fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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『みちのく山のゆなな』(国土社)『ファミリーマップ』、エンタメシリーズ『家守神』1~4巻、『おはようの声』幼年童話『ヘビくんブランコくん』『オンチの葉っぱららららら♪』、短編集『友だちの木』・歴史物語『アテルイ 坂上田村麻呂と交えたエミシの勇士』他、好評発売中です。原稿・講演など各種ご依頼は、左側のメッセージからお願いいたします。    

『中川学圖案繪集 UKIYO』玄光社

2018年05月29日 | 本の紹介
 

 『オオカミのお札』のイラストを描いてくださった、中川学さんの、作品集です。
  
  中川さんは、イラストレータというソフトで絵を描いていらっしゃるそうです。
  作風は、モダンかつ和。粋!




  時代小説の挿絵、雑誌の表紙、一枚の絵、絵本、ポスターと、様々なお仕事をしてらっしゃいます。実は本業が京都の瑞泉寺のご住職という異色の画家さんです。ご住職としてのお名前は、「中川龍学」さん。「龍」に弱い私は、この本が入っていた封筒のそのお名前を見て、「おおっ」とうなりました。なるほど、この作品集の表紙も龍です。
 中には、幻想的な絵がふんだんに展開されています。
 『オオカミのお札』は、この方の絵があったことで、子どもにも手に取りやすい本に仕上がったと、感じています。
 
 開催中のパネル展、私も拝見したいので、7月には仙台に行きます。お膝元の京都での開催も決定したようです。

第42回児童文芸家協会賞贈呈式

2018年05月25日 | 日記
         

 昨日、贈呈式及び懇親会がありました。
 たくさんの皆様に祝福をいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。

ご挨拶しそびれた方もいるかも……、申し訳ございません。
 
 賞の名に恥じないようにというのはもちろんですが、力まずやっていきたいと思います。

 ありがとうございました。

 

江頭蓬句集『蓬』文學の森

2018年05月24日 | 本の紹介
          

 蓬さんは、「童子」の仲間。といっても、お会いしたことがあったかなあ。もしかしたら、ないかもしれない。でも、お写真はこれまで何度も拝見しているし、俳句をずっと読ませていただいているので、何度もお会いしているような気になるのだ。

 これまで俳句写真集(写真に俳句を添えている)を5冊も出されている。
 でも、句集そのものは、初めてなのかな。
 看護師を定年退職してから、怒濤のごとく、写真、旅、俳句をつっぱしっていらっしゃる方なのだ。

 風鈴の年とりすぎて音もなく

 さざ波のころがつてくる植田かな

 マラソンの終りてなほも息白し

 蜆汁二杯も飲んで汽車待てり

 新しき炬燵の中に足二本

 金柑の花にこの世の息深く

 点滴に傷つく腕や秋団扇

 がん告知より一年や更衣        江頭蓬

 
 私もこの頃、添削指導をしたり、初心者の方に教えたりということを、少しばかりしているのだが、こうやってまとまった句集をいただくと、その方の「思い」がちゃんと表現されているかが、やはり大事だなあと感じる。蓬さんの場合、生き生きと旅をしていたり、がんの告知を受け闘病をしたりという中の実感が伝わってくる句はやはり読んでいて迫ってくるものがある。

 冒頭のさざ波の句。ああ、今頃の景色ですね。 

読売新聞でご紹介いただきました。『なみきビブリオバトル・ストーリー』

2018年05月17日 | 自作紹介
読売新聞2018年5月7日夕刊の「本よみうり堂」の「ジュニアワールド」のコーナーで、本をテーマにしている本のひとつとして、『なみきビブリオバトル・ストーリー』をご紹介いただきました。

  『なみきビブリオバトル・ストーリー 本と4人の深呼吸』(さ・え・ら書房)

 この巻で、サッカー好き少年修が、ほかの発表者の質問タイムで、愚直に同じ質問「一番いいところはどこですか?」を繰り返すことにふれてくださっています。よく4人で書いて、このようにちゃんと繋がった物語になっていると感想をいただくのですが、このような楽しいしかけも、一つきいているのだと思います。

  『なみきビブリオバトル・ストーリー2 決戦は学校公開日』
 
 読売新聞さんは、ビブリオバトルの大会を支援したり、このように本を紹介したりしてくださっています。先日の上野の森親子ブックフェスタでおこなわれた私達のビブリオバトルにも記者さんがきてくださり、掲載誌も送ってくださいました。ありがとうございました。

『オオカミの祠(二)正次が見た影 ー戦時下』書評(季節風134号)

2018年05月15日 | 自作紹介
        


「オオカミの祠を守る一族」と題して、草香恭子さんが、二巻の書評を書いてくださっています。
 シリーズ一度に出た本なので、ひとくくりにされる場合が多いのですが、こうして一冊ずつ丁寧に書評を載せていただけて、ありがたいです。
 
 草香さんは、
 終戦時に、正次は、父が無事に帰ってきたことや、戦争が終わったことをやっとよかったと思えるようになる。続く、『戦争中にはそう思うことができなかった』という一行に、作者は大きい意味を込めたのではないか。

