[5月12日09:06.天候:晴 東京都豊島区西池袋 東京メトロ池袋駅・有楽町線ホーム→日蓮正宗・正証寺]
〔いけぶくろ、池袋です。丸ノ内線、副都心線、JR線、西武池袋線、東武東上線はお乗り換えです。4番線の電車は、東武東上線直通、各駅停車、川越市行きです〕
マリアを東池袋駅まで送った稲生は、再び逆方向の電車に乗り込んで池袋駅まで戻って来た。
電車を降りると、急ぎ足で改札口まで向かう。
幸い駅からは歩いて行ける距離なので、アクセスは楽である。
藤谷:「はーい、御講に参加の方はこちらー!」
境内では藤谷が任務者を買って出ていた。
次々にやってくる信徒達を本堂に案内している。
藤谷:「……これを機に御受誡・御勧誡を考えている方はこちら!」
シーン……。
藤谷:「……ま、これが現実だ」
稲生:「好きですね、このネタ」
藤谷:「おっ、稲生君。いい所に来なすった」
稲生:「ん?任務者足りません?」
藤谷:「いや、そうじゃない。早いとこ、マリアさんの御受誡を!」
稲生:「殺されますって。ていうか、どうせ泥沼の20連敗なんだからいいじゃないですか、この際」
藤谷:「東京第三布教区ってのは、20ヶ月連続で誓願未達成の寺院が送られる所なのかね?」
稲生:「知りませんよ、そんなの!」
※あくまでフィクションです。
鈴木:「おはようございます」
藤谷:「おっ、鈴木君。おはよう」
鈴木:「あそこで参加券書けばいいんですか?」
藤谷:「ああ、そうしてくれ。稲生君も」
稲生:「はい」
鈴木:「顕正会のビデオ放映みたい」
稲生:「あそこも参加券書くね」
稲生と鈴木は参加券に記入した。
鈴木:「御供養も受付ですか?」
藤谷:「そう」
稲生:「顕正会の方がお金が掛からない?」
鈴木:「金の掛け方が違うだけですよ」
稲生:「それな!」
作者の場合、日蓮正宗に入ってから信仰の費用は掛かっています。
ので、顕正会員の主張する『顕正会は金が掛からない』については否定はしません。
多分、双方出世すると金が掛かるシステムなんだと思います。
つまり、ヒラのうちは大丈夫。
藤谷:「鈴木君は折伏の相手はいないのか?」
鈴木:「いますよ」
藤谷:「おおっ!で、やっぱり顕正会員?」
鈴木:「そうですね。でも、俺の上長達は今のところ無理ですよ」
藤谷:「何でだ?」
鈴木:「当時の隊長は職を失って現在ホームレス。宗門もホームレスは入信させないんでしょう?で、支隊長は現在服役中。ムショにまで折伏行けないでしょう?班長は車で事故って現在、植物状態。植物人間に折伏できますか?同じ組長の長谷川は、東武東上線に飛び込んでバラバラの肉片と。地獄界にまで折伏行けませんからね。組員の特盛はもうどこかの宿坊さんに御受誡してるんで。エリと一緒に」
稲生:「壮絶な組織だったんだねぇ、キミの所は……」
藤谷:「“慧妙”が喜んで記事にしそうだ。ま、とにかく中に入って待っててくれ。唱題でもしてるといい」
稲生:「そうします」
鈴木:「同じく」
[同日12:00.天候:晴 正証寺→JR池袋駅]
御講の他に各地区で集まった座談会なんかも終わった。
藤谷:「それじゃ明日、添書登山に行くんだな?」
稲生:「何か、そういうことになっちゃって……」
鈴木:「1人で行くより、知ってる人と行った方がいいですから」
藤谷:「それもそうだな。新幹線で行くのか?」
稲生:「そのつもりです」
鈴木:「本当は車で行きたかったんですが、魔の妨害がありましてね。オカンがぶつけて、現在修理中なんですよ」
藤谷:「考えようによっては、『車で行くと途中で事故るフラグが立っているから、新幹線で行ってもらう』という御加護かもしれないぞ?」
鈴木:「いつの間にかフラグが?」
多摩準急:「こいつら東名で事故らせて、お涙頂戴ストーリーにしようぜ」
雲羽百三:「これもネタの1つですな」
稲生:「か、カントク……」
鈴木:「分かりました!新幹線で行きます!」
藤谷:「それがいい」
鈴木:「先輩、新幹線のキップ買いに行きましょうよ!」
稲生:「どうせ自由席なんだから、当日でいいじゃないか」
