報恩坊の怪しい偽作家!

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“新アンドロイドマスター” 「序章」 7

2015-01-24 15:34:43 | アンドロイドマスターシリーズ
[1月24日16:00.イリノイ州シカゴ市街地のとある複合ビル レイチェル&コードネーム“ショーン”]

 エレベーターホールに向かう2人。
 途中にはテロリストに撃たれたと思われる死体が所々に落ちていた。
「ひでぇ……」
「早く何とかしないと、もっと大勢の血が流れることになるわね」
 エレベーターホールに行くと、1人の武装テロリストがライフルを片手に周囲を警戒していた。
 そこへ1機のエレベーターが到着する。
 テロリストは銃を構えるが、降りて来たのが仲間だと認識すると、すぐに銃を下ろした。
「どうだ?」
「上の邪教徒共の殆どは掃討された。ここは異常無いか?」
「異常無しだ」
「了解。俺は地下の様子を見て来る」
「了解だ。俺は指示あるまで待機している」
 エレベーターに乗って来たテロリストは、再びエレベーターに乗り込んで行った。
 と、そこへ、レイチェルが動いた。
「誰だ!?」
 テロリストがライフルを構える。
「バカね!近距離でのライフルは不利よ!」
 レイチェルはテロリストに体当たり。
「ぐわっ!?」
 レイチェルがスタンガンを持ってテロリストを気絶させたのなら分かる。
 だが、確かに電気のビリビリする音やら光はしても、レイチェルが手にそれを持っていたようには見えなかったが……。
「レイチェル、今、どうやった?」
「それより、あなたも武器を持って。コンバットナイフくらいは持てるでしょ?」
「あ、ああ……」
 レイチェルはテロリストからライフルとハンドガンを奪い取った。
「あとはこのエレベーターで……」
 だが、ボタンをカチカチ押しても全く反応しない。
「くっ……まさか電源を落とされた?」
「ええっ!?」
「しょうがない。他のエレベーターを探すか……」
 と、そこへ、レイチェルの目が光った気がしたショーン。
 まるで戦闘マシーンのようにライフルを構えて、
「この辺で声がしたぞ!」
「どこだ!?」
 テロリスト達が顔を出したところで、ライフルを発砲。
「ぐわっ!?」
 2人現れたテロリストの頭をレイチェルは正確に撃ち抜いた。
「れ、レイチェル!?」
「ショーン!こっちよ!」
 レイチェルは射殺した男2人の装備の中から武器・弾薬を奪い取る。
 それでライフルとハンドガンの弾をリロード。
「6階から搬入用エレベーターで屋上に行けるはず!」
「わ、分かった」

[同日17:00.複合ビル6F エレベーター付近ホール レイチェル&“ショーン”]

「神は偉大なり!全ての邪教徒共に死を!特に十字軍には地獄の制裁を!!」
 1人のリーダー格の男が声を上げると、周りのテロリスト達も銃を掲げて同調する。
 その向こう側に、屋上へ行くエレベーターがあった。
「ぅあちゃー……。こんな所で集会やってるなんて……」
 レイチェルは呆れた。
「とうする?他のエレベーター探して上に行く?」
「ちょっと待っててね……」

 だが、敵は待ってくれない。

「皆、我々は十分に戦った!アラーは我々を天国へと必ずや導いてくれることだろう!このビルを爆破する爆弾の準備が先ほど終了した!我が同胞達よ!天国では72人の美しい処女と酒や果物、肉を楽しむことができる!それは永久不変のものである!共に天国へ参ろうではないか!」
「はあ!?」
「全員ここで死ぬ気か……」
 2人は驚いた。そこで、
「じゃあ、のんびりもしていられないわね」
「どうするの?」
「排除するに決まってるじゃない」
「へ?」
 レイチェルはライフルを構えると、
「!!!」
 演説をしているリーダー格の男の頭を撃ち抜いた。
「あそこに邪教の者がいるぞ!」
「撃て!」
 レイチェルはそれまでに拾って来たありったけの手榴弾を一気に武装集団の中に放った。
 更にハンドガンでスプリンクラーのヘッドを撃って、スプリンクラーを作動させる。
(阿鼻叫喚の地獄だ……)
「ショーン!今のうちよ!エレベーターのボタンを押して!」
「わ、分かった!」
 ショーンは死屍累々のテロリスト達の死体を避けながら、エレベーターのボタンを押した。
 レイチェルがエレベーターが来るまでの間、重傷を負いながらも立ち向かってこようとするテロリストに反撃する。

 やっとエレベーターが来た時、既に銃を構えているテロリストは1人もいなかった。

[同日17:30.複合ビル屋上 レイチェル&“ショーン”]

