fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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『みちのく山のゆなな』(国土社)『ファミリーマップ』、エンタメシリーズ『家守神』1~4巻、『おはようの声』幼年童話『ヘビくんブランコくん』『オンチの葉っぱららららら♪』、短編集『友だちの木』・歴史物語『アテルイ 坂上田村麻呂と交えたエミシの勇士』他、好評発売中です。原稿・講演など各種ご依頼は、左側のメッセージからお願いいたします。    

秋田さきがけ新聞(2017/9・24)で、ご紹介いただきました。

2017年09月29日 | 自作紹介
       

 とてもいい記事を書いていただき、感謝しています。
 とりとめなく、いろいろ喋った事を、こんなにもうまくまとめてくださって! さすがですね。
 これを読んで、本を買ってくださる方がいらっしゃるといいなあと、思います。

 本当に、いろいろな方に支えられています。社会って、こうやって動いているんだなあなんて、この年になって、感じていること。
 どうぞ、よろしくお願いいたします。

 *写真などの加工は、御容赦ください(笑)。

オオカミのお札のステッカー

2017年09月29日 | 自作紹介
          

 昨年、青梅御嶽山に登り、お札とともにいただいてきたステッカーがありました。15㎝ほどのコンパクトなものです。さて、どこに貼ろうかなと考え、

  
 
 自分用セットの第一巻『カヨが聞いた声ー江戸時代』の見返しに貼りました。表紙のタイトルになっているお札と、ほぼ同じ大きさ! 御利益がありますように。

秋田市加賀谷書店さんのHP

2017年09月28日 | 自作紹介
          『オオカミのお札』シリーズ(一~三)

 秋田市の加賀谷書店さんのHP で、「イチオシ!」としてご紹介いただいています。
 子どもの頃には、しょっちゅう行って、本を買っていた書店さんです。父のつけもきいたし(笑)。
 大型店の進出で、地元の書店は大変でしょうが、外商は根強いのではないでしょうか。

 高校、大学名もありますが、中学も加賀谷書店さんと同じ学区でした! (思えば、幼稚園~大学が、全部徒歩30分以内だった・・・)

 どうぞよろしくお願いいたします。

座について(「童子」2017・9月号から)

2017年09月24日 | 俳句
 俳句は座の文芸であるということについて、「童子」9月号で、辻桃子主宰が言及していて、(そう、そうなの!)と嬉しくなりました。文学というものに対してどう向き合うのかという根源的なことにつながります。

 このブログを始める際に、「童子」に発表された句などを紹介する許可をいただいているので、辻桃子主宰の文章の一部を転記させていただきます。

 句会は単なる俳句の勉強会、訓練の場だけではない。昔から「座」といって大切にしてきた、魂の寄り合うところなのだ。芭蕉に〈秋近き心のよるや四畳半〉という句もあるくらいだ。
「句会で月に一回会う人は、その座でめぐりあった運命の仲間なのよ。その人を大切にし、その作品がどんなに未完成でも大切に読み合うという気持ちがなかったら、句会なんて成り立たないと思うの」
 昔、俳句の先輩から教わったのが、「一期一会」という言葉だった。一つの句会は、同じメンバーで同じところで、同じ句を出すことは二度とない「座」なのだ。仲間の句を、「大切に拝読させていただく」という心構えが大切だ。そこはまた禅で言う「自己放下(ほうげ)」の場でもある。とりあえず句会の何時間か学ばせていただいているのだから、自分の句に何点入ったとか、ほめられたといった執着は捨てて、ただそこに居させていただく、という謙譲の精神が基本なのだ。
 「そうやって厳しく自分を磨かないで、どうして五七五というこんなに短い俳句に、自分の全存在を込めるなんていうことができるでしょう」

  中略

   金木犀

 やめてしまったらただのおばさん、悲しいことも人間学だと思って俳句を作り続けていれば俳人なのよ。  「桃子草子」より 
 

 私が児童文学を主にやりながら、俳句をやめないでいるのは、俳句をやっていたら、いい児童文学を書けるからでもなければ、役にたつからでもない。ましては、すごい句を世に残したいからではない。
 こういった精神を学ぶことができるからです。

