報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

本日の雑感 0127

2015-01-28 00:05:36 | 日記
虐待疑われうつに 通告を機に孤立する母親も(dot.) - goo ニュース

 今日もまた色々なことを呟き、そして他のブログにコメントさせて頂いた。
 くだらないことで、他の高尚なコメントをされている投稿者さん達に恥ずかしい限りである。

 さて、ここ最近、子供の虐待事件が相次いでいる。
 私のような非婚主義派には無関係の話だが、
「ダンナは要らないから、子供だけ欲しい」
 とのたまい、シングルマザーを選ぶ女達に上記記事を持って現実を突き付けてやろうというのが今日の趣旨だ。
 上記記事を読むに、いかにも被害者ヅラしているが、ツッコミ所がかなりあったので取り上げてみた。
 やっぱり、
「ダンナは要らないから、子供だけ欲しい」
 という女が如何に身勝手かというものだ。
 そもそもだ。
 普通、子供が、

>「助けてっ! ママに殺される」

 と言うだろうか。
 無論、マンガの世界ではよくある話だ。
 例えば初期の“クレヨンしんちゃん”など、主人公の野原しんのすけが、通園する幼稚園の園長先生に遠足の下見に連れて行ってもらおうとする際、わざと誘拐事件の被害者のフリして、園長先生を脅迫するシーンがある。
 件の記事の娘も小学生であることから、そういったマンガのキャラの真似をした可能性も無くは無いが、それにしたって、

>「ご近所に聞かれたら、虐待って思われるやろ!」

 と、うろたえていたことから、疾しいことがあったのは間違いない。
 普段から娘がいたずら好きで、オオカミ少年ならぬ、オオカミ少女だったとしたら、
「ウチの娘がまたホラ吹きよって、えろーすんまへん」
 と、余裕のある対応ができたはずだ。

 で、やはりご近所から児童相談所に通報があったらしい。
 クソの役にも立たないイメージがあるのだが、この記事で紹介されている所は比較的立派な対応をしていると言えよう。

>「児童相談所(児相)から来ました。お話、伺えますか?」

 うろたえていると、間髪入れずに言われた。

「虐待通告があったので」
「誰からですか?」
「それは言えません。守秘義務がありますから」
(はぁ? そんなん告げ口やん)

 怒りが顔に出たのが、かえって心証を悪くしたに違いない。(引用ここまで)

 至極当然のことだ。
 職員は恐らく、
(本当のことを言われたものだから逆ギレしたな。こりゃガチだ)
 と思ったことだろう。
 だいたい、告げ口されるようなことをしてるからだろってことだ。
 職員の方が正論だ。

>職員は冷たい声で通告内容を並べた。母親の怒鳴り声と汚い言葉、子どもが助けを求める泣き声――。すべて本当のことだ。だが、虐待なんてしていない。

 言葉による虐待も、ちゃんと存在します。

>「悔しいやら、情けないやらで。私みたいなのにかかわる時間があったら、本当に事件になってるところに行けよって思った」

 だから、本当に事件になってる所かもしれないって疑われたんだよ。
 なに他人のせいにしてるんだ!

>楽しみにしていた地域の夏祭りも夏風邪だと嘘をつき欠席。

 これは逆効果だ。
 むしろ積極的に出ていって、
「いやー、いつもお騒がせして、えらいすんまへんなぁ。ホンマ手の掛かるコやなもんで……」
 と、説明した方が良い。
 ヘタに隠すから、却って誤解される。

>「虐待ではないと通告者に伝えてほしい」と頼んだが、「虐待の有無など一切の情報はフィードバックしない」と言われ、愕然としたのだった。

 まあ、これも当然だろう。
 この時点ではギリギリ虐待ではないにしても、いつその越えてはならぬ一線を越えるか分からないからだ。
 そんな時、余計なフィードバックをしたせいで、それこそ『本当に事件になった』場合に通報の遅れに繋がる恐れがある。

