ヘヴィメタロックバンドの「アンヴィル」のドキュメント映画をやっとやっと観ました。
70年代や80年代のロックが好きな者として、日々が過ぎるのは時には残酷に感じてしまうけど。
(私だけだろうか・・・)
この作品はカナダ出身のバンド「アンヴィル」が売れなくても諦めずに30年も続けている姿を追ったドキュメントです。
スラッシュの言葉・・・「30年も続けるなんてなかなかいないよ。ローリング・ストーンズ、ザ・フー、それにアンヴィルだ。」
この作品は日本で始まり、日本で終わります。
1984年8月の伝説の「スーパーロック84」に出場したアンヴィル。
しかしその後は他の出場したバンド(ボン・ジョヴィやスコーピオンズやホワイトスネイクなど)はどんどん売れてビッグになったのにアンヴィルはそのままマイナーな存在・・・
しかし彼らは決してあきらめなかった。
家族や仲間の支えの中、地元トロントでは給食配達員や建設作業員などの仕事をしながら何とか食べている状態。
それでも曲を作り続け決して音楽をあきらめない。
そんな中、ヨーロッパツアーが実現したものの、ツアー先では観客も少なく待遇も悪い。
移動の電車にも乗りそびれたり。
そして最悪なのはギャラもなかった・・・
まぁ、しっかりしたマネージメントがなかった事もあるけれど、それでも彼らのステージは熱かった~
メンバーの主要な二人リップスとロブの存在がまたすごく味があります。
この二人の絆は世界一強いのでは。
CD製作にかかるお金を工面するためにテレフォン・セールスの仕事をするリップス。
ヘヴィメタの本人の見た目とは違って、音は真面目だから口八丁ののセールスの仕事には不向き。
ロブはちょっと落ち着いて大人のイメージでした。
自宅スタジオで落ち着く表情も良いし絵も巧い。
リップスとロブが激しい口論をするシーンはバンド内では良くあるだろうな~と見ていたら、リップスが仲直りしたくて謝り涙を流す・・・そんなシーンは心に響きました。
そしてロブの言葉・・・
「人生は短い。だから今やるしかない」
今やるしかないと思ってずっと30年以上もアンヴィルで活動をしてきたのはただ凄かった。
確かに好きな事をやっているだけかもしれない。
それでも自分の選んだ音楽をあきらめずに苦境に立ち向かいながら活動しているのには圧倒されました。
そして、日本からの招待。
幕張メッセでの演奏前「観客が数人だったらどうしよう・・・」と気弱な言葉が出たのに日本のロックファンはそんな事はないんだな。
大勢のファンの大歓声、アンヴィルの最高の演奏、このシーンは良かったですね~
この映画はドキュメントとして撮り続けてきたそうですが、日本の試写会の後の突然のアンヴィルの登場に大騒ぎだった報道も覚えています。
渋谷の雑踏に立つリップスとロブの幸せそうなお顔。
日本って良い国でしょう?
「ANVIL」・・・カッコいいじゃないですか。
歳を重ねるとこの作品の良さが良くわかります。
家族を大切にしながら夢を諦めなかった男たちも50代。
ずっと売れなかったメタルロックバンド「アンヴィル」の哲学的メッセージが心に響きました。
今回の評価は・・・ 星4つ ☆☆☆☆
キアヌ・リーヴスも応援。
誰もが自分の心にアンヴィルのような不屈の精神を持ちたいと思っているだろうな・・・