報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“ユタと愉快な仲間たち” あとがきに代えて。

2015-01-19 19:55:33 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
 昨日のエピローグで、取りあえず“ユタと愉快な仲間たち”は完結です。
 最後までお付き合い下さった方、ありがとうございました。
 未だ誤字があったり、伏線が回収しきれていなかったりと、本当に素人の書いたものだなと改めて認識させられてしまいました。
 終わり方を見て、これはまた続けられるなといったキャラクターばかりです。
 それまで主人公を務めていた稲生ユウタが再び主人公となって、見習魔道師の奮闘記みたいな感じでもいいですし、藤谷春人で武闘派法華講員の日がな一日みたいな感じでもいいですし、エリート獄卒キノの華麗なる本庁勤務みたいな感じでも、どうでも作れるわけです。
 いずれ短編でもいいからやってみたいですね。
 そうそう。
 本編では語れなかった、『あの時、あの人物はそう考え、そう行動していた』みたいな外伝的なものはやってみたいと思います。
 結構私の作品、別行動を取るキャラクター達が多かったですからね。
 まあ、いずれ気が向いた時にでも書かせて頂きます。

 さて、今まで登場した人物の中で、作者として思いが強かったのは誰かと申しますと、実は主人公の稲生ユウタではありません。
 イリーナ・レヴィア・ブリジッドです。
 なので、彼女が1番セリフが多いという……。
 男性キャラではキノですね。
 だから彼もセリフが多いw
 この2人、どちらかというとムードメーカー的な役割を果たしていました。
 “アンドロイドマスター”ではシンディがその役割を行ったのと同じように、ムード―メーカー的なキャラクターは作者にとってもありがたい存在なのです。
 だから作者も、思い入れが強いのかもしれません。
 あなたの組織にはムードメーカーさんがいらっしゃいますか?
 存在されていれば、その組織は安泰でしょう。
 だから、彼らの結束も強かったのです。

 あいにくと法華講には、なかなかそんな人いないでしょう?
 少なくとも、私がお世話になっていた、もしくはなっている所にはいませんでしたね。
 だから、主人公には脱講して頂いたわけです。
 まあ、稲生ユウタの所には藤谷春人というムードメーカーみたいなのはいましたが。
 藤谷のようなキャラクター、なかなか法華講にいないでしょう?
 日曜日に班員に激励しながら、競馬をやる人って……ねぇ?
 でも、藤谷みたいな人が1人いてもいいような気がするのですが。
 “ユタと愉快な仲間たち”は、私の宗門に対する気持ちが実は結構入っていたりします。

 今度は宗教色の無い別の作品の続編でも考えてますので、まあ、大丈夫でしょう。

 改めまして、ありがとうございました。
コメント (4)
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“ユタと愉快な仲間たち” 「彼らのその後……」

2015-01-19 02:12:11 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
 藤谷春人:

「……だからね、ブルーさんよ。何度も言ってるように、浅井会長の誓願破りは今に始まったわけじゃないのよ。というわけで、顕正会を辞めるなら今のうちなわけ。……」
「ああっ!?俺様は難しいことなんて分かんねーよ!ああっ!?」
 精力的に日蓮正宗法華講での信心を続けている。
 ユタの勧解は叶わず、相変わらず都内の末寺で班長を続けている。
 最近になって、再び顕正会男子部員に対する集中的な折伏を始めたもよう。
「……僕、顕正会辞めます!」
「ああっ!?テメー!センセーを裏切るのかよ!?ああっ!?」
 まだ大学に入ったばかりだという男子学生は、意を決したかのように言った。
「お応えするのはセンセーとやらではなく、大聖人様ね。はいはい、ブルーさんよ。阻止したかったら、こっちの質問に答えてくださいよ?」
「重箱の隅つついてんじゃねーぞ、ああっ!?」
 尚、仕事面においては、
「ブルーさんは功徳あるのかい?オレは親父の会社を手伝って、今は富士宮営業所の所長やってるけど、仕事の受注が順調で業績も上がってるぜ?」
「うう……」(←昨年の冬のボーナスは会社の業績不振でカット)
「おまけに、結婚も決まったんだけどな?」
 スマホの写真を見せる藤谷。
 氷奈とツーショットで写り、満面の笑みを浮かべる。
「うう……。美人じゃねーかよ。グスン……」(←ついこの前、キャバ嬢にフラれた)
 大功徳に恵まれているようである。