 『オオカミのお札』〈三)美咲が感じた力 現代 の中で、おじいさんが、お札は買うのではなく、「いただく」ものと、美咲はいつも言われて育ったと書いています。これは、まさに辻桃子主宰がいつもおっしゃっていること。神仏への畏敬を常に持っているべきということを折に触れて〈句会で)言われてきました。
 吟行で、人が集まったとき、座敷の外のスリッパが乱れていると、「スリッパをそろえなさい。そのほうが、俳句より大事です」と言います。人としてあるべき姿を教えられるのです。〈全て身についてはいませんが)

 そういう心持ちがあってこその文学なのではないかと、改めて思いました。
 児童文学で出会う方達とも、この気持ちを持っていないと! 

『オオカミのお札』こぼれ話⑤ 青梅御嶽山のオオカミ信仰

2017年09月21日 | 自作紹介
   

『オオカミのお札』(くもん出版)を書くにいたるまで、当然いろいろ出かけたり、読んだりしています。
 その大もとは、各巻にも出てくる青梅御嶽山(みたけさん)の大口真神社です。そのオオカミ信仰が、御嶽山を源流となってる多摩川流域に川崎あたりまで広まっていて、それを調べて映画にされたのが、小倉美惠子さんの「オオカミの護符」というドキュメンタリー映画。それを本にしたのが新潮社から発売されています。この映画をポレポレ東中野で観たのも、もう10年以上前かもしれません。
 観ながら暗がりで、ずっとメモっていたことを記憶しています。そして、これをなんとか物語にできないかとも思いましたが、当時の私には、その力はなく・・・。
 
 
 歩いて登る場合の入り口。この近くからロープウエイが出ています。
 
  
 本殿の裏にある大口真神社

 
 これが、各地に伝わる「講」によって、建立された碑。もっと、ずらりとあるのですよ。映画を観る前に登っていて、そのときは、これはいったいなんなのだろうと思っていました。

 
 山頂付近から臨む東京方面

 大神さま こんな記事を書いていたこともありました。この狛犬(オオカミ)は、八王子の中央大学近くにあrます。

 こぼれ話④に書いたように、たくさんの方からお話を聞いたり、実際にモデルにして書いています。
 でも、何よりも、このおイヌ様に一番力をいただいて、書いた物語です。
 執筆する部屋に、しっかりとお札を貼っています。ステッカーもあるのですよ。

 オオカミ信仰は、埼玉の三峯神社が有名で、こちらにも一度行きたいと思いつつ、果たせていません。東北にも、オオカミにまつわる話はいろいろ残っていて、『狼が遺したもの』工藤利栄作(北方新社)という本も、イメージを膨らませる参考になりました。

 東京近辺の方、ぜひ一度、御嶽山(みたけさん)のおイヌ様にお詣りください。

『オオカミのお札』こぼれ話④モデル

2017年09月19日 | 自作紹介
          2巻 正次

 2巻の正次のモデルは、父です。
 太郎、次郎という双子の兄弟の弟で、兄の太郎さんは、フィリピンルソン島で戦死しています。正次は、戦時中に子どもという設定にしていますが、父達は、実際には、出征している。つまり正次の父と弟にも、お置き換えているのです。

 祖母が、次郎は太郎の宿題を写してばかりだったとか、言っていました。
 そっくりの二人なのに、太郎さんは直立不動で、父はおちゃらけて写真に写っています。

軍服姿の遺影を見ては、父とそっくりだったおじさんが生きていて、結婚し子どもが生まれていたら、従兄弟になったんだなあとか、思っていました。

 実際には、戦時中のことなどは父にはあまり聞くことなく、終わってしまいました。もっといろいろ聞いておいたらよかったです。戦地には次男である父のほうが先に行き、そして、大陸(どこだったか)を移動していたときに、偶然兄、太郎さんの隊とすれ違った。それが今生の別れだったということです。

