fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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『みちのく山のゆなな』(国土社)『ファミリーマップ』、エンタメシリーズ『家守神』1~4巻、『おはようの声』幼年童話『ヘビくんブランコくん』『オンチの葉っぱららららら♪』、短編集『友だちの木』・歴史物語『アテルイ 坂上田村麻呂と交えたエミシの勇士』他、好評発売中です。原稿・講演など各種ご依頼は、左側のメッセージからお願いいたします。    

岩手でのこと② 前沢牛

2020年09月30日 | 日記
 奥州市の名産に前沢牛があります。
 ところが、これまでは近所のスーパーでこの前沢牛を買うことができませんでした。たまにおいしい肉を食べたいと思っても、売ってないのです。たまに国産と貼られたのがあればラッキーな程度。(国産がどこなのかもわからない)
 でも、このたびは違いました。一角にたくさん前沢牛が並んでいたのです。サーロインは一枚3000円くらい。ちょっと手が出ず、カットされた1000円くらいのを買って帰り食べました。おいしかったです。
 そして気づきました。
 これまでは、高級レストランにこれらの肉は卸されていたんです。それが今コロナ禍で、レストランが閉まっていたり、閑散としていたり。肉の供給先がなくなっていたのです。それで、やっと地元のスーパーに・・・。
 売れてたかというと、あんまりでした。
 こうして、いろんなところで、困っている方達がいるに違いありません。

  野ブドウ。この色合いが、大好きです。

 

岩手でのこと① 種山ヶ原

2020年09月29日 | 日記
         

 岩手に10日ほどいましたが、ある日、ふと思い立ち、種山ヶ原へ行ってきました。沿岸方面に入った北上山地です。賢治はここを歩き、作品舞台になっています。歌も作ってますね。たねやーまがーはらは~♪
 さて、出かけていって驚いたのが、テントの数。気づいたら、4連休の最中だったんです。でも町のほうは人はまばらなのに、山が密だなんて! うーん。という感じでした。

 駐車場やコテージがあるところから離れて、ちょっと脇道に入ると、まったく人がいなくなり、熊が出てこないでしょうね。と怖くなって、途中で引き返しました。道にはたぶん現の証拠だと思う小さな白い花がたくさんあって、よかったですけどね。横の脇では何か鳥が羽ばたくような音も聞こえて。
 賢治の作品では、祖父と兄が放牧をしているところにお弁当を持っていった子が、霧で迷うというのがあります。
 人がいないとき、また行きたいです。
 
 
 下の写真は、山に入る前。まさか、上にあんなに人がいるとは、思いもしませんでした。
 あのコテージに泊まれば、星がすごいだろうと思います。他は何もありません。それがいいのです。

『サード・プレイス』ささきあり作・酒井以絵(フレーベル館)

2020年09月28日 | 本の紹介
              

 ささきありさんの新刊です。
 コミュニティにおいて、自宅や職場とは隔離された、 心地のよい第3の居場所を指す。その場所が、サード・プレイスです。
  
 物語の舞台は、中高生のためのサード・プレイス、「サプリガーデン」。年末年始以外は年中無休、午前9時から午後9時まで開館しているところです。
 主人公は、SNSで本音を言えるサブ垢を持ち、アニメのことなど本音はそこでしか言わない。学校では本当は興味のないファッションの話で友人と会話をする瑞希。自分は規格外品だと考えているダイ。家庭内で兄と父が衝突しいるぴよっち。全国でも名の知られた難関校に入ったものの成績が最下位の亮。
 4人それぞれが、サプリガーデンで、自分の居場所を見つけてゆく。

 出てくる子ども達が、現代の「今」を生きて「今」を悩んでいる。それが、リアルだ。
 家、学校、そこしか居場所がなくて、そこが息苦しくて、行き場がなくて辛い思いをしている子は、今もきっといるにちがいない。サプリガーデンに居場所を見つけた子は、そこからまた学校や家でも新しく生き直しができる。自分を偽らずに生きていくことができる。
 中学生高校生、そして大人にも読んでもらいたい物語だ。

『俳句ステップ!』毎日小学生新聞でご紹介いただきました。

2020年09月27日 | 自作紹介
 9月12日の毎日小学生新聞です。

  
 読書の秋にぴったりの季節になってきました。ぜひ! 
 これまで数校の学校図書室を拝見させていただいていますが、ああー予算がないんだなあと思ったことでした。少ない予算の中から選書をされている先生達のご苦労もあるだろうと思います。(学級文庫にいたっては、古すぎる本ばかり)
 この本は、国語との関連も強いので、ぜひ学校図書室に入れていただきたい。よろしくお願いいたします。

