報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「悪夢の探偵達」

2022-11-27 22:50:55 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[期日不明 時間不明 天候:不明 場所:不明]

 私の名前は愛原学。
 都内で小さな探偵事務所を経営している。
 私は何故か、無人の船内を歩いていた。
 見覚えのある船だ。
 これは……あれか。
 東京湾シンフォニークルーズの船の中か。
 不思議だ。
 前に乗った時は、大勢の乗客で賑わっていたというのに。
 今は人っ子一人いない。
 乗客だけでなく、船員もだ。

 高野芽衣子:「愛原先生、こんな所で何をなさっているんです?」
 愛原:「おっ、高野君!キミこそ、どうしてここに!?もしかして、船内でバイオハザードでも発生したのか!?」
 高野:「何を仰ってるんですかw 私は最後のお別れを伝えに来たんですよ」
 愛原:「お別れ!?どういうことだ!?」
 高野:「私はもう先生と2度と会うことはありません。事務所時代は短い間でしたが、お世話になりました」
 愛原:「ど、どういうことなんだ!?」

 すると、高野君は狙撃用のライフルを私に向けた。

 愛原:「な、何をする!?」
 高野:「まだ分からないのですか?」
 高野:「な、何がだ!?」
 高橋:「アネゴ。『知らぬが仏』って言うだろ。余計なこと言わなくていいと思うぜ?」
 愛原:「た、高橋!?余計なことって何だ!?」

 すると、高橋も手持ちのマグナム44を私に向けた。

 高橋:「先生。今までお世話になりました」
 愛原:「な、何だって!?オマエ達、一体どういうつもりだ!?」
 リサ:「もう、お兄ちゃん達!冷たすぎるよ!」

 そこへリサも現れる。

 リサ:「何も知らないまま殺されるのも可愛そうだよ。やっぱり、ちゃんと教えてあげるべきだと思うよ?」
 高橋:「テメェ、なに生意気なことを……」
 高野:「いやいや、それもそうね。リサちゃんの言う通りだわ」
 リサ:「ねー?」
 愛原:「リサ、どういうことだ!?助けてくれんのか!?」
 リサ:「助ける?何で?」
 愛原:「な、何でって!俺、丸腰なのに、この2人に銃を向けられてるんだぞ!?」
 リサ:「当たり前じゃない。だって、先生は……」

 その時、私の背中に強い衝撃が走った。
 力が抜け、床に倒れる私。
 だ、誰だ?
 誰が撃ったんだ……?

 善場:「あなた達、遊んでる場合ではありません。とにかく……」

 と、善場主任!?
 この声は善場主任か!?

[8月28日07:00.天候:晴 東京都中央区銀座8丁目 銀座グランドホテル8F客室]

 愛原:「わぁーっ!」

 枕元に置いたスマホのアラームが鳴って、私は飛び起きた。
 な、何だ……。
 夢だったのか……。

 リサ:「うー……ん……」

 隣に寝ているリサが、呆然とする私を尻目に、手を伸ばしてスマホのアラームを止めた。
 ……ん!?隣!?

 愛原:「……って、おい、リサ!」
 リサ:「あ……先生。おはよー……」

 リサは大きな欠伸をした。
 人間形態の第0形態ながら、変化しきれていない牙が覗く。

 愛原:「何で俺の隣に寝てるんだ!?」

 とはいえ、本当に添い寝だけしていたようで、私の服が脱がされているわけでもなければ、リサが脱いでいるというわけでもなかった。
 もっとも、手繋ぎされていた感じはあるが。

 リサ:「先生の護衛」
 愛原:「は!?」
 リサ:「……ウソ。夜中に寂しくなったから、つい入っちゃった。ゴメンナサーイ……」
 愛原:「あー……びっくりした……」
 リサ:「メーワクだった?」
 愛原:「……まあ、今回は許す」
 リサ:「ホント!?じゃあ、お詫びと許してくれた御礼と『おはよう』のチュー
 愛原:「おい!」

 しかし、私の唇はリサに奪われた。

 リサ:「ハイ。先生のファーストキス、頂きぃ~!」
 愛原:「オマエね!……ったく」

 変な寄生虫を送り込まれた感じは無い。

 愛原:「早く、ベッドから出て。起きるから」
 リサ:「はーい」
 愛原:「うー……嫌な夢見た。ちょっと寝汗かいたから、シャワー入ってくる」
 リサ:「あ、じゃあわたしも入るー」
 愛原:「調子に乗るな。……危うく俺、夢の中でオマエに裏切られるところだったんだから」
 リサ:「わたしが!?」
 愛原:「そうだよ」
 リサ:「先生の夢の中のわたし、暴走した?」
 愛原:「そういうわけじゃなく、結構ガチめの裏切りだったよ。高野君や高橋と一緒にな。あと、善場主任もだ」
 リサ:「何それ?ドッキリ?」
 愛原:「ドッキリだったんなら良かったんだがな。背後から善場主任にショットガンで撃たれて、お陀仏だよ」
 リサ:「ヒドイねー」
 愛原:「だから、オマエもだったんだって」

