週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

【連載】異国を旅して -韓国篇6 北へ-

2017年06月25日 | ★江戸っ子エッセイ★




【凍てついたイムジン河の秋も枯れ】哲露


 市場から一夜明け、広場へ向かう。

 ロッテの免税店の先。

 抜けるような青空が清々しい朝だ。





 早朝のソウル中心部。

 民衆が少しずつ集まっている。

 今夜のデモの準備がもう始まっているのだ。

 国境へ向かう待ち合わせがホテルのトラベルセンター。

 割とまともなホテルのロビー。

 びっくりするほどデカいカップ麺をすする西洋人。

 マナーもへったくれもない。

 同じフロアでは、高級な朝食を供している。

 彼は残った汁をどうするんだろう。

 トイレが詰まるんだろうなぁ。

 なんて、余計なことを考えて待つ。





 これが国境ツアーのバス1号車。

 あっしは一番後ろの席を贅沢に陣取る。

 並びは、日本人の女性二人。

 見事な日本語のガイドさん。

 さあ、いざ北へ。





 高速のドライブイン。

 ここでトイレ休憩。

 この光景はどこの国でも変わらない。

 まだこの時点で緊迫は感じられない。

 なぜ、あっしはここにいるのか。





 ソウル中心部から板門店へ、国道沿いをゆく。

 電波の心配があったが、GPSは賢い。

 どこまでつながるか。





 車窓から有刺鉄線が見えてくる。

 監視カメラも見える。

 殺風景な景色が北へ向かう実感をもたらす。





 映画でも見た、JSA。

 韓国とアメリカを中心とする国連軍と北朝鮮軍が共同で警備を行なう800m四方の共同警備区域。

 撮影の場所は限られるが、写真も撮れた。







 背の高い兵隊さんの後ろ。

 この建物の間のコンクリが、幅20cmほどの軍事境界線。

 なんとも頼りない。

 



 彼の立っているところが北朝鮮の土地だという。

 微動打にしない兵隊さんを気の毒に思う。

 韓国では2年間の徴兵制がある。

 そういうことだ。


 日本は戦後の歩みの中、どこまでも平和なんだ。

 それにしても、ここにはイケメンの兵隊さんが多い。

 あっしも北の土地を踏んだ。







 こちらが北朝鮮の施設。

 ちなみに韓国側の建物は撮ってはいけない。

 カメラを反転させて撮っていたら止められた。

 この国境ツアーの場所で、アメリカ兵が打たれ、今は立ち入りが禁止された第3トンネルのような場所も存在する。

 日本では見られない緊迫がここにはある。





 帰路に立ち寄った国境付近の施設、臨津閣(イムジンガッ)観光地。

 断ち切られた家族を思い、人々が悲しい歌を唄う。

 肉親に会いたい気持ちは万国共通。













 1950年の今日、6月25日に朝鮮戦争が始まった。

 そこから分断された韓国と北朝鮮。

 北緯38度線。


 非武装地帯であるDMZ(Demilitarized Zone)は境界線を挟んで南北それぞれ2km、幅4kmにわたる。

 1953年に締結された朝鮮戦争の停戦協定。

 かつては両国を結ぶ鉄道も通っていた。

 錆びた車両。

 不思議なことに、半世紀一般人が立ち入っていないことにより、

 原生の自然が残り、貴重な野生動物が生息するという。

 人間の営みは自然に反するといういい例。

 人間とはなんと愚かな生き物なのか。







 板門店ツアーについている、プルコギ鍋。

 同伴を持たないあっしは、やはり一人参加のおじさんとお姉さんと鍋をつつく。

 西洋人につられ、わしもビールを。

 韓国在住のM嬢のおかげで、入国後美味い飯ばかりだった。

 さすがに、このツアーの食事は美味くも不味くもない。

 非武装地帯の味として、一生舌に残るのか。






 映画パッチギで流れた、イムジン河の唄。

 枯れた景色、悠久の流れ。

 この河を何人の人が渡り、死んだのか。

 極寒の地、凍てついた河の水。

 同じ人間、同じ血、同じ民族を打つ不条理。

 ああ、イムジン河。





 明洞の街に戻る。

 買い物に興じる若者たちがわんさといる。

 その一方で、朝の広場には群衆が集まっている。

 もっとも換金率のいい両替がある。

 そそくさと両替し、街をぶらつく。

 朝の広場へ行くと、有識者たちがあちらこちらで大きな声を張り上げている。

 アーティストたちが唄う。

 朴槿恵大統領を弾劾するデモだ。

 この国のエネルギーの源はなんだろう。

 怒りの放出は老若男女問わず、若さなのかもしれない。

 次回は、この旅でたまさか立ち会えたデモをレポートしやす。

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【連載】異国を旅して -韓国篇5(広蔵市場へ)-

2017年06月18日 | ★江戸っ子エッセイ★





【活気ある南の胃袋スンデかな】哲露


 韓国の旅、5回目。

 二日目の晩酌に広蔵市場へ連れてってもらう。

 地下鉄1号線の鍾路5街(チョンノオーガ)駅を降りる。

 そこから、ひょいと入るとアーケード。

 日本の地方都市でもあるような気軽さで歩いた。

 そこでとんでもない風景に出会う。





 