 

ジブリで学ぶ シリーズ

2020年09月26日 | 日記
 ツイッターで、ジブリで学ぶ というシリーズが流行っています。
 ジブリで学ぶ俳句
 ジブリで学ぶ短歌
 ジブリで学ぶ本屋
 ジブリで学ぶ作家業などなど、いろいろなものがジブリの画像といっしょに、つぶやかれています。これがおもしろくって!
 例えば私は、
  この画像に、

 句集をいただいたけど、読めない漢字が多すぎる というつぶやきを添えています。これは、俳句を始めた当初、ホントに思ったこと。他にもついつい本気で遊んで書いていますので、よかったら、のぞいてください。
 ツイッター 
 これやってて、私ってホントに俳句好きだなあと思ってしまいます。楽しくって! 

 ジブリは、この遊びをおおらかに許容してくださっているようで、常識の範囲内での使用は認めてくれています。これもいい。
 作家業のほうは、締め切りのことが多いですね。

 俳句といえば、こちらも。 

  
 『俳句ステップ!』佼成出版。読んでくださった方からは、「よかった!」という感想をたくさんいただいています。引き続きよろしくお願いいたします。

 

 

稲刈り終了しました

2020年09月22日 | 日記
       

 委託していますが、おとといと先日お二人でがーーーっ(機械音)と刈ってくださいました。私は一応鎌を手に、稗を刈ったり、刈り残しを刈ったり。
 夕方にはうちの分を持ってきてくださって。おかげさまで、新米が食べられます。ありがたし。

秋田さきがけ新報 9月15日『俳句ステップ!』ご紹介くださいました。

2020年09月18日 | 自作紹介
     

 また、前日には、「みちのく童話賞」の記事も! ありがとうございます。ずっとご担当してくださった記者さん、ご移動とのことです。大変お世話になりました。別の部署でも、どうぞご活躍ください。


 みちのく童話賞の記事も少しずつ、出ています。ふと思ったのですが、「みちのく」という言葉から民話っぽいものを求めてるのかなと思われがち? そんなことはありません。現代のこの大変な時代に生きている子達が読んで力を受ける作品をぜひ、お待ちしております。

 「

岩手はいいなあ

2020年09月17日 | 日記
       
 
 

 朝5時に散歩したときの写真です。朝靄、これが山背か? と思いながら。
 空が広いです。先日の夕焼けも素晴らしかった。エネルギーチャージしてます。
 
 おとなりとも、ソーシャルディスタンスを保ち、会話をさせていただき、親戚友人にも会わず、ご挨拶したいところもあるけどぐっと我慢して、過ごしています。周辺の草取りなどには追われていますが、原稿書きにはうってつけ。

 それにしても、県内の感染者。総数で23人です。毎日200人前後感染者が出ていて、それに慣れてしまっている東京が異常に思えます。
 

秋田初の総理大臣

2020年09月15日 | 日記
 菅氏(下の名前を覚えてない)が、秋田初の総理大臣になりました。
 先日も書いたけれど、東北では岩手が4人これまで出ていて、他の県はありません。
 そういう意味では、嬉しくないとはいいません。
 でも、これからが問題。

 期待されていなかったわりに、よくやってくれた。という方向を期待しています(なんじゃそりゃ)。
 いろいろ週刊誌にかぎまわられているようですが、たたきあげというのに嘘はないと思います。農家イコール貧しいは、疑問ですが。(農家は、いろいろです)二世ではなく東北の農家の出の総理大臣ならではの仕事をしていただきたいです! 

