[1月4日01:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原のマンション]
愛原:「やっぱ向こうで、もう一泊するべきだったかなぁ?子供にとって、いい夜更かしだぜ?」
高橋:「そうッスね……」
新幹線の終電で帰京することを決めたのは愛原だったので、高橋としては何とも言えない。
リサ:「お風呂上がった」
絵恋:「お風呂……頂きました」
愛原:「ああ。もう夜も遅いからさっさと寝るんだ。明日……っと、もう日付変わってるか。まあ、ゆっくり寝てていいから。俺達はいつも通り、事務所に行くけどな」
リサ:「明日、明後日は土日だよ?」
愛原:「零細事務所に土日も無いの。土曜日に仕事始めっていう事務所、結構多いんだから」
高橋:「その通り」φ(`д´)メモメモ...
何故か愛原の言葉を自分のノートにメモする高橋。
愛原:「俺達に気にせず、ゆっくり寝てていいから」
高橋:「いい身分だぜ」
愛原:「そういうこと言うなっての。学生はまだ冬休みなんだから、特権だよ」
高橋:「俺は冬休みでも仕事してましたよ?」
愛原:「刑務作業だろ、どうせ?」
高橋:「ま、まあ……」
愛原:「いいから、次はオマエ入れ」
高橋:「えっ、先生、そりゃ……」
愛原:「いいんだよ。俺はまだやることがある」
高橋:「こいつらと同様、俺達も一緒に入りましょうよ?」
愛原:「アホか!そういうのは温泉だけにしとけ!」
高橋:「さ、サーセン……」
リサ:「歯磨きしてから寝る」
愛原:「そうしてくれ」
高橋が先に入浴し、リサ達も歯磨きが終わると……。
リサ:「それじゃ、おやすみなさい。水のペットボトルだけ持って行くから」
絵恋:「おやすみなさい……」
愛原:「ああ、おやすみ。……ちょっとリサ、話がある。……ああ、絵恋さんは先に部屋に入ってて」
リサは愛原に呼ばれた。
リサ:「なに、先生?」
愛原:「絵恋さん、相当精神的ダメージを受けている。そこでリサ、キミが治してやるんだ」
リサ:「私が?そんなことできるの?」
愛原:「恐らく……あってはならないことだが、俺達と同様、もしかしたら絵恋さんも今後ともBOWに襲われるかもしれない。だから、絵恋さんには早く立ち直ってもらう必要がある。幸い、オマエもBOWだ。BOWのことは、BOWに任せようと思う」
リサ:「何をすればいい?」
リサは愛原から具体的な方法を聞いた。
愛原:「……と、いうわけだ。できるか?」
リサ:「分かった。やってみる」
愛原:「頼むぞ」
リサは頷くと、自分の部屋に向かった。
リサ:「お待たせ」
絵恋:「リサさん、ごめんなさい。私のワガママのせいで……。で、でも私、どうしても怖くて……怖くて……」
リサ:「別にいい。前にも言ったと思うけど、サイトーは私が守る」
絵恋:「ありがと……」
リサ:「サイトー、そのパジャマ、よく似合う」
絵恋:「あ、ありがとう。リサさんはTシャツに短パンなのね。寒くないの?」
リサ:「別に。じゃ、電気消すよ」
絵恋:「う、うん……」
リサはリモコンで部屋の照明を消灯した。
絵恋:(大丈夫。ここはリサさんの家だし、リサさんがいるもの。こ、怖くなんか……)
セミダブルベッドに横になっている絵恋。
その隣にリサが入ってきた。
リサの部屋だけセミダブルベッドというのもおかしい話だが、これはリサが同居するとなった際、リサイクルショップに行ったらそのサイズしか無かったからである。
つまり、愛原と高橋のはシングルでも新品、リサのはセミダブルでも中古というわけである。
リサ:「サイトー、あの時は怖かった?」
絵恋:「怖かったわ……。あんな恐ろしい化け物、初めて……。愛原先生達はよく平気だよね」
リサ:「うん。だから私みたいな化け物も、こうして受け入れてくれてる」
絵恋:「リサさんは化け物じゃないよ」
リサ:「そう?私達を襲ったハンターはBOW。そして、私もBOWなの。下級か上級かの違いだけ」
絵恋:「リサさんは人間の姿になれるじゃない。でも、あの化け物達は違うでしょう?」
リサ:「だからあいつらは下級なの。……てかサイトー、人間の姿になれるBOWなら平気なの?」
絵恋:「えっ?」
リサ:「じゃあ、私の正体を見せてあげる」
リサはガバッと布団を被ると、第1形態の姿になって見せた。
全身が赤鬼のように赤銅色の肌になり、額に一本角が生える。
両耳は長く尖り、両手の爪は鋭く伸びた。
瞳は金色に光る。
リサ:「これが私の普段の姿……。本当はさっきの人間の姿が正体だったんだけど、ウィルスの影響でこっちが正体になっちゃった。だってこの姿の方が落ち着くから。そして……この姿の私はお腹が空きやすい。つまり、場合によってはサイトーを食べてしまうかもしれないってこと。……どう?私と一緒に寝るより、自分の家で1人で寝た方が安全だと思わない?私にはテレポートする能力は無いから、サイトーの家にまで行って人間を食べようとは思わないよ?」
リサは更に鋭くなった犬歯を覗かせて見せた。
リサ:「私はあのハンター共も素手で倒せる。私はハンターより強い。だから、私は……」
絵恋:「あ……あ……あ……!」((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
リサ:(まずい。さすがに怖がらせ過ぎちゃったかな?)