 私はそう言うと、着替えを持ってバスルームに入った。

 リサ:「背中流そうか?」
 愛原:「いや、軽く汗を流すだけだから、そこまでしなくていい」
 リサ:「そう……」

 ついでに歯磨きと髭剃りもしておこう。

[同日08:00.天候:晴 同ホテルB1F朝食会場 レストラン“銀座 羅豚(らぶ)”]

 朝の身支度を整えた私達は、朝食会場に向かった。
 宿泊プランは朝食付きなので、フロントでもらった朝食券を手にレストランに向かう。

 リサ:「お兄ちゃんの分、勿体ないねー」
 愛原:「結局あいつ、戻って来なかったな……」

 朝食は食べ放題のバイキングではなく、定食形式であった。
 但し、メイン料理や小鉢など、内容は色々と組み合わせをチョイスできるシステムのようだ。
 私は焼き魚を選び、今朝は焼き鮭であった。
 リサは朝からハンバーグ定食をチョイスした。
 主食は御飯と味噌汁をチョイスし、それはリサも同じだった。

 リサ:「TKG、TKG」
 愛原:「俺は納豆にするよ」

 リサは玉子かけ御飯を楽しんだ。

 愛原:「どうせ今日は休みだ。ゆっくり帰ろう」
 リサ:「うん!」
 愛原:「チェックアウトは11時みたいだし、それまでゆっくりしてもいい」
 リサ:「10時じゃなくて、11時なんだ」
 愛原:「高級ホテルには、たまにあるな。急いで帰りたいのなら、そうするが?まだ夏休みの宿題、終わってない?」
 リサ:「それは大丈夫だよ」
 愛原:「そうか」
 リサ:「ねえ、先生」
 愛原:「何だ?」
 リサ:「先生が見た夢の内容、教えて?」
 愛原:「あー……そうだな……。まあ、ちょっと怖い夢だから、ここではな……。部屋に戻ったら話すよ」
 リサ:「分かった」

 私達は取りあえず、朝食を楽しんだ。
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“私立探偵 愛原学” 「高橋無き後の探偵達」

2022-11-26 20:13:44 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[8月27日23:00.天候:雨 東京都中央区銀座8丁目 銀座グランドホテル]

 リサ:「先生、お風呂出たよ」

 そう言って、リサはバスルームから出てきた。
 部屋備え付けのルームウェアを着ている。

 愛原:「ああ、分かった」
 リサ:「先生、先に入って良かったのに……。そしたらわたし、先生の残り湯に浸かるのに……」
 愛原:「あー……そうだな。うん、悪かった」

 私はリサの半分冗談、半分本気とも言えるセリフに対して上の空だった。
 高橋がいなくなった今、事務所のことをどうしようかと思っていたからだ。
 むしろ、生活全般に対して高橋に頼っていた部分があったので、それも痛手であった。
 私はバスルームに向かうと、入浴の準備を始めた。
 デラックスツインルームでは、ビジネスホテルのバスルームのような、ユニットバスではない。
 浴室は家のそれのように、ちゃんと洗い場が付いているタイプであった。
 先に体を洗って、それからリサが入った後のお湯に浸かる。

 愛原:「これからどうしよう……」

 今後の不安がつきまとう。
 最初は私が1人で探偵をやっていた。
 それがいつしか高橋が助手として加わり、高野君が事務員として加わり、そしてリサが……。
 もう、専用の事務所は必要ないのかもしれない。
 当初はアパートの部屋兼事務所でやっていたのだから。
 その時、バスルームのドアに人影が……。
 まさか、リサか!?

 リサ:「ねえ、先生」
 愛原:「リサ!?入って来なくていいぞ!」
 リサ:「お兄ちゃんの代わりに背中を流してあげたいところだけど……」
 愛原:「今、ちょっと考えごとしてるんだ!気持ちはありがたいが、また後にしてくれ!」
 リサ:「分かったよ。それでね、先生。ちょっと、飲み物買いに行っていい?」
 愛原:「飲み物!?」
 リサ:「全く買わなかったでしょ?というか、買いに行くヒマが無かった」
 愛原:「あー、そうだな……。こんな高級ホテルの中に、自販機なんてあるか?」
 リサ:「コンビニがあるんだって。ファミマ。そこに行って買って来る」
 愛原:「そ、そうか」
 リサ:「ホテルの外に出なければいいんだよね?」
 愛原:「そう、だな.…。あれだぞ?カードキー持って行けよ。確か、2枚もらったはずだから」

