学校教育を考える

混迷する教育現場で,
日々奮闘していらっしゃる
真面目な先生方への
応援の意味を込めて書いています。

舞台裏は隠しましょう

2010-06-14 | 教育
「わかる授業」とか「楽しい授業」という言葉が,
さも望ましいもののように子どもたちの前でも
堂々と語られるようになったのは,
よくないことである。

教師が,子どもの前で,
「すべての子どもに分かる授業をします」とか,
「楽しい授業を追求します」とかいうのは,
愚である。

子どもには,
「どんな授業でも,
 その授業の中から自分でヒントをつかみ,
 自分で分かるまで勉強に励みましょう」,
あるいは,
「勉強をこつこつ続けていけば,
 そのなかに楽しさが見つかるものです」と
教師は言うべきなのである。

教師は,
子どものいないところで教材を研究し,
子どもの成長にもっとも有効な教材を準備する。
それは,ただ分かりやすければよい,
楽しければよいというような
単純なものではないが,
良質な教材には,当然分かるためのヒント,
楽しみを見出すことの出来る端緒が含まれている。

しかし,このようなことは,
教師の舞台裏での努力の指針であって,
子どもに対しては,
自分の力で糧をつかむように言っておくべきなのである。

そのあたり,
最近の教師は,
もう少し老練になるべきなのであろう。