fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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『みちのく山のゆなな』(国土社)『ファミリーマップ』、エンタメシリーズ『家守神』1~4巻、『おはようの声』幼年童話『ヘビくんブランコくん』『オンチの葉っぱららららら♪』、短編集『友だちの木』・歴史物語『アテルイ 坂上田村麻呂と交えたエミシの勇士』他、好評発売中です。原稿・講演など各種ご依頼は、左側のメッセージからお願いいたします。    

藝大卒業制作展

2019年01月31日 | 日記
 上野で開催中の藝大の卒展を観てきました。
 以前から、藝大や多摩美、武蔵美などの卒展観たいなあと思っていたのです。でもこういうのって、ぼーっとしていると、情報が入ってこないんですよね。このたびは、ツイッターに流れてきたので、よしっと。

  

 そりゃあ、さすがのレベルでしたわ。入学時にすでに相当のレベルに至ってる方達ですからね。この中からすごい作家が誕生するのかなと思いながら歩きました。
 
  確か、全員自画像を描くんですよね。

 ざーっと観て、

   こういう具象彫刻に惹かれました。決して新しいってわけじゃないのでしょうが。

  

 先端芸術表現科っていうのもあるようで。
 
  
  

 もちろんオーソドックスな油絵もありましたよ。
 あと、修復を学んでいる方達の、イコンの模写や仏像の模造なども。よかったです。自己表現とはちょっと違うこういうものを学ぼうとされる意識が素晴らしいですね。

 ただ・・・。
 都立美術館と大学構内のあちこちと、広い範囲を歩いたこともあるけれど、ちょっと疲れて。
 彼ら自身が今の全てを出し切っている作品というのは、観る側を疲れさせる部分があるのかなあと思いました。長く芸術活動をして、力が抜けたとき、観る側が癒されるような、体の中が澄んでいくような心地になる作品が生まれるのかもしれません。

『どこどこ山はどこにある』書評(「季節風」137号)

2019年01月27日 | 自作紹介

 岸史子さんが、「やさしくて深い物語」と題して、『どこどこ山はどこにある』の書評を書いてくださいました。

 

 一部抜粋させていただきます。

 悠々とした時を感じる一方で、私はまどかをうらやましく思った。今の自分が介護を抱えていたら、おそらくきりきりと追われているに違いない(まあ、親の介護に直面して、「どこどこ山はどこだっけ?」など悠長に考える大人はそういないだろう)。つまり、本書は子どもだからこそ経験できるファンタジーなのだ。
 (中略)
 身近な人の死は誰もが経験するもの。本書を読んだ子が、大人になる過程で「どこどこ山」を思い出して救われるかもしれない。救われればいいなと願う。


 

 この書評を読んで、私は祖母を思い出しました。『どこどこ山はどこにある』は、かなり現在の母がモデルであって、祖母のことはそんなに考えていなかったのですが。
 私が20代のとき死んだ祖母は、今でいう介護というとらえ方をしないで、自宅でなくなったのですよ。私は仕事でほとんど家にいなかったし、あるいは母は大変だったのかもしれません。

また今号では、私も「言葉の駆け込み寺」と題して、『漢字はうたう』杉本深由起作・吉田尚令絵(あかね書房)の書評を書かせていただいております。

 投稿作品評の厳しさは、いつも以上! あさのあつこさんの言葉の力には、圧倒されます。この投稿評があるのが、他の同人誌と大きな違いです。そしてあるいは、「季節風」から多くの作家が誕生している所以かとも思います。

山を見に、ぐるり旅

2019年01月23日 | 日記
  JR東日本の大人休日倶楽部では、年に2度くらい、1万5千円で4日間乗り放題というチケットがあります。
 今回、それを使って岩手に行ってきたのですが、東京で用事があったため、1泊でした。あと2日使えるのに・・・。どうしてもケチ根性が働きます。あとの2日も用事があるのですが、そのうち1日は、午前で済みます。そこで、お昼から、山を見に行こう! と長野新幹線に乗りました。

  
 東北の山とは違う形。

 長野北陸新幹線、早い! 時刻表を見ると、かがやき に乗ると、2時間で金沢へ行けるんですね。
 私は はくたか に乗って、地図を見て、佐久平で降りました。
 そこから小海線という各駅停車に乗り、小淵沢へ。
 
  残念。立科や八ヶ岳には雲がかかっていました。
 でも車窓の景色はステキ。

  
  小海線の絵地図

 小淵沢から、こんどはスーパーあずさに乗り、八王子へ。
 こっちの景色がまたよかった! ところが、カメラのバッテリーが切れてしまって、クスン。
 夕日の当たる富士山もきれいだったのに。