 当時の少年達は、皆、お国のためにという教育を受けていました。俳句の会でお会いする方達にも、この時代を生き抜いてきた方がたくさんいらっしゃいます。その方達にも、句会後、いろいろお聞きしました。お国のために死にたいと思っていた。あと数ヶ月戦争が長引いていたら、自分も出征していたとおっしゃっていたKさん。空襲で自宅は丸焼けになってしまったとも。

 家で養蚕をやっていた時の話を聞かせてくださったTさん。1巻のカヨの家のことは、この方のお話が参考になっています。八王子で実際にまだ養蚕をやっているお宅にも案内していただきました。物語には反映しませんでしたが、出征したお兄様を軍に訪ねていったときのお話は、印象的でした。カッカッというお兄様の靴の音がまだ耳に残っているそうです。


 3巻には、正次がおじいさんとして出ていますが、こっちは父ではなく、舅がモデルです。(ごちゃまぜ)生涯農家として生きて、でも食道癌に倒れました。その介護のため岩手に行っていたときにあったのが、東日本大震災。私がいたのは、内陸部でしたが、親戚が沿岸にいたことで、それにまつわるいろいろを、3巻では書いています。介護中でもあり、体力もなく、ボランティアなど何もできなかったけれど、この惨状を見ておかなくてはという気持ちで、何度も訪れました。実際に被害に遭われた方にとっては、もっともっと悲惨だったというのが実態だとは思いますが、自分としては精一杯を書きました。

 オオカミについたは、また次回。

『オオカミのお札』こぼれ話③ ブックデザイン

2017年09月18日 | 自作紹介
 実は、ブックデザインという分野、とても興味があるのです。
 デザイナーさんの名前が出る場合と出ない場合がありますね。『オオカミのお札』には、出ていません。
 でも、いらっしゃるんです。とても感謝しています。
 いいなあーと思うのです。
 タイトルをでんとお札にしてくださったこと。しかも和紙っぽく。
 帯がぱっと見、透ける紙なのかな? と思うけど、実はそうではなく、下に隠れてしまう絵を薄く印刷していること。(ここ、割とみなさんからも、評判がいいです)

  
 
 そして、裏も見てください。裏にバーコードの部分があるんですが、ここもちょっと透けた感じになっているでしょう。これが、白い紙を貼ったみたいにされると、興ざめになるところを、細かくデザインしてくださっているんです。これに気づいたのは、最近です。(カバーが白地じゃない本を探して見てください。普通に白いシールを貼ってしまったようになっているのが多いです)

  

 それから、何度か「ソフトカバーですね」と言われるんですが、そうではないんです。これ、ソフトカバーっぽい、ハードカバーなのだそうです。ネットの本屋さんの商品案内には、しっかり「ソフトカバー」と書かれてしまっていますがね。
 天のところ(本の上)を見ると、よくわかります。ソフトカバーの場合は、綴じている部分に何もないけど、ハードカバーの場合は、ここに細く布があるんですよ。これ、きっとちゃんとした名前があるんだと思いますが。

 御嶽山の実際のお札をいただいていたのがあったので、編集さんにお渡していました。それをそのままにするのではなく、御朱印のところ、デザインしてあります。

 棚に入った場合にも、オオカミの絵が見えるとか、巻末にある他の巻の宣伝部分にも、このオオカミが薄く印刷されているとか・・・。
 そんな細かいところを見て、にまにまとしています。(なかなか内容のほうに行きませんね。内容は、読んでいただくのが一番、なんて)

9月中旬の北上(岩手)

2017年09月17日 | 日記
    まだ楓は緑色で、

  林檎はほんのりと色づいています

  蒲

  紫陽花は立ち枯れかけ

  花野? 

  滞在中、必ず一度は行く、ポイント。北上川を望んで。

*SDカードに保存している写真を、あとから探すのが大変なので、ここで整理。防備録です。自分の創作にとって、この景色は、なんと大事なことか! 

