SEA side

静けさの中で波の音だけが永遠に響きつづける。
美しいものとの出会いの記憶・・・・。

映画 「リトル・イタリーの恋」

2006年08月08日 | 映画(ラ行、ワ行)
 今時珍しく古風なラブストーリー。露出度ほとんどゼロのピンナップ写真を慌てて隠すような、のどかな時代のお話。

 監督の意図や張り巡らされた複線を、目を凝らして探し出すことなく、ゆったりとしたリズムに身を任せて映画館の暗闇に座っているのも良いものだ。

 新しい発見は、かつてオーストラリアにイタリアからの移民が一つの町を作っていたということ。そして本国から花嫁を紹介するマッチメイカーがいて、紹介された花嫁たちは写真一つにすべてを託して海を渡ったことである。
 いずれも本国では嫁げない事情を抱えた花嫁たちであったのだろう。
 それにしてもヒロインの清楚で可憐なこと。

 ストーリー自体はかなりオーソドックスな定石を踏んでいるので、予告編を見ていればその延長で推測できないことはほとんどない。
 ただヒロインの陰に隠れて、予告ではほとんど重要な役割を持たないと思われた弟の恋人役が、本編のある一瞬からとたんに輝きを増す。そこからラストのハッピーなエンディングに向かってなだれ込むことになるのだ。


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