 それがここ。

 広蔵市場(クァンジャン・シジャン)。

 とにかく屋台の集合体の規模が巨大。

 様々な食材で作られたキムチ漬けはもちろん、豚の腸詰やら餃子やらアレヤコレヤ。

 お土産屋も豊富に揃うが何より、

 ここで生活する市井の人々のエネルギーに圧倒される。

 



 この広大な迫力。

 あちらで嬌声、こちらで怒号のような掛け声。

 麺屋からは湯気がモウモウと、揚げ物の音がジュージューと木霊する。

 ソウル市民になったつもりで、おもむろに屋台へ腰掛た。

 早速、hiteを頼む。




 
 ピンデトッは、緑豆の生地に野菜や肉が入ったお好み焼き。

 食感がしっかりと楽しめて、玉ねぎが大胆に入ったタレにつけると美味い。

 hiteの生に続けとばかり、炭酸の効いたマッコリにすすむ。





 キムパッはミニ韓国海苔巻き。

 具は沢庵、ほうれん草、人参と素朴。

 日本で韓国風海苔巻きといえば、太巻きのイメージであったが本場はこれだ、とあっさり突きつけられた感じだ。

 わさびでも唐辛子でもなく、特製の洋風辛子をつけて食す。

 シンプルな味がリピート必至ということで麻薬キムパッの異名がついている。

 あっしは土産ももらい、翌日の朝食にした。

 まさに癖になるお味だ。





 活きテナガダコの刺身(サンナッチ)。

 ウニョウニョと、生蛸の生きたままを口に入れる。

 残酷だが、究極の鮮度を誇る。

 韓国海苔が贅沢に盛られ、また、いい酒肴となる。

 それにしても、口中でもよく動く。





 このスンデ(豚の腸詰)が、Mお嬢さんのオススメ。

 美女は血の塊がお好きなようで。

 ソウル思い出の味とインプットする。





 日本では見たことない形の餃子。

 世界は広し。

 他に、ユッケやトッポギと、ソウルのおっさんと語り合う。






 最後にうどんを頼む。

 熱いのは美味いが、すぐに冷めてしまう。

 ソウルの冬が厳寒だ。

 冬はこの市場、閉鎖するの? と聞いたら、俄然盛り上がるとか。

 マイナスの気温の中で、啜るマッコリ。

 いやあ、恐れ入りやす。

 とにかく、どこの店に行っても、安定しているのはタダで食えるキムチ。

 あっしにはそれが何より羨ましい。

 我が国日本も、ぬか漬けくらいタダにしたらどうだろう。

 最近は、日本茶や水も有料。

 徐々に生きづらいと感じるのはあっしだけやろか。

 薬品の入ったような甘い焼酎に。

 ソウルの旅はまだまだ続く。

 次回はいよいよイムジン河を渡る。 






  




 


 

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水神祭2017

2017年06月11日 | ★江戸っ子エッセイ★




【笑う声騒ぐ祭りも監視かよ】哲露


 最近、隅田川から荒川を抜けて走るのが週末の日課である。

 白鬚橋の先にある水神という橋を渡って行くのがいつものコース。

 その水神様のお祭りがやっている。


 