 この記事、父親が一切登場しないことから、シングルマザーと見て間違い無いだろう。
 もしいるなら、件の記事のパターンだと、
「父親は仕事でいつも家におらず、頼れない」
 とか書くだろうに、それすらないということは……。
 無論、死別とか、その父親自体がもう【自主規制】でどうしようもないヤツだったので離婚して仕方なく……というのならしょうがない。
 それなら話はまた違った方向であるが、しかしこの母親の性格とか見ると、ダンナの方が逃げたパターンかもしれんな。
 或いは、最初の、『ダンナは要らないから……』のパターン。
 後者2つのパターンだと、同情の余地は無い。
 むしろ、父親のいない娘の方がかわいそうに思えて来る。
 だから、『ダンナは要らないから……』と抜かす女を見ると、張っ倒したくなる。
 そういった意味では、パラパラ茜さんは潔いと言え……え、なに?ダンナは要らないと言ってたけど、子供も要らないとまでは言ってないって?……ムムッ!?

 因みに、件の記事に登場する人達こそ、是非とも日蓮正宗にと思う。
 うちは某顕正会と違って小学生でも入信OKだし、意外と法華講でもシングルマザーはいるようなので、結構相談に乗ってくれるかもしれない。
 確か、それに関する体験発表をどこかで見たような気がする。

 今回紹介した新聞記事に登場した方々と同じ境遇にいらっしゃる方は、是非ともお近くの正宗寺院または法華講員まで御連絡願いたい。
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本日の雑感 0126

2015-01-26 22:09:28 | 日記
 ゆうちょダイレクトにログインしたはいいが、変な電卓みたいな機械を登録しようとして豪快に挫折。
 いちいち申込書に記入したテキトーな暗証番号なんざ覚えてねーよ!
 最初から全部書いとけってんだ!

 ……最近のデジタル化の波に、そろそろ付いて行けなくなりつつある感が出て来た私であった。

 さて、ここ最近、高い閲覧数を頂き、大変恐縮である。
 新しい小説の続きに注目されたのかと己惚れてみるが、取りあえず「序章」はあそこで終わりとさせて頂く。
 変な終わり方だが、あまりダラダラ長く続けるのもどうかと思うので、あそこで切らせて頂いた。
 新展開を考えているのだが、私の拙い技術でどこまで上手く表現できるか、正直不安なところではある。

 厳虎独白では、またもや学会員達が不毛な言い争いをしているようだ。
 顕正会員のブログで学会員が言い争うという、何とも禅問答的な展開だが、どうせまたお決まりのワンパターンだろうという流れを書き込んで、私からのツッコミとさせて頂いた。
 それにしても、バーズさん自身がそうだからなのか、そこの「お気に入り」先は胡散臭い所が多い。
 大東亜さんの所もその1つだったのだが、さすがに成りすましの可能性が低い顕正会員のパラパラ茜さんは切れなかったか。

 今週は多忙の週である。
 内容の薄い日記で申し訳無いが、今回はこれで勘弁して頂きたい。

 よくよく考えたら、ゆうちょダイレクトはお客様控えを探せばいいだけの話だな。
 まあ、紛失していなければの話だが。
 最近、手続きが猥雑化し過ぎてて、却って不便なように感じるのは気のせいだろうか。
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“新アンドロイドマスター” 「序章」 ファイナル 日本へ

2015-01-26 01:30:20 | アンドロイドマスターシリーズ
[1月26日09:30.イリノイ州シカゴ オヘア国際空港 レイチェル&コードネーム“ショーン”]

 イスラム武装過激派のテロの後ということもあって、CTAトレイン(シカゴ・L)の駅は警察官が巡回するなど、物々しい雰囲気になっていた。
 通勤客でごった返す中、2人は空港に到着する。
 日本の地方ローカル線よりも更に激しく揺れる電車に揺られたせいか、電車を降りてからも、何だか体が揺れている感じだ。
 オヘア空港はアメリカでも……世界でも有数の巨大な空港であるが故、結構迷いやすい。
 もしレイチェルが一緒でなかったら、ショーンは間違いなく迷っていたことだろう。
 航空券とパスポート片手に、手荷物検査場へ向かう。
 運行状況をタイムテーブルで確認したが、10時45分発のANA便は予定通り、フライトするようである。
 金属探知機を通過するのに緊張するが、ここはすんなりと通過。

