報恩坊の怪しい偽作家!

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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「超ロボット大戦」

2021-01-12 11:44:41 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[12月13日20:00.天候:不明 栃木県日光市某所 旧・日本アンブレラ地下実験場]

 実験場の更に下、広い研究施設のような場所にリサはいた。
 大きなガラス製のポッドの中に入られている。
 私はリサを助けようとそこに近づいたが、その時、上から何か音がした。
 高橋が気づいて、上を向くと、そこにいたのは……。

 ガスマスク:「よくやった。ここまで来れたのは、キミ達が初めてだ。実に素晴らしい」

 上の実験施設で私達を罠に掛けたガスマスクの男だった。
 私達に讃嘆の言葉を浴びせながら拍手をしている。

 愛原:「お褒めに預かり、ありがとう!賞品はそこにいるリサと、俺達の安全な退路でいいな!?」
 ガスマスク:「それはもちろんだとも。但し、その前にもう1つ、実験データの収集に協力してもらう。賞品はそれからだ」
 愛原:「その前に俺からも質問させてもらおう!オマエは誰だ!?俺達のことを知ってるみたいだな?」
 ガスマスク:「アンブレラの者だ。もちろん、赤い方だ」
 愛原:「名前を名乗る気は無いということか」

 “青いアンブレラ”でさえ胡散臭いのに、ガチの“赤いアンブレラ”を名乗るとは……。
 ここで射殺しても、善場主任は何も言わないんじゃね?

 愛原:「高野君だったら、ライフルでヤツを狙撃してくれるだろうにな……」
 高橋:「俺がやりましょうか?」
 愛原:「でも肝心のライフルが無い」
 高橋:「マグナムで何とかなりますよ」
 愛原:「いや、いい。キミはもう2度と拘置所に入るべきではない」

 その時、施設の大きなシャッターが開いた。
 そこから入って来たのは、赤い彗星のシャア……もとい、何だか赤い某モビルスーツによく似たロボットだった。

 ガスマスク:「日本アンブレラの誇るセキュリティ兵器、スーパーガンナーだ。これと戦って勝ってもらおう!」
 愛原:「BOWじゃないじゃん!?おい!作品間違えて無ェか!?」
 高橋:「“アンドロイドマスター”の方っスよね!?」
 ガスマスク:「“ファイナルファンタジーⅦリメイク”でも、およそファンタジーには似つかわしくないロボット兵器がわんさか登場するのだ。何も問題はあるまい?」
 愛原:「FFじゃなくて、バイオハザードだろ!?」

 スーパーガンナー:「IDガ確認デキナイ場合、不審者ト見做シマス」
 愛原:「IDだぁ!?こっちにはゴールドカードが……」

 あ、アカン!
 ゴールドカード、リサが持ってるんだった!

 スーパーガンナー:「不審者ト認定。掃討シマス」
 愛原:「いきなり掃討かよ!」

 スーパーガンナーは両手をガトリング砲に換装し、私達に向けて集中砲火を浴びせた。

 愛原:「ガチだぞ、これ!」

 私達は物陰に隠れて、銃撃をかわす。
 当然ながらロボットは2足歩行で移動できる。

 ガスマスク:「どうした?逃げてばかりいては、何もできんぞ!」
 高橋:「うるせぇ!せめてタイラントと勝負させやがれ!」
 愛原:「た、タイラント!?タイラントかぁ……。うーん……」

 確かにタイラントが弾避けになってくれれば、何とかなりそうな気がする……。
 しかし、ドアには鍵を掛けてしまったからなぁ……。
 くそ!こんなことなら、鍵を掛けなければ良かっ……。

 ズドォォォン!

