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報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「リサの荒療治」

2020-01-24 19:59:11 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[1月4日01:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原のマンション]

 愛原:「やっぱ向こうで、もう一泊するべきだったかなぁ?子供にとって、いい夜更かしだぜ?」
 高橋:「そうッスね……」

 新幹線の終電で帰京することを決めたのは愛原だったので、高橋としては何とも言えない。

 リサ:「お風呂上がった」
 絵恋:「お風呂……頂きました」
 愛原:「ああ。もう夜も遅いからさっさと寝るんだ。明日……っと、もう日付変わってるか。まあ、ゆっくり寝てていいから。俺達はいつも通り、事務所に行くけどな」
 リサ:「明日、明後日は土日だよ?」
 愛原:「零細事務所に土日も無いの。土曜日に仕事始めっていう事務所、結構多いんだから」
 高橋:「その通り」φ(`д´)メモメモ...

 何故か愛原の言葉を自分のノートにメモする高橋。

 愛原:「俺達に気にせず、ゆっくり寝てていいから」
 高橋:「いい身分だぜ」
 愛原:「そういうこと言うなっての。学生はまだ冬休みなんだから、特権だよ」
 高橋:「俺は冬休みでも仕事してましたよ?」
 愛原:「刑務作業だろ、どうせ?」
 高橋:「ま、まあ……」
 愛原:「いいから、次はオマエ入れ」
 高橋:「えっ、先生、そりゃ……」
 愛原:「いいんだよ。俺はまだやることがある」
 高橋:「こいつらと同様、俺達も一緒に入りましょうよ?」
 愛原:「アホか!そういうのは温泉だけにしとけ!」
 高橋:「さ、サーセン……」
 リサ:「歯磨きしてから寝る」
 愛原:「そうしてくれ」

 高橋が先に入浴し、リサ達も歯磨きが終わると……。

 リサ:「それじゃ、おやすみなさい。水のペットボトルだけ持って行くから」
 絵恋:「おやすみなさい……」
 愛原:「ああ、おやすみ。……ちょっとリサ、話がある。……ああ、絵恋さんは先に部屋に入ってて」

 リサは愛原に呼ばれた。

 リサ:「なに、先生?」
 愛原:「絵恋さん、相当精神的ダメージを受けている。そこでリサ、キミが治してやるんだ」
 リサ:「私が?そんなことできるの?」
 愛原:「恐らく……あってはならないことだが、俺達と同様、もしかしたら絵恋さんも今後ともBOWに襲われるかもしれない。だから、絵恋さんには早く立ち直ってもらう必要がある。幸い、オマエもBOWだ。BOWのことは、BOWに任せようと思う」
 リサ:「何をすればいい?」

 リサは愛原から具体的な方法を聞いた。

 愛原:「……と、いうわけだ。できるか?」
 リサ:「分かった。やってみる」
 愛原:「頼むぞ」

 リサは頷くと、自分の部屋に向かった。

 リサ:「お待たせ」
 絵恋:「リサさん、ごめんなさい。私のワガママのせいで……。で、でも私、どうしても怖くて……怖くて……」
 リサ:「別にいい。前にも言ったと思うけど、サイトーは私が守る」
 絵恋:「ありがと……」
 リサ:「サイトー、そのパジャマ、よく似合う」
 絵恋:「あ、ありがとう。リサさんはTシャツに短パンなのね。寒くないの?」
 リサ:「別に。じゃ、電気消すよ」
 絵恋:「う、うん……」

 リサはリモコンで部屋の照明を消灯した。

 絵恋:(大丈夫。ここはリサさんの家だし、リサさんがいるもの。こ、怖くなんか……)

 セミダブルベッドに横になっている絵恋。
 その隣にリサが入ってきた。
 リサの部屋だけセミダブルベッドというのもおかしい話だが、これはリサが同居するとなった際、リサイクルショップに行ったらそのサイズしか無かったからである。
 つまり、愛原と高橋のはシングルでも新品、リサのはセミダブルでも中古というわけである。

 リサ:「サイトー、あの時は怖かった?」
 絵恋:「怖かったわ……。あんな恐ろしい化け物、初めて……。愛原先生達はよく平気だよね」
 リサ:「うん。だから私みたいな化け物も、こうして受け入れてくれてる」
 絵恋:「リサさんは化け物じゃないよ」
 リサ:「そう?私達を襲ったハンターはBOW。そして、私もBOWなの。下級か上級かの違いだけ」
 絵恋:「リサさんは人間の姿になれるじゃない。でも、あの化け物達は違うでしょう?」
 リサ:「だからあいつらは下級なの。……てかサイトー、人間の姿になれるBOWなら平気なの?」
 絵恋:「えっ?」
 リサ:「じゃあ、私の正体を見せてあげる」