 出発ロビーで搭乗を待つものの、待ち時間は結構長い。
「レイチェルは日本で、何をするつもりなの?」
「何って……あなたの送り届けよ。帰国するまでが任務なんだからね」
「その後は?」
「日本で待ち受けている、向こう側のエージェントに例の物を渡して報告。これは私の仕事だから」
「その後はまたアメリカに戻る?」
「んー、多分ね。結局私も組織の命令で動くものだから、別の国に別の任務で行くかもしれないし……。まあ、とにかく東京に着いたら、ショーンは報酬もらって、任務は終わりってわけ」
「そうか……」
「寂しがることはないわ。もしかしたら、また組織から声が掛かって、その時また会えるかもしれないし、あるいはまた別の新しい出会いがあるかもしれないわ。とにかく、日本に着くまでは一緒なんだから、それまでは……ね」

[同日10:50.ANA011便機内 プレミアム・エコノミー レイチェル&“ショーン”]

 突然の機材変更のアナウンスが流れ、ようやくショーン達が乗り込んだ時には、予定時刻を過ぎてしまっていた。
 だがどうやら機材変更は、ラッキーだったかもしれない。
 何故なら、ショーン達の席には個別のモニタが付いていたからだ。
「よし。これで、映画が観れる」
 と、ショーンはガッツポーズ。
 プレミアム・エコノミーは、さすがプレミアムなだけあって、シートは普通のエコノミーよりは広い。
 シートピッチに関しては、JR在来線特急の普通席くらいではないだろうか。
「ショーン、荷物を乗せるよ」
 預けた荷物以外に、持ち込んだ荷物をハットラックに乗せるレイチェル。
 結構重たいバッグなのだが、彼女はヒョイと持ち上げ、軽々と荷物をハットラックに乗せてしまった。
「レイチェル、結構力あるんだねぇ……」
「そう?」
 ショーン達の座席は進行方向左側の2人席。
「いよいよ、アメリカともお別れか……」
 窓側に座ったショーンは、名残惜しそうに窓の外を見る。
 が、あいにくと飛行機の真ん中辺りに位置する席ということもあってか、ちょうど翼の上付近だった。

 しばらくして、飛行機が動き出す。
 ヘッドホンからは、ボーカロイドの歌が流れてきた。
「本当にボーカロイド達は、どんどん新しい歌をリリースしていくなぁ……」
 ショーンが感心したかのように呟くと、
「そりゃ、ボーカロイドは歌うのが使命だからね」
 と、レイチェルが答えた。
 いい所で歌が途切れ、代わりに機内安全ビデオが流れる。
「ちぇっ……」
「まあ、使命を果たせないロボットは、ただのガラクタなわけよ。ボーカロイドで言えば、『歌えないボーカロイド』はただのガラクタってところかしら?」
「それは手厳しいな」
 ショーンは苦笑いした。

 飛行機は約20分遅れで離陸した。
 飛行機に乗り慣れていないショーンは、離陸時の重圧感が1番手に汗握るところだった。

[同日12:00.同機内 レイチェル&“ショーン”]

 離陸して水平飛行になってから、シートベルト着用サインが消えた。
 時折、まるで電車がポイントを通過するような揺れがあるだけで、それ以外は特に大きな揺れは無い。
 飲み物が配られると、レイチェルは例によって、水しか頼まなかった。
 で、昼時になると機内食が配られる。
 ビジネスクラス以上は一品一品配られるタイプだが、プレミアム・エコノミー以下は弁当のように一気に配膳される。
「へぇ!まさか、飛行機でソバが出るとはね!」
「さすがは日本の航空会社ね。……で、アタシは食べられないから、ショーン、アタシの分まで食べて」
「はは……そんなに食べれないよー」
 と言いつつ、レイチルの分、半分は食べたショーンだった。
 食べた後は、再び映画を観始める。
 映画観賞だけで日本へ行けるかと思ったショーンだったが、さすがに翌日の15時着(予定)では、観尽くしてしまう恐れがあった。
 ましてや離陸に時間が掛かったのだから、着陸も少し遅れるかもしれない。

 レイチェルは怪しまれないよう、時折はトイレに立った。
 しかし、そこで用を足すわけではない。
 化粧直しはするが、そこで組織との連絡もできないため(機内での無線使用は禁止)、ただ本当に時間調整をするだけであった。

