9つのエピソードからなるオムニバス映画。
各パートは10分余りで、すべてワンシーン・ワンショットのリアルタイムで撮影されている。
「10ミニッツテイク」は長まわしを表す映画用語だ。10分間、役者もスタッフも一切の失敗を許されない。作品中1箇所でというなら分かるが、全編がそれで構成されているとは恐れ入る。
限定された時間の中なので物語に明快な起承転結はなく、したがって登場人物の誰かに感情移入することはないが、それぞれの人生のある場面をすくい上げて見せてくれる。
さらにあるパートの人物が別のパートにもさりげなく登場し、10分では描けなかった人物の背景が広がってくる凝った構成を見せる。
原題の「9 lives」はこの構成を良く表現しているが、さらにラストエピソードでその意味が深まる。
猫は9つの命を持っていると言われているが実際は1回しか生きることが出来ない。人生は1回限りなのだ。ここに描かれた9つのエピソードすべてを生きることは出来ない。この中のどれか一つ、どの人生を選択するか、観客は問われている。
それにしても最後のエピソードは胸に染みる。グレン・クローズとダコタ・ファニングの二人芝居だ。「その謎」はわずか十数秒のラストシーンを見ないと分からない。
深い文学作品の読後感に似ている。
各パートは10分余りで、すべてワンシーン・ワンショットのリアルタイムで撮影されている。
「10ミニッツテイク」は長まわしを表す映画用語だ。10分間、役者もスタッフも一切の失敗を許されない。作品中1箇所でというなら分かるが、全編がそれで構成されているとは恐れ入る。
限定された時間の中なので物語に明快な起承転結はなく、したがって登場人物の誰かに感情移入することはないが、それぞれの人生のある場面をすくい上げて見せてくれる。
さらにあるパートの人物が別のパートにもさりげなく登場し、10分では描けなかった人物の背景が広がってくる凝った構成を見せる。
原題の「9 lives」はこの構成を良く表現しているが、さらにラストエピソードでその意味が深まる。
猫は9つの命を持っていると言われているが実際は1回しか生きることが出来ない。人生は1回限りなのだ。ここに描かれた9つのエピソードすべてを生きることは出来ない。この中のどれか一つ、どの人生を選択するか、観客は問われている。
それにしても最後のエピソードは胸に染みる。グレン・クローズとダコタ・ファニングの二人芝居だ。「その謎」はわずか十数秒のラストシーンを見ないと分からない。
深い文学作品の読後感に似ている。