 ケースは1つだけだったが、カードキーは2枚入っていた。
 恐らく、3人で泊まるので、予備に1枚入れてくれたのだろう。
 さすがに、日本アンブレラのゴールドカードキーでは開かないだろう。

 リサ:「分かった」
 愛原:「部屋着のままじゃ行けないから、着替えて行けよ?」
 リサ:「分かってるよ」

 そこまで言って、リサの影は無くなった。
 リサの年齢ではビールは買えないだろうから、ジュースか何かになるか。
 まあ、いいや。
 さすがに3LDKに2人で住むのは広いよな。
 いや、事務所を畳んでマンションの部屋に集約するか……。
 どうしよう……。

[同日23:30.天候:雨 同ホテル]

 バスルームから出て、私は部屋に入った。
 この時、既にリサは帰っていた。

 リサ:「先生、飲み物は冷蔵庫に入れておいた」
 愛原:「ありがとう」

 リサはミニッツメイドのオレンジジュースを飲んでいる。
 他にも、お菓子を買っていたようだ。
 冷蔵庫を開けると、やはりビールとかではなく、三ツ矢サイダーが入っていた。
 まあ、いいか。

 愛原:「寝る前からお菓子か……」
 リサ:「ちゃんと、歯は磨くから」
 愛原:「ああ。そうしてくれ」
 リサ:「……これからどうするの?」
 愛原:「まだ、考え中だ。リサは、どうしたらいいと思う?」
 リサ:「わたしは先生のお世話になっている身だから、先生の決めた事に従う」
 愛原:「そうか……」
 リサ:「でももし引っ越すんだとしたら、なるべく転校したくないし、するならエレンの所がいい」
 愛原:「さすがに沖縄に転校は遠いな……。大丈夫だよ。善場主任が何も言ってこない限り、お前が転校することはないよ」
 リサ:「うん……良かった」
 愛原:「大学に行きたいんだって?」
 リサ:「東京中央学園大学。都内の他、埼玉にもキャンパスがあるみたいだね」
 愛原:「そうなのか……」
 リサ:「まあ、もう少し先」
 愛原:「まあな。確か、栗原蓮華もそこに行くとか言ってなかったっけ」
 リサ:「鬼斬り先輩は多分、通信制だと思うね」
 愛原:「そうなのか?」
 リサ:「東京中央学園大には通信制もあるから」
 愛原:「ふーん……」

 そういう他愛も無い話をしていると、少し気が和らいできた。
 もしかしたらリサ、これを狙って関係の無い話をしてくれたのかもしれない。

 リサ:「お兄ちゃんがいなくなって寂しいのは、わたしも同じ。エレンが遠くに行っちゃって、高野お姉ちゃんも遠くに行っちゃって、お兄ちゃんも遠くに行っちゃった。これで先生も遠くに行っちゃうと、わたし、居場所無くなっちゃう……」
 愛原:「俺は遠くに行かないよ。俺の方こそ、リサもいなくなったら、寂しくてしょうがない」
 リサ:「一緒だね。ねえ、先生。一緒に寝る?ベッド、広いでしょ?」
 愛原:「さすがにそれはマズい。俺達のこと、デイライトやBSAAが監視してるかもしれないのに」
 リサ:「GPSで居場所は監視してると思うけど、部屋の中までは見てないでしょ?」
 愛原:「いや、分からんぞ。さっさと寝た方がいいかもしれない」
 リサ:「むー……。じゃあ、そっちのベッドで寝ていい?」

 リサはエキストラベッドではなく、私の隣のベッドを指さした。
 そこは本当なら、高橋が寝る所であった。

 愛原:「あー……うん。まあ、そこならいいか」

 まさかいきなり高橋が戻ってきて、『今までのことはドッキリでしたw』なんてことはあるまい。

 リサ:「おー!」

 リサは再びベッドにダイブした。
 ウェアの裾がまくれて、黒いショーツが丸見えになるが、リサは気にせず、裾を直した。

 愛原:「寝る前に、歯ぁ磨いてこい」
 リサ:「そうだった」

 リサは自分の頭をポンと叩いて起き上がると、バスルームに向かった。
 まだリサがいるうちは、何とかなりそう気がした。
 ……が、とはいえ、このままでは現実逃避しているだけだ。
 何とかしなければ……。
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“私立探偵 愛原学” 「高橋正義の逃亡」

2022-11-26 15:14:04 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[8月27日21:00.天候:曇 東京都内東京湾上 シンフォニークルーズ“シンフォニーモデルナ”船内]

