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fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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Information

『そこに言葉も浮かんでいた』(新日本出版社)『アゲイン アゲイン』(あかね書房)『わくわくもりのはいくえん はる おともだちできるかな』『みちのく山のゆなな』(国土社)『ファミリーマップ』、エンタメシリーズ『家守神』1~5巻、『おはようの声』幼年童話『ヘビくんブランコくん』『オンチの葉っぱららららら♪』、短編集『友だちの木』・歴史物語『アテルイ 坂上田村麻呂と交えたエミシの勇士』他、好評発売中です。各種ご依頼は、左側のメッセージからお願いいたします。    

『なのはないろのわたしのえ』佐々木ひとみ作・よしむらめぐ絵(世界文化社)

2025年02月12日 | 本の紹介

 佐々木ひとみさんが、絵本を出版されました!

        

 大きな表紙には菜の花がいっぱい! 女の子が笑顔で両手を広げています。

 この表紙がもう、「いいぞいいぞ」と誘ってくれているようです。

 くるみは、参観日に「いちばんすきなものをかきましょう」と言われ、おかあさんと見た菜の花畑を描きました。そこだけお日様があたっているようなあざやかな黄色。

 でも、男の子に「なんじゃそりゃ!」「まっきっきだあ」と騒がれ、笑われてしまいます。先生はは、「これはまだ途中だよね。気にしないで続きを描こうね」となぐさめてくれましたが、絵はもうとっくにできあがっているのです。このひと言、傷つくなあ。

 でも帰り道、くるみはその菜の花畑へ行き、蜂飼いのおじいさんと出会います。

 おじいさんが、くるみの絵を見て、なんと言ったのか、ぜひ読んでください。

 上手じゃなくても、ほめてもらえなくても、描きたくて描いた絵なのです。くるみにとって、大事な絵なのです。そういうもの、誰にでもありますよね。人の批評に左右されず、自分の大切なものを守りたい。この絵本を読んで、そう思うことができました。

 小学校低学年対象でしょうが、高学年~大人にも響くと思います。

 絵本の力を感じました。


『暴走するAI』赤羽じゅんこ作/lico絵(国土社)

2025年01月09日 | 本の紹介

         

 昨年末から赤羽じゅんこさんの新刊が続きます!

 国土社さんのパステルショートストーリーシリーズ最新刊。シルバーです。

 全てAIが絡んだ短編6話。おもしろかった! 一気に読めます。

 どれも、もしかしたら近い将来ありえるかも? という話。

 第一話の「トモアチ*スマホ」は、今のアレクサと会話できるのが進化したようなスマホ。主人公は会話するのですが、絶対否定しないので、話しやすく、気の合う友だちみたいです。一晩中でも話していたくなるほど。おこられそうになったとき、おかあさんの機嫌までとってくれます。でも、話はそうはうまいことばかりはいきません。そこは、ぜひ読んでください。

 人間の欲望をうまく絡めた作品ばかりで、AIに頼りすぎるのは怖いと思わせてくれます。

 監視ドローンしかり。子どもの安全を見守るはずのものが、監視されていると感じられるようになる境目はどこなのでしょう。いじめにつながるAIの使い方しかり。

 AIで、私も物語を挑戦したくなりました。苦手意識はだめですね。

 パステルショートストーリー、学校図書館などでは、全巻揃えていただきたい。休み時間にさくっと読めるシリーズです。私は『友だちの木』イエローグリーンを書いてます。


『ミルキーウェイ 竹雀農業高校牛部』堀米薫(新日本出版社)

2024年12月21日 | 本の紹介

      

竹雀農業高校に進学した夢生(むう)の3年間の物語。

実際に牛を飼っている堀米薫さんならではの、でも初のYA作品です。ただ、堀米さんが飼っているのは、和牛。この物語に出てくる牛さん達は、乳牛です。この違い、堀米さんの作品をこれまで読んできてわかったことです。

ノンフィクションでも、農業高校のことを書かれていたことも思い出しました。取材はこれまで十二分に行っているはず。そもそも、生活圏に牛さんという存在がすぐいる方。その成果がばっちり生かされた物語です。