胡桃(防備録)

2017年09月17日 | 日記
 岩手では、9月1日に胡桃が落ち始めます。ということを、イギリス海岸にいたおばさまからお聞きしました。その後、賢治のお母様の生家でも、ご子孫から同じことをお聞きしたので、これは、定説になっているのだと思います。
 その後、少しずつ熟しては落ち、まわりの果肉が朽ちていきます。

  まだ木になっているところ。(9月中旬、北上川沿い)

  周りが朽ちているのもあれば、まだ緑のものも。

   周りの小さいのは、榧の実です。

  胡桃の木 

  拾って、周りを向いて、洗う。

  干す。金槌で割ったら、実が白い! そして、美味!

 家人に言わせると、このような手間などいらず、畑に土をかぶせておけば、雪が降るころにはきれいになっているのだとか。
 ちょっと油っぽくて、栄養価も高く、胡桃餅という岩手の伝統食は最高です。

黒木千草句集『あの時この時』(童子吟社)

2017年09月17日 | 本の紹介
 

長く一緒に俳句をやっている千草さんが、句集を出されました。
 俳句をやる目的は、人それぞれで、どういうのがいいとは言えません。でも、この一冊を読むと、俳句はお金儲けのためのものではないし、有名になるためのものでもない。ほめてもらうためにやるわけでもない! というのが、はっきりわかります。
 何か「結果」を求める人には、俳句は向きません。
 
 この句集は、千草さんにとって「結果」ではなく、千草さんが、二十五年をかけて歩いた道筋です。

 それを、辻桃子主宰は、「千草さんの句は、『ふだん』の句」であると序文で述べられています。

 角曲がるふだんの角が枯野かな
 清掃車鬼灯の鉢残し行く
 初蝶やブローチのピン甘くなり
 紙芝居一本読んで昼寝かな
 泡立草地蔵に続く道ふさぎ
 米櫃のからになりたる一葉忌
 灼熱の江東区ガス科学館
 下闇を抜けしところに隠れ井戸
 電話まづ父が出てきてうららかに
 出来秋や証明写真目をむいて
 炎昼や母の箪笥を処分して
 角曲がるたびに近づき秋の虹
 湯の宿の少し皺よる夏みかん
 初泣きの顔をさらしてバスの中
 黒南風や長泣きの子はほつておき
 そこだけは雲の明るき十三夜    千草 

 ああ、なんてあたたかい「ふだん」なんだろう。その「ふだん」には、母の箪笥を処分したり、泣き顔のままバスに乗ったりすることも含まれているのです。

 千草さんが今世話人をされているパセリの会は、当時、小学生とか幼稚園の子どもを持つ同人のために作られた句会でした。その立ち上げから何年かは、私も参加していたのですよ。私はやがて、あっちにふらふら、こっちにふらふらとしていますが、千草さんは、腰を落ち着け、たんたんと句を作り続けていらしたのです。そして、こんなすばらしい句集が誕生。
 ふだんの千草さんは、大きな声を出したり、目立った方ではありません。こんなすばらしい句を作る方だったのかと、句集を読んで驚く方もいらっしゃるかも。

 ほめられるために俳句を作るのじゃあない。今生きている一瞬を刻むのが、俳句なのではないでしょうか。襟を正す思いでした。
 千草さん、思えば長いおつきあいですね。俳句の座は一期一会という言葉も、今かみしめています。
 千草さん、本当におめでとうございます。

『ビブリオバトルへ、ようこそ』(濱野京子作・森川いずみ絵)あかね書房

2017年09月16日 | 本の紹介
               

  ビブリオバトル、広まっています!!
 