 夕食も終わって、今度はゲームでもやって時間を潰す。
「おっ?」
 しばらくすると毛布が配られ、消灯の時間が迫っていることを実感する。
「どれ、歯ぁ磨いて寝るか」
「うん」
 レイチェルはショーンが席を立ったのを見計らうと、すぐに充電コードを繋いだ。
 それは毛布で上手いこと隠す。
 ショーンが戻って来た時には、機内は減光されていたので、バレることもないだろうと……。

[1月27日15:30.千葉県成田市 成田空港第1ターミナル “ショーン”]

 確かに飛行機は30分遅れとはいえど、無事に着陸した。
 レイチェルから労いの言葉と、ここから先の移動手段は電車ではなく、急遽、組織の用意した車に変更になったことが伝えられた。

 その後のことは覚えていない。

 どの位の時間、どこで、何をしていたのか……。
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“新アンドロイドマスター” 「序章」 8

2015-01-24 20:06:29 | アンドロイドマスターシリーズ
[1月25日09:00.イリノイ州シカゴ市内 レイチェル&“ショーン”]

「メディカル・チェックったって、随分と本格的なんだな……」
「そりゃそうでしょ」
 ショーンは1日の検査入院を余儀無くされた。
 その甲斐あってか、特に大きなケガも後遺症も無く、一晩で退院となったわけである。
 クリニックを出て、迎えの車に乗り込む。
「ああ、昨日はご苦労だった。2人とも」
 車の中で、件の黒服サングラスのエージェントと会う。
 昨日のエージェントは助手席に座っており、運転手は同じ恰好をした別の人間だった。
 ……いや、運転手も人間かどうかは分からない。
 しかし、ショーン達が乗り込むとすぐに車を走らせた。
「明日はいよいよ出国の日だ。昨日みたいなこともあったせいか、市内……特に市街地は物々しい雰囲気になっている。ショーン君においては、せっかく日本からのアメリカ旅行ということもあって、シカゴ市内の観光の1つでもしたいところだろうが、あいにくとこの状況だ。申し訳無いが、今日のところはホテルで待機してて欲しい」
「まあ、そうでしょうねぇ……。でも、お土産がまだなんだけどなぁ……」
「グッズくらいなら空港で買えばいい。大概の物は揃っているはずだ。キミ達はよくやってくれた。報酬アップを約束しよう」
「じゃあ、飛行機はファーストクラスね」
「それは却下だ」
「ぶーっ……」
 ふくれっ面するレイチェルに、
「ははは……」
 ショーンは苦笑いした。

 車は小一時間ほどで宿泊しているホテルに到着した。
「じゃあ退屈かもしれないが、趣旨を理解した上で従ってくれ」
「分かりました」
「貸与しているプラチナカードは滞在中、自由に使ってくれて構わない」
「ありがとうございます」
「何かあったら、すぐに連絡を。レイチェル、キミも分かってるな?」
「はいはい。もちろんですよー」
 ショーンとレイチェルは車を降りて、ホテルの中に入った。
「しかし、よく僕達のことが敵の組織にバレないもんだね。昨日のテロは、つい僕達の居場所を嗅ぎ付けた敵の組織かと思ったよ」
「アタシも一瞬、組織のミスを疑ったわ。でも、大丈夫みたいね。組織は敵に対して偽の情報をリークしているから、今頃アタシ達、とっくに別の国に飛んでることになってるかもよ」
「ふーん……」
 宿泊している部屋のフロアで、エレベーターを降りる。
「ま、明日の朝にはチェック・アウトだから、今日1日は部屋の中でおとなしくしてましょう」
「映画でも見てるか。確か、有料で映画が観れたはずだ」
「そうね。じゃあ、ポップコーンとコーラでも買ってくる?」
「えっ?」
「組織は『このホテルから出ないように』というお達しなわけで、『部屋から出るな』とは言ってないわけよ。まあ、それだと確かにショーンが食事に行けないから、そうも言えなかったんだろうけどね」
「なるほど。でも、コーラはともかく、ポップコーン売ってる?」
「自販機コーナーにあったじゃない」
「マジ?」
 日本で言うなら、カップラーメンの自販機代わりだろうか。
「私が行ってくるわ。ショーンは観たい映画探してて」
「うん」