農業高校といっても、部活は普通高校のようにいろいろあります。でも、夢生が入ったのは、牛部でした。牛部って、いい響き。最高です。

牛にどんどん惹かれていく夢生。でも高校生ですから、恋もします。進学問題もあります。

俳句の吟行で(そんなんで、すみません)、神奈川県の農業高校の校内を歩いたことがあります。牛、いましたよ! 豚もいたなあ。あそこは、リニアの駅ができるため移転したんだったか・・。どうなったでしょうか。

とにかく、農業高校の生徒さんは必読書! そして、普通高校の生徒さんも、ぜひぜひ! 中学生だったら、進路を考えるヒントになるかも。大人の人も人生は多様であることを、改めて感じることができる物語だと思います。

以前工業高校が舞台の物語は読んだことがあるけど、農業高校は初じゃないでしょうか。

新日本出版社さんからの発売ですが、実は私が来週出る『こんな部活あります 文芸部 そこに言葉も浮かんでいた』と同じ編集者さんが手掛けられた本。ぎゅっと抱きしめたくなります。抱きしめます。

 


『まいどばかばかしいお笑いを!』赤羽じゅんこ作/フジタヒロミ絵(講談社)

2024年12月04日 | 本の紹介

          

赤羽さん、この前新刊が出たばかりなのに! 乗りにのってるベテラン作家です。

シリーズおはなし日本文化の中の一冊で、お題は「落語」。赤羽さんは、落語好き。すでに何冊か落語をテーマにした作品をお持ちです。その一冊『がむしゃら落語』(福音館書店)は、産経児童文学賞をご受賞されてもいます。

さて、今回の作品の特徴は女性落語家。

中にも書かれていますが、今おしゃれな女性落語家が増えているのだそうです。でもまだまだ、落語というと男性落語家を思い浮かべます。

 天音は、おしゃべり。でも話しているうちに、話があっちにいったりこっちにいったり、うまく話せるようになりたいと思っていました。そこに母の知り合いに女性落語家がいて、教えてもらえるという運びに。まずは、ネタを覚えるのに一苦労。でも覚えておしまいではありません。

 その様子を楽しく読むことができます。目標は老人ホームでの実演。

 挿入されている落語は2本(本でいいのかな?)。これが長すぎず、そして楽しい。

 新宿の末廣亭が出てきますが、私は浅草の会場に一度行ったことがあります。自由に出入りができること、マジックなんかもあり、楽しかったです。落語という日本の文化。きっと引き継いでいかれることでしょう。ぜひ、お読みください。


『世界に挑む! デフアスリート! 聴覚障害とスポーツ』森埜こみち(ペリカン社)

2024年11月24日 | 本の紹介

      

 森埜さん、つい最近『銀樹』というファンタジーを出されたばかりなのに!

 今度は、ノンフィクション。デフは「耳がきこえない」という意味だそうで、2025年にはでデフリンピックが日本で開催されます。それにさきがけて出されたこの本、8人の日本人デフアスリートにインタビューし、手話のこと、デフスポーツのことなどわかりやすく書かれています。

 森埜さんは、『蝶のはばたき、その先へ』という本もあります。あれは、耳なりをすぐに治療しなかったため、耳が聞こえにくくなった少女の物語でした。森埜さんご自身が手話を習っていることも聞いたことがあります。長くこのテーマと向き合っているのだと思います。

 生活のこと、医療のこと、コミュニケーションのこと、仕事のこと、学校のこと、いろんな配慮が必要ですが、それさえあれば、楽しめるし、生き生きと暮らすことができるのだと、改めて思います。

 デフリンピックには、オリンピックにはない種目もあるのだそうですよ。

 どんな種目か、ぜひ本をチェックしてみてください。


『15歳の昆虫図鑑』(五十嵐美怜作)講談社

2024年11月23日 | 本の紹介

      