 愛原:「ん!?」

 その時、壁をぶち破って現れた者がいた。

 スーパータイラント:「ウォォォォッ!!」
 愛原:「た、タイラントだ!?」

 さっきのヤツか!?
 しかし、明らかに様子が違う。
 胸に取り付けられている制御装置が無い。
 帽子は無くなり、服の上半分も焦げて無くなっている。
 どうやら、さっきの爆発に巻き込まれたタイラントで間違い無いようだ。
 だが制御装置が外れているということは、暴走状態ということだ。
 ということは……。

 ガスマスク:「なにっ!?タイラントだと!?あの時、脱走したヤツか!」

 ガスマスクも困惑している。
 どうやら向こうにとっても想定外のことが起きていたようだ。

 スーパーガンナー:「IDガ確認デキナイ場合、不審者ト見做シマス」
 スーパータイラント:「ウォォォォッ!!」

 スーパータイラントは銃撃を止めたスーパーガンナーの右側の砲身を掴んだ。

 スーパーガンナー:「不審者ト認定。掃討ヲ開始シマス」

 スーパーガンナーは残った腕のガトリング砲を、今度はマグナムに換装した。
 それでスーパータイラントの頭に2発撃ち込む。
 が、そんなんで倒せるほどスーパータイラントは弱くない。
 名実ともにラスボスを張ったヤツなのだ。
 スーパータイラントは右側の砲身をへし折った!

 愛原:「さすがだ、タイラント!高橋、今のうちに行くぞ!」
 高橋:「はい!」

 私達は急いでリサのポッドに向かった。

 愛原:「リサ、大丈夫か!?」
 リサ:「先生……」

 さすがにこの騒ぎともなると、リサも目を覚ましていた。

 愛原:「待ってろ!今開けてやるぞ!」

 私はポッドの操作パネルの前に立った。
 パッと画面に何か現れる。
 すぐに私はポッドの開放操作を行った。

 愛原:「『パスワードを入力してください』だって!?パスワードは何だ!?」
 ガスマスク:「それくらい自分で探したまえ。名探偵、愛原学君」

 ということは、近くにパスワードが分かる物があるのか?

 高橋:「先生、危ない!」

 高橋が私を抱えて、ポッドの前から退避させた。
 直後、スーパータイラントに投げ飛ばされたスーパーガンナーがポッドに直撃した。

 愛原:「おいおいおい!リサが巻き込まれただろ!?何てことするんだ!?」

 スーパータイラントは暴走状態なので、もはやリサのことなんかどうでも良いのかもしれない。
 スーパーガンナーも暴走気味なのか、もうメチャクチャにガトリング砲やらグレネードランチャーを発砲している。

〔異常発生、異常発生。当施設に重大な異常が発生しました。証拠隠滅の為、自爆します。関係者は直ちに外部へ避難してください。繰り返します。……〕

 それはスーパーガンナーではなく、施設内のスピーカーから聞こえて来た。

 愛原:「はい!?」
 ガスマスク:「時間切れだよ、愛原君。『汝、一切の望みを捨てよ』」
 愛原:「オマエ、本当にアンブレラか!?ヴェルトロじゃないのか!?」

 2005年に暗躍した宗教テロ組織。
 しかし、FBCのマッチポンプ劇場のピエロにされて壊滅した。

 ガスマスク:「生きていたら、また会おう」

 ガスマスクは自分だけ非常口から出て行った。

 高橋:「おい、待てや、ゴルァッ!!」

 高橋はその非常口に向かって何発か発砲するが、遠かった為か、ドアにすら当たらなかった。

 リサ:「先生、大丈夫!?」
 愛原:「リサ!?」

 ポッドが破壊されたことで、リサがそこから脱出してきた。
 しかし普通の人間だったら、ヘタすりゃ死んでいただろう。
 そこはさすがBOWといったところか。

 愛原:「あとはこいつらにプロレスさせて、俺達も脱出だ」

〔自爆装置プログラム、第2フェーズに移行します。当フェーズ以降、このプログラムを停止させることはできません。関係者は直ちに屋外へ避難してください。繰り返します。……〕

 私達はさっきのガスマスクが出て行った非常口に向かった。
 梯子を上がろうとするが、その時、スーパーガンナーが私達に発砲してきた。

 愛原:「なにっ!?」

 プロレスは終わったようだ。
 スーパータイラントの負けだったようである。

 愛原:「くそっ、ここまで来て……!」

 その時、私はすぐ近くの道具箱にグレネードが何個が入っているのを確認した。
 行って見ると、それぞれ1種類ずつ3個ほど入っていた。
 どれを使う?

 1:閃光手榴弾
 2:BOWデコイ
 3:電撃グレネード

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