[1月2日15:15.天候:晴 静岡県富士宮市内某所]
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
浅間大社で過ごした後、路線バスに乗って宿泊先へ向かう途中、とんでもない化け物に遭遇してしまった。
バスの前を走っていたトラックのコンテナの扉が勝手に開いたかと思うと、そこからハンターαが一匹飛び出して来たのだ!
ハンターとは旧アンブレラが開発した下級BOWのことで、見た目は爬虫類の化け物。
大きさは大人のゴリラくらいで、それが全身緑色の鱗で覆われている。
2足歩行で、両手には鋭い爪が生えている。
さすがにトラックが止まり、そこから作業服姿の運転手が降りてきた。
とはいうものの、運送会社のトラックではなさそうだ。
ナンバーが自家用で、しかもレンタカーだったからだ。
車内に響く悲鳴!
というのは、ハンターはいとも簡単に運転手の首を跳ね飛ばしてしまったからだ。
私を含むバイオハザード関係者は、それを『首狩り』と呼ぶ。
いわゆる、即死攻撃という奴だ。
愛原:「運転手さん、バックして逃げるんだ!」
運転手:「む、無理です!後ろに車が……!」
ただでさえ狭い道だ。
普通車でさえ何回か切り返さないとUターンできないような道を、例え小型とはいえバスが切り返しできるとは思えない。
愛原:「しょうがない!俺達が対処する!」
高橋:「任せてください!」
高野:「やるしかないね」
愛原:「運転手さん、俺達が降りたらすぐにドアを閉めてくれ!」
運転手:「わ、分かりました!」
ゾンビでさえバスの窓ガラスをブチ破って飛び込んでくるくらいだ。
それを狩ることもあるハンターなど、簡単に飛び込んでくることだろう。
幸いトラックのコンテナにいたのは、ハンターα一匹だけのようだ。
しかもすぐ後ろにいる私達のバスには関心が無い……というより、通行人や動かぬバスに痺れを切らして様子を見に来た後ろの車のドライバーと思われる人達を襲っている。
愛原:「こっちだ、化け物!」
私と高橋がバスを降りると、ハンターに向かってハンドガンを発砲した。
私達は一般私人と変わらぬ探偵であるが、善場さんより銃の所持許可を得ていて、こういうバイオハザード絡みの時のみ使用ができるようになっている。
これはリサという、暴走したら町1つオシャカになるようなBOWの面倒を看ているのと、そもそもバイオハザードを何度も潜り抜けたという実績を買われての超法規的措置だ。
ハンターに対しては、ハンドガンを2~3発当てても死なない。
しかも、ここは住宅街だ。
気軽にパンパン撃つわけにはいかない。
例え一匹だけとはいえ、人間のゾンビより数倍強いハンターに勝てるかどうか怪しくなってきた。
ハンター:「ガァァァァァッ!」
ついにハンターは私達に狙いを定め、向かって来た。
走り方はまるで大人のゴリラのようだ。
だから、人によっては『緑のゴリラ』とか『緑のジャイアン』とか呼ぶこともある。
愛原:「高橋!即死攻撃に気をつけろ!」
高橋:「分かってますよ!俺のライトニング・ホークで蜂の巣に……」
マグナムなら2~3発撃ち込めば死んでくれる。
だが、そう上手く行くだろうか。
ハンター:「ガァッ!」
ハンターがジャンプした。
着地した際に即死攻撃をしてくるのが奴らのやり方だ。
その餌食にならぬ為には、1度奴から離れる必要がある。
その代わり、着地して即死攻撃を繰り出してくるまでに一瞬の隙がある。
そこを上手く狙えれば私達の勝ちだ。
愛原:「今だ!行け!」
高橋:「はいっ!」
ハンターが着地した瞬間を狙い、高橋がマグナムを打ち込む。
ゾンビ:「ガァァァッ!」
高橋:「!?」
愛原:「なにっ!?」
何と、ハンターに気を取られていたら、ゾンビが後ろから襲い掛かって来た。
おかげで高橋君は、マグナムを1発しか撃てなかった。
ゾンビがいつの間に!?
愛原:「こいつ!」
ゾンビは3体いた。
それはハンターに殺された人達だった。
トラックの運転手や、バスの後ろにいた乗用車の運転手、そしてたまたまこの近くを歩いていた通行人。
そうか!ハンターもまたTウィルスによって製造されたBOWだ。
それに攻撃されて、そのウィルスの抗体を持っていないと感染してゾンビになるんだった!