 私は善場主任から、突拍子もない話を聞かされた。
 高野芽衣子君がエイダ・ウォンのコピーで、更には高橋もまた、何か秘密を握っている人物だったとは……。
 私が呆然している間、善場主任は自分のカクテルグラスを口に運びながら、私が落ち着くのを待っていてくれた。

 愛原:「高橋は……逮捕されるのでしょうか?」
 善場:「容疑が固まり次第、ですね。ただ、今は任意で事情を聞かせて頂く事になると思います。今度は、エイダ・ウォンコピーのようには行きませんよ」
 愛原:「そんなことは……」

 その時だった。

 リサ:「先生!大変!お兄ちゃんが海に飛び込んだーっ!」

 リサがバーに飛び込んで来た。

 愛原:「はあーっ!?」
 善場:「!!!」

 私と主任はバーを飛び出した。

 善場:「どこから飛び込んだの!?」
 リサ:「あっち!」

 リサが指さした方向へ走る。
 そこは2階の船室“プレリュード”という所を突き抜けた、船尾甲板であった。
 そこへ行くと、どうやら仲間がいるらしく、海に飛び込んだ高橋を別のタグボートが来て、引き上げる所だった。
 夏の東京湾だから、飛び込んでもそんなに海水温は低くないし、それに、彼はライフジャケットを着ていた。
 どうやら、この船にあった物を無断拝借したらしい。

 愛原:「高橋!!どこへ行くんだ!?」

 私は夜の東京湾に向かって叫んだ。
 だが、恐らく聞こえてはいまい。
 船尾だとスクリューなどの音が響くし、向こうのタグボードもエンジン音が響いているだろう。

 善場:「至急!至急!こちら、『0番』!直ちに出動を請う!場所は東京湾!目標は……」

 主任はスマホではなく、インカムを使って連絡していた。
 どうやら、BSAAに出動要請をしているようだ。
 BSAA日本地区本部は、日本の自衛隊駐屯地を間借りしている形になる。
 間借りなので、いつも同じ駐屯地にいるとは限らない。
 場合によっては、在日米軍の基地を間借りすることもあるようだ(主に、北米支部と何か合同で動く場合など)。

 善場:「今、BSAAに緊急出動を要請しました!幸い今、陸上自衛隊朝霞駐屯地に間借りしているようなので、すぐにヘリで飛んで来てくれるとのことです!」
 愛原:「マジですか……」

 善場主任の鶴の一声でBSAAが出動するなんて、高橋の奴……相当ヤバいことをしたのか?
 ところが、その後、主任のスマホに電話が掛かって来た。

 善場:「……何ですって!?」

 ちょうど今、朝霞駐屯地では夜間訓練を行っており、出動するに足るハッキリとした理由が無いと、その夜間訓練を休止させてまでヘリを飛ばすことができないという。
 例えばリサが暴走した場合は、BSAAのレーダーにも反応するので、それを自衛隊にも確認してもらって、訓練休止にしてもらうということができる。
 しかし今、ただ単に怪しいというだけで、逃げた高橋を追う為だけにそんなことはできないというのだ。
 善場主任の本当の所属先は、日本政府の防諜機関ではあるようだが、防衛省というわけではないようだ。
 日本の公務員は、省庁が違えば【お察しください】。

 善場:「仕方が無いので警察に……」
 愛原:「待ってください。ここは東京湾、つまり海ですから、海上保安庁なのではないですか?」
 善場:「えーと……それはですね……えぇ……」

 善場主任も混乱した。
 まさか、BSAAに出動を断られるとは思ってもみなかったのだろう。
 心なしか、善場主任の顔が紅潮するだけでなく、血管も浮き上がっているように見えた。
 この辺り、まだ完全に人間に戻り切れていない名残が出るのだろう。

 善場:「と、とにかく、デイライト本部に連絡して指示を仰ぎます」

 主任は、船が日の出桟橋に着岸するまで、ずっと電話しっ放しだった。
 関係各所に連絡するので、大忙しなのだろう。
 この船の実害としては、ライフジャケットを1つ盗られただけのようであるが……。

[同日22:15.天候:曇 東京都中央区銀座8丁目 銀座グランドホテル]

 船が日の出桟橋に戻ると、私達は車でホテルに戻った。
 そこには高橋の荷物が放置されているので、それを押収しようというのである。

 愛原:「これが、高橋の荷物です」

 私は室内にあった高橋のバッグを指さした。

 善場:「確認します」

 室内には善場主任の他、黒スーツの男性部下数名もいる。
 しかし、高橋のバッグからは、特段怪しい物は見つからなかった。

 善場:「取りあえず、この荷物はお預かりします。もしも高橋容疑者から連絡があったら、すぐに教えてください」
 愛原:「分かりました」

 このホテルにチェックインした後、部屋に入ってから30分しか経っていないし、私は高橋と同じ部屋にいた。
 そして、あいつが何か怪しげな行動をしている所も見ていない。