「今思ったんだけど、怒られるのはアタシ1人で良かったのに、ショーンまで連れてきたものだから、あなたまでこんな貧乏クジ引かせちゃって。ごめんなさいね」
「いや、今さらいいよ。これもまた今さらだけど、世界中の人達がイスラムのテロの恐怖を更に知ることになるね」
「ええ。南米の極左ゲリラが、まるでパフォーマンスみたいよ。ある意味、いい宣伝だわ」
 その時、ドンと爆発音がしてエレベーターが大きく揺れる。
「きゃあっ!?」
「うっ?!だ、大丈夫か?」
 しかし幸いにもエレベーターは止まらず、上昇を続けている。
「どうやら、大爆発前の小爆発が始まったみたいね。残された時間は少ないわ」
「そのようだな」
 そして屋上に到着する。
 エレベーターから実際にUAVが保管されている場所まで通路を行かなくてはならなかったが、そこにテロリストがいることはなかった。
 屋上のヘリポートの近くにコンテナが置かれていて、その中にUAVが解体された状態で保管されていた。
「これね。あったわ。助かった」
「組み立てられる?」
「任せて」
 レイチェルがちゃっちゃっとUAVを組み立てる。
 本来これは遠隔操作で飛ばす無人飛行機なのだが、操作パネルを敢えて飛行機本体に搭載しているらしい。
 複座になっているので、2人乗りというわけだ。
「シートベルト、しっかり締めてね」
「うん」
「カタパルト式だから、一気に飛ぶわよ」
 ついに屋上のエレベーターへ通じる通路も爆発した。
「うわっ!」
 レイチェルの言う通り、一気に加速して離陸する小型ジェット機、
 直後、複合ビルが大爆発を起こして崩壊していった。
「間一髪だったわね!」
「で、でも、どこまで行くの!?」
「取りあえず、町の外れまでは飛ぶわ。そして、緊急脱出するから」
「は!?」
「普通に着陸なんかしたら目立つに決まってるでしょ!この飛行機が墜落しても人的被害の無い所まで飛んで行って、この飛行機から脱出よ!」
「マジか!」
 しかしショーンが驚いたのは、いくらレイチェルが組織のエージェントだからにしても、銃火器の取り扱いはもちろんのこと、UAVの組み立てから実際の操縦まで何でもできることだった。
「言ったでしょ?あなたは私が守るって。パートナーを死なせたんじゃ、エージェント失格だからね!」

 そして、町外れの原っぱまで来たところで、
「緊急離脱!」
「わあっ!?」
 シートが射出され、パラシュートが開く。
 飛行機は荒地に墜落した。
 その後、パラシュートで着地する。
「ひいいっ!」
「大丈夫!?ケガは無い!?」
 すぐにレイチェルが駆け付けた。
「だ、大丈夫……みたい」
「よし!」
「で、でも、どうやって帰るの?」
 付近には道路が1本通っているが、あまり車の通らない所らしい。
 が、何故かそこに1台のタクシーが止まった。
 ミニバンタイプのイエローキャブだ。
「2人とも、早く乗ってくれ!」
 それはテロ発生前、レイチェルに苦言を呈してきたエージェントだった。
 2人は急いで車に乗り込む。
「すぐにここから離れる!」
 エージェントはすぐに車を走らせた。
「た、タクシーの覆面ですか?よくこんな……」
「本物のタクシーだ。だが、こんなものこちらのルートで、どのようにでもできる」
「えっ?」
「言っただろ?こちらのサポート体制は万全だと」
 キラッとサングラスを光らせて言うエージェント。
「なーにがよ。イスラムの武装テロの侵入を食い止められなかったくせに」
 と、レイチェル。
「テロ集団は、突入するビルを間違えたのだ。反イスラム組織の入居するビルは、キミ達がいたビルの隣のビルだ」
「ええっ?」
「さすがに連中のミスまでは、こちらも想定できん」
「マジで……」
「とにかく、コードネーム“ショーン”のメディカル・チェックを行うので、まずは組織と提携しているクリニックに向かう」
「その方がいいわね」
「早く帰りたいのに……」

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3 コメント

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Unknown (ANP)
2015-01-24 19:31:41
http://www.jrniigata.co.jp/Scripts/press/2015sinetuevent.pdf#search='%E6%87%90%E3%81%8B%E3%81%97%E3%81%AE%E5%9B%BD%E9%89%84%E8%89%B2DC'

キハ40の急行色がここにも来ましたwまぁしゃあないですけどね・・・

それとみのり号を復活させるなら赤倉号も車両違ってもいいから復活させてほしかった・・・
返信する
Unknown (ANP)
2015-01-24 19:37:59
http://www.westjr.co.jp/press/article/items/150123_01_icoca.pdf
http://www.westjr.co.jp/press/article/items/150123_02_icoca.pdf
http://www.westjr.co.jp/press/article/items/150123_03_icoca.pdf

大手私鉄がICOCA発売とは・・・まぁ京阪と近鉄が発売してますが。
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ANPさんへ (作者)
2015-01-24 20:05:53
 いわゆる遜色急行というヤツですな。
 JR九州みたいに特急並みの改造を受けたヤツならいいんですが、今時リクライニングもしない座席で特別料金取るのはねぇ……。

 ICOCAを私鉄が販売してもいいでしょう。
 逆に今はICカードの種類が多過ぎるくらいですから、統一に向けた動きをしてもいいような気がします。
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