 主人公、柚希は5年生ですが、6年生の図書員 幸哉君にあこがれて、図書委員になりました。
 図書委員のメンバーは、もっと本を読んでほしい、そのためにはどうしたらいいか、話し合います。
 そのとき、先生から、「ビブリオバトルをしない?」という提案が出たのです。柚希をはじめ、そこにいたメンバーは誰もビブリオバトルを知りません。
 でも、やってみたい。やってみよう、となるのです。
 
 物語は、柚希の恋をからめ、進んでいきます。
 明るく、ちょっとおっちょこちょいの主人公が、でも真剣にビブリオバトルに取り組んでいきます。

 図書室でのビブリオバトルは、何回かにわけて行われる様子が描かれているので、そのつど、柚希がどんな本を選ぶのか、他の子はどんな本を発表するのか。相当数の本が出てきます。
 ああ、この本読んだことがある。わあ、これ、読んでみたい。
 本を読みながら、新しい本の世界が広がる。いいなあ。

 私も個人的に、何冊か、(読みたい)と思ったことがありました。また読んだことがある本が出てきて、それを物語の中で、登場人物が紹介すると、自分の知り合いを紹介されているような嬉しい気持ちになります。あ、これって、実際のビブリオバトルでもあることかも、っと思いました。
 実際のビブリオバトルでは、読んでみたい本を選ぶわけですが、やってみると、実は読んだことがある本を誰かが紹介すると、嬉しいものなのです。最後の投票ではその本には手をあげませんが(読んだことがあるからね)、でも自分が好きな本を、他の人と共有できるって、嬉しい。だから、ビブリオバトルでチャンプ本にならなくっても、がっかりする必要はないっていうことなんだなあ。なんてことも、改めておもいました。

 森川いずみさんの描かれた表紙や挿絵も、子ども達が生き生きとしていて、とくに笑顔がいいですね!  

『オオカミのお札』レビュー3

2017年09月14日 | 自作紹介
        

 宮城県角田在住の児童文学作家堀米薫さんの「どじょう日記」。堀米さんは、農業、酪農をしながら、土に根ざした東北の香りのする児童文学を数多く発表されています。『オオカミのお札』の3巻では、東日本大震災を描いているので、このようなレビューに感激しています。

 「季節風」の友人、福田徳子さんの「あじさい日記」。ご先祖様やご家族をとても大事にしてらっしゃる方。「黄色いかさ」という作品で、昨年は児童ペン新人賞をご受賞。

 こういったレビュ―を読んでいただけたら、私が、内容についてあれこれと言う必要がないかなというくらい、嬉しい感想を書いてくださっています。ありがとうございました。

『オオカミのお札』(くもん出版)こぼれ話②イラスト

2017年09月11日 | 自作紹介
 表紙の絵や中の挿絵を、中川学さんにお願いするというのも、割と早い時期に、決めていただいていました。
 和であり、かつモダンな、それまでの中川さんのお仕事を拝見し、わくわく。
 そして、ラフをいただいたのですが、動きがあるんですね。これは嬉しいと思いました。

 その時点で、私の文章を直したことがありました。

 まず、編集者さんから中川さんへ、どのページをどんな感じにというお願いを私も共有したのですが、1巻のナツが柱にしがみついているシーンについて、「コミカルに」というご指示があったんです。それを読んで、なるほどと。(笑) 全体的に重いテーマの中、ここは息を抜けるシーンでもあるのだなと。そこで、私は文章に、「どこか滑稽だ」というのを入れさせていただきました。

 また2巻では、正次が木の枝を拾って、日本兵が銃を構えるまねをするのですが、実は、短銃をイメージして書いていたのです。ところがラフで来たのは長い銃でした。これも、ああそうだ、こっちの方が「絵になる」と感じ、自分のほうをなおしました。
 本当にありがたいことでした。


 そしてそして、色のついたものが来ました。
 表紙の絵、開くとこんな感じです。
 
 

 閉じた状態では、大きなオオカミの顔としかわかりませんが、開くと、これが木なのだとわかります。ダブルイメージなんですね。大好き! そして、正次。

  

  美咲

 と、背景の村が、江戸時代から現代にと変わっているのがわかります。 
 1巻の田は、稲が実っていて、秋の空。2巻は青田、そして夏の入道雲。3巻は、雲のないすかっとした空です。いいなあ。

