SEA side

静けさの中で波の音だけが永遠に響きつづける。
美しいものとの出会いの記憶・・・・。

映画 「天然コケッコー」

2007年08月31日 | 映画(タ行)
 第1印象は「松ヶ根乱射事件」に似ている、だった。

 私の場合、映画を見に行く時は次の二つの基準で選ぶ。
 1 内容で選ぶ。
 2 監督で選ぶ。

 本作の場合、内容で見に行ったのだが、ラスト・クレジットで監督名を見て「第1印象」に納得がいった。どちらも山下敦弘監督の作品だったのだ。
 両極端のような二つの作品を、同じ監督が同じ年に発表しているなんて、普通なら考えられない。何でも出来る監督なのだ。しかも何を描いても山下ワールドになっている。

 両作とも物語の中に村の床屋や郵便局が重要な舞台として出て来る。そしてどちらも主人公の父親は床屋の女性と微妙な関係にある。
 主人公は、方や交番の巡査であり、方や中学生である(公務員的なものが好きな監督なのか?)。

 ど田舎の同じ村(山下村?)で二つの物語が並行的に進行しているようなものともいえるだろう。
 「松ヶ根」では冒頭で幼い小学生がギョッとするようなことをやる。同じ状況なら「天然コケッコー」の子供たちもこんなことやるわけだ。子供は天使であり、時に残酷な悪魔でもありえる。

 でも本作で描かれるのは、天使の顔を持つ子供たちの、かけがえの無い、ひたすら豊かで幸せな日常的時間である。