 ポップコーンとコーラは、ショーンの分しか買ってこなかった。
「本当にいいのかい?」
「いいのいいの。見たい映画決まった?」
「ああ。映画だけで1日過ごしちゃうなんてねぇ……」

 観た映画は洋画だけではなく、邦画も入っている。
 その中でレイチェルが反応したのは、ボーカロイド達が出演している映画だった。
『初音ミクの消失』
 それ以外でも感動ものの展開があった映画はあったのに、これだけレイチェルがポロポロと涙を流したのであった。
(へえ……こういう所で泣くんだなぁ、レイチェルは……)
 と、ショーンは意外に思った。
 これとて確かに涙を誘うストーリーではある。
「何か、この主人公の男の子、ショーンに似てるね」
「そ、そうかな?」
 篠里朝乃という名の男子大学生。
 そしてショーンもまた日本では大学生である。
 ただ、さすがにアメリカでテロ事件を掻い潜るような経験はそうそう無いだろう。
「まだ、映画みたいにフィールド・テストやってる方がよっぽど平和的なような気がする」
「そうかもね。私なら、あの悪役の大学教授を鉢の巣にしてやるところだわ」
「ははは……。じゃあ、次はこの映画にしようか」
 ショーンは次のSF映画を選択した。

 その映画もまた人間そっくりなロボットが出て来る内容。
 人間だと思っていた彼女が爆弾テロに巻き込まれ、体の中から機械が出て来たのを見て、いわゆるメカバレするというもの。
 その映画にレイチェルは緊張した顔になった。
 そう、まるで、明日は我が身みたいな顔……。

 映画が好きなショーンのこと、何本も観ていたら、あっという間に時間が過ぎてしまった。
 時計を見たら、もうすぐ18時。
「いててて……。座り過ぎて腰が……」
「じゃあ、ベッドに横になって。アタシがマッサージしてあげる」
「レイチェルは腰が痛くならないのかい?」
「アタシは大丈夫よ。じゃ、うつ伏せになって」
「うん」
 ショーンは言われた通り、ベッドにうつ伏せになった。
「えーと、痛いのはこの辺りかしら?」
「そうそう。……ああうっ!」
「力加減はどう?」
「ちょ、ちょうどいい……です」
「ねえ。『初音ミクの消失』に出て来たヒロインの初音ミクって、いま日本では大ブレイクだそうね?」
「う、うん……」
「日本ではボーカロイドは全部、JARAこと日本アンドロイド研究開発財団っていう組織が所有・管理しているんですって」
「そうなんだ……」
「もっとも、今は最高幹部がテロ事件に関わっていた罪で逮捕されたせいで、ほぼ壊滅したって話だけどね」
「そうなの!?」
「ボーカロイド達が今後どうなるか分からないし、今放映されてる映画もライセンス契約がどうなるか分からないから、今観ておいて正解だったかもね。もしかしたら、もう2度と観れなくなるかもしれない」
「うわ!明日は『悪ノ娘』の映画版があったのに……」
「そうね。ファーストクラスかビジネスクラスだったら、各席に専用モニタが必ずあるから、そこで映画も観放題だったのにね」
「うっ……!」
「プレミアム・エコノミー以下だと、モニタが付いてるシートとそうでないシートが機種によってバラバラだから、運次第ってことになるわね」
「あるといいなぁ……」
(まあ、あったところで、ボーカロイドが出演してる映画をやってるかどうかも怪しいけどね)
 さすがにレイチェルはその言葉を飲み込んだ。

 その後、夕食を取りにレストランに行き、また戻って来たショーンにはご褒美が待っていた。
 既にシャワーを浴びて薄着になっているレイチェルが、性感マッサージをしてくれたのである。
 さすがにヤらせてはくれなかったが、ヌいてはくれたわけだ。
「滞在は今夜が最後だからね。さすがに日本に着くまでが仕事だから、セックスはムリだけど、これで我慢してね」
 レイチェルは耳元でそう囁いた。

 いよいよ、明日は日本に向けて出国である。
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“新アンドロイドマスター” 「序章」 7

2015-01-24 15:34:43 | アンドロイドマスターシリーズ
[1月24日16:00.イリノイ州シカゴ市街地のとある複合ビル レイチェル&コードネーム“ショーン”]