 リサはガバッと布団を被ると、第1形態の姿になって見せた。
 全身が赤鬼のように赤銅色の肌になり、額に一本角が生える。
 両耳は長く尖り、両手の爪は鋭く伸びた。
 瞳は金色に光る。

 リサ:「これが私の普段の姿……。本当はさっきの人間の姿が正体だったんだけど、ウィルスの影響でこっちが正体になっちゃった。だってこの姿の方が落ち着くから。そして……この姿の私はお腹が空きやすい。つまり、場合によってはサイトーを食べてしまうかもしれないってこと。……どう?私と一緒に寝るより、自分の家で1人で寝た方が安全だと思わない?私にはテレポートする能力は無いから、サイトーの家にまで行って人間を食べようとは思わないよ?」

 リサは更に鋭くなった犬歯を覗かせて見せた。

 リサ:「私はあのハンター共も素手で倒せる。私はハンターより強い。だから、私は……」
 絵恋:「あ……あ……あ……!」((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
 リサ:(まずい。さすがに怖がらせ過ぎちゃったかな?)

 だが、リサの予想に反して……。

 絵恋:「リサさんになら食べられてもいい!」

 ガバッと絵恋はリサに抱き着いた。

 リサ:「ちょ……サイトー!?」
 絵恋:「リサさんはあの化け物達と違うもん!」
 リサ:「いや、そんなことない。本当ならもっと異形の化け物に変化もできるんだけど、それは禁止されてる。私と同種のリサ・トレヴァーが、このマンション(5階建て25世帯)くらいの大きさにまで変化して、BSAAが出動したくらいだから。私も……暴走したら、きっとあんな風になる……!私は……それが怖い。サイトーはBOWに食われるのが怖いだろうけど、私は……食べることにしか興味の無い化け物になって、BSAAに殺されるのが怖いの」
 絵恋:「分かったわ。私、もう怖がらない。リサさんは私を守ってくれる。だったら、私もリサさんが暴走しないように守ってあげる」
 リサ:「ありがとう。(これで良かったのかな?)」
 絵恋:「何がきっかけで暴走しちゃうの?」
 リサ:「分かんないけど、私の仲間は……多分、ブチキレて暴走したと思う」
 絵恋:「リサさんを怒らせなければいいのね。確かにリサさん、滅多に怒んないもんね。そういう人に限って、怒らせると怖いっていうもんね」
 リサ:「それとも違うような……。とにかく、分かんないの。ね?だから最初から化け物な奴らも怖いとは思うけど、私みたいに自分のこともよく分かっていない奴の方がよっぽど……」
 絵恋:「リサさんなら大丈夫。もし暴走したら、私が先に食べられてあげる」
 リサ:「いや、あの……」

 愛原:(いや、その手はアリかも……)

 部屋の外で立ち聞きしていた愛原。

 愛原:(アニメなんかでも、暴走して異形の者になったキャラクターが、かつて親しくしていた人間が現れた際、一瞬だけでも正気を取り戻す的なシーンがよく見受けられる。絵恋さんがその役をやってくれるだろうか……)

 もちろん、リサが暴走して異形の者にならぬことを祈る愛原であった。
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“私立探偵 愛原学” 「探偵の富士旅行」 帰京

2020-01-24 16:08:02 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[1月3日23:14.天候:晴 東京都千代田区丸の内 JR東京駅→東京駅八重洲パーキング西駐車場]

〔♪♪(車内チャイム)♪♪。まもなく終点、東京です。【中略】お降りの時は、足元にご注意ください。今日も、新幹線をご利用くださいまして、ありがとうございました〕

 車内に最後の自動放送が流れると、リサは隣で寝ている斉藤絵恋さんを揺り動かした。

 リサ:「サイトー。そろそろ着くよ。起きて。サイトー」
 絵恋:「!!!」

 絵恋はビクッと体を震わせて起き上がった。

 絵恋:「化け物が……!」
 リサ:「サイトー、平気。もう化け物はいない」

 どうやらクリーチャーに追い掛けられる夢を見てしまったようだ。

〔「……17番線到着、お出口は左側です。この電車は東京駅に到着後、回送となり、車庫に入ります。お忘れ物ございませんでしょうか?もう1度よくお確かめください」〕

 愛原:「大丈夫かい?」
 絵恋:「大丈夫……です」
 愛原:「明日、斉藤社長……キミのお父さんが迎えに行くそうだ。その時、心療内科に連れて行ってくれるらしい」
 絵恋:「先生達はお強いんですね。あんな怖いことを何回も体験されてるんでしょう?」
 愛原:「好きで体験したわけじゃない。それに、強くならざるを得なかったんだ。そうでないと生き残れない世界だったからね。確かにメンタルは強くなったと思うけど、失ったものもあるかな」

