週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

帝国ホテル✖️香川県

2016年07月23日 | ★江戸っ子エッセイ★




 うどん県といえば、言わずもがな讃岐が筆頭だろう。

 稲庭や上州、水沢など枚挙にいとまがないが、譲れぬ西の横綱であるのは異論はあるまい。

 その讃岐の香川県の食材は、うどん以外にもたくさんある。

 日照時間が長く、良質な海を前にした土地柄。

 それも頷けるところだ。





 その香川の食材を帝国ホテルのシェフが腕を振るうというイベントに参加した。

 地元出身の俳優今里氏とさぬき讃フルーツ大使が糖度12度以上の果物をPR!

 うどん脳をのせたキャラが微妙に可愛い。



 


 皮ごと美味しいシャインマスカット始め、自然な甘さをシェフがゼリーに変える。

 濃厚な畑の果実が口に広がった。





 東日本の震災を機に養殖されたサーモンやら、オリーブの葉の粉末を食べて育ったハマチ。

 香川県は日本のオリーブ栽培の草分けで、その生産量と質は国内でも屈指なのだ。

 徹夜明けに疲れきった精神が、冷えたプレモルとともに流れていく。






 シェフが切り分けてくれたオリーブ牛とは。

 讃岐和牛にオリーブの飼料を与えて育てたもの。

 肉質の芳醇と口溶けの程よい甘みは、オリーブを想像させるに十分なお味。

 酸味の残る赤ワインがぴったりに合うヘルシーな食感。

 ホテル仕様のマッシュポテトと西洋わさびが引き立てる。





 瀬戸内海の潮流に揉まれたタコがたっぷりのたこ焼き。

 茹でただけのネギがさっぱりと洗ってくれる。

 他にも、讃岐夢豚を使ったインペリアルホテルのカレーなど、すでに満腹状態。

 知事も赤ワインを手に、自慢の食材に舌鼓を打つ我々の前で満面の赤ら顔。

 軽く試食するつもりが、ホント、ご馳走さまです。

 全国津々浦々。

 観光立国へ真っしぐらの日本。

 世界は不穏に包まれているが、まだ安全な日本を大切にしたい。

 全国の魅力を走り回って伝えるのもわるくないな。





 そういえば、甲府に向かう列車から、

 武田家終焉の郷という看板が目についた。

 武田勝頼公がここに眠る。

 二男が尊敬する武田信玄公のお祭りに一度一緒に訪れてみたいものだ。

 さて、今宵は足立の花火。

 そろそろ向かうとしますか。


 

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オリンピックと国立競技場のこと

2016年07月17日 | ★江戸っ子エッセイ★




 ここんとこ自治体さんを回っている。

 インバウンドのお仕事なのだ。

 香川県さんの「うどんだけじゃない」発表会へ行ってきた。

 瓦の加工技術や丹下健三の県庁庁舎を始めとした造形物、

 ほかにも香川県ならではの特色がいろいろある。 


 


 要潤さんが副知事とは知らんかった。

 県出身ということでPRの顔になっているのだろう。

 それにしても男前だ。

 こんなビジュアルに生まれたら、生き方も変わっただろうな。

 うどんの国の金色毛鞠という漫画も初めて知った。

 この毛鞠の技術も県特産だ。

 この緩いキャラがなかなかいい。

 動いていると知らないことがいっぱいあるな、と思う。

 この調子でどんどんいきたいものだ。


 


【土まみれ強者どもが競う夏】哲露


 国立競技場が更地になっている。

 新宿ハーフマラソンでトラックを走った記憶が遠い。

 ああ、すべて夢のようだ。


 


 長男が区の連合陸上大会で優勝したのもここだった。

 インバウンド対策の一環だが、オリンピックへ向けて国は大きく動いている。

 木造の競技場。

 聖火台問題は如何に。




  
 旧国立の聖火台が懐かしい。

 前回東京オリンピックで何度も映し出されていた。

 これが設計で抜けているって、まさに魂のないコンペだからだろう。

 経済と利権の行き着く先を暗示している。



 





 2020年の東京オリンピックへ。

 その時の都知事を決める選挙が迫る。

 偽政者に求められるのは、国民への誠実と私欲を棄てた上の野心だろう。

 ぼやいていても仕方ない。

 自分にできること。

 とりあえず4年後の未来まで駆けようと思う。 

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寺町の鬼灯!