 エレベーターホールに向かう2人。
 途中にはテロリストに撃たれたと思われる死体が所々に落ちていた。
「ひでぇ……」
「早く何とかしないと、もっと大勢の血が流れることになるわね」
 エレベーターホールに行くと、1人の武装テロリストがライフルを片手に周囲を警戒していた。
 そこへ1機のエレベーターが到着する。
 テロリストは銃を構えるが、降りて来たのが仲間だと認識すると、すぐに銃を下ろした。
「どうだ?」
「上の邪教徒共の殆どは掃討された。ここは異常無いか?」
「異常無しだ」
「了解。俺は地下の様子を見て来る」
「了解だ。俺は指示あるまで待機している」
 エレベーターに乗って来たテロリストは、再びエレベーターに乗り込んで行った。
 と、そこへ、レイチェルが動いた。
「誰だ!?」
 テロリストがライフルを構える。
「バカね!近距離でのライフルは不利よ!」
 レイチェルはテロリストに体当たり。
「ぐわっ!?」
 レイチェルがスタンガンを持ってテロリストを気絶させたのなら分かる。
 だが、確かに電気のビリビリする音やら光はしても、レイチェルが手にそれを持っていたようには見えなかったが……。
「レイチェル、今、どうやった?」
「それより、あなたも武器を持って。コンバットナイフくらいは持てるでしょ?」
「あ、ああ……」
 レイチェルはテロリストからライフルとハンドガンを奪い取った。
「あとはこのエレベーターで……」
 だが、ボタンをカチカチ押しても全く反応しない。
「くっ……まさか電源を落とされた?」
「ええっ!?」
「しょうがない。他のエレベーターを探すか……」
 と、そこへ、レイチェルの目が光った気がしたショーン。
 まるで戦闘マシーンのようにライフルを構えて、
「この辺で声がしたぞ!」
「どこだ!?」
 テロリスト達が顔を出したところで、ライフルを発砲。
「ぐわっ!?」
 2人現れたテロリストの頭をレイチェルは正確に撃ち抜いた。
「れ、レイチェル!?」
「ショーン!こっちよ!」
 レイチェルは射殺した男2人の装備の中から武器・弾薬を奪い取る。
 それでライフルとハンドガンの弾をリロード。
「6階から搬入用エレベーターで屋上に行けるはず!」
「わ、分かった」

[同日17:00.複合ビル6F エレベーター付近ホール レイチェル&“ショーン”]

「神は偉大なり!全ての邪教徒共に死を!特に十字軍には地獄の制裁を!!」
 1人のリーダー格の男が声を上げると、周りのテロリスト達も銃を掲げて同調する。
 その向こう側に、屋上へ行くエレベーターがあった。
「ぅあちゃー……。こんな所で集会やってるなんて……」
 レイチェルは呆れた。
「とうする?他のエレベーター探して上に行く?」
「ちょっと待っててね……」

 だが、敵は待ってくれない。

「皆、我々は十分に戦った!アラーは我々を天国へと必ずや導いてくれることだろう!このビルを爆破する爆弾の準備が先ほど終了した!我が同胞達よ!天国では72人の美しい処女と酒や果物、肉を楽しむことができる!それは永久不変のものである!共に天国へ参ろうではないか!」
「はあ!?」
「全員ここで死ぬ気か……」
 2人は驚いた。そこで、
「じゃあ、のんびりもしていられないわね」
「どうするの?」
「排除するに決まってるじゃない」
「へ?」
 レイチェルはライフルを構えると、
「!!!」
 演説をしているリーダー格の男の頭を撃ち抜いた。
「あそこに邪教の者がいるぞ!」
「撃て!」
 レイチェルはそれまでに拾って来たありったけの手榴弾を一気に武装集団の中に放った。
 更にハンドガンでスプリンクラーのヘッドを撃って、スプリンクラーを作動させる。
(阿鼻叫喚の地獄だ……)
「ショーン!今のうちよ!エレベーターのボタンを押して!」
「わ、分かった!」
 ショーンは死屍累々のテロリスト達の死体を避けながら、エレベーターのボタンを押した。
 レイチェルがエレベーターが来るまでの間、重傷を負いながらも立ち向かってこようとするテロリストに反撃する。

