fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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『みちのく山のゆなな』(国土社)『ファミリーマップ』、エンタメシリーズ『家守神』1~4巻、『おはようの声』幼年童話『ヘビくんブランコくん』『オンチの葉っぱららららら♪』、短編集『友だちの木』・歴史物語『アテルイ 坂上田村麻呂と交えたエミシの勇士』他、好評発売中です。原稿・講演など各種ご依頼は、左側のメッセージからお願いいたします。    

『オオカミのお札』パネル展

2018年06月30日 | 自作紹介
 紀伊國屋書店仙台店さんの開催が延長になりました。6月29日までだったのですが、くもん出版の営業のKさんと書店さんのご厚意で! 感謝です。いつまでというのは、未定。本も動いてくれるといいのですが・・・。
 皆様どうぞよろしくお願いいたします。    

 現在開催中 ジュンク堂書店仙台TR店さん

  現在開催中 紀伊國屋書店仙台店さん

 くもん出版の編集さん、営業さんが、書店さんに働きかけてくださっています。京都、秋田での開催も決定したとご連絡をいただきました。
 一人でも多くの方が見て、本を手に取って下さることを願っております。

『兄ちゃんは戦国武将!』佐々木ひとみ/作 浮雲宇一/画(くもん出版)

2018年06月28日 | 本の紹介
           高学年から

 仙台在住作家佐々木ひとみさんの新刊です。待ちに待った本!

 あらすじは、書きません。ぜひ、読んでください。(タイトルから想像できますね)

 モデルは、奥州・仙台おもてなし集団 伊達武将隊という実在の人達、特に伊達政宗です。佐々木さんの後書きによると、結成は2010年、そして翌年あの東日本大震災が東北を襲いました。武将隊の皆様も、作者の佐々木さんもその渦中にいらした方。
 佐々木さんは、すでに2011年の秋の「季節風」大会で、この作品の原型となる原稿を出してらっしゃいました。私も拝読したのですが、とても魅力的で、おもしろく、私はお会いするたびに「御屋形様は?」とおたずねしていたのです。
 なので、出版のニュースに嬉しくて嬉しくて。

 物語の中でも、震災から年月が経た中でのそれぞれの登場人物の思いが描かれています。それは作者の思いでもあることは、もちろんのこと。
 武将隊のファンはもちろん、仙台の皆様にとって、現在、震災時、それが、何百年も前からの伊達政宗という武将から今に繋がっていることを再確認できるのではないでしょうか。
 伊達政宗という魅力的な武将を軸にしていて、歴史ものではなく現代を描いているという意味で、とても新しいとも思います。
 
 私は原稿を拝読した時、武将隊の演舞を拝見したい! と思いました。(叶ってはいませんが)
 この本を読んで、同じ思いを抱く方も多いのではないでしょうか。ぜひ、仙台、東北を訪れていただきたいです。

 7月始め、仙台に行きます。佐々木さんにお会いして、お話を伺うのが楽しみ。本屋さんでのフィーバーぶりも! 



 

『オオカミのお札』パネル展(仙台にて)

2018年06月16日 | 自作紹介
 本日6月16日(土)より、8月31日(金)まで、

 ジュンク堂書展仙台本店  にて、『オオカミのお札』(くもん出版)のパネル展が開催されます。
 

現在、紀伊國屋書店仙台店にて開催中ですが、こちらも引き続き、6月29日(金)まで行われます。 



 6月29日までは、2店の書店さんで同時に開催ということ。ありがとうございます。

 私は、7月に入ってから出かける予定です。
 
 中川学さんの絵は、とても魅力的です。オオカミのお札』は3つの時代の物語なので、時代による変化を、中川さんは仕掛けてくださっています。ぜひ、ごらんください。

  

 

 

第21回俳句甲子園 関東大会(東京会場)in羽田空港

2018年06月10日 | 俳句
 昨年、初めて俳句甲子園を観戦し、すっかりはまった私。(以下、長文です)
 今年は諸事情で、松山には行けず、東京会場のみの観戦となりました。