第64回講談社児童文学新人賞佳作入選作です。 

作者の五十嵐美怜さんは、すでに児童文庫で何冊も本を出されているプロの作家さん。でも、児童文学を書きたいという夢を追い続けていたとのこと。講談社児童文学新人賞は、プロアマ問わず応募できる賞なのです。では私が今応募したからといって(応募資格はある)、入選できるか? とんでもない。そんな甘いものではありません。新人として、これから書いていけるかどうか、という基準もまたあると小耳にはさんだことがあります。

文章力はもちろん、内容にオリジナリティがなければ、受賞は難しいでしょう。

この『15歳の昆虫図鑑』でいえば、虫好きな転校生とからむことで、ぎくしゃくしていた4人の中学生達をつなげ、それぞれ本来の魅力、力を引き出しています。王道の児童文学であり、児童文庫で培った筆力もいかんなく発揮されています。それは、読みやすい! ということ。それぞれのキャラがしっかりと立っていることなど。

短編連作でありながら、全体がつながっているというこの形式、好きです。

五十嵐さん、きっと虫好きなのでしょうね。「好き」は作家にとって強みです。もちろん、それだけではなくしっかりと調べてもいらっしゃる。

2作目3作目が楽しみです。


東北6つの物語第2期2冊予約受付中!

2024年11月16日 | 本の紹介

     

 今度は『東北こわい物語』と、『東北スイーツ物語』です。

     

 対照的な2冊。私はこの2冊には書いていませんが、12月4日発売予定。

 来年になって『東北偉人物語』が出ます。そちらには、書いてます。

 まずは、第1期の3冊と、この2冊、ぜひお読みください。ほんっと、おもしろいですから!! 


『ゴール! おねしょにアシスト』井嶋敦子作・こばやしまちこ絵(国土社)

2024年11月13日 | 本の紹介

      

 井嶋敦子さんの新刊です。

 おねしょで悩んでいる小学生の子の物語。たぶん、他にはないのではないでしょうか。

 読んで、驚きました。10歳くらいでもおねしょで悩んでいる子、いるんです。でもあまり聞かないのは、本人や家族が言わないから。井嶋さんは小児科医として、そんなお子さんをたくさんご存じなのでしょう。とてもリアルです。

 サッカー少年でもある海斗、転校してきた礼流、そして元気な女の子まほ、実は3人ともおねしょで悩んでいたとは! 3人は力を合わせて、おねしょを克服。サッカーでも力を合わせます。

 おねしょには、薬もある。おねしょをしちゃうのは、膀胱が小さいから。膀胱にどのくらいおしっこを貯められるかはかるなんてシーンもあります。よく精神的なものと片づける傾向がありましたが、そうじゃないんですね。

 おねしょに限らず、悩みは一人で抱えないほうがいいですね。

 ちゃんと解決の糸口がある。

 物語として楽しいので、たくさんの子に読んでもらいたいです。その中におねしょで悩んでいる子がいたら、え! 薬があるんだ! となるかもしれません。井嶋さんじゃなければ書けない物語でした。そう。作家一人一人に、その人じゃなければ書けない物語があるはず。

 わたしにも。そう信じて書いていきましょう。


パステルショートストーリーGray『いつも会う人』新井けいこ作・Lico絵(国土社)

2024年11月04日 | 本の紹介

       

パステルショートストーリーの新刊です。色はグレー。黒でも白でもない色。

なるほど。友達なのか? そうじゃないのか? 疑心暗鬼になる心。そこをうまく描いています。

私は特に「エレベーター」という作品が好きでした。

このシリーズは、ほんとにさくっと読めます。でもずしんと来るものがあり。シリーズ全体で、もっと盛り上がってほしい。というのも、私はイエローグリーンを書いているからです。『友だちの木』と木にまつわる短編集です。

    

 このあと、何冊も出ています。


『銀樹』森埜こみち作・日下明絵(アリス館)

2024年11月03日 | 本の紹介

       

 カバーイラストの真ん中にある銀樹。なんて、美しい。

 森埜こみちさん、渾身のファンタジーが発売になりました。

 シンという少年は、深い傷を負い、朽葉という里の者の薬師に助けられます。薬草を知り抜いた薬師の元で育ち、やがてシンも薬師になるのですが、朽葉には、銀樹という不思議な樹があり、実はかつてシンもその木から採れた薬で助かったことがわかります。その存在や場所は他の者には教えてはならない。しかし・・。