 どこへ行ったか。
 私の平和な日常……。

〔東京、東京です。東京、東京です。ご乗車、ありがとうございました〕

 列車がホームに着いてドアが開くと、私達はホームに降り立った。
 当たり前だが、寒風が私達を襲う。
 それでもガタガタ震えるほどではないのは暖冬のせいか。
 これでは雪が無くて、今回の旅行も……って、今冬が暖冬じゃなかったらスキーに行けて、バイオテロに巻き込まれずに済んだんだろうなぁ……。

 高橋:「それで先生、東京駅からは?」
 愛原:「運転手の新庄さんが迎えに来てるってよ。至れり尽くせりだ」

 5人なので普通のタクシーに乗り切れない為、多分それで迎えに来てくれたのだろう。

 愛原:「八重洲中央口で待っててくれてるみたいだから、そこへ行こう」
 高橋:「はい」

 リサを見ると、やはり表情を失ってしまった絵恋さんの手を引いていた。
 まずいな。
 度重なる死への恐怖で、感情に影響が出てしまったら……。

 東海道新幹線の八重洲中央南口改札を出ると、そこに新庄運転手が待っていた。

 新庄:「お疲れ様でございました」
 愛原:「新庄さん……」
 新庄:「お車を用意してございますので、どうぞこちらへ……」
 愛原:「こりゃどうも気を使って頂いて……」
 新庄:「いいえ。私は旦那様の言い付けで、お迎えに参ったのです」

 車は八重洲パーキングに止めているという。
 さすがだ。
 東京駅に最も近い駐車場に止めてあるとは……。

 高橋:「何か地下駐歩いてると、何か出るかもって思っちゃいますね」
 愛原:「何かって、何だよ?」
 高橋:「そこの柱の陰から、ゾンビがわんさか……」
 絵恋:「いやあっ!」
 リサ:「お兄ちゃん!」

 絵恋さんが叫び声を上げてリサにしがみ付いた。
 リサが抗議の声を上げる。

 愛原:「高橋、ちょっと黙ってろ」
 高橋:「さ、サーセン」
 愛原:「確かに雰囲気はそうかもって思うけどな。こんな東京のど真ん中でバイオテロなんか起きたら、日本は終わりだぞ」
 高橋:「わ、分かりました」

 車は黒塗りのアルファードだった。
 ミニバンタイプのハイヤーによく使われる車種で、今やVIPでも普通に乗る車だと思う。
 ヤの付く自由業の人達も、今やベンツではなく、こういう車に乗るらしいし。

 新庄:「どうぞ」

 新庄運転手がスライドドアを開けた。

 リサ:「サイトー、乗ろう」
 絵恋:「うん……」

 先にリサと絵恋さんが乗り込む。
 その後ろに私達が乗り込んだ。

 新庄:「それでは出発します」
 愛原:「お願いします」

 車は駐車場内を走り出した。

 新庄:「先に愛原様のお宅まで参りますので」
 愛原:「いいんですか?先に絵恋さんのマンションでも……」
 新庄:「いいえ。これも旦那様の言い付けでございます」
 愛原:「そうなんだ」

[1月4日00:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原のマンション]

 愛原:「やれやれ。最後の最後でとんでもないことになってしまったな」
 高橋:「そうですね。今、風呂沸かしますので」
 愛原:「おーう」

 高野君のマンションにて先に高野君を降ろし、その後で私のマンションに寄ってもらった。
 何だか絵恋さんが震えながらリサから離れようとしなかったが、新庄運転手が何とか説得して引き離した。

 リサ:「サイトー、何だかかわいそう」
 愛原:「そうだな。皆が皆、強いわけじゃないんだ。絵恋さんには早く病院に行って、一刻も早く精神的ダメージを治してもらわないとな」

 そう言った後で私は、リサの頭を撫でた。

 愛原:「絵恋さんを助けてくれてありがとうな。BOWも使い方によっては正義の為に役に立つってことだ」
 リサ:「むふー」

 リサは第1形態の姿をしている為、耳は所謂エルフ耳になっていたが、私が頭を撫でてやるとその両耳をパタッと伏せた。

 リサ:「サイトーは私の親友。だから、何があっても助ける」
 愛原:「その意気だぞ」

 と、そこへ私のスマホが鳴った。
 こんな時間に誰だろう?