 東京会場は、関東地区大会ということで、千葉や茨城の高校も含め、2会場で行われました。
 身はひとつ。なので「童子」編集長である佐藤明彦氏が審査委員長をつとめる第2会場を観戦。こちらの審査員には、髙柳克弘氏もいらしたのもよかったです。

  第一会場(バックに、飛行機の離着陸)
 ただ、昨年の全国優勝佼、開成高校が2チームとも第1会場ということで、うーん、開成の句やディベートもリアルタイムで見たかったなあとは思いましたが。

 開会式。審査員を代表し、髙柳克弘氏が挨拶されました。

 1 びびらない。  びびりは言葉を濁らせる。
 2 あせらない。  鋭い質問にあせって、しどろもどろにならないように
           言葉は、相手に届かないといけない。
 3 あきらめない。 言うことが尽きてしまうことがあるが、持ち時間を使い切ってほしい。

 と、勝ち上がるための3つの「ない」を伝授。これって、他の場面でも、通じることだなあ。特に、言葉は相手に届いてこそのもの、というところ。ホント。

 第2会場では、海城高校Bチームが松山への切符を手にしました! おめでとうございます。

 一つだけ、対戦をご紹介します。

 赤 春眠より靴紐結ぶごと覚める     6(1)・7・9(1)・6(1)・7
 白 春眠に消えた土曜の謎を追え!    6・6・6(1)・7・6・9(1)
 
 4対1で、赤の勝利。( )内は、鑑賞点、ディベート分の加点です。
 でも、白に9点をつけた審査員も。「ああ、俳句甲子園に来たな!」と思ったそうです。
 確かに、こういう句、私達は作りませんからね。

 髙柳克弘さんは、 両方ともびっくりする俳句だったが、赤は驚きと共感のバランスがいい。白は、謎の答えが(一日寝ていたんだ)ということがすぐわかる。答えが出ている。との評でした。

 第2会場の最優秀句は、

 蛙踏むシェークスピアの幕開けよ  千葉県立総合幕張高校  でした! 
 
 正直言って、句会でこの句が出た場合、迷うかもしれません。シェークスピアの劇が始まる。そのときに、蛙を踏んだということなのでしょうか? 読みの難しさ、でも読み手の心をゆさぶるものがある句。審査員の評価は全員が8点と安定していました。

 また、
 
 蜜豆を待ちたる雨上がりの街  立教池袋

 の対戦後、「中7から下5にかけての句またがりが、この句に適切だったか」 という髙柳さんのご指摘。そして、佐藤明彦さんが、「この句またがりが適切だったどうか」をまず、ディベートでは真っ先につっこみ、そこをしっかり議論するべきだった」と。そして後藤章さんは、「自分はこの句またがりは、OKと思うと」。
 各審査員の先生のご指摘が、新鮮でした。

 他に私が好きだったのは、

 水性の街のぼやけて蛙をり    海城A 
 母蛙卵密かに引きずれば     総合幕張A
 春眠の氾濫原に立ちにけり    海城B
 蛙鳴く沼地に不意にバイブ音   総合幕張B
 春眠や鞄は街の色をして     立教池袋B
  

 5人の審査員の先生達の評価が一致というのはほとんどなく、俳句観はそれぞれ。その辺りも観戦しておもしろいと感じるところです。
 ディベートの点で、勝ち負けがわかれてしまう場合も多く、俳句は自分で作るだけではなく、他の人の句をどう「読む」かが大事な文芸なので、聞いていておもしろかったです。


 第2会場の結果が出てから、よしっと第1会場へ行ってみたら、まさにラストの決勝が行われていました。

  第一会場 羽田空港利用者が、階段から、2階3階からも観戦できるというスペース

 開成高校Aチーム対立教池袋Aチーム。このディベートが白熱していて、すごかった。皆さん、すばらしいですよ。開成高校敗れましたが、このあと投句審査があり、その審査次第では松山行きの可能性が残っています。きっと・・・。そして、松山で再び怒濤の戦いを繰り広げてくれるのではないでしょうか。
 