リサ:「……食われたいのか?」
リサもバスから降りてきて、ハンターを睨み付けた。
ハンターが今度はバスの人達を襲おうとしていたからだ。
この時、一瞬だけ第1形態に戻る。
瞳を赤くボウッと光らせ、鋭く伸びた爪や牙を剥ける。
ハンター:ビクッ!Σ(゚Д゚)
ヘタすりゃラスボスも張れるリサに睨み付けられ、ハンターは戦意を喪失して逃げ出した。
愛原:「ハンターが逃げたぞ!追え!」
高橋:「先生!ゾンビを倒してからでないと!」
愛原:「し、しかし……!」
その時だった。
上空から銃弾が飛んで来て、ハンターの頭部を撃ち抜いた。
ハンターの頭は潰れたトマトのようになり、そのままうつ伏せに倒れて2度と起き上がっては来なかった。
私が上を見ると、そこにはあの“青いアンブレラ”のヘリが飛んでおり、そこからスナイパー隊員が狙撃銃を構えていた。
そして、スルスルとロープを伝って地上に降りてくる。
この時点でゾンビは残り1体になっていたが、隊員が銃を使うまでもなく、体術で倒してしまった。
最後のゾンビはアスファルトの路面に頭から叩き付けられ、2度と起き上がってくることは無かった。
そして、ヘリから意外な人物が降りてきた。
善場:「愛原さん、大丈夫ですか!?」
愛原:「と、善場さん!?」
そりゃびっくりだ。
メールを送っても返って来なかったのだから、私はてっきり正月休みなのかと思った。
愛原:「一体、どうして?」
善場:「こちらが聞きたいですよ。愛原さんも我々の情報をどうやって掴んだんです?」
因みに善場さんは高野君と同じ、30歳になるかならないかといった感じの女性である。
肩書は主任とのこと。
愛原:「いや、私達は依頼人から仕事の依頼で来ただけですよ。そしたら、ハンターだのゾンビだのに襲われたもんで……」
しかしアニメやドラマの探偵は、行く先々で殺人事件に巻き込まれるものだが、私はバイオハザードに巻き込まれやすいな。
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
浅間大社で過ごした後、路線バスに乗って宿泊先へ向かう途中、とんでもない化け物に遭遇してしまった。
バスの前を走っていたトラックのコンテナの扉が勝手に開いたかと思うと、そこからハンターαが一匹飛び出して来たのだ!
ハンターとは旧アンブレラが開発した下級BOWのことで、見た目は爬虫類の化け物。
大きさは大人のゴリラくらいで、それが全身緑色の鱗で覆われている。
2足歩行で、両手には鋭い爪が生えている。
さすがにトラックが止まり、そこから作業服姿の運転手が降りてきた。
とはいうものの、運送会社のトラックではなさそうだ。
ナンバーが自家用で、しかもレンタカーだったからだ。
車内に響く悲鳴!
というのは、ハンターはいとも簡単に運転手の首を跳ね飛ばしてしまったからだ。
私を含むバイオハザード関係者は、それを『首狩り』と呼ぶ。
いわゆる、即死攻撃という奴だ。
愛原:「運転手さん、バックして逃げるんだ!」
運転手:「む、無理です!後ろに車が……!」
ただでさえ狭い道だ。
普通車でさえ何回か切り返さないとUターンできないような道を、例え小型とはいえバスが切り返しできるとは思えない。
愛原:「しょうがない!俺達が対処する!」
高橋:「任せてください!」
高野:「やるしかないね」
愛原:「運転手さん、俺達が降りたらすぐにドアを閉めてくれ!」
運転手:「わ、分かりました!」
ゾンビでさえバスの窓ガラスをブチ破って飛び込んでくるくらいだ。
それを狩ることもあるハンターなど、簡単に飛び込んでくることだろう。
幸いトラックのコンテナにいたのは、ハンターα一匹だけのようだ。
しかもすぐ後ろにいる私達のバスには関心が無い……というより、通行人や動かぬバスに痺れを切らして様子を見に来た後ろの車のドライバーと思われる人達を襲っている。
愛原:「こっちだ、化け物!」
私と高橋がバスを降りると、ハンターに向かってハンドガンを発砲した。