 と書いてくださっています。
 この巻を書くにあたって、お話を伺った一人が、赤石広楽さんという方。昨年暮れにお亡くなりになられましたが、戦争があと3ヶ月続いていたら、間違いなく自分は出征していた。お国のために死ぬのが望みだったとおっしゃっていました。爆撃によって、自分の家が全焼したにもかかわらず、です。
 私の叔父は、帰ってきませんでした。
 又聞きですが、一緒に兵隊に志願しようと誘った友人は戦死して、自分は生き残ったことをずっと心の傷として背負っている方のことも伺ったことがあります。
 兵隊となったお兄さんに面会に行ったのは、少女時代のTさん。待ったいたときに、お兄さんが近づいてくる靴の足跡が今も耳に残っていると。Tさんのお話は、一巻のカヨの家の養蚕を書くときのことも、参考にさせていただきました。
 私の父と双子の兄は、別々の隊に所属していたのですが、戦地での移動時に、偶然に行き会い、それが今生の別れだったそうです。
 全ての人、一人一人にドラマがある。そう思いながら書きました。

 私は平和な時代に生まれ育ちましたが、今子ども達が大人になったとき、その子ども達が大人になったとき、彼らが銃を持たなくてはならない世の中には決してしてはいけないと、思います。そのためにはどうしたらいいか? 
 この二巻は、反戦の物語です。

 なお、書いてくださった草香さんは、このたび、日本児童文学長編新人賞で佳作をご受賞されました。選評を読むと、選考委員のお一人は、これを! と思ってらしたとのこと。どこかで本になっていただきたいです。
 草香さん、ありがとうございました。
 そして、おめでとうございました。 

「あぶみさんの手紙」(「童子」5月号・桃子草子)

2018年05月14日 | 日記
     

 岩手、秋田へ行っていたため、ようやくきのう「童子」5月号を見ることができました。(正確には、秋田句会で要所部分は見せてもらっていたけど)

 毎月見開き1ページの主宰エッセイ「桃子草子」は、これがまとまって一冊の本になっているほどの内容です。辻桃子さんのエッセイは、ご自身のことをベースに書いているので、ぐいぐい読者を引き込む力があります。

 今月号には、私の児童文学の受賞の事を触れて下さり、以前私が先生に送った手紙が紹介されていました。事前に私信なので出してもいい? というお電話もいただき了解していたのですが、私は先生にちょこちょこ手紙やFAXをお送りしているので、それがいつ書いたどんな内容だったかは把握しないまま、「どうぞ」と。

 

 そうか、この時のか! と思いました。二十五年ほど前、入会したばかりのとき、添削していただいた時のことを書いていたのでした。
 手紙を捨てずに取っていてくださるということも、感激。 ありがとうございました。

 また、今月号は、「冠雪集」というページをいただき、10句とエッセイを掲載させていただいています。『オオカミのお札』(くもん出版)を書いたきっかけとなった吟行のことを書いています。

 「童子」は、東京駅八重洲口の八重洲ブックセンターにあります。
 また「童子」事務所に申し込みをいただけば、送料はかかりますが、購入できます。HPは、左のブックマークから。

 *なお、「あぶみさんの手紙」では、児童文学協会賞を受賞と書かれていますが、正しくは「日本文芸家協会賞」受賞です。
  それから、「あぶみさんと初めて会ったのは、厚木カルチャー」とあるのも、実はそうではないのですが、先生の中ではそういうストーリーができていて、それは訂正するほどのことでもないので、そういうことに(笑)エッセイは報告文ではないので。

童話塾in東北

2018年05月13日 | 日記
上野のイベントも終わったので、今度はこちらをもう一度宣伝。


 童話塾in東北は、宮城在住の堀米薫さん、佐々木ひとみさん、野泉マヤさんが中心になって準備を進めてくださっています。感謝!!
フェイスブックで、チラシに乗り切らない情報をアップしてくださいました。合評会の講師の呼びかけ、プロフィールも出ています。参加作家さんの情報が、これからも更新されると思います。

  
 なお、合評会は締め切りが5月25日と早いので、お申し込みはお早めに。

  

 東北の方以外の参加も大歓迎です。
 
  

ビブリオバトル&トーク よかったです!

2018年05月04日 | 日記
 上野親子ブックフェスタ2018の初日3日、都立美術館講堂で行われた「5人の児童文学作家のおすすめ本 ビブリオバトル&トーク」が終了しました。
 このイベントのため、ビブリオバトル普及委員会の粕谷亮美さん、さ・え・ら書房の編集者さんをはじめ、たくさんの方がご準備をしてくださいました。おかげで緊張はしたけれど、安心して臨むことができました!

 230人もの講堂で、来てくださる方がいるのだろうかと思ったのですが、事前申し込みは倍以上あったとのこと。抽選でもれてしまった何人もの知り合いからご連絡をいただきました。
 当日は朝まで雨。風が強まるという予報もあり、来場を見合わせた方もいらしたようで、空席もありましたが、子どもさんもたくさんいらしてくださって、嬉しかった!