 蓬莱山鬼之助:

「あの王国、意外に力あるんだな……」
 実家にて獄卒の制服に着替えるキノ。
 黒い袴の帯紐を締め、新しい刀を腰に差す。
「鬼之助、早よせんと遅れるで!」
 自室の外から長姉、美鬼の声が聞こえる。
 ついでに、
「兄貴、迎えの車が来てるぞ」
 次男の鬼郎丸も呼びに来た。
 鬼郎丸もまた高等教育を受けた後は獄卒採用試験を受験し、無事に合格。
 かつてキノが着ていた制服と同じ恰好をしている。
「今、行くって」
 キノが来ている真新しい着物は、それまで着ていたものとは若干デザインが異なっている。
「さすがアニキ!カッコいい!閻魔庁入庁おめでとう!」
「コネ入庁なんて、カッコ悪いぜ……」
 照れたように頭をかくキノ。
 迎えの高級車に乗り込んだ。
 キノはアルカディア王国からの推薦状を受け、閻魔庁の庁内勤務が決定した。
 一部の幹部しか登用されない、エリート官僚のようなものである。
「そんなことないって。アニキの実力だよ」
「じゃあ、行ってらっしゃい」
 栗原江蓮が見送りに来ると、
「おう!」
 ビシッとなるのだった。

 栗原江蓮:

 高校卒業後は大学に行かず、今はキノの家で過ごしている。
 キノは江蓮と結婚したがっているが、まだそこまでには至っていない。
 しかも、いつも入り浸っているわけではなく、
「江蓮ちゃん、キノがおらん間は家に帰ってええんよ?別に、実家を捨てる必要は無いんよ?」
 美鬼の言葉に、
「ありがとうございます」
 というわけで、実質的に実家とキノの家を往復してるといった感じだろうか。
「鬼郎丸、江蓮ちゃんを送ってあげて。せっかく車の免許取ったんやき」
「了解。じゃあ、こっちに」
「お願いします」
「またいつでも遊びにおいで。キノも忙しゅうなって、人間界に遊びに行けんき」
 少なくとも、蓬莱山家では歓待されているようだ。
「はい」

 蓬莱山魔鬼:

「……蓬莱山真希!」
「は、はい!」
 魔鬼は希望通り、人間界の高校への進学が決定した。
 それも、共学である。
 だから、あいにくと江蓮の後輩というわけではない。
 但し、本名の魔鬼ではなく、読み方はそのままで、人間でも使われる名前を通名として使用している。
 入学式では緊張したものの、
(うん。やっぱり、美味しそうな人間の男がいっぱい……!)
 入学の目的は忘れていないようだ。
 こちらでは、一波乱あるかもだ。

 アルカディア王国関係:

「女王様、万歳!」
「ルーシー様ぁ!」
 魔王城のバルコニーで民衆に対し、手を振るルーシー。
 着ているドレスは黒を基調とし、王冠代わりに頭に着けているティアラはコウモリをイメージしたものが、いかにも魔王であることを物語っている。
 但し、ルーシーに国旗を振る民衆は、人間も魔族も平等に入り乱れている。
 横に立つ首相の安倍、SPでエルフ族のサイラスも、あの内戦で生き残った。
 今年からはサイラスの妹リーフもSPとしての訓練を受け、それを修了次第、ルーシー専属メイドを卒業し、専属SPとなる予定である。
 ここに来た当初は魔界民主党と魔界共和党との民共内戦終結直後で、亜人や魔族を徹底的に弾圧した民主党の私兵達により、まだ初潮が来たばかりの幼い体を凌辱され、言葉も話せなくなるほどの精神的なダメージを受けていたが、今では見違えるほどに回復かつ凛々しく成長し、日々訓練を受けている。

 一方、ルーシー達が一般参賀を行っている最中、城内のトイレでは……。
「ハァハァ……ハァハァ……!」
 共和党理事のグリーン横田が……。
「ハァァァァ……ッ!」
 くすねたリーフの使用済みパンティを……って、相変わらず(別の意味で)元気にやっているようだ。

 大師匠ダンテ・アリギエーリ&大魔王バァル(ウェルギリウス):