 善場:「取りあえず、今夜はこのホテルでお休みください」
 愛原:「明日はどうしたら良いですか?」
 善場:「ホテルをチェックアウトしたら、そのまま帰宅して頂いて結構です。もしかしたら、所長のマンションや事務所に現れるかもしれませんので」
 愛原:「分かりました」

 善場主任達は、部屋を出て行った。
 私は室内のソファに座って、頭を抱えた。

 愛原:「マジか……」
 リサ:「先生……。お茶……入れるね」
 愛原:「ああ……」

 リサはティーサーバーに水を入れようと、バスルームに向かった。

 リサ:「あっ!」

 そこでリサ、何かに気づく。

 愛原:「どうした?」
 リサ:「バスルームに先生やお兄ちゃんの水着、干してあるんだった!」
 愛原:「あっ、そうか!」

 昼間、富津市の市民プールに入ったので、水着をバスルームで乾かしていたんだった。
 リサは窓際に掛けていたが、まだ乾いていないようだ。
 それは私や高橋の水着もそうだった。
 冬の乾燥した季節ならまだしも、夏のジメジメした季節では、なかなか乾かないだろう。

 愛原:「さすがに、高橋の水着には怪しいところは無ェべ……」

 高橋の水着は、サーフパンツだった。
 今時流行りのデザインである。
 これも、特段怪しい所は無い。
 さすがに入浴する際に邪魔になるので、室内に戻しておくか……ん?

 愛原:「高橋の奴、こんな無駄なことをするかな?」

 ホテルにチェックインしてから、入浴するまでは数時間しかない。
 その間に、いくら換気扇を回しているからといって、バスルームに干しておくのって正しいのかな?
 だったら、まだリサのように、エアコンの風が当たる場所に干した方が良いのではないだろうか?
 私はバスルームの中を探した。
 だが、中には特段怪しいものはなかった。
 私の思い過ごしだったのだろうか?

 愛原:「…………」

 私も高橋に勧められて、サーフパンツを買わされた。
 サーフパンツには、ポケットが付いている。
 その中を探してみた。
 高橋のパンツには何も無かったが、私のパンツのポケットには……。

 愛原:「マジか……」

 入れた覚えのないUSBメモリーがあった。
 あいにくと、今はノートPCを持って来ていない。
 明日、家に帰ってから確認するとしよう。
 新橋だから、別にタクシーを飛ばせば菊川まで難無く帰れるのだが、このホテルに泊まることは善場主任の指示なので、致し方無い。
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“私立探偵 愛原学” 「船上の探偵達」 2

2022-11-24 20:24:35 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[8月27日18:15.天候:晴 東京都港区海岸 シンフォニークルーズ待合所]

 ホテルの前から、迎えの車に乗った。
 黒塗りのアルファードなのは、いつも通りである。
 運転席には善場主任の部下らしき男性が、黒スーツ姿で乗っていた。
 黒スーツは着ているが、ノーネクタイではある。
 思えば、主任もそうだった。

 愛原:「主任、暑くないのですか?」

 私は助手席に座っている主任に聞いた。

 善場:「そうですね……。暑いと言えば暑いですが、もう慣れましたね」
 愛原:「そうですか……。私達だけ、何だかラフな格好で申し訳ないですね」
 善場:「いえ、構いませんよ」

 私は水色のカジュアル半袖シャツだし、高橋は赤が目立つアロハシャツ。
 リサはノースリーブの白いTシャツ(“バイオザードシリーズ”のマーク入り)と、黒いプリーツスカート(デニム生地)を穿いている。
 下には黒いスパッツを穿いていたのだが、紺色のブルマに穿き替えた。
 理由は不明。
 多分、私を意識してのことだろうが……。

 部下:「まもなく到着です」

 夕焼けに染まる東京湾に面した日の出埠頭。
 そこに車は到着した。
 車を降りて、待合所の中に入る。
 ホテルのエントランスのようだったが、中は椅子が並んでいて、そこは空港の出発ロビーのようだった。