 隅田川神社は、古い堅牢のこじんまりとした創り。

 細長い団地のあちこちに門がある。

 ゆったりとした広場に、露天がたくさん軒を並べて、地元の子らを楽しませている。





 能のような舞をやっていた。

 模造刀はかつて本物の真剣だったのだろうか。

 祭囃子の太鼓の音が境内に響く。





 御百度参りの石碑。

 川の漁師の無事を祈っての碑だろう。

 小舟で両岸を渡った時代、大川の流れを人々は恐れた。 





 強面のカメ様に小銭が置かれている。

 大きな亀は、竜宮城の話にも描かれた。

 おとぎ話に出て来るほど、亀は敬虔な存在だったかもしれない。





 確か隅田川という品種が咲いている。

 艶やかな紫陽花とともに、川沿いをゆく人々の目を楽しませてくれる。

 心地よい風が抜け、本命の神輿が入ってきた。

 縁日のある日本の原風景。

 いつまでも監視のない、自由を願う。
 

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湘南海岸を歩いた

2017年06月03日 | ★江戸っ子エッセイ★


江ノ電 鎌倉高校前の踏切


【浮き沈み初夏の海水に消えゆく】哲露


 ここが世界から観光客が訪れるスラムダンクの聖地、鎌倉高校前の踏切だ。

 この日も、外国人がカメラやスマホ、タブレットを手に待ち構えていた。

 早いものでもう六月。

 鮎も泳ぎ出したという水無月だ。

 GW湘南海岸を歩いたレポートを綴る。






 いつものように東海道線で茅ヶ崎へ。

 毎年この街を複数回訪れている。

 ブログ読者にはおなじみ、私淑する師匠所縁の土地だから。





 駅からビーチへ向かう途中、お神輿が見えた。

 浜降祭も来月に迫るから、もう準備が始まっているんだろう。

 祭り好きにはその浮かれようが痛いほどわかる。





 サザンビーチは、ほんと和む。

 桑田サウンドを口ずさみ、浜辺ウォーキングをスタート。

 羽毛の一羽が見えるほどリアルに接近する鳶。

 波乗りをしていた若い頃、モスバーガーの新作をかじろうとしたところかっさわられた。

 その時の手の痛み、衝撃はいまだ鮮明に覚えている。

 道すがらお気に入りの店で買った惣菜パンを鳶とにらめっこしながら食べる。

 これもまた湘南風。





 この広大な太平洋を延々と歩く。

 チャリにボードを乗せたサーファー、怖いほど真っ黒に日焼けした肌のおっちゃん、犬を連れた女たちと何人もすれ違う。

 潮風と波の音がたまらない。






 歩く、歩く、歩く。

 しばらく行くと、ラチエン通りの辺りについた。

 防風林の片隅で咲き誇るツツジが眩しい。

 駅に戻るように、内陸へ。





 久々に訪ねる師匠、開高健の暮らした家。

 心に焦燥が走り、筆を持つべき手に緊張が漲る。

 師の呼吸を捉えると、豊穣な語彙と思考の嵐に圧倒される。

 物書きになりたい、今現在しょうもない駄文を書いている己が情けない。

 この徹底的なまでの自虐に苛まれ、物を書く勇気をふたたび奮い立たせるため、何度もこの地に足を運ぶ。



 


 歩く、歩く。

 江ノ島が見えてきた。

 水族館はうんざりするほどの行列。

 およそ並ぶのが大嫌いな私には信じられない光景だが、子供のため、彼女のため人は並ぶ。

 思いの外、歩道をゆく人が多い。

 そろそろ鎌倉高校が近いのだ。

 ここで冒頭の話に繋がる。





 ちょいと気になる道案内が目についた。

 横道に外れ、右手を行くと江ノ電の小さな踏切があった。

 その踏切から生えるように寺への階段が続く。





 満福寺。

 幟を眺めると、義経、弁慶ゆかりの寺とある。

 まんぷく寺でまってます、という同人の高田由紀子さんの顔が浮かぶ。

 これはぜひ彼女に伝えたい、と思った。

 高田さん、知ってますか?

 なので思わず、ちい散歩パクり、鎌倉てつ散歩篇。

 さらに稲村ガ崎まで歩く。

 鶴岡八幡さまの先、竹林まで行きたかったが、この日は時間切れ。

 観光客の帰路のピークと重ならないよう、江ノ電で鎌倉駅へ。


 


 ITを生業とし、大企業に身を投じると、校了のないエンドレスな世界が待っていた。

 ある程度覚悟はしていたが、何事も体験してみないとわからないものだ。

 私は無力で、非力で、無学だ。

 歳をとるごとにそれは痛切に広がる自虐。

 ただ何もない私は、人には恵まれているとも思う。

 それは実にありがたいことだ。

 悠々として 急げ。

 心に何度もつぶやく。

 先週、友と年末の湘南国際マラソン大会へエントリーした。

 明日もまた、陽はのぼる。 

  

