。
 そうだよね。自分が今通っている小学校出身の人が書いた本。私が小学生だったとしたら、「へえー、そういう人いるんだ」と思うと思います。これからも、新刊をお送りさせていただきますね。

みちのく童話賞 募集要項詳細・Q&A

2020年08月07日 | 活動
 実行委員長を務めているみちのく童話賞の募集要項の詳細と、Q&Aを、HPにアップしました。

 原稿の受付は、来年3~5月ですが、ぜひ今から取り組んでいただけたらと思います。
 また、この賞は、東北在住と、地域限定です。東北以外の皆様には申し訳ありませんが、来年は、東日本大震災から10年の年。その復興支援の一端を担いたいということもあり、限定とさせていただきました。
 ただし、例外もあり、童話塾in東北に参加経験のある方は、OKです。本当は今年、11月か12月にも開催予定だったのですが、新型コロナウイルスのため中止になりました。

 光をテーマとした、童話、お待ちしています!! 

  イラスト RUKO

暑中お見舞い申し上げます

2020年08月05日 | あいさつ
 7日は立秋。なんと、梅雨明けから、このご挨拶ができるのが、こんなに少ない期間なんて!

  

 2020年は大変な年だった。みんな苦しんだけど、乗り越えた。数年後には、そう振り返ることができますよう。
 ご自愛ください。
 

『こぐまと星のハーモニカ』赤羽じゅんこ作・小池アミイゴ絵(フレーベル館)

2020年08月04日 | 本の紹介
              

 赤羽じゅんこさんの新刊。幼年童話です。
 
 ぬいぐるみのようなこぐま。しかもぼくだけに見える。
 コミカルで楽しい。

 ぼくはでも、友達とけんかしたばかり。本当は仲直りしたいのに、きっかけがつかめません。
 苦しくなって、こぐまにぎゅっと顔をうずめます。

 このシーンがすき。
 こぐまの体はふわふわで、お日さまにほしたおふとんみたいだった。

 赤羽さんは、星に興味を持っていらっしゃるようです。
 さて、こぐまの正体は? ぜひ、読んで想像してください。