fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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『みちのく山のゆなな』(国土社)『ファミリーマップ』、エンタメシリーズ『家守神』1~4巻、『おはようの声』幼年童話『ヘビくんブランコくん』『オンチの葉っぱららららら♪』、短編集『友だちの木』・歴史物語『アテルイ 坂上田村麻呂と交えたエミシの勇士』他、好評発売中です。原稿・講演など各種ご依頼は、左側のメッセージからお願いいたします。    

『ドラゴンのなみだ』(佐々木ひとみ)-学研教育出版

2012年11月30日 | 本の紹介

 抱きしめたくなるほど愛おしい物語です。

              中学年から

 『ぼくとあいつのラストラン』(ポプラ社)で椋鳩十賞を受賞された佐々木ひとみさんの満を持しての2作目。

 町のくらしは人が主役だけど、

 黒森はそうじゃない。 

 天気とか、季節のめぐりとか、 

 古くからのしきたりとか、祭とか、 

 人は、いろいろなことに

 心をくばりながらくらしている。

 --何十年も、何百年も昔から。 

 大昔からとぎれることなく続いている。

 目には見えない流れのなかに、 

 今、この黒森はある。

 冒頭にあるこの詩のような一説に(一部抜粋するつもりが半分くらい書いてしまいました)、まず心を奪われました。ぐっと鷲づかみされたような感じ。ここに紹介するにあたり、文章をつなげてみたけれど、やっぱり違う。このゆったりとした行間が必要な言葉の連なりです。縦書きにできないのが、残念でなりません。これが縦書きになっていて、その下には黒森の全景がイラストで描かれているのです。でもこれは、プロローグ、すばらしいのは本編です。

 この黒森に住むおじいちゃんちで、鳥追い祭りを手伝うことになった歩(あゆむ)。そこで歩は、ドラゴンと出会います。歩のおじいちゃんは、一度はすたれた鳥追い祭りを復活させました。鳥追い祭りの意味は、鳥を追い払うのではなく、収穫の時期に、鳥を追い払うくらいの豊作でありますようにという願いの祭りです。そしてドラゴンとは……。

 ネタバレ禁止なので、これ以上は書きません。ここは佐々木さんの故郷です。故郷をこよなく愛する佐々木さんの熱い思いが生み出した物語です。

 一年の始まりである小正月には、新しい年を厳粛に迎えた後、神様がもどられ、人がこれから農作業をし、暮らしていくためのいろいろな行事があります。どんど焼き(左義長、塞の神)、繭玉、成る木責め。このような行事が日本中にあることを、私も俳句をやるようになって学びました。神様と自然に守られているこの日本人の心をなくさないようにしていきたいです。

 私にとっては、物語を書く上で、大事なことを、たくさん感じることのできる一冊でもありました。ひとみさん、おめでとうございます。そしてありがとうございました。

 


最近おいしかったもの

2012年11月29日 | 日記

          ジャン

 これ、芽キャベツです。こんなふうになっているなんて、びっくり。

  

 左写真のようになんの菜っ葉? という感じなのですが、奥をのぞくと、右のようになっています。この葉っぱを取り除くと、上の写真のような状態になります。

 芽キャベツって、はっきり言って大きらいでした。料理本にシチューに入っていておしゃれな写真を見て、一度買って、入れてみて、ゲーッとなって、シチューも全部捨てたことがありました。何年も前のことです。ところが岩手の畑にこれがはえていて、どっさり台所にいつの間にかあって、しょうがないなあ、ちょっとやってみるかと、鶏ガラスープで煮てみました。(市販の顆粒)これが、なんとなんとおいしいこと!!!  さっそくシチューにも入れて。おいしかったー。やっぱり、料理は素材です。でもまだスーパーで買う気持ちにはなれません。

 それからもうひとつ最近おいしかったのが、レクラークという洋梨。洋梨といえばラ・フランスですが、ラ・フランスよりちょっと大きくて、少しお値段も高いです。でも、先日スーパーの見切り品のかごで80円で売っていたのをゲット。これがまた熟し具合がばっちりで、最高でした。もう幸せ~というほど。銀座の千疋屋だといくらくらいするかなあ。どなたかわかるかた、教えてください。


白鳥来る

2012年11月28日 | 日記

  先日から荒れ模様です。ついに先日は吹雪。

             

 カウカウという鳴き声とともに、連隊を組んで飛んでいくのが見えました。宮城あたりへ?