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三社祭2017

2017年05月28日 | ★江戸っ子エッセイ★




【お囃子の粋な音色も盗聴か】哲露


 今年も三社祭の季節がやってきた。

 平日に祭囃子が聴こえるともういけねえ。

 浅草っ子の血が騒ぐのだ。

 仕事なんかしてられっか、てやんでえ。





 町会神輿に神様を祀る。

 浅草神社まで、神様を運ぶのだ。

 こりゃ気合い入るわな。

 残業続きで頑張っている後輩に声をかけたら、ぜひ三社の神輿を担ぎたいという。

 そんなこと言われたら、おっちゃん、なんとも嬉しい。





 いつものごとく、浅草寺裏手に神輿が百基ほど結集する。

 これ壮観よ。

 市川團十郎の像のある広場。

 新門辰五郎の建てた稲荷も見える。

 さて、いざ神社へ。





 三社様に参拝し、境内を出る。

 浅草寺前は人ごみの嵐。

 この大勢の観客の中、担ぐ肩にも力が入る。





 この日は30度近い真夏日。

 ビールも旨いが、水も旨い。

 熱中症に気をつけて担ぐような気候は珍しい。

 後輩がずっと入ったまま出てこない。

 初めての神輿に、ちと不安になる。

 でも、若さとは素晴らしい。

 疲れを微塵も感じさせず?、ビールやハイボールを飲んで帰った。





 六町会連合の夜神輿。

 ライトアップされた六基の神輿が一斉に上がる。

 これ、鳥肌が立つのよ。





 翌日、日曜はいよいよ本社の宮神輿の登場。

 今年は思いの外、思いっきり担げたわ。

 試験前で遠慮してた息子も、サッカーの試合後駆けつけて担ぐ。

 祭りはいいな。

 今年も終わった。

 以後、お富士さんの植木市、朝顔市、七夕祭り、花火大会、サンバカーニバルと祭りはつづく。

 監視社会なんてまっぴらだ。

 夏はもうそこに来ている。
 

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荒川サイクルロード

2017年05月14日 | ★江戸っ子エッセイ★





【戦場を北へ南へ鯉悠々と】哲露


 GWのある日、荒川をママチャリで走った。

 芝生が青々と茂り、河川敷に少ない柳もたわわに風に揺れていた。

 行政かボランティアが植えたのだろうか。

 純白、極赤や紅、黄、紺、紫など、花々は目にも艶やかに咲き誇っていた。

 天空は筑波山まで遠く、広い。

 海へと流れる川面の上を、降ろし風が滑っていく。

 少年たちが白球を追いかけ、カラフルなボールを蹴っている。

 老若男女が色とりどりのウェアで淡々とRUNしている。

 外国製の高級自転車がその横を唸りを上げてすり抜ける。

 わたしは、その同じロードを黙々とママチャリで走っていくことにした。





 子供の日も近い。
 
 川の上を、希望に膨らんだ鯉が登っていく。

 東向島から海へ。

 海から山へ向かう。

 赤羽が近づくと、ゴルフ場のグリーンでパット中。





 かつて、フルマラソンで走ったコースを自転車で走るのは気持ちいい。

 水門がみえる。

 岩淵水門だ。

 大雨、台風など増水時には、この水門を閉じ、隅田川への流入を防ぐ。

 徳川さんの成した水害対策事業が、ここでも活かされている。

 封建の偉業が現代の繁栄を支えているんだ。

 なのに、政は後退するような報道が続いている。

 偽政者は、文学部の存在を軽視し、歴史に学ばないことで自分の思い通りにしたいということか。 


 


 ここで茶を飲む。

 水面の輝きが心なし色を失くしたようだ。

 時の政治は、市井の民度に比例するという。

 このままでいいわけはない。

 未来ある若者たちのためにも、僕らは学び、声をあげ、行動すべきだ。

 たとえ、小さな一歩でも。

 河川敷を50km走りながらそんなことを思う。

 思いの丈を、書き続けよう。


 
  