 新庄:「あ、愛原様!」
 愛原:「新庄さん?どうしたんですか、こんな時間に?」
 新庄:「夜分遅くに申し訳ございません。御嬢様のことなんですが……」
 愛原:「えっ?」

 何でもすぐ近くにリサがいないことで夜の闇の恐怖に怯え、錯乱しているのだという。

 新庄:「このままでは御嬢様が危険です!」
 愛原:「で、では救急車を……」
 高橋:「プッ、ヤベェ!イエローピーポーだw」
 リサ:「イエローピーポー?」
 高橋:「頭のイッちまった奴が乗せられる、黄色い救急車のことだぜ。もちろん、精神病院直行だ。逆らう奴は拘束、通報したら報酬がもらえるんだとよ」
 リサ:「おー!お小遣い!」
 愛原:「ちょっと2人とも、黙っててくれ。……あ、すいません。それで、斉藤社長は?……あー、そうですか。まあ、社長が良いと仰るのでしたら、私も別に構いませんが……はい。……ええ、分かりました。では、お待ちしております。……はい」

 私は電話を切った。

 高橋:「せ、先生、もしかして?」
 愛原:「ああ。絵恋さんが臨時に今夜だけ泊まりに来る。どうしてもリサが横にいないと不安で眠れない……どころか、むしろ錯乱するんだってさ」
 高橋:「いや、だから先生、そんな奴ぁイエローピーポーにブチ込んで……」
 愛原:「オマエ、それ都市伝説だからな?」

 もちろん、精神病患者専用の黄色く塗装された救急車などこの世に存在しない。
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“私立探偵 愛原学” 「探偵の富士旅情」 戦いの後で

2020-01-23 20:05:54 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[1月3日22:04.天候:晴 静岡県富士市 JR新富士駅]

 私の名前は愛原学。
 都内で小さな探偵事務所を経営している。
 昨日から仕事で富士山の麓の町に来ていたのだが、その旅行も間もなく終わろうとした時、バイオテロに巻き込まれてしまった。
 私達は間接的なもので済んだが、リサと斉藤絵恋さんが直接的に巻き込まれてしまった。
 幸いリサの活躍により、絵恋さんにこれといったケガは無くて済んだ。
 私達は絵恋さんが運ばれた病院に行って、やっと合流できたわけだ。
 しかし、バイオテロとあっては、ケガが無いからと言って安心はできない。
 リサはともかく、無傷の絵恋さんも様々な検査を受けさせられた。
 で、ウィルスへの感染も陰性が確認できたということで、ようやっと退院できた頃には夜になっていた。
 そして、善場主任らに送られて新幹線の駅までやってきたというわけだ。
 善場主任らはその後の調査の為、富士宮市に残るという。
 斉藤社長からはホテルを取るので、もう一泊休んでから帰京しても良いと言われた。
 しかし、絵恋さんは肉体的なケガは無くても、精神的なケガはしていた。
 即ち、スプラッターホラー映画でしか見れない光景をリアルで見てしまったという重大な精神的ダメージだ。
 さすがにそれは、地元の救急医療センターでは治療できない。
 一刻も早く帰京して受けさせるべきと私が判断したものだ。

〔♪♪♪♪。新幹線をご利用頂きまして、ありがとうございます。まもなく1番線に、“こだま”684号、東京行きが到着致します。安全柵の内側まで、お下がりください。この電車は、各駅に停車致します。グリーン車は8号車、9号車、10号車。自由席は1号車から7号車までと、13号車、14号車、15号車です。尚、全車両禁煙です。お煙草を吸われるお客様は、喫煙ルームをご利用ください。……〕

 愛原:「新幹線の終電に乗るのも2回目だ。東海道新幹線は初めてかな」

〔「……当駅発車の“こだま”号、東京行きの最終電車です。ご利用のお客様は、お乗り遅れの無いよう、ご注意ください」〕

 N700系がポイントを渡って、副線上りホームに入ってくる。
 夜の上り電車、しかも“こだま”号ということもあって、列車は空いていた。
 これなら自由席でも、余裕で座れるな。

〔新富士、新富士です。新富士、新富士です。ご乗車、ありがとうございました〕

 往路と同じ、1号車に乗り込んだ。
 往路では先頭車だったが、今度は最後尾ということになる。
 別に某魔導士見習いのようなことをしたわけではなく、いざという時、最後尾の方が安全だと思ったからだ。
 あの埼京線最終電車の時も、最後尾に乗ったから助かったようなものだし。

 愛原:「リサは絵恋さんと一緒に乗ってやってくれ」
 リサ:「うん、そうする」

 リサは絵恋さんを窓側に座らせると、自分は通路側に座った。
 私達は3人席に座る。
 往路と同じでこんな時間でも後続の“のぞみ”などに抜かれるらしく、停車時間が5分ほど取られていた。

 愛原:「高橋」
 高橋:「何でしょう?」
 愛原:「ホームの自販機で飲み物を買って来てくれないか?俺はホットの缶コーヒーでいい。俺が好きな味は分かるな?」
 高橋:「もちろんです」
 愛原:「このコ達にも買って来てあげて。リサは何がいい?」
 リサ:「オレンジジュース」
 絵恋:「…………」
 リサ:「サイトー」
 絵恋:「……はっ!あ、あの……わ、私もリサさんと同じので」
 愛原:「そういうわけだ。頼むぞ」
 高橋:「分かりました」