  子どももいますね。和賀川。

 遠くに薄く早池峰山が見えます。

 白鳥の写真は、数日前の晴れていた日のもの、和賀川と夏油川の合流地点です。そして私も、また東京へ。


冬支度

2012年11月26日 | 日記

            バーンと。

 近くの店です。除雪道具の一部。融雪剤の入った袋やストーブのエントツなども、ババンとあります。

  カラフル

 入り口の左側一面に灯油のポンプがかかっていたり、いよいよ冬。先日温泉にいってきましたが、そこは、西和賀郡といって山間なので、風花が舞っていました。なんとか風邪をひかずに過ごしたいものです。

 地吹雪防止フェンスも閉じました。


分校跡(北上市稲瀬小学校分校)

2012年11月25日 | 日記

               

 現在は、皀田(さいかちた)というこの地域の公民館として使用されています。右側には講堂もあったそうですが、取り壊されています。

  二宮金次郎さんもいました。

 あたりは、田んぼと山です。通りがかったおじさんが、昭和48年に廃校になったと教えてくれました。当時は4学級、100人の児童がいたそうです。少子化の現代では、100人いたら何も廃校にしなくていいのでは? と思ってしまいますね。

 今は車の時代なので、不自由はないでしょうが、なかった時代は大変だったろうなと思います。


グリーンスムージー

2012年11月24日 | 日記

 児童文学者協会副理事であり、大先輩児童文学作家加藤純子さんが、ブログで健康オタクネタをよくご披露されています。このごろでは、グリーンスムージー。http://blog.goo.ne.jp/junko_blog/e/94984f9fbf2fdd2207880bd03a604c74

 いわば、葉っぱの野菜ジュースです。私は、先日セロリを使って残った葉っぱが、もったいないなあと思い(←こういうところがみみっちいですが)、ミキサーでやってみようと思い立ちました。

 セロリとリンゴとバナナ、それに牛乳を入れて、グイーン。トロリとして思った以上に飲みやすいものができました。へえー、普通のミキサーでも大丈夫だ、ということで、あれこれネットで調べたら、どうも牛乳を入れると、せっかくの他の栄養が吸収されにくくなるとのこと。キャベツやニンンジンなど入れないほうがいいとか、いろいろあるようです。

 岩手に来てからは、畑からニンジンの葉っぱ(葉っぱならいいと思うのですが、どうでしょう?)、小松菜などを、採ってきて作っています。ただ、くだものや生の野菜というのは、基本的に体を冷やす作用があるのではないかとも思い、ショウガも入れています。ミキサーで作った状態をアップしたいと思ったのですが、どうもきれいとは言い難いので、材料の方をごらんください。(加藤さんのだと、おしゃれなんですけどね)

      土がついていて、洗うのが少しめんどうです。

 おまけ。赤大根。酢漬けにしました。


橋のモニュメント①

2012年11月23日 | 日記

                   カモメ

 立日橋という立川と日野を結ぶ橋のモニュメントです。

  ?

 ??

 下の二つは、岩手の橋にあったものです。このあたりに伝わる舞を抽象化したものかな? 