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美女と野獣

2017年05月03日 | ★映画★




【醜悪な心も変わる五月晴れ】哲露


 美女と野獣。Beauty and the Beast。

 連休の初めに鑑賞。

 言わずと知れたディズニーの不朽。
 
 Wikipedhiaによると、1740年ガブリエル=スザンヌ・ド・ヴィルヌーヴ作が初とある。

 現在私たちが知っているものは、短くした1756年ジャンヌ=マリー・ルプランス・ド・ボーモン版らしい。

 人に迎合しないベル。それは芸術家であり、不幸な過去を持つ偏屈な父親の影響とも言える。

 その彼が仕事帰りに摘み取った一輪のバラから物語が走り出す。

 誰もが知っている話し。

 安心してみるも、演技者とミュージカルがその主軸だ。

 ところがどうだ。

 演技とあいまった丁寧で巧みな表現力を前に、落涙してしまった。

 人物にしっかりと感情移入したということ。





 アリアナ・グランデの歌にも魅了される。

 ベル役のエマ・ワトソンもハマり役だった。

 そして、野獣より醜い心の悪役を演じたガストン役、ルークエバンスの演技が光っていた。

 筋をわかってても、泣けてしまう。

 こんなエンターテインメントを作れたらどんなに素晴らしいだろう。

 シンプルで、人の醜さと再生が全てが込められいる。

 観終わった後、考えさせられた。

 そんなことを思う、GWの午前である。

 みなさん、リラックスした休日をお過ごしくださいまし。

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【連載】異国を旅して -韓国篇4(北村韓屋村)-

2017年04月23日 | ★江戸っ子エッセイ★




【落ち葉踏み王様がゆく石畳】哲露


 仁寺洞でマッコリと味噌汁かけご飯に満足したので、安国駅を隔てた北へちょいと腹ごなし。

 北村韓屋村という隠れ(てもないのか)た観光名所だという。

 景福宮と昌徳宮の間に位置し、王族や権力者たちの住む居住地だったそうな。

 朝鮮時代(1392-1910)の末期から最新まで、伝統家屋「韓屋」が多く並ぶ。

 同じアジアでも日本とは違う文化。

 ここは映画のセットのようだね。







 昔ながらの韓国の街並みを見られ、面白い。

 観光の客が訪れるためだろう、お洒落なカフェや雑貨屋もあるからなおのこと楽しい。

 高台からの眺めに気分上々。







 チマチョゴリを着た女性たちもちらほら。

 韓屋を背景に絵になる。

 現存する住宅地でもあるので、こんな看板が。

 そして、ここは急坂ばかりなり。

 坂をえっちらおっちら、ええ運動になるわ。 
 






 マッコリも抜け、喉が渇いてきた

 ガイドMさんに導かれ、茶屋の佳画堂に入る。

 中庭もあり、ほっこりした雰囲気は癒しの空間。

 Mさんオススメのお茶を頼む。

 とにかく真っ赤なビジュアルがすごい。

 ラズベリーのような甘酸っぱい味わい。

 覆盆子(ポップンジャ)茶だというらしい。

 なんでも美肌の強い味方だとか。

 殺伐とした日々の仕事を忘れる瞬間。

 これぞ旅の醍醐味。






 いい具合に夕陽が落ちる。

 あとは下りだけ。

 今宵はまた違う市場へ繰り出す予定。

 口の中もさっぱりしたので、これでまた酒が進むわい。

 ソウルの台所の賑わいはまた次回。

 まだつづく。
 

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大林くんへの手紙

2017年04月16日 | ☆文学のこと☆




【頼りなく傾く椅子が便りかな】哲露


 傾いた椅子。

 その視線から見上げる空に、なにが映っているんだろう。

 手紙がメールに、メールがSNSと言われるものに変化した。

 手紙への回帰も言われる中、面白い実験だと思ったし、その方法論が世界を作り、空想の領域を広げている。

 文香からの手紙より、文香の行動に起因する周りの反応やハレーションが興味深かった。

 そして、文書を交わすだけでない、個体としての心情の交換もまた新鮮だった。

 せいのさん、いつこんな手法を思いついたのだろう。

 誰もが気づくことがないような、内面の心象を拾い上げる名手だと思う。

 言葉にすると、伝えたいものが手から漏れてしまう。

 個人的には、ラストの大林の文は、ない方がかえって完成度が高かった気がする。 

 わかりやすさ、伝えやすさからだと判っていても、言葉にしない伝達にこだわった小説世界だけに勿体なく思った。








 今年は寒さの揺り戻しが続いたせいか、桜が長く楽しめる。

 うちの坊主も、昨夜花見とか。

 来週は春の研究会。

 後輩連れて、参加する。

 またしても、アウトプットでなく、インプット。

 私もいつか、ちゃんとした小説を書きます。

 あしからず。 

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雨上がりの花見句会

2017年04月09日 | ★全国蕎麦屋飲み好き連★




 4月初めの桜祭りは冷たい雨により、一週延期。

 こんなに遅れる花見も珍しい。

 平日の穏やかな日は上野で花見し、i-Phoneの液晶を割った。

 この日もあいにくの雨。

 朝一にチケットを手にいれる頃は、まだしとどに降りしきっていた。

 その割れた画面で皆に連絡をし、花見の句会を開いた。

 土曜の昼下がり。

 たくさんのアルコールと食い物を持って集まる。

 奇跡的に雨も上がり、無事水上バスに乗り込むことができた。







 天 「そよ風に 頬赤らめる 酔いさくら」笑嬢

 
 大量の酒に、持ち寄ったツマミもバッチリ。

 席が埋まるほどの観光客も羨ましいがる酒宴の始まり。

 若い衆が酒を注ぎ、ツマミを配置してくれる。

 素晴らしい活躍。

 なんとも心強いことだ。






 