 善場:「ちょっと、ここでお待ちください」

 主任はそう言って、案内窓口の方に行った。

 リサ:「何だか凄いね……」
 愛原:「まるで、顕正号に乗り込む時の……様子……」

 私の頭にフラッシュバックが起きた。
 前回みたいな激しい頭痛ではなかったが、しかし物凄い違和感があった。

 リサ:「先生を顕正号に誘ったのは、わたしじゃなく、『1番』だよ。それに、白井が乗っかっただけで……」
 愛原:「それは分かっている」

 まるでリサは全く関わらなかったかのような言い方だが、元はと言えばリサが計画した話だったのを、『1番』達が横取りした形だと言うことも判明している。
 しかし、何だろう?
 似たような桟橋だからだろうか?
 私は、ここからも豪華客船に乗ったような気がしてならないのだ。
 東京港からなら、八丈島行きの船に乗ったことはある。
 これはハッキリと覚えている。
 だが、どうしてだ?
 実際は横浜の大さん橋から乗ったはずなのに、ここからも豪華客船に乗った気がするのは……。

 高橋:「先生。具合が悪いのでしたら、やっぱり帰りましょう」
 愛原:「い、いや、大丈夫だ……」

 私は心配する高橋を制した。

[同日18:50.天候:晴 シーライン東京“シンフォニーモデルナ”船内]

 10分前に乗船案内の放送が鳴ると、私達は早速船に向かった。
 船は昼間に乗った東京湾フェリーと、同じくらいの大きさだろうか。
 しかし、あちらは車も乗せて航行する“フェリーボート”なのに対し、こちらは本当に旅客しか乗せない“クルーザー”なのである。
 つまり、同じような大きさなら、車を載せる部分も客室として使用できるこちらの船の方が定員は大きいということになる。

 高橋:「モデルナなんて、まるでコロナワクチンの名前みたいっスね」
 愛原:「あれはワクチンの名前じゃなくて、ワクチンメーカーの名前だろ」
 高橋:「それもそうっスね」

 私達のディナープランは、予定通り、バイキングであった。
 船は4層構造になっていて、私達のプランは3階である。
 いつもそうであるわけではなく、プランの参加人数とかで決まるらしい。

 リサ:「ローストビーフがあるー!」
 愛原:「食べ放題だからって、食べ過ぎはダメだぞ」

 もっとも、リサにそのような注意は果たして効くものなのかどうか……。
 尚、4階のオープンデッキには出入り自由らしい。
 私も寿司などを皿に取って、テーブルで舌鼓を打つ。

 善場:「どうですか?お味の方は……」
 愛原:「いやあ、こういう豪華な船で食べるバイキングも格別ですねぇ!」
 善場:「それは良かったです。19時出港の、21時半帰港ですから、それまで食べ放題です」
 愛原:「リサはともかく、私はそこまで食べ切れるかなぁ……」
 善場:「その時は、船旅を楽しむという形でも良いわけですよ」
 愛原:「なるほど!」
 善場:「私も、お話がありますので……」
 愛原:「お話?」
 高橋:「……!」

 それから小一時間ほどは、飲食を楽しんだ。

 善場:「本題は、ここから入ります」

 20時ぐらいに、私と主任は、船内のバーに移動した。
 高橋とリサの同行を、主任は許さなかった。

 善場:「所長は、顕正号にご乗船されたことがあるのですよね?」
 愛原:「はい」
 善場:「しかし、詳しいことを思い出そうとすると、激しい頭痛が起こる?」
 愛原:「そうなんです」
 善場:「こちらの調査で明らかになったことをお話しします。もしも途中で具合が悪くなった場合は、すぐに仰ってください」
 愛原:「は、はい」
 善場:「まず……所長は顕正号に高橋助手と高野芽衣子と乗船されたのですね?」
 愛原:「はい」
 善場:「そして一泊して、翌朝目が覚めたら、船内でバイオハザードが発生していて、それで避難している最中に転倒して頭を打ち、意識を失われた……と?」
 愛原:「はい」
 善場:「そして気が付いたら、病院だったわけですね?」
 愛原:「そうです」
 善場:「……そうですか。そして高橋助手は、その後、意識の無くなった愛原所長を連れて船内を逃げまどい、最後にはBSAAに救助されたということですね?」
 愛原:「そうです」
 善場:「……まず、皆さんが救助されたのは、正信号です」
 愛原:「は!?」
 善場:「顕正号ではありません」
 愛原:「え?え?え?」
 善場:「しかも正信号は、この日の出桟橋から出ています。横浜の大さん橋ではありません」
 愛原:「は?え!?」
 善場:「私は高橋助手が怪しいと思います。帰港次第、連行しますが、宜しいですね?」
 愛原:「ちょ、ちょっと待ってください!どうして、高橋が怪しいんですか!?」
 善場:「愛原所長がこの船に乗ることを嫌がっていました」
 愛原:「それは、私の具合を心配してくれたのでは?」
 善場:「私はそうは思いません。エイダ・ウォンのコピーであった高野芽衣子といい、高橋助手も怪しいと思うのです」
 愛原:「私の記憶は、どういうことなんでしょうか?」
 善場:「恐らく、操作されたのでしょうね。どこかの組織が、愛原所長の特殊性に気づいて、調査しようとした。奇しくも顕正号に乗船する機会が訪れた。そして、顕正号には同一設計の姉妹船、正信号があります。所長は本当は、日の出桟橋から正信号に乗られたのです。そして、その船では何もありませんでした。しかし、あなたのことを調べる為に、正信号から顕正号へと移したのでしょう。そこで記憶を操作し、あたかもバイオハザード発生時における避難中の事故ということにした、と.……」
 愛原:「で、でも、顕正号でバイオハザードが起きたのは本当なんですよね?」
 善場:「それは本当です。でも、あなた達は実際には巻き込まれなかったのだと思います。何せ、ゾンビが発生したのは客室上階エリアのみ。あとは船橋とか船尾・船首甲板とか、その辺りです。地下研究施設があった船底部分では、何も起こっておりません」
 愛原:「そ、そんな……。私は、死んだのでしょうか?」
 善場:「死んでは、いませんよ。ただ、実験とかの後遺症はあったでしょうけどね。考えてもみてください。所長が記憶がハッキリした時、あなたは何をしていましたか?」
 愛原:「……豊洲の寿司屋で、くだを巻いてました」
 善場:「病院から抜け出して、ですね。でも、あなたが入院していた病院なんて無いんですよ」
 愛原:「は?」
 善場:「つまり所長は、どこかの研究施設から、あたかもあなたが病院から抜け出した形にして、あそこの寿司屋に入店させたのです。そして、頃合いをみて高橋助手が話し掛けた……そんなところでしょう」
 愛原:「私の前の事務所とかを破壊したのは……」
 善場:「“青いアンブレラ”だと思っています。あなたが、高野芽衣子と呼ぶエイダ・ウォンのコピーが所属している……ですね」
 愛原:「……!……!!」
 善場:「詳しい話は、またにしましょう。これ以上は、愛原所長の脳に悪いので……」