「うん。ここは少し、スライス気味に攻めてみるかな」
 グリーンの上のボールをパターで打つ大師匠。
 見事、カップに入れる。
「よーし!バーディだ!」
「お前はいつもイヤらしい攻め方をするな」
 得意げにカップの中からボールを取り出す大師匠に呆れた顔をするバァル。
「まさか本当に、こんな何もない世界にゴルフ場を造るとは……」
「何も無い世界だからこそ、自由に作ることができる。正に、キミの望むことだよ。こういう余生もいいもんだろ?」
「それはそうだが……。ああ、今度のコースからは別の参加者も一緒にプレイするぞ?」
「で、誰?」
「閻魔大王に地獄界の政権を取られてヒマを持て余しているバサラ王だ」
「それはいい!同じ落伍者同士、楽しくやろう」
 老翁達で集まり、冥界なる場所で悠々自適の生活を送っているらしい。

 威吹邪甲&さくら:

 威吹達は王国に望んだ通り、アルカディア王国の外れに神社を建ててもらい、そこで暮らしている。
 神体を安置する場所には、威吹がドンと座っているらしい。
 ユタの前では第一形態だった姿も、さくらの前では第二形態という本当の妖狐の姿になっていた。
 その姿で出会い、お互いに惹かれたからである。
 400年ものブランクを埋める為に、毎日、さくらが本殿に通う形で過ごしているという。
 気持ちの入れ換えのつもりなのか、はたまた魔界では帯刀の制限が無いからなのか、威吹は腰まであった銀色の髪を肩の所で切っている。
 そのイメチェンぶりは、同じく腰の所まである黒髪を持つキノの食指を動かしたらしく、
「オレも切ろうかなぁ……」
 と、江蓮の方をチラチラ見ながら迷わせるほどのようだ。

 稲生ユウタら:

 ユタの手元には、威吹とさくらが写った写真をインクジェットにしたハガキが届いている。
 見慣れない第二形態の、狐耳を頭から生やした状態で尚且つ髪を切った姿はまるで別人のようで、ユタは一瞬誰かと思ったが、そこは長い付き合い、すぐに威吹と分かった。
 照れ笑いを浮かべる、巫女装束を着たさくらの肩をガッチリ抱き、満面の笑みを浮かべて写真に写る威吹は幸せそのものだった。
「威吹のヤツ、良かったなぁ……」
 今度、是非遊びに来てほしいということが文面に書いてあったが、
「ユウタ君!昼休みは終わりよ!早く来て!」
「あっ、はい!」
 魔道師の修行の真っ最中のユタには、そんな時間はしばらく無さそうだ。
 だから返事には、
『さくらさんとの間に子供ができたら、遊びに行かせてもらうよ。新婚生活楽しんで』
 と、書いておいた。
(そう言えばキノのヤツ、『イブキに(結婚の)先越された!』って言ってたもんな……)
 イリーナの後をついて行くユタ。
 ユタは大学卒業後、イリーナの弟子になった。
 つまり、マリアの弟弟子ということでもある。
 今は家を出て、長野のマリアの屋敷に住み込んで修行を積んでいる。
 大師匠から何としてでも男手を育てよという厳命があったのと、イリーナ自身に残された時間的余裕の無さからして、結構修行は厳しいものだった。
 しかし24時間みっちりというわけではなく、休憩時間もあるし、休日もあったりする。
「明日は日曜日で休みだから、その時はマリアと楽しくやっちゃっていいからね」
「は、はい」
 普段の生活からして厳しい指導を入れるポーリンと違い、修業時間以外は結構フランクなイリーナなのであった。
 弟子同士の恋愛についても、特に制限を設けるつもりは無いようだ。
 因みにポーリンとエレーナだが、イリーナが新しい弟子(ユタ)の育成に忙しくなったと見るや、魔界に拠点を移し、宮廷魔道師への登用を売り込んでいるそうである。
「で、来週からは弟子同士のフォーメーションの為に、マリアと同じ部屋で過ごしてもらうから」
「へ!?」
「だーいじょーぶだって。ホテルのツインルームみたいに、さすがにベッドは別々だから」
「い、いや、そういう問題では……ええっ!?」
 魔道師の修業は厳しいものだが、決して辛いことばかりではないようだ。

 それぞれ始まる、それぞれの新しい人生。そして始まる、それぞれの物語。

 それは魔道師が持つ、厚い魔道書一冊では到底収まり切れないほどの長い内容。

 間に栞が挟まれた途中の物語。

 その先の内容は、魔道師達ですら計り知れない。

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 “ユタと愉快な仲間たち” 完
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