 地 「曇れども 花見に集まる あたたかさ」花形

 
 毎度のビギナーズラックはあるものの、後輩二人のワンツーは見事。

 ビールも切れ、早くも吉野杉香る一升瓶もなくなる。

 お肉の遣い手、テリー肉丸差し入れの、チャーシュー1kgとメンマもあっという間に空。

 船の間に、白ワインまで到達する。

 笑い上戸の笑嬢さんの差し入れ、イチジクがこれまた辛口の白に合う。

 それにしても、まだ、午後14時なのよ。みんな、よく飲むこと。








 人 「川舟や ぼやり流るる さくら雲」純恋

 
 艶っぽい和服の姐さんも、さらりと人賞に。

 さすが児童文学からAV男優まで幅広い執筆をなさるだけある。

 あっしも見習わねば。
 
 一同、桜橋で上陸。酔って降り過ぎるとこやった。あぶねえ。

 雨の降るなか、朝から陣取りしていた若者たちの勇姿はすごい。

 彼らの根性に、日本人の桜へ対する執拗な想い、これぞ大和魂を感じる。 

 とはいえ我々には悪天候が功を奏し、いつもの築山にシートが引けた。

 ああ、絶景かな、絶景かな。

 





 「散り濡れも 桜花乱舞に 心舞う」肉舞


 本日の集い、なんと独り身が多い。

 そこで、縁結びの神さま、今戸神社へ参詣にお連れした。

 ここは沖田総司終焉の地とも噂され、今戸焼発祥の地とも言われる。

 パンパンっ、と懸命に祈る独身の姿に、日本の良い心を見る気がする。 

 絵馬を冷やかす心は下世話なもんだが、江戸の頃より人の噂話が戯作や芸術になった。

 神社の清廉で、凛とした空気は人の心を癒してくれるってこと。








 「舟遊び ゆらりゆらりと 散る花や」哲露


 一葉も通った墨堤をテクテクと吟行す。

 空は曇るが、皆の心は晴れやかだ。

 スカイツリーをバックにパシャり、菜の花と桜花をバックにパシャり。

 酔っているから、代わり映えのない絵ばかりになっちまった。

 それも愉快から来るご愛嬌。





「辻岡は 桜と眠る アーティスト」水芭蕉


 陽も落ち掛ける頃、恒例の稲垣へ。

 いよいよ句会である。

 〆切は19時までよ、と声をかけると、口数も減る。

 これもいつものごとし。

 質こそ低調だが、明るく心のある句が目立つ。

 転写を手伝ってくれる後輩も現れた。

 モチっと、本気で発句にも力を入れねばなるめえ。

 ご入賞した皆さん、おめでとう。

 ご参加の皆さん、ありがとうござんした。


「初めての 人と観る 花見かな」薬師如来

「船着きて 和服美人は 春めきて」変態公


「花の雲 我を想う日 誕生日」酔徹






 
昨年は王子山で流感にかかり、日本橋川の花見も凍え震えていた。

 今年はこんな笑顔に包まれ、あっしは幸せもんざんす。

 一日一生。

 今日も鼻を啜りながら、同人の作品を読む。

 雨の中、創作への想いを巡らしてみる。

 参加くだすった、 皆さんに感謝。

 紫陽花が露濡れる頃、またやりたいもんだ。 

 次回まで御機嫌よう。

 またよろしゅう。

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再び京都へ

2017年04月01日 | ★江戸っ子エッセイ★




【鴨川にそぞろ歩きの花妓かな】哲露
 

 淀屋橋から京都へ入る。

 久しぶりの京都は晴れ時々雨みたいな変な天気。

 京都タワーは改装中。



 


 菊正宗のみの潔い自動販売機。

 小学生の訓示に、襟を正す今日この頃である。

 子供は素直で残酷で、鋭いのだ。





 今回訪問先の会社へ行ったら、ビックラコイタ。

 なんと、京町家がオフィスとな。

 中庭の手入れなど社員でやっているらしい。

 それにしても、素敵だ。

 こんなところで、原稿に向かったらさぞ筆が進むんだろうなぁ。







 明治元年創業の老舗、田毎へ。

 明太子とろろと、小海老の冷たい蕎麦を頼んだ。

 歩くと汗ばむが、肌寒い。

 ぬる燗を一本。

 五臓六腑に沁みいるとはこのこと。

 美味しゅうございました。



 