 いやー、6時間。小海線では、すいていたので足を向かいの椅子に投げ出し、のんびりウトウトしたり。
 本を読んだり、物語の直しを考えたり。
 今週はびっちり用事がつまっていたのですが、よい時間を過ごせました。これ必要。
 

『まいごのビーチサンダル』村椿菜文作・チャンキー松本絵(あかね書房)

2019年01月19日 | 本の紹介
        

 絵本、絵童話、幼年童話。この三つのジャンルにははっきりとした区別があるような、ないような……。
 絵本の場合、8の倍数で多くは32ページなのでしょうか。
 対象となるのは幼児とは限りません。小学生が主人公の絵本もあります。

 絵童話は、幼年童話の中でも開いたページ全てにカラーの絵が入っているもの。かな?
 
 で、この本は、絵童話なのだと思います。
 
 ビーチサンダルのサンは夕方の浜辺で目が覚めます。もう片方あるはずのビーチサンダル、そのかたわれの「ビー」も、持ち主のコウくんもいません。
 やがて潮が満ちてきて、サンは海へ。そして海の中へ。
 この展開、とてもステキです。サンは心ぼそいながら、サンゴの産卵を見たり、いろんな魚を見たり、美しい場面が展開するのです。
 
 そこで、誰かがかじりかけた青林檎と出会います。林檎もまたぷかぷかと海を浮かんでいたのです。サンと林檎はお互いのことを話します。
 
 全部書くのはやめておきましょう。

 子どもの持ち物の擬人化。靴下、おもちゃ、文房具。いろいろな物語があります。
 すぐに思い浮かべるのは、ももちゃんシリーズの靴下たち、タッタちゃんとタアタちゃんでしょうか。
 サンダルの冒険話、私も思いつきたかったなあ。
 そう。私が書きたかったお話でした。とこんなふうに思わないように、もっとちゃんと物語の種を捜さなくては。
 村椿菜文さんは、詩人で、児童書はこの作品が初めてなのだそうです。
 なるほど、詩人の豊かな感性がちりばめられている作品です。

画家さん

2019年01月18日 | 日記
 私は絵が大好き! でも、自分では描けません。ホントに情けないほどヘタ。
 なので、自分の作品に画家さんがイラストをつけていただけることを、大変光栄に思っています。

 これまで出した作品では、

 古山拓さん 『しゅるしゅるぱん』福音館書店
 中川学さん 『オオカミのお札』(一)~(三) くもん出版
 松田奈那子さん 『どこどこ山はどこにある』  フレーベル館

 アンソロジーでは、

 黒須高嶺さん 『なみきビブリオバトル・ストーリー』さ・え・ら書房
 泉雅史さん 『1週間後にオレをふってください』偕成社  など。

 私、ラフを大事にとってあります!! 

 今年出る予定の本も、すでに画家さんが決まっていて、楽しみでしかたがありません。
 (1冊はすでにできていて、これがもう素晴らしいの。もう少ししたら、情報公開できるかな? お楽しみです!)
 そして、まだ決まっていない(出版もですが)作品についても、どなたが合ってるかなあと考えて楽しんでいます。

 そんな中思い出したことがひとつ。

 『しゅるしゅるぱん』が小樽の絵本・児童文学ファンタジー大賞で佳作を受賞したとき、授賞式で、その後ながーくお世話になることになる編集者さんと初めてお会いしました。そのときに、「東北の景色を描ける方がいいと思うのですが、だれか画家さんで、『この方に』っていう方いらっしゃいますか?」ときかれ、私が出した画家さんの名前……。

 男鹿和雄さん!!  
 もとジブリにいらして、「となりのトトロ」の背景画を描かれた方です。この方秋田出身なんです。あの風景は秋田の景色! 以前展覧会も拝見しましたが、素晴らしかったです。
 無謀という他はありません。駆け出しのくせに、図々しいったらありません。(笑)

 編集者さん、一応調べてはくださったみたい。でも「どうコンタクトをとっていいかわからない」と……。いや、コンタクトとれたところで、無理でしょう(笑)。
 そして、古山さんを探し出してくださって、あの素晴らしい表紙になったわけです。お二人には、今でも感謝しております。

  これね!