 高橋は頷くと、ホームに降りた。
 と、同時に後続列車が轟音を立てて私達の列車を揺らしながら通過していった。

 高野:「絵恋ちゃん、結構ショックを受けてますよ。ああやってボーッとしているのも、精神的ショックを受けた時の症状の1つです」
 愛原:「いい思い出作りをするはずが、とんでもないことになってしまったな。こりゃ、報酬はカットされるかもしれん」
 高野:「まさかあのタイミングでバイオテロが起きるなんて、誰も想像しませんでしたから。しょうがないですよ」
 愛原:「それより、善場主任の指摘は本当に間違いなんだろうな?」
 高野:「当たり前ですよ。私がエイダ・ウォンなわけないじゃないですか」
 愛原:「いや、誰もそんなこと言ってねーし!」

 しばらくして発車時刻になると、列車は定刻通りに走り出した。
 と、高橋が戻ってくる。

 高橋:「結構ギリギリでした!」
 愛原:「いや、すまんね」

 私は高橋から缶コーヒーを受け取った。

 愛原:「サンクス」
 高橋:「お安い御用です。……ほら、アネゴ」
 高野:「あら?私にも買って来てくれたの?」
 高橋:「後でゴネられると困るからな。アネゴは午後ティーでいいだろ」
 高野:「そうね。ありがとう」
 高橋:「ほらよ、オメーラ」
 リサ:「ありがとう、お兄ちゃん。ほらサイトー、ジュース」
 絵恋:「リサさん、もうこれで安心なんだよね?東京に帰れば、もう安全なんだよね!?」
 リサ:「そのはず。それにもし奴らが現れたとしても、好き勝手させない。サイトーは私が守るもの」

 もちろんリサの台詞は頼もしいものである。
 だが、私の性格が悪いのだろうか。
 当たり前と言えば当たり前なのだが、リサがどうもBOW視点で喋っているような気がしてならなかったのだ。
 BOWの中には殺戮欲や食欲よりも独占欲が強い者もいて、リサ・トレヴァーもそうではないかと言われる。
 アメリカのオリジナル版は気味の悪いマスクを被って、突入した特殊部隊の前に現れたとのことだが、このマスクは何人もの人間の女性の顔の生皮を剥いで繋ぎ合わせたものだという。
 こっちのリサはそんな趣味は無いが、明らかに身近にいる私達を獲物として見ることがある。
 まだ常識的な範囲ではあるが、ある程度食欲が強く、独占欲も強いようである。
 前者は大の大人である私や高橋よりも食事量が明らかに多く、後者はこうして絵恋さんを独占しようとしているし、私もその候補に入っていて、高橋のいない所では結構ベッタリくっつかれていることも多々ある。
 まだ御愛嬌の範囲で済んでいるが、度が過ぎると、さすがに注意しなくてはならないだろう。

 絵恋:「ありがとう。リサさんなら絶対助けてくれると思った……」

 絵恋さんが突然眠りに入った。

 リサ:「! 先生、サイトーが気絶した!」
 愛原:「大丈夫。怖い目に遭った場所からどんどん離れて、安全な所に向かっているという安心感で寝ちゃったんだよ」
 高野:「そうよ。リサちゃんのことを全面的に信頼してるんだから、必ず守ってあげてね」
 リサ:「なるほど。分かった」

 リサは大きく頷くと、絵恋さんの手を握った。
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“愛原リサの日常” 「国道139号線の戦い」 2

2020-01-23 15:15:10 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[1月3日16:00.天候:晴 静岡県富士宮市 国道139号上]

 隠れていたトラックのコンテナのドアがこじ開けられ、そこから一匹のハンターがやってきた。
 緑色の鱗に覆われ、明らかに爬虫類を思わせるその風貌だが、大人のゴリラのような体形で、太い両手の先には鋭い爪が生えている。
 アンブレラ全盛期の頃に造られたスタンダードタイプのαである。
 とはいえ、リサから見れば下級のBOW(Bio Organic Weapon.生物兵器のこと)。
 上級のBOWであるリサが一睨みすれば、怯むのである。

 リサ:「私を誰だと思ってるんだ?」
 ハンター:Σ(゚Д゚)
 リサ:「でやぁーっ!」

 リサは第1形態の姿(鬼娘)になると、その力を利用してハンターを殴りつけた。
 ハンターはトラックから落ちる。

 リサ:「サイトー、今のうちに!」
 絵恋:「う、うん!」

 リサは絵恋を背負うと、それでトラックの上にヒラリと跳び上がった。
 トラックの周りにはハンターだけでなく、ハンターによってゾンビにされた人々もいた。
 “青いアンブレラ”のヘリが上空を旋回しているが、恐らく生存者がいるものと思って、攻撃できないのだろう。
 リサはそのまま、立ち往生している車の屋根を飛び移って市街地の方向に走り出した。