 同じ寺町通り近くのアーケードに惹かれて入る。

 お土産を買ったら、その場であんを詰めてくれる。

 昔ながらのほんまの生八ツ橋どす。

 家族にも後輩たちにも好評だった。



 


 京都いえば、鴨川。

 昨年の夏には、上流の貴船まで遠征した。

 納涼の川床は最高だった。

 空は晴れ渡り、着物姿の若者が多い。



 


 間も無く古都も桜の開花を迎える。 

 都をどりなんてのを観てみてえな。

 どぅどすえ。


 


 名古屋、大阪、京都と二日間でよく回った。

 思えば、転職してからまともに休んでいない。

 我ながら、働き者になったもんだ。

 本日4月1日、関東は雪が降るような寒々しい天候。

 花見句会も一週間の延期を決めた。

 いつものランニングコースも、ランナーはちらほらだ。

 みなさん、お疲れさん。

 これからは少しずつ、要領を得て、書き物に向かいたい。 

  

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思わぬ食い道楽の旅。

2017年03月26日 | ★江戸っ子エッセイ★




【肩並べ観覧車みて春感ず】哲露


 大阪淀屋橋で仕事を終え、チェックイン。

 梅田の阪急前でローカルの友人と待ち合わせた。

 予約を済ませていた熟成肉とイタリアンの店【ボノ】へ。

 飲み放題なので、まずはカールスバーグを。

 イタ飯の前菜って好きだ。







 生ハムのサラダに、インカのめざめ。

 どちらもスパークリングによく合う。

 お互い、アラフィフ。

 仕事終え、やや疲れ気味なので、話題もスローペース。

 だが、アルコールの消費ととも、徐々に元気を取り戻す。錯覚か!?






 カラスミのボンゴレが来たあたりで、あっしのお腹は満たされつつある。

 そこへ登場した、熟成肉。

 周りの人もよく食べること。

 みんな胃袋が大きいのね。

 男同士の話。

 悩みを相談されたが、同じような経験で返す。

 学生の友達ってこういうもの。







 ここに来て、話も盛り上がって来た。

 普段は会えない分、このまま別れがたくプラプラと。

 あっしはバーでいい気分だが、彼はまだ食えるとのこと。

 むしろお腹が空いたと。

 さすが年に何度もフルマラソンを走る男。

 そこで、アーケード街で見かけた看板に釣られ、ラーメン【2国】へ入る。

 彼だけ豚骨醤油ラーメンなどすすり、しっかりと炒飯まで食べ、わしは餃子を少しつまんでビールを飲んだ。

 それにしても、たいしたもんだ。

 酒飲みであり、健啖家である師匠を思い出す。

 この街で、戦時下、飢えを忍んだ体験が彼をそうさせたと思っている。

 友よ、仕事の帰り、おおきに。





 思わぬ、食い道楽の旅となった。

 この職業について、美味しいもん食べてんでしょとはよく言われる。

 こんな写真をアップしているとまさにその通りかも、と思う。

 なので、普段は質素におにぎりなどでランチをしてる。

 明日の朝は、京都へ。

 出張の旅はまだ続く。

  

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ひつまぶし

2017年03月20日 | ★江戸っ子エッセイ★




【春風に誘われうなぎ出汁のなか】哲露


 名古屋に出張した。

 テレビ塔の見える広場が気持ちいい。 

 花粉さえなければ、最高なのに。





 名古屋駅に、こんな看板。

 わが編集部がやっているシェフを使った仕掛けがここでも。

 どこもかしこもなりふり構わず。

 ひと昔前の媒体や広告はプライドと気概があった。

 はてさて。





 名古屋といえば、味噌煮込み、きしめん、味噌カツ、喫茶店のサービス。

 そして、あんかけスパだ。

 ここでも、おもろいメニューがずらり。






 シェフがオススメしていたひつまぶしの名店”しら河”へ。

 焼いて蒸す関東とは真逆の、外がカリッと、香ばしい鰻。

 あたしゃ、これが好きなんよ。





 一杯目はおひつをかき回してそのまんま。

 二杯目は、ご覧の通り、わさびと九条ネギ、ノリをかけて。

 ビールが欲しいが、まだ仕事が残っているので我慢。





 三杯目は、同じく薬味に、出汁をかけて茶漬け風にいただく。

 隣の地元とおぼしきおっさんが、鰻巻きを突く女性に話しかけていた。

 ひつまぶしの店は数あれど、この店を選んで正解よ、お姉ちゃんたち。

 微妙な口説き文句を肴に、ゆっくりと茶を飲んだ。

 栄町に降りたのは何年ぶりだろう。

 旅先のうまいもん。

 これぞ旅の醍醐味ですな。

 のぞみに飛び乗って、いざ大阪淀屋橋へ。 


  