 今年は、第一会場に、海城AB、千葉県立総合幕張AB、が、そして第二会場に、開成ABが、という抽選結果になったため、同じ高校チーム同士の対戦も(海城)出てしまいました。

 最後、第二会場審査委員長、佐藤明彦さん(「童子」編集長)が、「きつい事を言われてもめげないように。全部ひっくるめて、俳句って楽しい。」とおっしゃいました、途中の句評でも、「普段おじいさんおばあさんとばかり句会をしているので、新鮮な気持ちになれた」とも。全くもって同感です。

 後藤章さんは、「俳句は筋肉と同じ。毎日作らないと向上しない」と。まったくです……。
 日頃、閉ざされた結社内にいるので、(特に東京会場は)審査員の先生が、俳壇の第一線で活躍されている方なので、その俳句観を拝聴できるという贅沢な場でもありました。(しかも、無料)

 あー、楽しかった! 
 

 他の地方からも、続々と松山行きが決定されることでしょう。高校生の皆さんを、心から応援しています! 

(*長々と書きました。全部読んで下さった方、ありがとうございます。相変わらずの勢いで書いていますので、誤字などがありましたら、御容赦ください)

清水雪花句集『玲瓏』(文學の森)

2018年06月06日 | 本の紹介
           

 「童子」の清水雪花さんの第一句集です。
  雪という白いイメージの俳号をお持ちの雪花さんの句集の表紙がこんな鮮やかな真紅とは、意表をつかれました。
 
 玲瓏って何だろう。龍のことかな。と思いながら調べたら、 
①金属・玉などがさえた美しい音で鳴るさま。また,玉を思わせる美しい声の形容。
②玉のように美しく輝くさま。さえて鮮やかなさま。

 とありました。うーん、すばらしく美しいって感じでしょうか。
 
 雪花さんは、薬剤師さん。ばりばりのリケジョです。でも現在の俳壇の礎を築いた俳人の多くが、医師など理系だったこともある。思いを表に出さない俳句は、理系の頭を持つ方に向いているのかもしれない。

 枯菊にたつぷりと日の当たりけり

 扇ぐでも閉ぢるでもなく秋扇

 混浴のやうな足湯や梅の昼

 深爪をしたる八十八夜かな

 水温み百本洗ふ試験管

 美人湯にスリッパあふれ寒の雨

 草花が枯れても、ちゃんとそこには日が当たっている。この目がやさしい。

 普段、句会もご一緒する機会は少ない雪花さんですが、お見かけした姿は凜として、まさにリケジョ。でも、この句集を読んで、ご家族を大切になさっている様子、病と向き合っている様子が伝わってきて、胸が熱くなりました。
 

「ねこのごろんた」鍋田敬子作(こどものとも年中向け)2018年7月号

2018年06月02日 | 本の紹介
         

 「ごろんた」は、いばりんぼうの困った猫。遊び場を一人占めしたり、乱暴をはたらいたり。あんまり乱暴が過ぎるので、ついにごろんたは、周りの猫たちから嫌われてしまいます。そんなあるとき、ごろんたは白い子猫と出会い、新しい遊びを発明します。それがきっかけとなって、ごろんたと猫たちとの関係が変わっていきます。(福音館HPより)

 今月発売になったこの「こどものとも年中向け」に折りこまれている冊子に、「子どものころに出会った本」というエッセイを書いています。図書館などでは、ほとんどこのふろくまでは貸し出しになっていないので、ぜひ書店さんでお求めください。
もちろん、作者の鍋田さんのコメントや編集者さんの編集後記なども、ありますよ。
 
 私はネコ派。今、ネコの物語の書き直しもしています。
 絵本では、このようにネコの社会で人間の関係を考えることができるという方法は、やっぱりありだなと思いました。