 “青いアンブレラ”ヘリパイロット:「至急!至急!現場より、リサ・トレヴァーの反応あり!目視の限りでは、生存者を1名連れ出したもよう!」
 本部:「リサ・トレヴァーが暴走したのか!?」
 同パイロット:「そこまでは確認できず。しかし、ハンターや感染者達はリサ・トレヴァーを攻撃対象としているもよう!」
 本部:「恐らく連れ出している生存者が目的だ。リサ・トレヴァーの行動を監視しつつ、生存者の確保を優先に当たれ」
 同パイロット:「了解!」

 1機のヘリコプターがリサ達を追う。

 リサ:「? どうして下りて助けてくれないの?」
 絵恋:「リサさん!後ろから化け物が!」
 リサ:「!」

 リサが振り向くと、ハンターが数匹リサ達を追跡して来ていた。

 リサ:「あいつら!」
 ハンターβ:「ガァァァァッ!(美味そうな人間がいるぞ!)」
 ハンターγ:「ヒューッ!(俺んだ!)」
 ハンターα:「……!……!!」(←リサの顔面パンチのせいで歯を折られ、声にならない叫びを上げている)
 リサ:「お前ら!誰の命令でこんなことやってるの!?」
 絵恋:「命令?」

 ヘリパイロット:「報告!どうやらハンター達はリサ・トレヴァーへの攻撃を命令されているもよう!しかし、その理由は不明!」
 本部:「リサ・トレヴァーを倒すにはロケットランチャーが必要だ。それも、一発だけで倒せるかどうかの保証も無い。にも関わらず、何故リサ・トレヴァーにとってはザコ同然のハンターを投入したのか……」
 ヘリパイロット:「背中には相変わらず生存者を背負っている。リサ・トレヴァーごとハンターを攻撃することは可能だが、生存者が人質状態である為、攻撃は不可能。本部よりの指示を待つ」
 本部:「了解。リサ・トレヴァーは他の生存者を襲っているか?」
 ヘリパイロット:「確認できない。ハンターは通過の際、逃げ遅れた生存者を襲ったりはしているが……」
 本部:「了解。可能ならば、リサ・トレヴァーと生存者を確保せよ」
 ヘリパイロット:「無理だ!ハンター達を駆除しないと、こちらの安全が確保できない!しかし、まだ一般人の避難は完了していない!このまま攻撃すると、一般人を巻き添えにする恐れがある」

 絵恋:「きゃああっ!リサさん!化け物が!化け物がーっ!!」
 リサ:「!!!」

 ハンターβという赤いタイプのハンターの手が絵恋に届きそうだった。
 実はリサ・トレヴァーというBOWは、そんなに動きが速くない。
 瞬発力や跳躍力に優れてはいるのだが、アメリカのオリジナルタイプはそうだった。
 なので突入した特殊部隊員達を翻弄しつつも、彼女が退却する彼らに追い付いたという記録は無い。
 こっちのリサは、日本アンブレラがアメリカ本体の背中を見ながら開発した為それよりは足が速いはずだが、やはり絵恋を守りながら移動している為、遅くなっているのだ。

 ヘリパイロット:「本部!ハンターβがリサ・トレヴァーを確保したもよう!」
 本部:「いかん!生存者を救出せよ!」
 ヘリパイロット:「了解!直ちに降下する!……あっ!?」
 本部:「どうした!?」

 ヘリパイロットが見たのは、絵恋に手を掛けようとしたハンターβが感電する所だった。

 ヘリパイロット:「報告!ハンターβが感電したもよう!」
 本部:「は?どういうことだ?」
 ヘリパイロット:「詳細は不明。ハンターβが生存者に触れた途端、感電したもよう」
 本部:「まさか!?リサ・トレヴァーに高圧電流を放つという能力は無いはずだ!」

 リサもリサで驚いたらしい。

 リサ:「!? 今、何が起きた!?」
 絵恋:「リサさぁん!怖いよぉぉ!」
 リサ:「わ、分かった。ここで奴らを迎え撃つ!」

 リサは絵恋を地面に下ろした。

 リサ:(電線か何か、この近くに?いや、だったら私やサイトーも感電したはず……)