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レイパーカーJrを聴いて、メロウな夜

2017年03月12日 | ★江戸っ子エッセイ★




【悲しみも笑顔も聞きし花は咲く】哲露


 春めいてきたある夜。

 後輩の計らいでビルボード東京のLIVEにありつけた。

 「Woman Needs Love」がかかると、あの頃の匂いが蘇る。

 ディスコと呼ばれた箱が楽しかったあの時代。

 街の空気は、煌びやかで、穏やかで、優しい驕りの時代。 

 「ゴーストバスターズ」がかかると、厳格な家庭に育ち常に表情の硬かった友人が笑ったことを強く思い出す。 





 演奏が始まってから終始にこやかで、ユーモア溢れるレイ。

 バンドのメンバーもみんなイカす大人たちだ。

 客層はまた渋い紳士淑女たち。

 仕事帰りに、こうした楽しみを享受できる平和を想う。




 


 6年前。

 こんなことがあった。

 紙面からありえない戦慄が伝わってくる。

 あれから寄付と偽善、絆と分断、嘘と真実がせめぎ合う。

 そして、人々はいつの間にか日常に流され、見て見ぬ振りの無関心がはびこる。

 福島や被災地だけでなく、自分の日常と直結する政治にも無関心になりつつある。

 「慣らされる」、この真の怖ろしさを、欧米、中東、アジア、日本の現状を横目にひしひしと感じる。





 6年前には完成していなかったツリーに、人々は群がる。

 あの日も、花は咲いていた。





 目に見えないのは放射能だけでなく、慣らされて無関心になっていく無機質な心だ。

 何を知ろうとし、何を考えるか。

 行動より先にすることは山ほどある。

 現代は本当にメロウな夜を迎えているのか。

 現実を直視せよ。

 そう自分に問いかけ、今宵もまた酒精をすする。

 合掌。 

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【連載】異国を旅して -韓国篇3(仁寺洞)-

2017年03月05日 | 【連載】異国を旅して






【賑わいの街を冷やかし汁に酔う】哲露


 前回、世界遺産の続き。

 昌徳宮から街まで歩く。

 鍾路仁寺洞。

 昼夜問わず、観光客に人気のスポットとのこと。

 若い人や外国人も多い。






 たくさんのお土産が売られている。

 装いは日本のそれと同じだが、韓国らしい装飾に目を奪われて面白い。

 定番のもの、縁起もの、アレヤコレヤ。





 話題の尽きない、あの人も。

 何を言いたいのか。

 観光の街にこんな風刺が置かれているのが現世韓国事情。






 明洞とはまた違う雰囲気。

 だが、ハングル文字を見ていると不思議な既視感に囚われる。

 ああ、異国を歩いているんだなという素朴で平和な幸せ。






 ツレのM嬢がサクサクと、とある路地を入る。

 知らないとわからん道。





 今、ソウルでも新しい食スポットとのこと。

 看板もソコソコに、こりゃ知らんと入れんわ。

 観光で来ていたら、まず通り過ぎる店。





 その二階へ上がる。

 ソウルのおばちゃんたち次々と入ってくる。

 目当ては・・・。





 昼から微炭酸のマッコリを。

 ヤカンから注ぐのが正統派らしい。

 わしらも地元民のつもりで頼む。

 もっともM嬢は、すでに在住で言葉もローカルだから手馴れたもの。





 とにかく、酒と料理を注文すると、キムチやら野菜の付け合わせが無料。

 飲んべには、まっこと嬉しいサービスだ。

 発泡マッコリのうまいこと。

 昼酒バンザイである。

 そして、ここの目玉がなんと味噌汁かけご飯。

 味噌がけが店で供されるなんて、信じられないでしょ?





 ところがこれが美味いのよ。

 十穀米っぽい米に、無造作に豆腐の辛い味噌汁をかけていく。

 熟成された味噌と甘味を含んだ唐辛子、青い野菜もたっぷりと入れる。

 想像より汁っぽくなく、 なんだかマッコリに合うんだ。

 どっか懐かしく、未体験のグルメ。

 ピリッとした汁飯、マッコリ、辛い野菜飯、マッコリ。

 このエンドレスのループは最強だ。

 これ、ハマった。






 仁寺洞は観光の街。

 だけど、こんな飯屋があるのがソウルの魅力。

 未体験ゾーンの連続。

 案内人に感謝。

 酒付きのお昼も済ませ、次なるスポットへ。

 韓国の旅、まだまだ続きまっせ。 



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