2016年07月10日 | ★江戸っ子エッセイ★





【寺町の活気も眩しい鬼灯や】哲露


 お江戸に夏がきた。

 台風一過ですっかり東南アジア的な気候に。

 夕立もなく、蒸し暑さばかりが寺町を覆う。

 それでも浴衣の真白さに、目は清涼を得られる。

 打ち水、風鈴、金魚柄の手ぬぐい。

 これが暑い夏を過ごす知恵である。

 息子の合宿用に、スパイクを買いに出た。



 

 外国人の浴衣も多い。

 だがわが同胞、日本女性の淑やかさ、所作はやはり美しい。

 心の内の着物美人を伝えてあげられたらいいのに。

 そんなインバウンド事業もオリンピックに向けてこれからが本番。

 ウチにこもるばかりでなく、文化と心の交流の理想を求め続けたい。


 


 本日は四万六千日。

 素晴らしく特典のあるお参りの日。 

 家族の安泰を願いつつ、小説への道は自分次第と悩む日々。

 少しずつでいい。

 強い精神を持ちたいものだ。

  

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帰ってきたヒトラーを観て

2016年07月03日 | ★映画★




 帰ってきたヒトラーを観た。

 時空を超えて、ヒトラーが現代へ蘇ってくる話しだ。

 劇中(本物の)ヒトラーが当時の考えそのまま真面目に語れば語るほど、大衆はコメディと捉え、社会問題、政治問題への風刺に笑いが止まらない。

 もちろん、それは芸と信じているがゆえだ。

 アメリカでトランプ現象が起こり、英国の国民投票でEU離脱が決まるこの世に、彼の言動が共感を呼ぶ。

 どこかの国の首相より数億倍上手いそのスピーチは、資本主義の行き着いた末の利己主義、排他主義の世にあって、たしかに支持されるものかもしれない。

 民族浄化はいまの移民問題に直結する課題なのだ。

 現代に蘇った独裁者の言葉が、メディアやSNSを通じて狡猾に広がっていく様は痛快で、そして不気味だ。

 ヒトラーは映像を撮る旅の中で、ドイツ国民と真面目に対話し、その不満を吸収していく。

 大衆の不満を代弁することがすなわち政治行動の発端とすればまさに的を得ている。

 カメラはドキュメンタリータッチで撮っているようで、本気で俳優のヒトラーに食ってかかるもいる。

 日本人より戦中の行為に向き合ってきたと言われるドイツ人だが、ヒトラーとユダヤの問題は風化しているわけではないのだ。 
 
 蘇ったヒトラーはテレビで受け、執筆した本がベストセラーになり、映画化される。

 原作では最終的に緑の党に共闘を申し入れるなど政治活動にまで進展していく。

 世界中でテロが増え、平和に根ざした理想郷EUが揺れている。

 ヒトラーの愛国心は本物だからこそ、いつの世も大衆の心に響くのだろう。それが行き過ぎたものに変質するまで人は気付かないふりをするのだ。




 
 戦争という大義を掲げた殺し、破壊行為、虐殺は絶対に許されることではない。

 だが、誰の心の中にも圧倒的な力に委ねたいという欲求があることを忘れてはならない。

 かの日に独裁者を選び、支持したのもまた大衆であり、国民なのだ。

 ヒトラーは我々の心の奥底にある。

 娯楽の合間でもいい、この夏は政治について真剣に向き合うべきではないか。

 街へ出よう、そして投票をしよう。
 
 若者の、子供たちの未来のために。 

 治安が維持される平和な国を誰しもが求めているのだから。

 方法論は人の数だけ様々だろうが、

 大勢の目指す理想がそうであることを願う。

 この夏必見の映画。

 痛快で、考えさせられること多し。 

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「あねチャリ」にハマったわ!