 近くに感電しそうなものは無かった。
 しかし実際、ハンターβは明らかに感電死している。

 “青いアンブレラ”隊員:「伏せろ!」

 ヘリから降下した“青いアンブレラ”の隊員が、ハンター達に向かって銃を放つ。

 本部:「本部から全隊員に連絡。BSAAが現着した。現時点を以って、我々はオブザーバー側に回る。交戦中の隊員以外は、一旦本部へ帰隊せよ。繰り返す」
 隊員:「了解!……早く、こっちへ!」
 リサ:「ハンターを倒さないの!?」
 隊員:「我々はあくまでも民間軍事会社だ。国連軍が投入された以上、俺達も民間人のようなものだ!」

 BSAAは正式には国連軍ではないのだが、その軍事的組織からそのように見られる節がある。
 また、紛争地帯にてバイオテロの発生やBOWの投入が確認された場合は、国連軍と協力して軍事活動をすることもある為、一概に違うとは言い切れない。
 追い掛けてくるハンター達に対し、“青いアンブレラ”隊員は煙幕弾を放って目くらましさせたり、それが効かないタイプには電撃グレネードを放ったりして動きを止めた。

 隊員:「リサ・トレヴァーと生存者を確保!」
 ヘリパイロット:「了解!離陸する!」

 リサ達がヘリに乗り込むと同時に、ヘリが離陸した。

 ヘリパイロット:「報告!リサ・トレヴァーの確保と生存者を1名救助した。直ちに本部に帰隊する。尚、生存者には外見上の外傷は見当たらず」
 本部:「よくやった。吉報に感謝する」
 隊員:「本当にキミが、あのリサ・トレヴァー?」
 リサ:「はい。サイトー……友達の前では、あまり私の正体について言わないでください」
 隊員:「友達なのか?このコもBOW?」
 リサ:「いえ。このコは人間です」

 リサが絵恋を見ると、絵恋は意識を失っていた。

 隊員:「ハンター達はキミへの攻撃を命令されていたようだ。何か心当たりは無いか?」
 リサ:「私への攻撃ですか?サイトーへの攻撃じゃなく?」
 隊員:「何だって!?このコは一体誰なんだ?」
 リサ:「大日本製薬の社長さんの娘さんです」
 隊員:「あのダイニチの。それなら……いや、しかし……」

 隊員は一瞬納得しかけたが、やはりどこか腑に落ちないらしい。
 大企業家の令嬢ともなれば、誘拐の対象になったりすることもあるだろう。
 それにしたって、さすがにBOWの投入はやり過ぎだと思うからだ。
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“愛原リサの日常” 「国道139号線の戦い」

2020-01-21 21:42:46 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[1月3日15:30.天候:晴 静岡県富士宮市・国道139号線 タクシー車内]

 まかいの牧場閉園時間を待たずして、タクシーで移動するリサ・トレヴァーと斉藤絵恋。

 リサ:「ごめん。私、どうしても先生達と一緒にいたくて……」
 絵恋:「しょうがないよ。私も正直、寂しいんだ。先生や高野さんは優しいし、高橋さんも面白いお兄さんだし、リサさんは大好きだから一緒にいられるだけでも幸せなんだけど……。やっぱり、今頃クラスの皆は家族と一緒なんだって思うと……」
 リサ:「うん……」
 運転手:「あ、あのー、お嬢ちゃん達……」
 絵恋:「あ、大丈夫ですよ。お金ならあります。それに、こんなこともあろうかと、父からタクシーチケットはもらってて……」
 運転手:「いや、そうじゃなくて、まさか家出とかじゃないよね?」
 リサ:「家出?」
 絵恋:「ま、まさか!そんなわけないじゃないですか!たまたま私達は旅行に来てて、大人の人達とはたまたま別行動してて……。あの、行き先の大石寺まで行ってくれれば分かります!」
 運転手:「それならいいんだけど……。まさか、警察とか探偵さんが出動している騒ぎになってなきゃいいと思ってね……」
 リサ:「その探偵さんと一緒に旅行に来てるんだよ」
 絵恋:「そう!だから、目的地に行ってくれれば分かりますって!」
 運転手:「探偵さんと?それはそれで珍しいねぇ……」

 と、その時だった。
 背後からパトカーのサイレンが突然聞こえてきた。
 後ろを走っていたのはシルバーのクラウンだったが、どうやらそれは覆面パトカーだったようだ。

〔「緊急車両、追い越します!道を開けてください!」〕

 運転手:「何だ。これじゃないのか。びっくりしたぁ……」

 運転手はすぐにタクシーを減速させて、覆面パトカーに道を譲った。
 ではそのパトカーは、何の為にサイレンを鳴らしたのかというと……。

〔「そこの白いトラックの運転手さん、左に寄って止まってください」〕

 どうやら、タクシーの前を走っていたトラックに用事があったようである。

〔「富士山130 あ【以下略】。左に寄って止まってください」〕

 パトカーは何度も停止命令を出している。
 だが、トラックは一向に止まる気配が無い。
 段々、停止命令の口調が強くなる。

〔「止まりなさい!」〕

 ついにトラックはパトカーを挑発するかのように右に左に蛇行し……というよりは、コンテナが揺れているかのようだ。
 そしてトラックは急停止!
 直後、コンテナのドアが破られた。