 私はカクテルの入ったグラスを呆然と眺めていた。
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“私立探偵 愛原学” 「銀座の探偵達」

2022-11-23 19:56:06 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[8月27日17:20.天候:晴 東京都中央区銀座8丁目 銀座グランドホテル]

 リサ:「おー!すっごいホテル!」

 銀座地区の最南端にある銀座グランドホテルに移動する。
 ブラウンのシックな外観が特徴だが、歴史を感じさせる佇まいでもあった。

 愛原:「主任はロビーにいるそうだ」

 ロビーやフロントは1階ではなく、2階にあった。
 階段を上って行く。

 善場:「お疲れ様です。愛原所長」

 ロビーのソファに座っていた善場主任が、立ち上がって、ポーカーフェイスながら、微笑を浮かべた。

 愛原:「どうも、お疲れ様です。主任」
 善場:「まずは部屋に入って、一息ついてください。現地には後ほど向かいます」
 愛原:「現地というと……」
 善場:「日の出桟橋です」
 愛原:「ああ、日の出。横浜の大さん橋……うっ……!」

 また、電流が流れるような頭痛が起きた。

 高橋:「先生、大丈夫ですか!?」
 愛原:「だ、大丈夫だ……」
 善場:「一旦、部屋に入って落ち着かれた方が良さそうですね。チェックインは、私がしてきますので、こちらでお待ちください」
 高橋:「姉ちゃん、実は先生、東京湾フェリーに乗ってからなんだ。今日は中止にした方が……」
 善場:「大丈夫ですよ」
 高橋:「大丈夫って……」
 善場:「愛原所長が、この程度で倒れるような方ではないということは、あなたがよく御存知でしょう?」
 高橋:「そ、それは……」
 リサ:「……!?」

 リサは善場主任の冷たい笑みに、息を呑んだ。
 私は善場主任から、ルームキーを渡された。

 善場:「8階だそうですので、どうぞ部屋で一息ついてください」
 愛原:「ありがとうございます。船は何時に出るんですか?」
 善場:「19時です」
 愛原:「なるほど。分かりました」

 私は鍵を受け取ると、黄色いドアが目立つエレベーターに乗り込んだ。
 そして、ドアが閉まってエレベーターが動き出してから気づく。

 愛原:「あれ?鍵が1つしか無いぞ?」
 リサ:「おー!先生と同じ部屋ー!」
 高橋:「高級そうなホテルっスからね、もしかしたら中で部屋が2つに分かれてるのかもしれませんよ?」
 愛原:「そんな高い部屋取ってくれるなんて、心が痛むなぁ……」
 リサ:「それだけ先生がいい仕事してるってことだよ」
 愛原:「オマエも上手くなったなぁ……」