2016年06月19日 | ★江戸っ子エッセイ★


        【あねチャリ】
     著:川西蘭 


【もも上げろ回せや回せ玉の汗】哲露


 その本は何気なく振り返ったそこにあった。

 川西蘭。

 作者は知っていたが、かつて読んだことがない。

 食わず嫌いというわけではないが、縁がなかったのだろう。

 立ち寄った図書館の特設コーナー。

 カッコいい装丁の画角、色遣いが胸に飛び込んできたのだ。

 即座に借りて、通勤、移動の合間に一気に読んでしまう。

 恐竜と呼ばれた伝説の元競輪選手と、引きこもり女性高生の出会い。

 ハマっていくうちに、読み終えてしまうのがどうにも惜しくなった。

 そんな本を読んだのはいつ以来だろう。

 作者の世界が好みなのか、たまたまテーマの自転車競技の世界に興味を抱いたからなのかわからない。

 恐らく両方とも正解なのだ。

 これ以上はネタバレになるので控えるが、

 カラダを動かし続けた先に現れる突き抜けた全身の快感と魂の解放。

 限界を超えたところに、目指す未来がある。

 回せ、回せ、回せ!

 川西蘭、まとめて読むぞ。





 そして、自転車を扱った本を2冊借りた。

 最近テレビでよく見る羽田圭介と近藤史恵。

 こうした出会いも、紙の本だから。

 あねチャリは、手元に置きたいので、改めて購入しようと思う。

 ああ、競技自転車に乗りたくなった。

 いつか北へ南へ、おじチャリで旅したい。

 モードが入ってきた。

 祭りも過ぎた。もう夏だもんな。

 もうすぐジャンが鳴る。

 やるしかない。


 



 