 さて、私がご紹介したのは、『こんぴら狗』今井恭子(くもん出版)です。
 5人が何を紹介するかは、お互い知らずに臨んだんですよ。
 『こんぴら狗』は、これを紹介すると決めた後、今年度の夏休み課題図書に認定、加えて日本児童文学者協会賞を受賞というすごいことになっている本です。でも私はあえてそれには触れず、紹介させていただきました。課題図書になるとか、賞をとったとかは関係なく、とても好きだったから選んだ本なので。(もっとも、やっぱり、さすが! とは思いましたよ)

 発表は5分を想定して考えていったのですが、やっぱり時間があまり、あとで、(そうだった、あれを言い忘れた)ということもあり。おきまりのパターンでした。(笑)質問の時、子どもさんが手をあげてくれたのが、よかったなあ。
 実は会場に作者の今井恭子先生もいらしていたんです。終了後、『こんぴら狗』にサインをいただきました。そして時間差で、画家のいぬんこさんからも、サインをいただいて。これは、レアもの(自慢)

 チャンプ本になったのは、濱野京子さんの『100時間の夜』アンナ・ウォルツ/作 野坂悦子/訳(フレーベル館)でした。パチパチ。
 森川成美さんが、『昔話法廷』(金の星社)
 赤羽じゅんこさんが、『オオカミを森へ』(小峰書店)
 松本聰美さんが、『?(疑問符)が!(感嘆符)にかわるとき』(汐文社)
 全部読みたくなりました! 

 その後は場所をテントに移して、サイン会。こちらにもたくさんの方が来てくださって、ありがとうございました。

  これは、さ・え・ら書房さんのテント。

 急遽、予定にはなかったのですが、くもん出版さんのテントで、『オオカミのお札』のサイン会もさせていただきました。最初、売れないかな。申し訳ないなと思ったのですが、なんとか売れてホッ。少年がじーっと見て、最初1冊だけ買ってくれて、少ししてからもどってきて、残りの2冊も買ってくれたの。これが嬉しかったなあ。少年、ありがとう!! もう、読んでくれたかな。

 上野では、まだ明日までこのイベントが行われています。あちこちで読み聞かせや、工作教室、サイン会が行われていて、にぎわっているはずです! すごいパワーが集まっています! 

 お世話になった皆様、お会いできた皆様、ありがとうございました!! 

 *ビブリオバトルの写真は、きっとぼちぼち集まるでしょう。

『なみきビブリオバトル・ストーリー 本と4人の深呼吸』(さ・え・ら書房)3刷

2018年05月02日 | 自作紹介
    

 著者は、赤羽じゅんこ、松本聰美、おおぎやなぎちか、森川成美 共著です。

 発売が昨年の6月でしたが、1年のうちに3刷となり、続編『なみきビブリオバトル・ストーリー2 決戦は学校公開日』も発売されました。ビブリオバトルという題材なので、昨年は国分寺のイベントで作者4人が、そして明日5月3日は、上野の都立美術館講堂で、『ビブリオバトルへ、ようこそ』(あかね書房)の著者、濱野京子さんと5人でビブリオバトル&トークをします。

 定員230名を大幅に超えるお申し込みがあり、何人もに抽選にもれたとうかがっています。申し訳なく、そしてありがたく。

 明日はあいにくのお天気のようですが、ビブリオバトルは行います。サイン会はテントに移動してという予定でしたが、天候次第では、講堂の入口になるかもしれません。
 本来、公園で行われるテントでの児童書販売その他のイベントは、天候次第でどうなるか、まだはっきりしていません。  

 明日には、こちら でご確認ができると思います。 

 夜中のうちに、雨風が通り過ぎてくれますように。

『勇気ある一歩で世界が変わる! ー車いすバスケ 香西宏昭(光丘真理・文)新日本出版社

2018年05月01日 | 本の紹介
 

 光丘真理さんのノンフィクション第二弾です。(ほかにも書かれていますが)
 生まれつき膝から下のない「両下肢欠損」だった香西宏昭くんは、小学校6年生で車いすバスケと出会います。そして今2020年の東京パラリンピックを目指すまでを綿密な取材を元に描かれています。

 中学生のときから活躍をしていた香西くんは、18歳のとき、アメリカイリノイ大学への留学を薦められます。でも、英語はできない。知らないところへ行く不安など、迷ったすえ、アメリカへ渡る決意をします。しかし大学へ入学できたのは2年後。つまり家族と離れての2年間の留年生活を送ったわけです。もちろんその間、バスケの練習もしています。

 お父さんに、「目的と目標」をきかれたときのことも、なるほどと感心しました。

 私がその年齢のとき、どうだった? と考えると情けなくて・・・。

 また香西君は、緊張しやすい性質を克服するため、感情を言葉で表すという訓練をしていたとのこと。これにも、がーんとなりました。言葉で表現するということが、人を変えていくんですね。
ああー。もっと若いとき、ノンフィクションも読むんだったなあ。いや、これからでも・・・。

 光丘真理さんは、世界にはこんなに頑張っている人がいることを伝えてくれます。テレビのドキュメンタリーを観るときとはまた違う心もちになります。