 岩手は、原敬(第19代)、斎藤実(第30代)、米内光政(第37代)、鈴木善幸(第70代)だそうです。菅さんは、99代なのですね。東北では他からは出ていません。宮城もなんだ・・。不思議。岩手は、作家も野球選手もすごい。何かある。でも、他の県も底力はあるはずなんです。それで私は微力ながらも、今みちのく童話賞など頑張っています(これはまた、別の機会に)。

 菅っていう名字、秋田多いかも。

 ほんと、頑張ってくださいよ。

俳句の盗作について……『俳句ステップ!』にまつわる話

2020年09月14日 | 日記
 おかげさまで「俳句ステップ!」に嬉しい感想をたくさんいただいています。ありがとうございました。
 おおぎやなぎさんじゃなきゃ書けない話。こういう本は、これまでなかった。などもあり、私が長く俳句をやってたことをご存じの方は、そこをとくに言ってくださいます。
 それは、あると思うのです。
 そのひとつが「盗作」問題です。

 この作品では、悪意のない「盗作」が描かれています。
 これも、実は長く俳句をやっていると、案外ありがちなんです。
 
 今人気のテレビ番組でもありましたね。有名人が出した俳句が、その後、新聞の俳句欄に以前発表されていた俳句とそっくりだったと指摘されました。SNSだと結構過激に「盗作」と責められてしまいます。
 また私がやっている会の方も、あるとき「○○賞を受賞しました」と報告してくださったので、みんなで「おめでとう!」とお祝いしたところ、後日その方から電話があり、「実はあの俳句、辻桃子先生のによく似たものがあることがわかったんです。自分はそれを真似たつもりじゃなかったんですが、どうしましょう」と告白されました。私自身も先生の俳句はほぼ読んでいるのですが、全部は覚えていず、確かめたところ、確かに季語が違うだけで、他は同じ。困って先生に電話をし、受賞は本人から取り下げてもらいました。
 本人は大変ショックだったようです。でも、先生の句を読んで「いいな」と思って、あとは忘れてしまっていた。それが、自分で俳句を作っていたときに、自分の句のように出てきてしまった。そんな感じなのです。
 その方には、辛いでしょうが、他から指摘される前に自分で取り下げれば大丈夫。あとは時間がいやしてくれます。と申し上げました。

 また私が句会をやっているかわせみ句会でもありました。
 すごくいい句だなと思い、特選で選んだのですが、後日有名な俳句にかなり似ていることに気づきました。これは、ご本人にだけ、伝え(もちろん、その方は元の句をご存じなかった)「これだけ、有名な俳句に似たのを知らずに作れるということは、○○さんの力があるということです」と申し上げました。

 私の場合、ずっと前、「種蒔くやたちまち土に見失ふ」という句を句会に出したら、先生に中村丁女に「大根蒔く土の黒さにはや見えね」という句があって、それを思い出すと指摘されました。これなど、 似てはいるけど違うととらえてもいい範疇かなとも思うのですが、そう指摘されたからには、捨てました。(こういう話題のためだけにとってある?)
 俳句はとにかくたくさん作る、捨てる、そして残す。なので、それでいいのです。
 
 そこまでいかなくても、誰かが作ったような俳句を作るって、あるあるです。
 「これ、有名な俳句にあるよ」と言われたら、自分のはいさぎよく捨てればいいだけなのです。
 
 

  

『琵琶行 如月真菜句集』文學の森社

2020年09月09日 | 本の紹介
 

如月真菜さんは、若手俳人として活躍されているかただ。
 では、俳人として「若手」とは何歳くらいまでなのだろう? これは、難しい。私はもう、若手ではなくなっている。これは確か。真菜さんはその私の俳歴26年をはるかに超えた俳歴をお持ちの方。年はずっと若いけど。なにしろ小学生のときから、母親である辻桃子さんの元で俳句を作り続けているのだ。
『琵琶行』は、『蜜』『菊子』に続く第3句集になる。独身だった女性が、結婚し、夫の転勤に伴い転居を繰り返し、その間3人の子どもを生んでいる。その濃密な時間がつまった句集となった。
 濃密だが、決して重くない。
 横浜から関西へ行き、ついこの前までの多くの時間を大津で過ごされた。
 私も昨年、子ども向け俳句本を書くため、真菜さんと子ども達との句会の取材をしに出かけた。あの琵琶湖に近い歴史ある土地で読んだ作品が、この句集に奥行きを与えている。

 つかのまを近江住まひや遠砧
 語らるる李朝の壺や春の影
 本日の波の形や比良八荒
 作風も恋も変はるや夕立晴
 嫌なひと向かうもちらと月今宵
 みどりごのいまだぬれゐて麦の秋
 血の青き乳張ってきし薄暑かな
 掃苔や一雨が湾にごらせて
 叱られに来し小児科や麦熟るる
 胎の子に明けましてとも申しけり   真菜
  