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アサギをよぶ声

2016年06月12日 | ☆文学のこと☆


          「アサギをよぶ声」
        著:森川成美  画:スカイエマ

  
 2巻、3巻と立て続けに読んだ。

 初巻を読んでから随分と開いてしまったが、すんなりと架空の古の世界へ飛ぶ。

 アサギはタケに競争で勝ったにも関わらず、村の掟に従い女屋へ入る。

 信頼できる戦士ハヤと訓練した弓の腕は、ここでは役に立たない。

 そんな中、サコねえが村から消えた。

 神とりにあったと人々は口にする。

 心の拠り所にしたサコねえの失踪、かつて矢羽を交換した謎の女ナータ。

 ハヤとタケの偵察。

 物語がいよいよ動きだす。

 「新たな旅立ち」から「そして時は来た」へ。

 スカイエマの絵が古の舞台を想起させる。

 半信半疑のアサギ自身の力を、あの声が、猿が、弓が導いてゆく。

 ページが進むごとに夢中になった。

 後半の展開は先が見えたが、それも気にならない。

 丹念に世界が描かれているからだろう。

 自分が生きるためとはいえ、人と人はなぜ争わなくてはならないのだ。

 根源的な人間の業を深く考え、共感した。

 ただ惜しむとしたら、ラストのあの言葉。

 作者ならではの表現で置き換えて欲しかった。

 安全と食い扶持が担保されても自由がなければ生きている価値は薄い。

 現代の私たちにも言えることを作者は問いかける。

 私たちの古かこいや柵は、自分で壊し、出ていくしか道はないのだ。

 物語の世界に浸れる。

 本を読む楽しみはこれに尽きる。

 森川さん、面白かったよ。 


【梅雨空に思いの矢を放つ時】 哲露






 かのK女史が銀座で美味い蕎麦を食べた話しをFBで書いていた。

 そしたら、松屋裏の山形田を思い出した。

 名物の蔵王冷やし地鶏そば。

 顎が痛くなるほどの噛みごたえのある手打ち、

 野性味のあるわりにさっぱりといただける地鶏。

 出汁の効いた薄口の塩味のスープは丁寧な仕込みゆえだろう。

 京橋から移って、しばらくぶりに食べた。

 たっぷりの一味をかけて、汁まで飲み干した。

 やっぱり旨い。

 夜は地酒や山菜や馬刺しなどのつまみも充実。

 またきっと来るだろうな。

 昨夜はせいのあつこさんの初出版のお祝い会があった。

 同人へ入会以来、あちらこちらで合評し、切磋琢磨した仲間のデビューは本当に嬉しい。

 何があっても書き続けてきたからこそのご褒美である。

 せいのさん、本当におめでとう。

 さて、まもなく鳥越の宮入り。

 屋台を冷やかしに出掛けるとしますかな。
  

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車夫。

2016年05月31日 | ☆文学のこと☆


      【車夫】
     著:いとうみく 


 冒頭の一文から本の世界へ引きずり込まれた。

 ミュールの靴擦れに悪態つく女の子の独白が生々しい。

 どうやらその原因が父親の再婚問題に絡んでいるらしいと判る。 

 その父親と再婚相手を一緒に追っかけてくれたのが車夫の吉瀬走だ。

 浅草の町に人力車が復活したのはいつの頃だったろう。

 あの頃、ローカルは人力車なんて流行らないと決めつけていたように思う。


 



【紫陽花や笑顔が滑る足袋の音】哲露
 

 いまでは六区の町の灯が消えかけたのが嘘のように、観光地として息を吹き返した。

 それと呼応するように勢力を増した人力車。

 住人として今では当たり前の風景だが、それを動かすのは生身の人間の力だ。

 そして観光客を口説き、乗せるのが商売だから、

 見てくれ、風采がいいに越したことはない。

 まさに体育会系の若者にはうってつけの職だろう。

 陸上出身の主人公とはよく思いついたものだ。

 人力車が行き交う辻の風景や描写、町の空気感。

 作者は実際、よくよく取材されてのことに違いない。

 「この仕事をはじめてから、季節の変化に敏感になった気がする。」

 お気に入りの一文だ。

 欲を言えば、喰い物のシーンにシズル感と香り立つ匂いがもっとあればと思った。

 野暮かもしれないが、一読者として、
 
 ここを削ったらもっと余韻が残るのにと残念に思ったとこは内緒で伝えたい。

 過酷な運命に翻弄され、ストイックでニヒルになった主人公が、
 
 浅草の町人と共生することで、この町を訪れる人と触れ合うことで自然と明るく再生していく。 

 予定調和の結論を急がない運びがいい。 

 もっとこの先を読んでみたいと思った。

 仕事の合間に本を開きながら、神保町の老舗で元祖冷やし中華を食う。

 くらげも椎茸もたっぷりとさっぱりと酸味の効いたタレが沁みている。

 胡瓜はあくまで潔い食感で、老舗の焼き豚とハムは口に含むと柔らかく滋味深い。

 頬が緩むほど肉肉しいシュウマイを噛み、冷えた麦酒で流し込んだ。 




 
 揚子江飯店の冷やし中華は、おいらの中でいちばんの味。

 車夫はいとう作品でいちばん気に入った本。

 一度、人力車に乗ってみたくなった。

 いとうさん、続編はいつ!?

 