私達は一般私人と変わらぬ探偵であるが、善場さんより銃の所持許可を得ていて、こういうバイオハザード絡みの時のみ使用ができるようになっている。
これはリサという、暴走したら町1つオシャカになるようなBOWの面倒を看ているのと、そもそもバイオハザードを何度も潜り抜けたという実績を買われての超法規的措置だ。
ハンターに対しては、ハンドガンを2~3発当てても死なない。
しかも、ここは住宅街だ。
気軽にパンパン撃つわけにはいかない。
例え一匹だけとはいえ、人間のゾンビより数倍強いハンターに勝てるかどうか怪しくなってきた。
ハンター:「ガァァァァァッ!」
ついにハンターは私達に狙いを定め、向かって来た。
走り方はまるで大人のゴリラのようだ。
だから、人によっては『緑のゴリラ』とか『緑のジャイアン』とか呼ぶこともある。
愛原:「高橋!即死攻撃に気をつけろ!」
高橋:「分かってますよ!俺のライトニング・ホークで蜂の巣に……」
マグナムなら2~3発撃ち込めば死んでくれる。
だが、そう上手く行くだろうか。
ハンター:「ガァッ!」
ハンターがジャンプした。
着地した際に即死攻撃をしてくるのが奴らのやり方だ。
その餌食にならぬ為には、1度奴から離れる必要がある。
その代わり、着地して即死攻撃を繰り出してくるまでに一瞬の隙がある。
そこを上手く狙えれば私達の勝ちだ。
愛原:「今だ!行け!」
高橋:「はいっ!」
ハンターが着地した瞬間を狙い、高橋がマグナムを打ち込む。
ゾンビ:「ガァァァッ!」
高橋:「!?」
愛原:「なにっ!?」
何と、ハンターに気を取られていたら、ゾンビが後ろから襲い掛かって来た。
おかげで高橋君は、マグナムを1発しか撃てなかった。
ゾンビがいつの間に!?
愛原:「こいつ!」
ゾンビは3体いた。
それはハンターに殺された人達だった。
トラックの運転手や、バスの後ろにいた乗用車の運転手、そしてたまたまこの近くを歩いていた通行人。
そうか!ハンターもまたTウィルスによって製造されたBOWだ。
それに攻撃されて、そのウィルスの抗体を持っていないと感染してゾンビになるんだった!
リサ:「……食われたいのか?」
リサもバスから降りてきて、ハンターを睨み付けた。
ハンターが今度はバスの人達を襲おうとしていたからだ。
この時、一瞬だけ第1形態に戻る。
瞳を赤くボウッと光らせ、鋭く伸びた爪や牙を剥ける。
ハンター:ビクッ!Σ(゚Д゚)
ヘタすりゃラスボスも張れるリサに睨み付けられ、ハンターは戦意を喪失して逃げ出した。
愛原:「ハンターが逃げたぞ!追え!」
高橋:「先生!ゾンビを倒してからでないと!」
愛原:「し、しかし……!」
その時だった。
上空から銃弾が飛んで来て、ハンターの頭部を撃ち抜いた。
ハンターの頭は潰れたトマトのようになり、そのままうつ伏せに倒れて2度と起き上がっては来なかった。
私が上を見ると、そこにはあの“青いアンブレラ”のヘリが飛んでおり、そこからスナイパー隊員が狙撃銃を構えていた。
そして、スルスルとロープを伝って地上に降りてくる。
この時点でゾンビは残り1体になっていたが、隊員が銃を使うまでもなく、体術で倒してしまった。
最後のゾンビはアスファルトの路面に頭から叩き付けられ、2度と起き上がってくることは無かった。
そして、ヘリから意外な人物が降りてきた。
善場:「愛原さん、大丈夫ですか!?」
愛原:「と、善場さん!?」
そりゃびっくりだ。
メールを送っても返って来なかったのだから、私はてっきり正月休みなのかと思った。
愛原:「一体、どうして?」
善場:「こちらが聞きたいですよ。愛原さんも我々の情報をどうやって掴んだんです?」
因みに善場さんは高野君と同じ、30歳になるかならないかといった感じの女性である。
肩書は主任とのこと。
愛原:「いや、私達は依頼人から仕事の依頼で来ただけですよ。そしたら、ハンターだのゾンビだのに襲われたもんで……」
しかしアニメやドラマの探偵は、行く先々で殺人事件に巻き込まれるものだが、私はバイオハザードに巻き込まれやすいな。