だが、リサの予想に反して……。
絵恋:「リサさんになら食べられてもいい!」
ガバッと絵恋はリサに抱き着いた。
リサ:「ちょ……サイトー!?」
絵恋:「リサさんはあの化け物達と違うもん!」
リサ:「いや、そんなことない。本当ならもっと異形の化け物に変化もできるんだけど、それは禁止されてる。私と同種のリサ・トレヴァーが、このマンション(5階建て25世帯)くらいの大きさにまで変化して、BSAAが出動したくらいだから。私も……暴走したら、きっとあんな風になる……!私は……それが怖い。サイトーはBOWに食われるのが怖いだろうけど、私は……食べることにしか興味の無い化け物になって、BSAAに殺されるのが怖いの」
絵恋:「分かったわ。私、もう怖がらない。リサさんは私を守ってくれる。だったら、私もリサさんが暴走しないように守ってあげる」
リサ:「ありがとう。(これで良かったのかな?)」
絵恋:「何がきっかけで暴走しちゃうの?」
リサ:「分かんないけど、私の仲間は……多分、ブチキレて暴走したと思う」
絵恋:「リサさんを怒らせなければいいのね。確かにリサさん、滅多に怒んないもんね。そういう人に限って、怒らせると怖いっていうもんね」
リサ:「それとも違うような……。とにかく、分かんないの。ね?だから最初から化け物な奴らも怖いとは思うけど、私みたいに自分のこともよく分かっていない奴の方がよっぽど……」
絵恋:「リサさんなら大丈夫。もし暴走したら、私が先に食べられてあげる」
リサ:「いや、あの……」
愛原:(いや、その手はアリかも……)
部屋の外で立ち聞きしていた愛原。
愛原:(アニメなんかでも、暴走して異形の者になったキャラクターが、かつて親しくしていた人間が現れた際、一瞬だけでも正気を取り戻す的なシーンがよく見受けられる。絵恋さんがその役をやってくれるだろうか……)
もちろん、リサが暴走して異形の者にならぬことを祈る愛原であった。
愛原:「やっぱ向こうで、もう一泊するべきだったかなぁ?子供にとって、いい夜更かしだぜ?」
高橋:「そうッスね……」
新幹線の終電で帰京することを決めたのは愛原だったので、高橋としては何とも言えない。
リサ:「お風呂上がった」
絵恋:「お風呂……頂きました」
愛原:「ああ。もう夜も遅いからさっさと寝るんだ。明日……っと、もう日付変わってるか。まあ、ゆっくり寝てていいから。俺達はいつも通り、事務所に行くけどな」
リサ:「明日、明後日は土日だよ?」
愛原:「零細事務所に土日も無いの。土曜日に仕事始めっていう事務所、結構多いんだから」
高橋:「その通り」φ(`д´)メモメモ...
何故か愛原の言葉を自分のノートにメモする高橋。
愛原:「俺達に気にせず、ゆっくり寝てていいから」
高橋:「いい身分だぜ」
愛原:「そういうこと言うなっての。学生はまだ冬休みなんだから、特権だよ」
高橋:「俺は冬休みでも仕事してましたよ?」
愛原:「刑務作業だろ、どうせ?」
高橋:「ま、まあ……」
愛原:「いいから、次はオマエ入れ」
高橋:「えっ、先生、そりゃ……」
愛原:「いいんだよ。俺はまだやることがある」
高橋:「こいつらと同様、俺達も一緒に入りましょうよ?」
愛原:「アホか!そういうのは温泉だけにしとけ!」
高橋:「さ、サーセン……」
リサ:「歯磨きしてから寝る」
愛原:「そうしてくれ」
高橋が先に入浴し、リサ達も歯磨きが終わると……。
リサ:「それじゃ、おやすみなさい。水のペットボトルだけ持って行くから」
絵恋:「おやすみなさい……」
愛原:「ああ、おやすみ。……ちょっとリサ、話がある。……ああ、絵恋さんは先に部屋に入ってて」
リサは愛原に呼ばれた。
リサ:「なに、先生?」
愛原:「絵恋さん、相当精神的ダメージを受けている。そこでリサ、キミが治してやるんだ」
リサ:「私が?そんなことできるの?」
愛原:「恐らく……あってはならないことだが、俺達と同様、もしかしたら絵恋さんも今後ともBOWに襲われるかもしれない。だから、絵恋さんには早く立ち直ってもらう必要がある。幸い、オマエもBOWだ。BOWのことは、BOWに任せようと思う」
リサ:「何をすればいい?」
リサは愛原から具体的な方法を聞いた。
愛原:「……と、いうわけだ。できるか?」
リサ:「分かった。やってみる」
愛原:「頼むぞ」
リサは頷くと、自分の部屋に向かった。
リサ:「お待たせ」
絵恋:「リサさん、ごめんなさい。私のワガママのせいで……。で、でも私、どうしても怖くて……怖くて……」