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三社祭のこと。

2016年05月22日 | ★江戸っ子エッセイ★





 例年なら三社祭の週末

 サミットのおかげで穏やかな休日を過ごしている。

 件の理由で13日から祭りが始まった。

 象潟三丁目は本社神輿二ノ宮を担ぐ。

 本来は神輿を上から覗いてはいけない。

 神様を見下ろすことになるからだ。神様ごめんなさい。

 土曜日の連合渡御の三倍は人が集まっている。

 仕事のせいか、本社神輿の人気ゆえか。 





【シャンシャンと祭り半纏汗も飛び】哲露


 土曜日は浅草寺の裏手に、およそ100基の神輿が集まる。

 それから決められた順番に、浅草神社へ神輿ごと参詣する。

 この時ばかりは、子供の小神輿、中神輿も一緒。

 参道界隈の観光客の手拍子の中、いちばんの見せ場でもある。





 子供たちも大人たちも晴れ晴れとした表情で気合が入る。

 じつに気分のいい瞬間なのだ。 

 子供らにはお菓子とジュース。

 うちらには、お弁当とビールが待っている。

 一週間早まったおかげか、例年降る雨もなく、じわっと身体の内から汗が吹き出る。

 まさにトランス状態。

 祭囃子が江戸っ子の魂を鼓舞する。





 夕方に発進すると、町は徐々に宵の表情をみせる。

 各地区の町会がいくつか合同で、揃い、町を練る。

 象三は聖天前から浅間神社へ向かう。

 そう来月始まるお富士さんの植木市の神社だ。

 一本締めの後、五基の神輿が一斉に上がるのはいつ見ても格好いい。






 日曜日の本社の宮入り。

 昨年の喧嘩騒動で、青年部と一帯で警備が厳しかった。

 祭り好きと喧嘩好きは似て非なるもの。

 担ぐ人、見る人、町の人がうっとりと楽しめる祭りであって欲しいものだ。

 たらふくビールを飲んで膨らんだ腹ごなしに、

 子供らと宮入りを見に行く。

 バリケードで境内には立ち入れなかったけど、

 一ノ宮と三ノ宮の宮入りを見られた。

 新門辰五郎お墨付きの木遣りにうっとり。

 たっぷり担いで大満足の祭りだった。

 来月は、今戸神社の本祭がある。

 お江戸の浅草は、夏まっしぐらでござる




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亀戸天神様の藤祭り

2016年05月07日 | ★江戸っ子エッセイ★





【藤棚を見下ろしたるやたいこ橋】哲露


 こどもの日、ふと思い立ち亀戸へ

 4月末から始まった藤まつり。

 ランニングのあとに、自転車でエッチラオッチラ。

 5月5日が最終日とあって、たいへんな賑わいだ。

 この暑い中、おまわりさんもおつかれさん。







 北斎や広重で有名な天神様境内の太鼓橋もご覧の通り大盛況。

 藤の見ごろはとうに過ぎてしまったが、露天の威勢は健在。

 簡易のベンチでは、イカ焼きやビールを美味しそうに頬張っている。

 船橋屋の行列も相変わらず。

 マラソン前でなければ、飲みたいところを我慢する。






 綺麗な紫が目に入る。

 初夏の陽光に、緑との色合いが艶やかだなぁ。

 僅かに残る藤棚にスマホのレンズがあちこちから狙う。

 僕は往時への思いを馳せた。

 江戸の名残りをこんな形で楽しめるのも平和な日本だから。





 
 学問の神、菅原道真公の5歳の像。

 亀は万年、長閑な休日がいつまでも続くといいなと願う。

 それにしても、このたいこ橋。

 昔のひとは、下駄で渡ったとおもうと驚く。

 参道に、いい感じの蕎麦屋があった。

 今度あの人とゆっくり来てみたいものだ。





 ツリーとのツーショットも現代ならでは。

 気軽にタイムスリップできる天神様。

 有名な餃子もせんべいもある。

 これからの季節、おすすめの散策コースでござる。

 明日は長男と初のマラソン大会。

 早朝からさつきで有名な鹿沼に向かう。

 久しぶりの大会、とりあえず目指せ完走なのだ

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不条理な世界!