 人の欲が、銀樹を狙ってきます。

 深い森、薬草。大好きな世界でした。

 時代も国の名も書かれていません。ハイファンタジーといっていいのかどうか。しっかりと地に足のついた物語。私もこういうファンタジーが書きたいです。

 森埜こみちという作家の底力を感じる一冊、ぜひお読みください。

 


『おおなわ跳びません』赤羽じゅんこ作・マコカワイ絵(静山社)

2024年10月17日 | 本の紹介

          

 赤羽じゅんこさんの新刊です。

 まずタイトルが好き! 大繩跳び・・ません! ですから。

 足にハンディのある双葉は、自分が大縄跳びに出ると他のクラスに勝つことができない、「おおなわ大会は出ません」と宣言します。でも、はい、そうですか。というわけにはいきません。何しろ大縄跳び自体が、みんなで気持ちを一つにして的な競技なのですから。

 自分がひっかかるとそこで止まってしまう。これ、考えただけでもプレッシャーです。私は子どもの頃、運動神経はいい方だったし、縄跳びも得意でした。それでも嫌。やりたくない。普段はよくても、本番になると緊張してつっかえる場合もあるでしょう(物語でもそういう場面あり)。まして双葉のように足にハンディがあった場合、どれほどのプレッシャーか。

 そんな双葉をとりまくクラスメート6人+双葉の7人の視点で、物語が語られます。それぞれの気持ち、考えが交差し、どうしたらいいのかわからなくなり、双葉は学校に来なくなってしまうし・・。

 今多様性多様性と叫ばれている時代で、運動会も順位をつけなかったり? 団体生活の中で戸惑うことが多いのではないでしょうか。

 双葉はカウント係になったらいいのか、それとも・・。

 一人一人の気持ちをきいていくと、おおなわ跳びが嫌なのは双葉だけではないこともわかります。

 読んでいて、わー、これどう着地させるんだろう。難しいなあと思いました。

 そこ、さすがベテラン作家です。ぜひ、読んでください。この本、子ども達が話し合う、考える、自分の意見を見つめるなど、子どもによっていろんな気づきができるものだと思います。

 本の装丁も、すごく好き。岡本歌織さんというデザイナーさん、今後も要チェックです。


句集『るびい17』

2024年10月12日 | 本の紹介

      

 知り合いの作家さん達がやってらっしゃる「るびいの会」の句集をいただきました。

 17人のメンバー全員が、児童文学作家か元編集者さんなど、児童文学にかかわっている方達です。メンバーを引っ張ってらっしゃる忍々さんが、俳人、坪内稔典さんの系列とのこと。読んでいて、俳句を楽しんでらっしゃるのが伝わってきます(何人かエッセイには、苦しんでと書いてますが)。

 選りすぐりの中から、好きだった句をあげさせていただきます。

 銀河より散らばり落ちる鼓笛隊 

 海底に放つたままの沖縄忌   忍々

 サザエさんちもワニを一匹飼ってます  てんまり

 今宵雪は嘘をつきに舞い降りる    酔命酒

 朝曇りお釜を背負った人がいた  案山子

 青みかんドアの向こうで咳一つ

 話したりない日胸の小人がラムネ飲む  純子

 銀漢眺めカリツと金平糖  踊波

 空蝉の中にかくれる夏の影

 吾の中のずるさよ蜥蜴の丸い眼よ   ふくね

 泳いだか流されたのかここにいる  夢眠

 棄てたこと棄てられぬこと秋の雲   酔牛

 春の夜の睡れん鉢の底の泥  くるむ

 終点は五月晴れだよいざさらば   萱

 はぎしりし八月の底ゆききする   丹太

 カーネーション涙もろくて骨もろい  満月

 連結のはやぶさこまちねぷたまつ  朔

 

 きっと句会後は、楽しく飲んでらっしゃることでしょう。句集には、児童文学者としてのペンネームも書かれてましたが、ここでは出さずにおきますね。

 皆さん言葉のプロなので、5・7・5の定型に収まっていなくても、詩であることをきちんと意識してらっしゃる。定型を意識しつつそこからはみ出している句は、魅力的。これは今の私の心境ですし、今書いている物語でも書きながら考えていること。