鈴木:「そういう油断が魔の妨害を許してしまうのです。もしかしたら、券売機がブッ壊れてるかもしれませんよ?」
稲生:「いや、券売機1つ『調整中』なんて普通なくらいで……」
鈴木:「全部ですよ、全部!」
稲生:「分かったよ」
鈴木:「東海道新幹線はJR東海だから、東京駅のJR東海の券売機で……」
稲生:「いや、あの、JR東日本の券売機でも東海道新幹線のキップは買えるからね?」
稲生と鈴木は池袋駅に移動した。
鈴木:「ほら、先輩見てくださいよ!東海道新幹線のキップ買えない!」
稲生:「『黒い券売機』じゃなくて、指定席券売機のことを言ってるんだよ、僕は!」
藤谷班、ボケ役の鈴木とツッコミ役の稲生が確立しつつある。
で、稲生、キップを買う前にふと気づく。
稲生:「(あれ?そう言えばマリアさん、どうするんだろう?)ちょっと待ってて」
鈴木:「えっ?」
稲生はスマホを取り出した。
稲生:「もしもし、マリアさんですか?明日のことなんですけど、マリアさん達はどうしますか?」
マリア:「私達も富士山に行くから、途中まで一緒に行こう」
稲生:「分かりました。ただ、あの……その途中までは鈴木君も一緒なんですけど……」
マリア:「…………」
電話の向こうで絶句するマリアの姿がしっかり想像できた稲生だった。
稲生:「あくまで僕達は、日蓮正宗信徒して総本山大石寺に参詣するだけですから……」
マリア:「うん、分かった。取りあえず、ルーシー達には上手く話しておく。だから鈴木の方は、勇太が何とかして」
稲生:「分かりました。因みに今、明日の新幹線のキップを買う所なんですけど、マリアさん達の分も買っておきますか?」
マリア:「いや、いい。どうせなら、私のだけ買っておいて」
稲生:「そうですか」
マリア:「ルーシーはともかく、他の2人が『男が買ったもの』だと分かると気持ち悪がるから」
稲生:「ああ、なるほど。分かりました」
稲生は電話を切った。
鈴木:「せんぱーい!」
稲生:「ん?」
鈴木:「マリアさんの分も買っておきましたー!」
稲生:「早いな!」
幸い、鈴木はマリアの仲間達が来ることまではまだ知らないようである。
〔いけぶくろ、池袋です。丸ノ内線、副都心線、JR線、西武池袋線、東武東上線はお乗り換えです。4番線の電車は、東武東上線直通、各駅停車、川越市行きです〕
マリアを東池袋駅まで送った稲生は、再び逆方向の電車に乗り込んで池袋駅まで戻って来た。
電車を降りると、急ぎ足で改札口まで向かう。
幸い駅からは歩いて行ける距離なので、アクセスは楽である。
藤谷:「はーい、御講に参加の方はこちらー!」
境内では藤谷が任務者を買って出ていた。
次々にやってくる信徒達を本堂に案内している。
藤谷:「……これを機に御受誡・御勧誡を考えている方はこちら!」
シーン……。
藤谷:「……ま、これが現実だ」
稲生:「好きですね、このネタ」
藤谷:「おっ、稲生君。いい所に来なすった」
稲生:「ん?任務者足りません?」
藤谷:「いや、そうじゃない。早いとこ、マリアさんの御受誡を!」
稲生:「殺されますって。ていうか、どうせ泥沼の20連敗なんだからいいじゃないですか、この際」
藤谷:「東京第三布教区ってのは、20ヶ月連続で誓願未達成の寺院が送られる所なのかね?」
稲生:「知りませんよ、そんなの!」
※あくまでフィクションです。
鈴木:「おはようございます」
藤谷:「おっ、鈴木君。おはよう」
鈴木:「あそこで参加券書けばいいんですか?」
藤谷:「ああ、そうしてくれ。稲生君も」
稲生:「はい」
鈴木:「顕正会のビデオ放映みたい」
稲生:「あそこも参加券書くね」
稲生と鈴木は参加券に記入した。
鈴木:「御供養も受付ですか?」
藤谷:「そう」
稲生:「顕正会の方がお金が掛からない?」
鈴木:「金の掛け方が違うだけですよ」
稲生:「それな!」
作者の場合、日蓮正宗に入ってから信仰の費用は掛かっています。
ので、顕正会員の主張する『顕正会は金が掛からない』については否定はしません。
多分、双方出世すると金が掛かるシステムなんだと思います。
つまり、ヒラのうちは大丈夫。
藤谷:「鈴木君は折伏の相手はいないのか?」