2016年05月01日 | ★江戸っ子エッセイ★




 「それでも人は生きていく」

 こんなコピーが気になって、ある日名画座に入った。

 橋口監督を知らずにみたから意表を突かれた形で恐れ入った。

 恋愛物のようなタイトルだから余計騙される。

 不思議な独白から始まる。

 低予算で創ったであろう撮り方。

 なのに、徐々に作品に引きこまれていく。

 キネマ旬報日本映画第1位ほか各映画賞を受賞していたと知り、驚いたが、

 それもそのはず、観終えた後、微かな光の余韻に浸れたからだ。

 日本アカデミーで新人俳優賞を取った篠原篤が、不条理な日常を淡々と、ときに熱く演じる。

 仏教では、十界という10個の世界に区分する教義がある。

 四聖という悟りの世界と、六道という迷いの世界に分けられる。

 六道のなかで、天上界と修羅界の間に存在するのが、私たちのいる人間界。

 歓びもある一方、毎日の暮らしは辛く苦しいものだ。

 真面目に生きていても、不条理な災厄が起こるのが人生。

 その真理を見事に表現している。





 不条理極まりない、理不尽なことが年々多くなったと感じる。

 それも歴史に学べば、いまに限ったことではない、人間界の定めなのかもしれない。

 人間界に歓びがあると定義されている通り、この作品でも最後に希望が見える。

 文学も映画も、その最後の光こそが救いなのだ。

 この作品、観てよかったと思う。



【通勤のOLさんも衣替え】哲露






 いつも敬愛する先輩が食べている上海焼きそば。

 かの池波正太郎が好んだ一品である。

 添え物と思えない焼売から甘い肉汁が溢れる。

 文豪もきっと辛子をつけて、ビールを飲んだに違いない。

 この日は、大切なひととランチなのでビールは我慢。

 ああ、お腹いっぱいだ。

 揚子江菜館は、冷やし中華の発祥の店と言われる。

 丁寧に揃えられた

 胡瓜やハム、焼き豚、クラゲ、エビ、さやえんどうに、盛られた金糸卵が圧巻。

 GWは、長男と走るマラソンの調整に忙しい。

 翌週は、今年少し早い「三社祭」でござる。

 もうそんな季節になった
 

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日本で一番悪い奴ら

2016年04月24日 | ★江戸っ子エッセイ★


 綾野剛のイメージをぶち壊す体当たりの演技を見て、彼に対する印象ががらりと変わった

 発端は「覚醒剤130キロ、大麻2トン、拳銃100丁」と帯巻きされた講談社文庫、

 北海道警察の元警部稲葉圭昭が書いた「恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白」だ。

 現役の警部として道警史上初めて覚醒剤使用で逮捕されたツワモノだ。

 その後、懲戒免職、覚醒剤取締法違反、銃刀法違反で懲役、9年の刑期を満了する。

 柔道で鍛えた体で、S(=スパイ)たちを手なずけ、すすきのでのし上がり警察内の点数を稼ぎまくる。

 でっちあげ、やらせ逮捕、おとり捜査、拳銃の購入、麻薬の密輸などなど。

 拳銃(チャカ)を挙げるために、歪んだ正義がはびこっていく。

 事件が生々しいゆえ、撮影は北海道で行えず、三重県四日市の桑名で敢行されたという。

 当初、映画化は不可能といわれた所以だ。

 Sの一人、黒岩役の中村獅童とのコンビが面白い。

 ところで、題名の悪い奴らだが、

 モデルの著者は刑務所に入ったとはいえ、本当に悪い奴らはいつも高見にいる。

 沈黙の組織の怖ろしいこと。

 子供の頃は、大人は警察は先生はみんな聖人君子の偉い人間だと思っていたよ。

 ところが現実はどうだ。

 地上波のドラマに骨太を求められなくなって久しい。

 だが日本映画、まだまだ捨てたもんじゃない。

 それにしても、獅童はともかく、綾野のやくざ紛いの衣装は、まるで浅草やくざそのもの。

 それがまた格好いいから憎いね。

 昭和ノリたるジーを感じさせる作品は、6月25日から全国一斉ロードショー。



【はなみずきリアルな悪は上を向く】哲露






 
 さてはて、流感後、気力体力がガタ落ちだわさ。

