報恩坊の怪しい偽作家!

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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「リサの誕生日」

2023-01-29 15:38:17 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[10月1日09時00分 天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原のマンション]

 リサ「いよいよ今日、17歳になります」
 愛原「うん、おめでとう」

 リサは朝食のトーストに齧り付きながら言った。

 高橋「見た目は13~14歳くらいだけどなw」
 リサ「お兄ちゃん!」
 愛原「だが、それがいい」
 高橋「先生!?」
 リサ「先生はロリババァが好きなんだもんね。わたしがGウィルスを保有している間は、ずっとそれが叶うんだもんね。変態w」
 高橋「おい!先生に何てこと言うんだ!」
 愛原「いや、ハハハ……。まあ、半分くらい当たってるから」

 リサには直接言ってないが、恐らく今の技術を持ってしても、体内のGウィルスを完全に消すことは不可能だろう。
 アメリカのシェリー・バーキン氏や、日本の善場主任みたいに、『体が化け物に変化しない程度に弱体化させることで、ほぼ人間同然とする』のが現実的ではないかと思う。
 アンチエイジングの効果が高過ぎるという副作用はあるが。

 リサ「それより今日は、連れて行って欲しい所がある」
 愛原「分かってるよ。ちょうど、高橋も友達と出かけるっつーから、ついでに乗せてもらうよ」
 高橋「サーセン。昔の、新潟時代の仲間が『東名を爆走したい』っつーもんで……」
 愛原「週末の東名なんて、渋滞当たり前で爆走できる余裕は無いと思うがな……」
 高橋「東名を走るというステータスが欲しいんだと思います」
 愛原「まあ、分かったよ。楽しんでこいよ」
 高橋「あざーっス!」
 愛原「但し、くれぐれも警察の御厄介になることの無いようにな?」
 高橋「わ、分かってます!」

 それから1時間ほどして、リサは学校の制服に着替えた。

 愛原「どうして制服なんだ?」
 リサ「画家の南原さんの話次第では、わたしも学校に行くから」
 愛原「そうなのか。じゃあ、俺もネクタイくらい着けるかな」
 高橋「先生!そろそろ、仲間が迎えに来ます!準備はいいっスか!?」
 愛原「ああ、頼むよ」

 案の定というか、新潟ナンバーの走り屋仕様の車が現れた。
 かつて新潟に行った時に世話になったメンバーとは、また別のメンバーだという。
 さすがに新潟の時、全員が集まったわけではないということで。

 愛原「俺達が新潟に行った時、走り回ってた人達?」
 高橋「はい。あん時は、遠征で山形まで行ってたそうです」
 佐藤「佐藤ッス!マサさんの先生、今日はよろしくオナシャス!」

 新潟に行った時にも佐藤という人物がいたが、その佐藤とはまた別人。
 新潟は佐藤という苗字が多い(のに乗じて、在日朝鮮人が通名で『佐藤』を使い、紛れ込んでいるので注意が必要である)。
 愛原「いや、途中の銀座まで乗せてくれればいいんだよ」
 高橋「どうぞ。先生は後ろに乗ってください」
 愛原「ありがとう。チェイサーのツアラーVに乗るの、久しぶりだな」
 高橋「でしょう?」
 佐藤「たぬき顔の中学生は、マサさんの女っスか?」
 リサ「た、たぬき顔……!」
 愛原「いや、誉め言葉だからね、リサ!?」

 あー、確かに。
 リサの場合、どちらかというと、キツネ顔ではなく、タヌキ顔だ。

 リサ「中学生じゃなーい!!」
 佐藤「えっ、違う!?」
 愛原「こう見えて、女子高生なの」
 高橋「紛らわしい見た目してるからだぜ。気にするこたぁ無ェよ」
 佐藤「は、はい」

 私達はリアシートに乗った。
 他にも仲間の車、ホンダのアコードの改造車とか、ランエボなんかもいたりする。
 私達が乗るので、佐藤の車に乗っていた別の仲間は、ランエボの方に乗って行った。

 愛原「道分かる?」
 佐藤「カーナビ付いてますんで。住所オナシャス」

 カーナビ搭載の走り屋……w
 いや、別にいいんだけど、何かイメージ的にミスマッチというか……。
 私は東銀座駅を入力した。

 高橋「東銀座駅でいいんスか?」
 愛原「いいんだ。そこで、桜谷さんと待ち合わせしてるし、そこから個展は歩いて行ける距離だ」
 高橋「分かりました。それじゃ、出発します。おい」
 佐藤「へい!」

 佐藤はマニュアルシートのギアを入れると、改造したマフラーを吹かしながら車を発進させた。
 後ろから、仲間の車も付いてくる。
 共同危険行為系のように、『竹槍』『出っ歯』が付いているわけではないが、それでもアホみたいにデカいウィングが付いていたり、車高をローダウンしていたりする。
 そして、ギアチェンジの際に、ボヒュウッという音がするのも特徴であった。

[同日10時15分 天候:晴 東京都中央区銀座4丁目 東銀座駅前→同区銀座2丁目 南原清士個展会場]

 車はカーナビと高橋の補助もあってか、迷うことなく、東銀座駅の前に着くことができた。

 愛原「ありがとう!」
 高橋「いえ。お役に立てて、何よりです」
 愛原「じゃあ、気を付けて行けな」
 高橋「はい。あざーっス!」

 高橋達はこの後、首都高に乗って東名高速を目指すという。
 恐らく、この近くにある銀座料金所から都心環状線に入るものと思われる。
 都心環状線と言えばルーレット族が有名だが、ちょっとそれを体験して、それから……といったところだろうか。

 愛原「あまり無理な走りはしないように」

 私はそう念を押して、車を降りた。
 一旦、地下鉄の駅に入るのは、そこで待ち合わせをしている桜谷さんと合流する為である。
 因みに彼女もまた、学校の制服を着ていた。
 彼女の場合、学校に行くのが目的ではなく、『プロの画家さんに会うので、キチンとした恰好で来た』とのことである。

 愛原「個展は銀座2丁目だそうだ」

 私達は一方通行の路地を進んだ。
 スポーツ新聞や競馬新聞を持ったオッサンをよく見かけるのは、この近くに中央競馬のウィンズがあるからだろう。

 愛原「ここだな」
 リサ「フツーのビル……」
 桜谷「緊張してきました……」

 個展の会場は古めかしい雑居ビルの中にあった。
 薄暗いエントランスから中に入り、ビルの外観同様、古めかしいエレベーターに乗り込んで、会場となっているフロアを目指した。

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