 やっとエレベーターが来た時、既に銃を構えているテロリストは1人もいなかった。

[同日17:30.複合ビル屋上 レイチェル&“ショーン”]

「今思ったんだけど、怒られるのはアタシ1人で良かったのに、ショーンまで連れてきたものだから、あなたまでこんな貧乏クジ引かせちゃって。ごめんなさいね」
「いや、今さらいいよ。これもまた今さらだけど、世界中の人達がイスラムのテロの恐怖を更に知ることになるね」
「ええ。南米の極左ゲリラが、まるでパフォーマンスみたいよ。ある意味、いい宣伝だわ」
 その時、ドンと爆発音がしてエレベーターが大きく揺れる。
「きゃあっ!?」
「うっ?!だ、大丈夫か?」
 しかし幸いにもエレベーターは止まらず、上昇を続けている。
「どうやら、大爆発前の小爆発が始まったみたいね。残された時間は少ないわ」
「そのようだな」
 そして屋上に到着する。
 エレベーターから実際にUAVが保管されている場所まで通路を行かなくてはならなかったが、そこにテロリストがいることはなかった。
 屋上のヘリポートの近くにコンテナが置かれていて、その中にUAVが解体された状態で保管されていた。
「これね。あったわ。助かった」
「組み立てられる?」
「任せて」
 レイチェルがちゃっちゃっとUAVを組み立てる。
 本来これは遠隔操作で飛ばす無人飛行機なのだが、操作パネルを敢えて飛行機本体に搭載しているらしい。
 複座になっているので、2人乗りというわけだ。
「シートベルト、しっかり締めてね」
「うん」
「カタパルト式だから、一気に飛ぶわよ」
 ついに屋上のエレベーターへ通じる通路も爆発した。
「うわっ!」
 レイチェルの言う通り、一気に加速して離陸する小型ジェット機、
 直後、複合ビルが大爆発を起こして崩壊していった。
「間一髪だったわね!」
「で、でも、どこまで行くの!?」
「取りあえず、町の外れまでは飛ぶわ。そして、緊急脱出するから」
「は!?」
「普通に着陸なんかしたら目立つに決まってるでしょ!この飛行機が墜落しても人的被害の無い所まで飛んで行って、この飛行機から脱出よ!」
「マジか!」
 しかしショーンが驚いたのは、いくらレイチェルが組織のエージェントだからにしても、銃火器の取り扱いはもちろんのこと、UAVの組み立てから実際の操縦まで何でもできることだった。
「言ったでしょ?あなたは私が守るって。パートナーを死なせたんじゃ、エージェント失格だからね!」

 そして、町外れの原っぱまで来たところで、
「緊急離脱!」
「わあっ!?」
 シートが射出され、パラシュートが開く。
 飛行機は荒地に墜落した。
 その後、パラシュートで着地する。
「ひいいっ!」
「大丈夫!?ケガは無い!?」
 すぐにレイチェルが駆け付けた。
「だ、大丈夫……みたい」
「よし!」
「で、でも、どうやって帰るの?」
 付近には道路が1本通っているが、あまり車の通らない所らしい。
 が、何故かそこに1台のタクシーが止まった。
 ミニバンタイプのイエローキャブだ。
「2人とも、早く乗ってくれ!」
 それはテロ発生前、レイチェルに苦言を呈してきたエージェントだった。
 2人は急いで車に乗り込む。
「すぐにここから離れる!」
 エージェントはすぐに車を走らせた。
「た、タクシーの覆面ですか?よくこんな……」
「本物のタクシーだ。だが、こんなものこちらのルートで、どのようにでもできる」
「えっ?」
「言っただろ?こちらのサポート体制は万全だと」
 キラッとサングラスを光らせて言うエージェント。
「なーにがよ。イスラムの武装テロの侵入を食い止められなかったくせに」
 と、レイチェル。
「テロ集団は、突入するビルを間違えたのだ。反イスラム組織の入居するビルは、キミ達がいたビルの隣のビルだ」
「ええっ?」
「さすがに連中のミスまでは、こちらも想定できん」
「マジで……」
「とにかく、コードネーム“ショーン”のメディカル・チェックを行うので、まずは組織と提携しているクリニックに向かう」
「その方がいいわね」
「早く帰りたいのに……」
コメント (3)
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