 中の挿絵も、3巻の津波跡の茫漠たる感じ。
 ラストの煙がオオカミになる様子。
 月にオオカミがいる姿。
 確かに、私が書いた文章を絵にしてくださっています。

 いろいろ書きすぎるとネタバレになってしまいますね。でも、大丈夫。(と思う)

 中川学さんは、京都瑞泉寺のご住職でもいらしゃいます。豊臣秀吉の弟、秀次の菩提寺なのだそうです。お忙しい中、こんなすばらしい絵をたくさん描いてくださって、本当にありがとうございました。
 

『オオカミのお札』(くもん出版)レビュー2

2017年09月11日 | 自作紹介
 引き続き、書いていただいたレビューをご紹介いたします。

 

   

 大阪在住児童文学作家、安田夏菜さんの「夏菜の野菜畑」 『レイさんといた夏』『くじらじゃくし』(いずれも講談社)など、ご活躍です。

秋田市在住、小児科医でもあり児童文学作家でもあるという伊嶋敦子さんのブログ「川天使空間」『食べられないよアレルギー』(童心社)は、小児科医ならではの紙芝居。版を重ねているそうです。
 
日本児童文学者協会の理事でもある、赤羽じゅんこさんのブログ「赤羽じゅんこの三日坊主日記」 
 『なみきビブリオバトル・ストーリー』(さ・え・ら書房)でご一緒している事もあり、お会いする機会が多く、たくさんのことを教わっています。
 祈りということを感じてくださって、嬉しいです。 

 皆様、ありがとうございました。

『オオカミのお札』こぼれ話① タイトルについて

2017年09月08日 | 自作紹介
 発売になった後は、旅だった我が子を見守る思いでおります。
 支えてくださる皆様、感謝申し上げます。
 こぼれ話など、ぼちぼちと。

      
 
 本というのは、多くの方の手によって作り出され、多くの方の手によって、読者さんに届けられます。
 その元締めは、編集者さん。
 くもん出版の編集者さんに、最初原稿を読んでいただいたのは、3年前の10月だったと記憶しています。その後、ご指摘をいただいた点の改稿、編集会議などを何度か繰り返し、出版にいたったわけですが、その過程で、三冊の分冊にするということも、当初私の念頭には全くなかったことでしたが、決めてくださいました。 
 
 そして、タイトル。
 最初は、『オオカミの祠』でしたが、これは案外早い時期に『オオカミのお札』になったかな。
 問題は、各巻ごとのタイトルでした。これは割とぎりぎりまで決まらず。
 ご相談しましょうと言われ、くもん出版さんを訪れました。品川駅すぐの超立派なビル。白を基調とした、塵ひとつ落ちていない近代的なオフィスの一角の商談スペースで、Tさんと向き合い、ああでもないこうでもないと、1時間以上。正直、決まるのだろうか・・・、と思っていました。
 ○○・・・と私が言うと、「それはやめましょ」(びしっ)というようなやりとりが続き。
 そして、『カヨが聞いた声』とつぶやくと、「それいいですね」と言っていただき、となると、正次は、月に大神様の影を見ているから、『正次が見た影』とすぐに決まり。
 が、三巻はまたなかなか決まらず。聞いた、見たときたら、次は? 五感ということでは、嗅覚、味覚、いやタイトル的にはない。では、触覚? ・・・ うーん。
 「美咲が触った風」「美咲が感じた風」「美咲が感じた力」とかも候補に出ましたが、私が、三巻の最後でもあるので、希望を感じられるものにしたいと「光」を押させていただきました。その後の会議でも、私の意向を伝えてくださり、決定。
 いいタイトルになったと思います!
 こういうのは、メールのやりとりではダメなんです、というTさん。さすがベテラン編集者さんです。

 書店に置いていただいていますが、
 amazon のリンクも貼っておきますね。

 引き続き、よろしくお願いいたします。