 次男の入学式の帰路、精をつけるために立ち寄る。

 勝海舟や龍馬も通ったといわれる老舗、やっ古だ。

 日本の鰻は何年ぶりだろう。

 甘すぎず、濃すぎず、あっさりといただけれるタレは俺好み。

 ステンドガラスの大正モダンの様式はじつに落ち着く。

 老舗だがランチは庶民派だ。

 気っ風のいい女将さんから笑顔の祝いももらった。

 さて、次回も日本映画を推しやす

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東京零年

2016年04月10日 | ☆文学のこと☆


    【東京零年】
    著:赤川次郎 
   2015/8/10 新潮社


【自由だと知らぬ仏を山笑う】哲露
 
 久しぶりの赤川次郎

 小学生の頃、よく読んでいた作家だ。

 中学に上がり、スノッビーな同級から「赤川次郎なんて読んでいるの!?」と、心の底から揶揄された。

 多感な年頃、実際面白かったのだが、たしかにどの作も似たり寄ったりで、変化に欠け、飽きていたこともあった。

 そこからベストセラー大衆作家として敬遠してきたままこの歳に至る。

 自分では決して手を出さないジャンルの本に気づくから、

 同級生が嫌がった高校のオオタカ先生の課題図書も嫌いでなかったし(誰にも言ったことないが)、

 日曜の書評欄が好きである。

 そこに意外なことに、赤川次郎の新作が載っていた。

 2011年の震災以降、被災地を歩いたり、記事や番組をチェックしたり、

 反原発のデモに行ったりと自分なりに意識が変化した。

 書評欄の中で、赤川次郎はこれまで書いてきたことの意味を問い、反省し、この作品を書いたとあった。

 国家と権力者が奢り、行き着いた先の恐ろしいまでの管理社会を描いている。

 ジョージオーウェル「1984」の現代版といったところか。

 このフィクションを読んでいて、物語と達観できない妙にリアルな想像力が怖い。

 改めて、文章の技法もさすがと思った。

 書かない物書きがバカにするほど恥ずかしい無知はないと思い知らされた。

 国家統制、そこには力に絡め取られたものの終焉が暗示されている。

 B型の流感の惚けた頭にも読みやすい文体。

 この世へのアンチテーゼとして、必読の一作である

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ガラスの壁のむこうがわ

2016年03月27日 | ☆文学のこと☆


 「ガラスの壁のむこうがわ」
著:せいのあつこ 画:北澤平祐 
    発行:国土社


 同人のせいのさんのデビュー作を読んだ

 表紙のカラフルな色彩のシャボン玉は、本文に入るとガラスの玉だと気づく。

 うつろな女の子の目は本を見ているようで、どこを見ているのか。

 日本人はとかく枠にはめたがる。

 個性を伸ばそうという教育者のスローガンなんて嘘っぱちだ。

 国も、会社も、学校も、軍隊も、家庭ですら輪を乱すもの、異端を嫌う文化がわが民族には脈々とあるような気がする。

 人と同じでなければいけないなんて誰が決めたんだろう。

 友達100人できるかなという歌を、何の疑問も湧かず歌っていたけど、

 成長するにつけけたくさんの友達を持てば持つほど、関係性のあいまいさ、薄さに孤独感が現れるはずだ。

 ツイッターやFBなどのSNSがいい例だ。

 ここでも利便と引き換えに、孤独が誘発される。

 いっそ一人でいたほうが気が楽なのだ。

 ただ、時折、自分の考えに共感できる、共鳴できる友がいると妙にうれしい。

 それこそが真の友情ではないのか。

 常に群れることを、組織を嫌う私もまた一人の由香なのかもしれない。

 一般的に言う、普通なんてものは幻影なのだ。

 同人の一人として、せいのあつこの短編を読んできた。

 作者のメッセージが結実し、潔く一冊にまとまったことが仲間として感慨深い。

 読み終え本を閉じた。

 由香の目が心なし笑って見えた。

 せいのさん、デビューおめでとう。形になってホントよかったね。

 これからも異端を、不器用がかっこいいを、子供たちにいっぱい届けて欲しい。 


【薄紅のガラスに映る友の顔】哲露


 