リサ:「別にいい。前にも言ったと思うけど、サイトーは私が守る」
絵恋:「ありがと……」
リサ:「サイトー、そのパジャマ、よく似合う」
絵恋:「あ、ありがとう。リサさんはTシャツに短パンなのね。寒くないの?」
リサ:「別に。じゃ、電気消すよ」
絵恋:「う、うん……」
リサはリモコンで部屋の照明を消灯した。
絵恋:(大丈夫。ここはリサさんの家だし、リサさんがいるもの。こ、怖くなんか……)
セミダブルベッドに横になっている絵恋。
その隣にリサが入ってきた。
リサの部屋だけセミダブルベッドというのもおかしい話だが、これはリサが同居するとなった際、リサイクルショップに行ったらそのサイズしか無かったからである。
つまり、愛原と高橋のはシングルでも新品、リサのはセミダブルでも中古というわけである。
リサ:「サイトー、あの時は怖かった?」
絵恋:「怖かったわ……。あんな恐ろしい化け物、初めて……。愛原先生達はよく平気だよね」
リサ:「うん。だから私みたいな化け物も、こうして受け入れてくれてる」
絵恋:「リサさんは化け物じゃないよ」
リサ:「そう?私達を襲ったハンターはBOW。そして、私もBOWなの。下級か上級かの違いだけ」
絵恋:「リサさんは人間の姿になれるじゃない。でも、あの化け物達は違うでしょう?」
リサ:「だからあいつらは下級なの。……てかサイトー、人間の姿になれるBOWなら平気なの?」
絵恋:「えっ?」
リサ:「じゃあ、私の正体を見せてあげる」
リサはガバッと布団を被ると、第1形態の姿になって見せた。
全身が赤鬼のように赤銅色の肌になり、額に一本角が生える。
両耳は長く尖り、両手の爪は鋭く伸びた。
瞳は金色に光る。
リサ:「これが私の普段の姿……。本当はさっきの人間の姿が正体だったんだけど、ウィルスの影響でこっちが正体になっちゃった。だってこの姿の方が落ち着くから。そして……この姿の私はお腹が空きやすい。つまり、場合によってはサイトーを食べてしまうかもしれないってこと。……どう?私と一緒に寝るより、自分の家で1人で寝た方が安全だと思わない?私にはテレポートする能力は無いから、サイトーの家にまで行って人間を食べようとは思わないよ?」
リサは更に鋭くなった犬歯を覗かせて見せた。
リサ:「私はあのハンター共も素手で倒せる。私はハンターより強い。だから、私は……」
絵恋:「あ……あ……あ……!」((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
リサ:(まずい。さすがに怖がらせ過ぎちゃったかな?)
だが、リサの予想に反して……。
絵恋:「リサさんになら食べられてもいい!」
ガバッと絵恋はリサに抱き着いた。
リサ:「ちょ……サイトー!?」
絵恋:「リサさんはあの化け物達と違うもん!」
リサ:「いや、そんなことない。本当ならもっと異形の化け物に変化もできるんだけど、それは禁止されてる。私と同種のリサ・トレヴァーが、このマンション(5階建て25世帯)くらいの大きさにまで変化して、BSAAが出動したくらいだから。私も……暴走したら、きっとあんな風になる……!私は……それが怖い。サイトーはBOWに食われるのが怖いだろうけど、私は……食べることにしか興味の無い化け物になって、BSAAに殺されるのが怖いの」
絵恋:「分かったわ。私、もう怖がらない。リサさんは私を守ってくれる。だったら、私もリサさんが暴走しないように守ってあげる」
リサ:「ありがとう。(これで良かったのかな?)」
絵恋:「何がきっかけで暴走しちゃうの?」
リサ:「分かんないけど、私の仲間は……多分、ブチキレて暴走したと思う」
絵恋:「リサさんを怒らせなければいいのね。確かにリサさん、滅多に怒んないもんね。そういう人に限って、怒らせると怖いっていうもんね」
リサ:「それとも違うような……。とにかく、分かんないの。ね?だから最初から化け物な奴らも怖いとは思うけど、私みたいに自分のこともよく分かっていない奴の方がよっぽど……」
絵恋:「リサさんなら大丈夫。もし暴走したら、私が先に食べられてあげる」
リサ:「いや、あの……」
愛原:(いや、その手はアリかも……)
部屋の外で立ち聞きしていた愛原。
愛原:(アニメなんかでも、暴走して異形の者になったキャラクターが、かつて親しくしていた人間が現れた際、一瞬だけでも正気を取り戻す的なシーンがよく見受けられる。絵恋さんがその役をやってくれるだろうか……)
もちろん、リサが暴走して異形の者にならぬことを祈る愛原であった。