鈴木:「いますよ」
藤谷:「おおっ!で、やっぱり顕正会員?」
鈴木:「そうですね。でも、俺の上長達は今のところ無理ですよ」
藤谷:「何でだ?」
鈴木:「当時の隊長は職を失って現在ホームレス。宗門もホームレスは入信させないんでしょう?で、支隊長は現在服役中。ムショにまで折伏行けないでしょう?班長は車で事故って現在、植物状態。植物人間に折伏できますか?同じ組長の長谷川は、東武東上線に飛び込んでバラバラの肉片と。地獄界にまで折伏行けませんからね。組員の特盛はもうどこかの宿坊さんに御受誡してるんで。エリと一緒に」
稲生:「壮絶な組織だったんだねぇ、キミの所は……」
藤谷:「“慧妙”が喜んで記事にしそうだ。ま、とにかく中に入って待っててくれ。唱題でもしてるといい」
稲生:「そうします」
鈴木:「同じく」
[同日12:00.天候:晴 正証寺→JR池袋駅]
御講の他に各地区で集まった座談会なんかも終わった。
藤谷:「それじゃ明日、添書登山に行くんだな?」
稲生:「何か、そういうことになっちゃって……」
鈴木:「1人で行くより、知ってる人と行った方がいいですから」
藤谷:「それもそうだな。新幹線で行くのか?」
稲生:「そのつもりです」
鈴木:「本当は車で行きたかったんですが、魔の妨害がありましてね。オカンがぶつけて、現在修理中なんですよ」
藤谷:「考えようによっては、『車で行くと途中で事故るフラグが立っているから、新幹線で行ってもらう』という御加護かもしれないぞ?」
鈴木:「いつの間にかフラグが?」
多摩準急:「こいつら東名で事故らせて、お涙頂戴ストーリーにしようぜ」
雲羽百三:「これもネタの1つですな」
稲生:「か、カントク……」
鈴木:「分かりました!新幹線で行きます!」
藤谷:「それがいい」
鈴木:「先輩、新幹線のキップ買いに行きましょうよ!」
稲生:「どうせ自由席なんだから、当日でいいじゃないか」
鈴木:「そういう油断が魔の妨害を許してしまうのです。もしかしたら、券売機がブッ壊れてるかもしれませんよ?」
稲生:「いや、券売機1つ『調整中』なんて普通なくらいで……」
鈴木:「全部ですよ、全部!」
稲生:「分かったよ」
鈴木:「東海道新幹線はJR東海だから、東京駅のJR東海の券売機で……」
稲生:「いや、あの、JR東日本の券売機でも東海道新幹線のキップは買えるからね?」
稲生と鈴木は池袋駅に移動した。
鈴木:「ほら、先輩見てくださいよ!東海道新幹線のキップ買えない!」
稲生:「『黒い券売機』じゃなくて、指定席券売機のことを言ってるんだよ、僕は!」
藤谷班、ボケ役の鈴木とツッコミ役の稲生が確立しつつある。
で、稲生、キップを買う前にふと気づく。
稲生:「(あれ?そう言えばマリアさん、どうするんだろう?)ちょっと待ってて」
鈴木:「えっ?」
稲生はスマホを取り出した。
稲生:「もしもし、マリアさんですか?明日のことなんですけど、マリアさん達はどうしますか?」
マリア:「私達も富士山に行くから、途中まで一緒に行こう」
稲生:「分かりました。ただ、あの……その途中までは鈴木君も一緒なんですけど……」
マリア:「…………」
電話の向こうで絶句するマリアの姿がしっかり想像できた稲生だった。
稲生:「あくまで僕達は、日蓮正宗信徒して総本山大石寺に参詣するだけですから……」
マリア:「うん、分かった。取りあえず、ルーシー達には上手く話しておく。だから鈴木の方は、勇太が何とかして」
稲生:「分かりました。因みに今、明日の新幹線のキップを買う所なんですけど、マリアさん達の分も買っておきますか?」
マリア:「いや、いい。どうせなら、私のだけ買っておいて」
稲生:「そうですか」
マリア:「ルーシーはともかく、他の2人が『男が買ったもの』だと分かると気持ち悪がるから」
稲生:「ああ、なるほど。分かりました」
稲生は電話を切った。
鈴木:「せんぱーい!」
稲生:「ん?」
鈴木:「マリアさんの分も買っておきましたー!」
稲生:「早いな!」
幸い、鈴木はマリアの仲間達が来ることまではまだ知らないようである。