 満月の光が照らす隅田川の桜も一部咲き。

 雨の予報も外れ、晴れ間が広がっている。

 春の公園。のんびりと、風のラブソングを聴きながら、花に語りかけたい。

 墨堤の露店を冷やかしにいこうか。

 ああ、花粉さえなければなぁ

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ハロルドが笑うその日まで

2016年03月20日 | ★江戸っ子エッセイ★




【眩しさやビューと吹く風花開き】哲露


 世界最大の家具販売店といえば、言わずと知れた「IKEA」である

 わが伝統工芸の国、日本でもいまやファストファッションとIKEAが隆盛を誇る。

 主人公はノルウェーで40年に渡り家具店を営んできたハロルド。

 その店の前に、ある日突如IKEA」が出現した。

 職人気質のハロルドは強気で商売を続けた。

 街の名士でもある彼は自分の方針の正しさを疑わなかった。

 しかし、わずか半年後には閉店に追い込まれ、認知症の妻も先立ってしまう。

 IKEAはまさにハロルドにとって、北欧の黒船だったのだ。

 築き上げてきたものをすべて失った初老の男の喪失が切ない。





 思えば、幼年期に暮らした町の商店街もいまや死滅してしまった。

 通学路にあった電気屋さんのおじさんおばさんは元気いっぱいだった。

 近所の喫茶店のマスターの作るカツサンドはどこよりも美味しかった。

 自営業の忙しさからよく出前を頼んだ中華屋の五目そばやとんかつ屋のヒレカツ弁当ももう食べることはできない。

 取材で訪れた北陸の商店街は、10年前にすでに寂れていた。

 東北は震災と放射能による人災で過疎化にさらに拍車がかかっている。

 世界各国、資本主義の行き着く先は、大資本の勝利、株主と資本家の天下でしかないのだろうか。

 そんな虚しさでハロルドを追っていく。

 焼身自殺も失敗した男は、ふとしたことで、その資本家と遭遇する。

 代々の家具店を潰された男と潰す要因を作った男が出会ってしまったのだ。

 ときに、シリアスに、またコメディタッチに物語は進行する。

 酒乱で寂しがり屋の母を持つエバが、「IKEA」創業者のカンプラードの誘拐に加担する辺りから動き出す。





 それぞれの信念は違えど、それぞれに確固たる考えを持つ二人の男。

 そこには懸命に生きる人間の姿が投影されている。

 そして、独りよがりの母を突き放せないエバの健気が愛おしい。

 現代のあらゆる悲劇、喜劇、およそ時勢が凝縮されている。

 ハロルドがふたたび笑える日はくるのだろうか。

 ほぼ三人で構成された作品、金をかけずともヒューマンドラマを描ける。

 いいや、金がかかっていないからこそ、市井の日常を映し出せるのだ。





 ハロルドが笑うその日まで。

 形あるものはいつか崩れる、その刹那を等身大でセンチに、じんわりと包んでくれる。

 4月16日より公開スタート!

 静謐な大気、大雪原に放たれた花火やネオンの煌めきの一瞬が美しい。

 花開きの週末、北欧の男の温かな白い息を思い浮かべる

  

 

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孤独のススメ。

2016年03月06日 | ★映画★





【ひとりぼちしがらみ外し梅香る】哲露


 試写で不思議な作品に出会った

 オランダの美しい田園風景が印象的だ。 

 最愛の妻を失い、天使の声を持つ一人息子とは音信不通。 

 空いたバスで仕事に通う、主人公フレッド。

 彼の孤独が画面いっぱいに染み入る。

 ある日そこへ現れた謎の男。

 その名前も判らない男と時間を共有することで、彼の生活リズムが少しずつずれていく。

 色彩を失くした彼の孤独な日常が徐々に温かみを帯びていった。 

 フレッドの笑顔に、田舎町の偏見が立ちはだかる。

 だが決して暗いだけの作品ではない。

 所詮誰もがみんな孤独なのだ。

 果たして、孤独であることを受け入れることが人生を謳歌する要諦なのか。

 孤独を認めることは誰しも怖い。

 私も孤独をススメるわけではない。

 しかし、認めることで豊かになるものがあるのもたしかだ。

 お互い孤独であることに気付くことで近づく縁もあるのだ。

 敬虔な彼が呪縛から解き放たれる瞬間がハラハラとし魅了する。

 4月9日から上映がスタート。

 ロッテルダム国際映画祭、モスクワ国際映画祭の観客賞などを受賞。

 不思議な魅力に溢れた作品である

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