 運転手:「わあっ!?何だ!?」

 パトカーの後ろを走っていたタクシーも急停車。

 絵恋:「きゃあっ!り、リサさん!あれ!」
 リサ:「は、ハンター!?」

 それは昨日現れたハンターと同種のBOWに相違無かった。
 リサと比べて下級のモンスター。
 昨日と違うのはそれが一匹だけでなく、数匹はいたことだった。

 リサ:「αにβ、γに……えーと……あれ何だっけ?!」

 トラックから飛び出したハンター達は1種類だけではないということだ。
 リサの知ってる種類もあれば、知らない種類もあるようである。

 警察官A:「ぎゃあっ!」
 警察官B:「わーっ!」

 パトカーの警察官達はすぐに降りて、拳銃で応戦しようとした。
 だが、ただの一発も当てられずにハンターに首狩りされたり、鋭い爪で引っ掻き攻撃されて流血の惨を展開することとなった。

 絵恋:「きゃあっ!」

 絵恋がリサに抱き着く。

 リサ:「運転手さん!早く逃げて!」
 運転手:「む、無理だ!前後とも挟まれて……わあっ!」

 その時、一匹がタクシーのボンネットの上に乗っかった。
 リサがそいつを睨み付ける。

 運転手:「わああああっ!!」

 リサ・トレヴァーという上級BOWに睨み付けられたハンターは一瞬怯んだが、恐怖に負けた運転手がタクシーを放棄して逃げ出した途端我に返り、すぐさま運転手を追い掛けて首狩り攻撃という即死攻撃を行った。

 リサ:「このままじゃまずい!サイトー、逃げよう!」
 絵恋:「リサさん!助けてよぉ!」
 リサ:「分かってる!サイトーは私が守る!!」

 リサはタクシーのドアを開けて、外へ飛び出した。
 と、すぐ近くに別のトラックが止まっていた。

 リサ:「チャンス!あの中に隠れよう!」

 リサは絵恋の手を取って、トラックに近づいた。
 と、上空からヘリコプターの音が聞こえる。

 リサ:「救助のヘリ!?良かった!しばらくしたらきっと助かる!」

 その時、リサのスマホに愛原から着信があったのだが、この騒ぎとヘリの騒音で聞こえなかった。

 リサ:「サイトー、早くこの中へ!」
 絵恋:「う、うん!」

 それは宅配便のトラックだった。
 このトラックの運転手もいなくなっていた。
 逃げたのか殺されたのかは分からない。

 絵恋:「一体……何が?」
 リサ:「分からない。だけど、ここにいれば安心。助けが来るまで、ここで……」

 その時、リサはやっと愛原から着信があったことに気付いた。

 リサ:「愛原先生から着信があった!」
 絵恋:「えっ、ほんと!?」
 リサ:「うん!これで愛原先生にも助けを呼ぶ!」
 絵恋:「うん、そうして!」

 リサは急いで愛原のスマホに掛け直した。

 愛原:「リサか!?今どこにいる!?」
 リサ:「あの……」

 バリッ!

 絵恋:「きゃっ!?」

 その時、壁の向こうから鋭い爪が突き立てられた。
 アルミ製のコンテナタイプのトラック。
 内側はベニヤ板張りだ。
 頑丈そうに見えて、実はそんなでもなかった。
 長くて鋭いハンターの爪を完全に防ぐほどではなかった。

 リサ:「先生!大変なことになった!ハンターが暴れてる!」
 愛原:「おまっ……!まかいの牧場にいたはずじゃ!?」
 リサ:「ごめんなさい。どうしても寂しくなって……そしたら、サイトーがタクシーでお寺まで行こうって言ってくれて……。向かってる最中、前を走ってたトラックからハンターが飛び出して来て……」

 リサはその後、ハンターが5~6匹いること。
 それも何種類もいることを話した。

 愛原:「絵恋さんは!?絵恋さんは無事なのか!?」
 リサ:「サイトーは大丈夫!だけど、もうコンテナが持たない!」

 リサは絵恋と一緒にトラックのコンテナに隠れていることも話した。

 愛原:「待ってろ!“青いアンブレラ”が向かってるから、それで何とか……!」

 バァン!(ついにコンテナのドアがこじ開けられた)

 絵恋:「きゃーっ!!」
 リサ:「コンテナが破られた。こうなったら……!」

 リサは電話を切った。
 そして獲物を見つけてニヤリと牙を剥き出し、涎を垂らして見据えてくるハンターαを睨み付けながらリサの取った行動は……!?
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