 よい刺激をいただきました。ありがとうございます。


『作戦会議は疫病神と!?』田部智子作・黒須高嶺(国土社)

2024年10月11日 | 本の紹介

        

 田部智子さんの新刊。中学年向けファンタジーです。

 朝からついてないことばかり起きていた涼平が学校に急いでいたら、なんと疫病神が目の前に現れます。表紙のイラストでは肩に乗っている小人のようなもの。涼平はレベル2の不運だとか、同級生の倉田はレベル6だとか。疫病神にもランクがあるらしく、涼平は手伝いをするはめになってしまいます。

 疫病神と作戦を考えたり、実行しようとしてもうまくいかなかったり。

 きっと読んでいく子も、友だちを不運にしようとしたら・・なんて考えるのではと思います。

 中学年は、読んでもらう時期から卒業して自分で本を読む時期。そこにゲームという大敵が現れ、本離れが進んでしまいます。なので、この時期に男の子が喜んで読める本は貴重です。そういう一冊になるのではないかと思いました。

 


写真集『弘南鉄道大鰐線50景』今泉忠淳(北方新社)

2024年10月03日 | 本の紹介

                           

 今泉忠淳さんは、如雲という俳号を持つ俳人です。

 これまで何冊も、モノクロ写真集を出され、ご恵贈いただいていますが、今回は大鰐線!

 今年2回、千葉の銚子電鉄に乗り、秋田へ行けば、内陸縦貫鉄道に乗りたい! 乗らなきゃ! と思っていた私には嬉しいプレゼントでした。大鰐線は、昭和時代には東急東横線を走っていた車両が利用されていて、中には「渋谷109」とつり革に広告がそのままあるとのこと。

 「童子」の仲間ですが、弘前大大学院にお勤めの医師でもあることが、巻末の著者プロフィールにはそう書いています。実は俳人は実生活はちょっと耳にする程度で、存じ上げないことも多いのです。なので、改めて拝見して、すごい! と思ってしまってました。

 座を共にする俳人の経歴はほんとに様々。私もその一人なわけ。

 ,如雲さんの視点は俳人ならでは。楽しませていただきました。

 児童文学の世界も、出版が難しいという話が先日出ました。でもこうして、本は自分で作れるんですよね。こちらは北方新社という青森の出版社さんから出ています。オオカミのことを調べたとき、こちらの出版社さんが作った本も読みました。

 みちのく童話賞作品集はネットプリントを利用しましたが、とても親切で早く、仕上がりも満足でした。もし第二句集を作るとしたら、ネットプリントもいいなと思ったほど。


『復活! まぼろしの小瀬菜だいこん』野泉マヤ作・丹地陽出版)

2024年09月05日 | 本の紹介
       
 一面の大根の花の表紙。主人公の女の子が抱えているのは、小瀬菜大根です。普通の大根と違い、葉っぱを食べるのだそう。
 野泉さんがかねてより、地元に伝わる小瀬菜大根の普及活動をなさっていることは存じ上げていました。テレビにも出演してらしたんですよ! その活動から生まれた本。見事です。
 ただ、興味を持って取材して書いたのではなく、しっかり活動している中から生まれた本というのが、とにかく素晴らしい。ディテールがしっかり描かれています。
 主人公の友人関係が変化が、大根作りと平行して進んでいきます。その描き方も、さすが。

     

 私は大根の葉っぱが大好き。スーパーではなかなかないですが、地元の農家で売っている葉つき大根をゲットできたときは、まずは葉っぱを刻んで、シラスといっしょにごま油で炒めたり、挽肉と炒めて味噌味にしたり。チャーハンもおいしい。
 小瀬菜大根、食べたいです。
 このように、今ある野菜の種を大事にとって、伝えていかないと消滅してしまう野菜が結構あるとのこと。伝統野菜といういい方も初めて知りました。
 たくさんの子ども達に届いて、食べてもらいたいです。