またまたイーサン作品です
この映画をずっと探していて見つからなくて・・・
ジャンルはSFだったのか。
普通のSFだったら観ないけれど、もちろんイーサン・ホークのファンとしては必見!
何だかまた最高の作品に出会ったようです。
イーサン・ホークとジュード・ロウ、そしてユマ・サーマンの三人がそれぞれ素晴らしかった。
ユマ・サーマンとは私生活でもパートナーだったイーサン。
その後、離婚をしたけれど、こんな良い作品で共演したらそんな気持ちになっちゃうだろうな。
それくらいぴったりの二人でした。
さて映画の内容は・・・
遺伝子工学が発達した近未来で、生まれてくる子どもは
すぐに遺伝子検査をされ推定寿命がわかってしまうという時代。
ビンセント(イーサン・ホーク)は自然に生まれたので心臓に病気を持ち、推定寿命も30.2歳
その時から社会では「不適正者」と扱われ、宇宙飛行士を夢見るも実現には不可能の毎日。
一方、遺伝子操作で生まれた弟は両親の期待と愛情を受けて育っていた。
あらゆる事にかなわないビンセントはある競争で弟に初めて勝利をし、家を出る。
その後は闇の機関を利用して、優秀な遺伝子を持つ人間にすり替わって生きていく契約を結びます。
この優秀な遺伝子を持つ・・・(しかし、事故のために障害をもって車椅子生活)のジェロームをジュード・ロウが演じます。
「ガタカ」とは宇宙飛行の施設そのものの名前です。
最初は清掃員として働いていたビンセントはジェロームの協力で「ガタカ」の一員として乗り込みます。
優秀な遺伝子を示すためにジェロームの血液、体液、髪の毛、その他を利用して。
「ガタカ」の職員であるアイリーン(ユマ・サーマン)の協力も得て、もうすぐ夢の宇宙飛行に・・・という所で事件が起きる、という展開。
SFサスペンスの映画かと思って観ていたら、かなりヒューマン映画でした。
遺伝子を操作して人類を管理する事自体、異様ですが、こんな社会になったらどうなるのか?
人間味、なんて言葉はなくなるはず。
そして、何と言ってもジュード・ロウの素晴らしさ。
ジェロームの苦しみや絶望をうまく演じながら、ビンセントのためにサンプルを採る、採る、採る!
そして悲しい彼のラスト・シーン
ビンセントのために選んだ彼の最期でした。
「本当に宇宙に飛べるんだろうか?」と観ていて心配だったけれど、検査官のおかげで宇宙に飛び立つビンセントの表情!
ビンセントの夢がかなった瞬間が、ジェロームの最期だなんて、悲しすぎる。
ビンセントは偽りの身分かもしれないけれど、ジェロームの身体の組織を借りながらも毎日の訓練や努力は彼自身がやってつかんだ結果です。
生まれた瞬間に「不適当者」とされた彼が、方法は良くなくても夢に向かって進んだ結果なのです。
遺伝子だけでは済まされない、解決できない!
そんな人の心が強く感じられました。
とにかく三人の素晴らしい演技で、かけがえのない作品になったと思います。
音楽も映像も良かった~♪
今回の評価は・・・ 星4つ ☆☆☆☆