報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「パールと買い物」

2024-07-10 20:35:57 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[4月16日13時05分 天候:曇 東京都墨田区菊川1丁目 ライフ菊川店→ENEOSウィング菊川SS]

 パールと車でスーパーに買い物に来たリサ。
 同じ1丁目のマンションに住んでいた頃は徒歩圏内だったが、2丁目に引っ越してからは、何がしかの特売とかでもない限りは足を運ばなくなってしまった。
 何しろ4人分の食料品や雑貨品を買うとなると、それなりの荷物になる為、徒歩圏内ならまだしも、そうでない場合は車が必要になる。
 ……そこ!『だったら自転車は?』というツッコミは受け付けないぞ!自転車の積載量を考えろ!

 雲羽百三(一代法華。ナレーター兼)「……だいたい世の中、重箱の隅を楊枝でほじくるかのように細かいことを気にし過ぎる輩が多過ぎる!華麗にスルーとかもできないアホが……」
 警備員「ちょっと!店内用のマイク、勝手に使わないでー!」
 雲羽「てやんでい!何が『正しい宗教』だ!功徳無ェーっ!!」
 警備員「ちょっと事務所まで!」

 リサ「何かカントク、凄い荒れてるよ?……あーあ、連れて行かれちゃった」
 パール「どうせまた婚活に失敗したんでしょう」
 リサ「それか、またXのアカウントが凍結された?」
 パール「意表をついてBlueskyかもしれないし、マストドンのアカウントかもしれませんね」
 リサ「なるほど。フォローしていたブルマ愛好家の人のアカウントが凍結されたのかも」
 パール「それかもしれませんね」
 リサ「じゃあ、早速肉!」
 パール「その前にお野菜からです」
 リサ「ちっ……。だいたい、スーパーって入口近くに野菜があって、肉とか魚とかは奥にあるよねぇ……」
 パール「“ベタなスーパーマーケットの法則”ですね」
 リサ「法則その1が、店内の商品の配置か」

 リサは2階へ上がるエスカレーターを見た。

 リサ「『1階は食料品、2階は日用品』の法則?」
 パール「それもありますけど、ここは『1階が駐車場、2階がお店』ですね」
 リサ「なるほど」

 2人はエスカレーターで2階に上がった。
 それからリサはカゴを取り出し、カートに乗せる。

 リサ「今日の夕食は?」
 パール「すき焼きにしましょう。今日は牛肉が安いので」
 リサ「ムフフ……!」
 パール「あとはキノコですね」
 リサ「熱や光を浴びると巨大化するヤツ?」
 パール「“うる星やつら”じゃないんですから」
 リサ「“魔法のキノコ”?」
 パール「マジックマッシュルームじゃないですよ。ここで安くなっているのは、エリンギとマイタケとシイタケです」
 リサ「あいよ」

 リサは次々と食材をカゴに入れて行く。

 リサ「斉藤家にいた頃も、こんな買い物してたの?」
 パール「そこでも家事は、当番制でしたからね」
 リサ「フムフム」

 夕食だけでなく、明日の朝食の食材も購入する。

 リサ「あとは、先生のビール……。わたしの酒!」
 パール「“鬼ころし”ですね」

 それらを購入して、レジに並ぶ。

 パール「1回払いで」
 店員「かしこまりました」
 リサ「おっ、先生のカード」
 パール「普段の買い物でポイントがすぐ溜まるので、溜まったポイントが前回みたいな泊まり掛け旅行の足しや食事代になるらしいですよ」
 リサ「さすがは先生」

 会計が終わると、リサは袋詰めを手伝った。

 リサ「これでいい?」
 パール「完璧です。ありがとうございます」
 リサ「むふふ……」

 あとは、このまま帰る予定なのだが……。

 パール「荷物を車に載せててください。私は手紙をポストに入れてきます」

 スーパーの前に、郵便ポストがある。

 リサ「はーい」

 リサは4人分の食料が入った大きなレジ袋を両手でヒョイと持つと、先に車に戻った。
 その荷物はハッチを開けて、後ろに積み込む。
 ライトバンなので、荷物の積み下ろしは楽だ。
 地味なライトバンをリースしているのは、隠密行動用にも使えるようにする為。
 荷物を積み込み、車の前で待っているとすぐにパールが戻って来た。

 パール「お待たせしました」

 そして、また車に乗り込む。

 リサ「何の手紙?」
 パール「請求書です。クライアントさん方宛ての」
 リサ「ああ!」

 そして、パールはエンジンを掛けた。

 パール「あっ……」
 リサ「ん?」
 パール「帰る前に、1つ寄りたい所が」
 リサ「どこ?」
 パール「ガソリンスタンドです。マサのヤツ、入れ忘れてる」
 リサ「あらまっ!」
 パール「ちょっと、そこ寄って行きますね」
 リサ「りょーかい。一応、先生に言っておこうか?」
 パール「お願いします」

 パールは車を出した。
 リサはスーパーで買った冷えているジュースを前のホルダーに置くと、愛原にLINEを送った。
 愛原からはすぐに返信が来た。

 リサ「オッケーだって。支払いはエネオスのカード使ってだって」
 パール「分かりました」

 まずは店の前の一方通行の道を南下し、それから新大橋通りに出る。
 新大橋通りは下り線に入り、住吉方向に向かう。
 そして、地下鉄の菊川駅と住吉駅の間ぐらいの所に、ガソリンスタンドはある。

 リサ「もう無くなってたんだ?」
 パール「半分ぐらいですね。でも、もし突然車が必要になった時のことを考えて、常に満タンにしておくようにというのが先生のお言葉です」
 リサ「なるほど」

 ガソリンスタンドで給油中の間に、雨が降ってきた。
 それに気づいたのは、給油中にリサが降りてから。
 飲み終えたジュースの空き缶を捨てに行った時の事だ。

 リサ「雨降って来た……」

 そして、車に戻る。

 リサ「雨降ってきたよ」
 パール「ええ。降る前に帰りたかったのですが、残念でしたね」

 給油が終わり、ガソリンスタンドをあとにする。
 再び新大橋通りに出て、今度は上り線を進む。

 パール「リサさんも夕食作り、手伝ってくれるんですよね?」
 リサ「もちろん!これも先生の為……」
 パール「はい、そうですね」

 雨は夕立のような降り方だった。
 サーッと強く降って来る感じ。

 パール「これでガレージのシャッター閉めてたら、マサを締める」
 リサ「あはは……」

 だが幸い、シャッターは開いていた。

 リサ「お兄ちゃん、締められずに良かったねー」
 高橋「当たり前だ、こら!」

 高橋がガレージまで迎えに来て、シャッターを閉めた。
 基本的に事務所は日曜日休みなので、シャッターは閉めておく。
 但し、クライアントからアポイントがある場合はこの限りではない。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« “私立探偵 愛原学” 「帰宅... | トップ | “私立探偵” 愛原学” 「我那... »

コメントを投稿

私立探偵 愛原学シリーズ」カテゴリの最新記事