 こういった橋のモニュメントを、集めてあるくのも、おもしろいなあと思うのですが、時間と根気の問題ですね。タイトルに①とつけたのは、またおもしろいのを見つけたら、写真をとりたいなと思っているからです。さて、続きはあるのでしょうか。


明け六ツ

2012年11月22日 | 日記

 歴史物語を読んでいると、(たいして読んでいるわけではありませんが)「明け六ツ」という時刻がよく出てきます。今のように正確な時計があったわけではないけど、時間という概念はありました。

 明け六つ、暮れ六ツ、というのがその基本。明け六ツというのは、夜明け前、空が少し白々としてきて、明けの明星がまだ見える頃。江戸の人たちの暮らしが始まる時間です。それから日が沈む暮れ六ツの間を等分して、七ツ時、八ツ時などと、数えます。お寺の鐘がそれを知らせてくれていたのですが、私たちが今時計を頼ってすごしているのとは、随分違うことだろうと思います。一時(一時)は、今の一時間ほど、といっても日の出日の入りの時刻が違うわけなので、一時の時間も今の時間に直してみると、ずいぶんとズレがあるはずです。当然ながら、季節によって一刻の間隔がちがってきます。夏は長く、冬は短い。

 明け六ツの時刻も、夏だったら、今の五時前、冬だと、六時すぎくらいでしょうか。(おおざっぱな感覚で言っています。間違えてる部分もあるかもです)

 歴史ものを書くというのは、そういう感覚までとぎすませないといけないのだろうなと、思ったりしている今日この頃です。牛の刻、午の刻、というのは、でもまた違うわけですしね。別の見方をすれば、日が昇ると起きて、沈んだら寝ると、いたってシンプルでもあったともいえます。

 東京の家から明け六ツすぎの空

 東側の道路向こうに、これから新しく家が建ちます。できたときに、大好きなこの明け方の景色が変わってしまうのではと、心配しています。

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  岩手の明け六ツすぎ。タマネギ畑

 降ってきましたよ!

 建物は2つとも作業小屋です。片方は、東京の家より大きいです。


新東京駅

2012年11月21日 | 日記

              

 岩手へ行くとき、乗り換えの時間が少し余裕があったので、改札を出て、写真を撮ってきました。

  夕日に輝いて。ちょっと異国風?

  内部。

 いろんな方がもっとすばらしい写真をアップされてますけど、一応。このあと宇都宮で高橋さんを思いだし、白石蔵王でどじょうさんを思いだし、仙台で佐々木ひとみさんを思いだし、岩手へと来ました。がっつり寒いです。

 


銀杏並木

2012年11月20日 | 日記

                      

銀杏の黄色が鮮やかです。うちから車で30分ほどのところには、大正天皇皇后、昭和天皇皇后の御陵があります。(多摩御陵、武蔵野御陵)ここへ行く道の銀杏並木がすばらしいこと思いだし、18日の日曜日に買い物ついでに行こうかということになりました。ところが、

 渋滞だ~。

 御陵へ行く車ではなく、その先の高尾山方面へ行くのだと思います。あきらめて引き返しました。御陵は、広大な敷地と、観光地とは違うということで人出も少なく、また整然と整備されている意味では、公園とはまた趣が違います。大きな御陵を見ていると、やはり普通の人とは違うのだなと思ってしまいます。

 銀杏並木は、この先かなりの距離で続きます。         

 


日野市産業まつり

2012年11月19日 | 日記

 11月10日、11日。市役所前の広場と公園で、産業まつりが行われていました。

             

 野菜の直売には、行列ができていました。

 小学生が作った案山子

 農業まつりではなく、産業まつりですから、日野自動車のトラックがあったり、ダス○ンが、スポンジを売っていたり、いろいろです。ステージでは、ミニスカートの高校生がダンスをしていました。今年の人出は、すごかったです。この頃、急速に人口が増えているのかもしれません。


童子句会②

2012年11月18日 | 俳句

 月一回のこの句会では、編集長が毎回、蕪村の書簡や書き残した文章の勉強会をしてくれます。なかなか、一人ではできないことです。

 この日は、明和八年に書かれた「蓑虫説」を読みました。

 身に玉むしの光をかざらず、声(旧漢字)に鈴虫の色をこのまざれば、人に捜しえらるゝの愁ひもなく、北吹けば南へふらり、西吹けば東へふらり、物と争はざれば風雨に害はるゝかなしびもなし。