 まあ、高級ホテルの方がセキュリティがしっかりしているという面はあるが。
 エレベーターを降りて、客室に向かう。

 愛原:「えーと……ここだな」

 解錠してドアを開ける。
 中に入ると、確かに安いビジネスホテルのツインルームよりも広かった。
 その広さを利用して、ベッドをもう1つ置いたのだろう。
 そう。
 高橋の言うようなコネクティングルームとかではなく、広いツインルームが1つ。
 そこに通常のツインベッドと、ソファを挟んでもう1つベッドが置かれているといった感じだった。

 リサ:「おー!先生と同じ部屋ーっ!」

 リサは大喜びだった。

 リサ:「先生!一緒に寝よ!?」
 高橋:「バカ野郎!俺がこっちのベッドだよ!てか姉ちゃん、部屋の予約の仕方、間違ってんじゃねーのか!?」
 愛原:「俺もちょっとどういう意図があるのか、疑問に思ったよ。ちょっと聞いてみよう」

 私はスマホを取り出した。

 高橋:「実は間違いでした、なんてな?」
 リサ:「えー……」

 私は善場主任に電話をし、部屋のことについて聞いてみた。

 愛原:「……というわけでして……え?これでいいんですか?」

 善場主任の話では、これでいいらしい。
 今夜は3人で泊まってくれとのことだった。

 善場:「リサは愛原所長の言う事をちゃんと聞くようですし、暴走状態になる心配も小さいでしょう。ですので、部屋を一緒にしても大丈夫だと判断しました」

 リサが年頃の女の子だという意識は、全く無いようだ。
 善場主任自身が、表向きは人間に戻ったとされても、BSAAからはまだBOW扱いされているからなのか、あるいはリサはまだ人間ではないからとか、そんな風に思っているのかもしれない。

 善場:「何か御不満でも?」
 愛原「い、いえ……。そういうことでしたら、了解です」
 善場:「それではあと30分ほど……。18時になりましたら迎えの車が来ますので、それまでは部屋でごゆっくりお過ごしください」
 愛原:「わ、分かりました」

 私は電話を切った。

 愛原:「今夜はリサと3人で泊まれってさ」
 リサ:「おー!」

 リサは私が寝ようと思っていたベッドにダイブした。
 スカートが捲れて、中の黒いスパッツが丸見えになっている。

 高橋:「こら!先生のベッドに何をしやがる!」
 愛原:「まあまあ。悪いがリサ。オマエはあっちのベッドで寝てくれないか?」
 リサ:「えー……」
 高橋:「先生の御命令は!?」
 リサ:「絶対……」

 リサは渋々、エキストラベッドの方へ向かった。

 愛原:「18時に出発だそうだ。それまで、一息つこう」
 高橋:「はい。今、お茶をお入れします」

 高橋はティーサーバーにお湯を入れ、それでお湯を沸かし始めた。

 愛原:「ホテルも高級なら、これから乗るクルーズ船も豪華だぞ」
 高橋:「えっ?ドレスコードとかあるんスか?」
 愛原:「いや、それは無いらしい」
 高橋:「何だ、良かったっス」
 愛原:「それでも、きれいな服は着ていった方がいいかもな」
 高橋:「えーと……確か、荷物の中にアロハシャツがあったな……」
 リサ:「体操服とブルマの方がいい?」
 愛原:「私服でいいっつってんだろw」

 取りあえず私は、高橋が入れてくれたお茶に口を付けた。

 愛原:「メインはクルーズ船でのディナークルーズだよ。ディナーバイキングだっていうから、リサにはピッタリだろ」
 リサ:「バイキングというと……食べ放題!?」
 愛原:「そういうことになるな」
 リサ:「おー!」
 愛原:「言っただろ?俺の焼肉宴会コースなんか、ほんの前座だって」
 リサ:「でも、それはそれで嬉しい」
 高橋:「同感っス」
 愛原:「ああ、そう。それはありがとう」

 リサは自分の荷物の中から、昼間に着た水着を取り出した。

 愛原:「おいおい。水着は要らんよ。豪華客船と違って、プールがあるわけじゃないんだから」
 リサ:「ううん。濡れてるから、乾かしておく」

 リサはそう言って、自分の水着をハンガーに掛けた。
 迷彩柄のような模様の入ったスポブラタイプの上と、ピンク色のビキニショーツである。

 愛原:「それもそうだな」
 リサ:「先生、勝手に取らないでよ?w」
 愛原:「取らねーよ」
 高橋:「先生。俺のパンツと先生のパンツも、乾かしておきます」
 愛原:「済まないな」

 高橋は同じようにハンガーに掛けると、それをバスルームに持って行った。
 なるほど。
 バスルームの換気扇を回しておき、その下に吊るしておくやり方か。
 リサのように窓際に掛けるのと、どちらが良いのかは不明である。
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