 どの句も、繊細かつ貫禄がある。これはなかなかできることではない。
 取り上げたのは、ぱらとめくって目についた句。佳句は他にもたくさん、いや全てだ。

 カバー絵は、日本画家であった祖父の血の流れを彷彿させるご自身の絵。人の才能とは血とは尊いと、つくづく思う。
 俳人として一生を生きるというのは、並大抵のことではない。真菜さんは、もうその道をすでに歩んでいらっしゃる。一つの道を歩いているその姿を、そして俳句を、できる限り見届け、賛辞を捧げ続けたいと願う。

『俳句ステップ!』レビュー

2020年09月08日 | 自作紹介
 『俳句ステップ!』のレビューです。皆様、どうもありがとうございました(順不同)

宮城県の牛飼い&農家&児童文学作家堀米薫さんのブログ  どじょう日記

 児童文学作家森川成美さんのブログ 森川成美の創作日記

 児童文学作家高橋秀雄さんのブログ   ">創作日記9月2日
 
 児童文学作家赤羽じゅんこさんのブログ  赤羽じゅんこの三日坊主日記

 仙台在住コピーライター&児童文学作家 佐々木ひとみさんのブログ つれづれ草子

 秋田市在住小児科医&児童文学作家 井嶋敦子さんのブログ 川天使空間

 この他、ツイッター、フェイスブック(私、フェイスブックはやってないのですが)、メールで嬉しい感想をいただいております。私信でいただいたのでお名前は出せませんが、
 ・ただの子どもたちの物語と違う「知」の楽しさが織り込まれている。
 ・俳句というテーマを持ちながら、子どもたちの思いを解放する物語として読ませる。 
 などの感想には、感涙でした。
 
 夏ばて&気のゆるみで、風邪をひいていましたが、こちらもなんとか回復。『俳句ステップ!』にいただいた感想を胸に、来年の作品をがんばります!
 
  

 羽ばたいてもらいたいです。

『暗号サバイバル学園 秘密のカギで世界をすくえ!』山本省三作・丸谷朋弘絵(学研プラス)

2020年09月07日 | 本の紹介
             

 暗号で世界を守るため、天才を集めた「暗号サバイバル学園」に、情熱だけで入学してしまったフツー少年ハルトは、曲者ぞろいの仲間たちと協力しながら、大きな敵に立ち向かう! モールス信号やヒエログリフ、ひらめき系など暗号がいっぱいの新学園シリーズ! (サイトより)

 ゲーム感満載。頭を使って楽しめる! そんな本です。
 私が子どもだったら、きっとこの本の暗号をヒントに新しい暗号を考えたり(むりかな)、暗号で手紙を書いたりすると思います。
 今、テレビではクイズ番組が多いのは、やっぱりみんな好きだからだと思います。でも、暗号の楽しさは知識だけではなく、頭をひねる必要があること。
 物語の展開も楽しみです。
 小学校男子の本離れが言われていますが、こんな本を買ってあげたら、喜ぶと思います。

今回の芥川賞

2020年09月05日 | 日記
 毎回、芥川賞発表の文藝春秋は買って読んでいます。
 今年の2作、「首里の馬」は、まあまあ。「破局」は、全く受け入れられなかったです。
 「首里の馬」は、沖縄の誰も訪れない資料館で、アナログなやりかたで記録を作っている主人公(しかも、頼まれたわけでも、お金をもらっているわけでもない)という設定は、とても惹かれた。そして、唐突だが馬が現れて、その馬にカメラをつけ、島を記録するという行動とはリンクするものがあると思う。だけど、世界のどこかに住む誰かに、クイズを出すという仕事は、あまりにも非現実的で、理解できなかった。沖縄という島が世界ともつながっていると感じさせたかったのかどうか?
 
「破局」の作者は、インタビューで、何かを伝えたいと思っては描いていないと答えていた。そうだろうと思う。何も伝わってこないもの。
 気づくと、宮本輝さんが、選考委員からいなくなっている。宮本さんだったら、これをどう評価するのかと思った。
 
 この号は、選考委員の評がいつも、素晴らしい文学論で、感心するのだが、それに対しても、小川洋子さんのものが、心に残っただけだった。
 次はどうしようかな。もう買うのやめようかな。
 
 それにしても、芥川賞、年に1回でいいのでは? 本の売り上げにつながるという点での話題性としてはOKですが。
 
  ということで、『俳句ステップ!』発売中です。あとがきがよかったという感想がぼちぼち、きています。
 また、ブログなどで、ご紹介くださっている方も、いろいろ。またこちらは別に。