 正直私には難しすぎる文章ですが、上の一節だけは理解できました。

 しぐるゝや鼠のわたる琴の音    蕪村

 みの虫のふらと世にふる時雨哉  蕪村

 あぶみは、ここでも(今、この基本的なことをきくか?) というような質問をします。きくは一時の恥、きかぬは一生の恥が、信条です。(「辞書をひきなさい」と怒られたこともありますが)別の日の三尺句会では、兼題となる言葉をホワイトボード一面に書き出して、そこから句を作りますが「十あまり」という言葉がありました。すると、出てきた句に「十あまり二日」とか「十あまり三日」という言葉が入ったのがあるので、「これ何? 12日、13日ってこと?」と声に出しました。すると、編集長から「知らないの? 信じられない」と。高校とかの古典でやったのでしょうが、まったくもって忘れていました。そして、その言葉を作って出された編集長の俳句は、おもしろかったなあ。

 私は用意していた句を他で出す機会がもうないので、2句はそれを出し、あと3句は、題を見て作りました。心を解放しきれなかったかな。月に数回句会に出ることができたら、この句会は行き当たりばったりで作って、思いがけない句ができることの楽しみを味わうことができるのですけど。この日もちょっと他の句会ではでないような、いい句がたくさんありました。自分の作った句がどうのというだけでなく、他の方の句を楽しめる句会です。

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  夕方、散歩途中で見えた富士山


童子句会①

2012年11月17日 | 俳句

 今月は、20日前後までずっと岩手にいる予定だったのですが、急用のため逆になりました。出席で出していた会や友人との約束のキャンセルも出てしまいましたが、逆にこの時期東京にいたので童子句会には、出席できました。

  ペットボトルを撮りたかったわけではないのですが。

  短冊と清記用紙

 このブログは、俳句関係者以外もたくさん見てくださっているので、ざっと句会のやりかたを説明します。左にあるのが、「短冊」。これに、それぞれが作ってきた俳句を書きます。それを集めてバラバラにし、配り直し、右の清記用紙に書き写します。こうすることで、一枚の清記用紙に、数名の方の俳句が載ります。その句がだれのものかわからないようにして、それから自分が「いい」と思う句を選ぶのです。長く一緒にやっていると、筆跡で、誰の句かわかるようになるからです。

 この清記用紙を右回りで回し、ノートに好きな句を書き写します。最終的に、5句とか、6句とかを選び、発表します。その句会によって、だれも自分の句を選んでくれないとか、逆に大人気になるとか、さまざまです。先生の句も同様に入れます。この日も、主宰の句は、あまりとられませんでした。これは、選句力の問題。

 この日、兼題は「短日」と、「実」でした。

 短日や牛小屋暗く牛黒く    あぶみ

 先日堀米さんの牛小屋を見ての実感で作ったもの。数人の方が選んでくださいましたが、他の出席者からは、「闇夜の牛」という言葉があり、新鮮味がないと厳しい評をいただき、主宰からは「それはやはり短日という季語生きていないから。季語を変えればよくなる」と言っていただきました。並選です。120句ほどの中で、特選が3句、入選も数句、あとはほとんど並選、無選でした。

 神立つや牛小屋暗く牛黒く  

 木の実降る牛小屋暗く牛黒く

 どの季語がいいのか、決めかねています。ということは、季移りするということか、いえ、何かぴったりするものがあるはず。とまあ、あれこれやります。童子句会は、かなり厳しい句会ですが、勉強になります。他の少人数の句会は、また雰囲気が別です。

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 きのう陣崎さんのグループ展のことを書きましたら、「行ってきました」というメールをいただきました。本屋のお客さんとギャラリーのお客さんで、大盛況だったそうです。出版社の方も次々いらしていたとか。一太郎愛好仲間の児童文学作家Mさん(『ぼくのともだちどじなぶた』の作者です)、自転車でいけるところにお住まいで、来週もう1回行こうかなとも。こんなブログでも、ちょっぴり役に立ったみたいで、嬉しいです。

