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「セラフィーヌの庭」をDVDで観ました。
ちょっと気になっていた作品です。
2008年製作、監督はマルタン・プロヴォスト。
フランスで実在した女性画家セラフィーヌ・ルイの半生を描いた作品です。
おもなあらすじは・・・
1912年、パリ郊外に暮らすセラフィーヌ(ヨランド・モロー)は家政婦、洗濯女、肉屋の下働きなどをして貧しい生活をしていた。
彼女の生きがいは絵を描く事。
わずかながらのお金で白い絵の具だけを買い、他の色は自分で作り出していた。
(泥や植物、食肉処理の血などを利用して作っていました)
そんな彼女の絵がある画商に認められ、支援を約束され個展を出す予定を楽しみにしていたセラフィーヌ。
しかし世の中は戦争や恐慌などの激動があり思うようには行かなかった・・・
さて、セラフィーヌを演じる女優さんはヨランド・モロー。
数多くの作品に出ているので知っていましたが、この家政婦役はとても存在感がありました。
手荒れのひどい、汚れた爪先の彼女が無愛想な表情で他人の家の手入れをする様子。
洗濯をまかされると川に行き、流れる水で大きなシーツなどを洗い絞り干す・・・ひどく原始的に見えました。
ほつれた髪のまま籠を持って歩くセラフィーヌ、その歩き方さえも彼女の無骨な生き方を感じるくらいです。
一方、そんな彼女が草木に話しかけ、川で水浴びをし、神や天使を信じているのはまた興味深い一面です。
ヨランド・モローの素晴らしい演技に前半からグイグイ惹かれながら観ました。
ピュアなのか変人なのか・・・
途中からセラフィーヌがお金を使う事を覚えてしまう場面からはちょっと違和感もありました。
家を欲しがり、家具や食器を買いあさり、その上純白のウエディング・ドレスを作るあたりはセラフィーヌ自身も精神的に病んでいたのでしょう。
結局、絵も残したけれど病院に入れられてしまう彼女。
戦争や世界恐慌の影響で思い通りの人生にはならなかったけど、彼女の本当の幸せはただ絵を描く事だったのではないでしょうか・・・
後半の部分にはちょっと違和感がありましたが、セラフィーヌの書いた絵は今まで見た事がないくらいインパクトのある色使いで圧倒されました。
それからラストのシーン・・・「草原の大きな木の下に立つセラフィーヌ」の場面はまるで絵画のように美しかったです。
セラフィーヌを演じたヨランド・モローに尽きる映画だと思いました。
今回の評価は・・・ 星3つ ☆☆☆
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