B級映画のテイストを再現することがテーマの作品。
予告4本を含むB級映画2本立ての体裁そのままに構成された191分の作品「グラインドハウス」が、独立した2本の作品として別々に上映された、これはその1本。
ロバート・ロドリゲスが監督したゾンビ系お色気ホラー・アクションだ。もう1本を監督したクエンティン・タランティーノも本作では俳優として出演し、怪演を見せる。
始まったと思うとこれはフェイクの予告編。その後本当に始まる本編もフィルムの傷や上映途中でフィルムが熱で燃えて途切れたり、巻紛失で一部飛んだりとB級の「雰囲気」は満点。楽しんで作っている事は分かるし、当時の雰囲気を懐かしむ映画ファンがいる事も事実だろうが、現代の観客が楽しめるかどうかはまた別の問題。
でも、娯楽作としてのツボはきっちり押さえたつくりだ。ドギツイのが苦手な人にはお勧め出来ないが。191分のオリジナル版は、このテンションが続くとすれば間違いなく疲れることだけは確かだ。
本来の作品が無い予告編はすでに「予告」ではないのだから、これ自体も短編と見るべきだろう。