 ただ、きょうふっと思いました。
 いつか男鹿和雄さんに絵を描いていただけたらいいなあ。
 絶対無理って決めつけることないですよね。がんばろ。

 

無病息災を祈って

2019年01月14日 | 日記
 小正月である1月15日は、各地でどんど焼きが行われます。
 日野市では、塞の神(さいのかみ)と呼ぶのが正式ですが、子ども達に親しんでもらえるようにという配慮もあるのでしょう。どんど焼きと呼んで、この連休各地で行われました。

  とても立派に組み立てられていました。

 お正月飾りや書き初め、福達磨などいっぱいある中に、高幡不動尊の厄除け団扇もあって、(そうか、うちのも)と、点火まで時間があったので取りにもどりました。そのため……、

  
 
 点火の瞬間を見逃し、すでにクライマックスは過ぎてしまっていました……。とほほ。
 でも、その後新しい団扇もいただいてきて。

 今年も無事に過ごすことができますよう。

  

 数年前、立派な胡蝶蘭の鉢が瀕死になり、そこから復活。二輪咲きました。よいことの前触れでありますように。
 
 
 

松林図屏風(長谷川等伯)

2019年01月11日 | 日記
        
 
 トーハクこと、東京国立博物館で、公開中です。毎年この時期だけなので、さぞかし混んでるんだろうなと二の足を踏んでいたのですが、そうでもないという情報をいただき、出かけました。
 そうでもなかったです! ゆったり観ることができました。写真も撮れました。

 上のは、本物。

  
 これはレプリカです。

 ガラス越しに観る本物と、畳に繋がってほどよくライトアップされたレプリカ。どっちがとは言いがたかったです。
  
 日本の宝です。戦国時代のものですからね。素晴らしいです。
 安部龍太郎さんの小説『等伯』も、昨年読んで感動しました。

 トーハク。
 
  立派です。

 展示物どれもすばらしいけど、全部観ようというのは、ダメ。ピーポイントがいいと思います。今回は松林図屏風を観て、他もちょろちょろ観たけれど。

  同じ敷地の法隆寺宝物殿にある資料室。
 ここで、2時間ほど次の予定まで原稿読みをしました。すいているし、最高の環境。

  宝物殿を出たところの景色。上野です。

お年玉のような『どこどこ山はどこにある』のレビュー

2019年01月06日 | 自作紹介

 児童文学作家ささきありさんがHPきょうも、いい日 で、『どこどこ山はどこにある』の感想を書いてくださいました。新年そうそう、ステキなお年玉をいただいた気分。

  
 
 ささきありさんは、昨年『天地ダイアリー』(フレーベル館)をご出版されています。自分に自信がなくてマスクをはなすことができない男子中学生が園芸委員になり、植物を育てることで変化していくという、植物好きにはとてもしっくりくる物語でした。

 ありさん、ありがとうございました!! 
 
 また知り合いが、近くの図書館にリクエストをしたら、ちょうど入る予定で、予約待ちもいたとか。発売後数ヶ月たってからの購入というのもあるんですね。年が改まったことで予算も変わるから? なんて考えたりして。
 じわじわ売れ なのかな。だといいのですが。
 引き続き、よろしくお願いいたします。 

初詣2019

2019年01月03日 | 日記
         
 今年の初詣。2日。まずは柴又帝釈天へ。
 
  
 
  実は初めて行ってきました。
 人出は、まあ予想通り。身動きが取れないほどではなかったので、よかったです。
 山本亭でぜんざいを食べ、矢切の渡しを見て(笑)、

  寅さんを見て。

 次は浅草へ。

 浅草演芸ホールの顔見せを見て、(席はいっぱいだったので、立ち見→通路に座る)

  浅草寺も参拝。ふぐちりもいただいてきました。

 10年に一度あるかないかの豪華な初詣でした! 

 

今年もよろしくお願いいたします

2019年01月01日 | あいさつ
 明けましておめでとうございます。

        

  
 皆様、昨年は、大変お世話になりました。
 おかげさまで、恙なく新しい年を迎えることができました。

 昨年、新刊としては、
『なみきビブリオバトル・ストーリー 2 決戦は学校公開日』(共著)さ・え・ら書房

 
 
『どこどこ山はどこにある』松田奈那子絵 (フレーベル館)
  を出すことができました。

 そして、
『オオカミのお札』(1~3)くもん出版(中川学 絵) が、第42回児童文芸家協会賞

 

『なみきビブリオバトルストーリー 本と4人の深呼吸』(共著)さ・え・ら書房が、第4回児童ペン賞企画賞を受賞しました。
 
 
 引き続きたくさんの方に読んでいただけたらと願っております。

 今年も新刊の予定がありますが、こちらはまた近づいたらお知らせしますね。

 また昨年は児童文学作家の皆さんに俳句を広める活動として「かわせみ句会」も始めました。みなさん、楽しいと言っていただけて、やりがいを感じています。これをきっかけに、自分が教わってきたことを「伝える」ということも心がけたいという気持ちになっています。やってくださいとくるのを待っているのではなく、自分から積極的に動くことも必要。

 講演会もやりました。こういう活動も、また引き続きやっていきたいです。

 あとは、粛々と書く! これにつきます。

 今年もどうぞよろしくお願いいたします。