  このグループ展、4人の中には、高橋秀雄さんの「わたしたちうんこともだち」通称「うんとも」の絵を描かれている中谷靖彦さんもいらっしゃいます。すっごくかわいい絵を描かれる方、みんさん、これからどんどん活躍していく方達なのでしょう。


こどもの本表紙絵作家・四人展

2012年11月16日 | 日記

              11・8~26 URESICAにて

 http://www.uresica.com/gallery.html

 先日「季節風」大会の分科会でごいっしょした陣崎草子さんから、ご案内の葉書をいただいていました。うっかりご紹介が遅くなりましたが、グループ展、もう始まっています。陣崎さんは、講談社児童文学新人賞で佳作をとった『草の上で愛を』(講談社)の作者です。物語も書くし、絵も描くし、という才能にあふれた若手作家です。

 私は、来週岩手に帰る前に行くことができるかどうか。お近くの方、絵のお好きな方、ぜひおでかけください。

*今ネットで検索したら、陣崎さんのHPがありました。許可をいただいていないし、一度しかお会いしたことのない方なので、リンクは貼りませんが、すぐに出てきますので、ご覧ください。短歌も作ってらっしゃる! 絵本も続々! マルチな方だ。しかも美人(←なぜここにこだわるか) 一日一枚描いてらっしゃるという少女の絵がすごくいいです。しかしご本人にお会いして、こんなに日にちが経ってから、そのすごさを知るとは……。隣に座っていたのに。懇親会でもお向かいで飲んでらしたのに。もっといろいろお話を聞けばよかったです。白状します。実はあまりにも感じのいい方だったもので、緊張してしまったのです。あちらは、私のことをさぞ感じの悪いやつと思ったことでしょう。(あ、最初恐い人だと思ってましたと言われるこれがいつものパターンなのか)またお会いできるかな? というより、いつか絵を描いていただけるようにがんばろうと思いましたよ。


童子賞ー『童子』11月号

2012年11月15日 | 俳句

 童子年間賞が発表されました。

 私はこのたび、「童子賞」を頂戴いたしました。心してお受けし、今後も歩んでいきたいと思います。俳句を続けてこられたのは、懐の広い主宰、副主宰、楽しい仲間達のおかげです。

 今号は各賞の受賞者の代表句10句が顔写真入りで掲載されています。どの方の句も、すごくいいです。受賞の言葉もまた、それぞれ。みなさん、受賞にあたっての感慨やこれからの豊富をしっかり述べられています。その中で、私は、ちょっとずれて田舎の舅のことなどを書かせていただきました。今の自分イコール今の俳句、という気持ちです。

 それにしても、いっしょに「童子賞」を受賞した松本てふこちゃん(若くてかわいいので、いつもちゃんづけです)の写真のインパクトのあること! これぞ、俳味という写真です、さすが! 

 生き延びしおまけ金魚や秋の風   板東くぢら  (童子大賞)

 夏風邪のひとの物ほしさうな目よ  松本てふこ (童子賞)

 リカちゃんとリカちゃん遊ぶ日永かな  あぶみ (童子賞)

 これがかうなりますと売り水中花   舟 まどひ (童子賞)

 男らが深雪に立てる卒塔婆かな  紺野ゆきえ (童子賞)

 桃夭賞、新童賞の発表もありました。私は今月号では、隠岐の夏合宿の吟行記三日目も担当し、 

 とーさんの取組はまだ島相撲  あぶみ  を含む5句を発表しています。

 また「童子」9月号の月評では、梶川みのりさんが、

 日と月と重なる朝や百足這ふ   あぶみ  をとりあげ、鑑賞してくださっています。「あの数多の脚をうごめかせる百足と皆既日蝕の取り合わせは涅槃図に通ずる荘厳さをたたえている」というすばらしい鑑賞。句はどう読んでくださるかで、一句として立ち上がりかたが違います。みのりさん、ありがとうございました。(聞こえないか)私も、他の人の句をこのように読んで鑑賞したいと思いました。

 四つ角や秋めくものに二階の燈   梶川みのり 

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  宮城県鳥の海付近(町の跡)