報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「旅行出発当日」

2024-01-23 16:14:38 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[2月24日08時15分 天候:晴 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校2年5組]

 淀橋「へー!魔王様、今日出発なんだー!」
 リサ「うん。学校が終わったら、すぐに」
 小島「制服のままで行くってこと?」
 リサ「今日のところはね。でも私服も持って行くから、愛原先生の実家で着替えるよ」
 淀橋「愛原先生の実家って、太いんでしょ?」
 リサ「太い?」
 小島「要は、お金持ってるってこと」
 リサ「どうなんだろう?でも確かに駐車場を経営していて、裏庭には地下空洞まであったりするしねぇ……」
 淀橋「地下空洞!?」
 リサ「それも、地下鉄のトンネルと直結」
 小島「逆に愛原先生の実家って、何やってるの?」
 リサ「先生曰く、普通のサラリーマンで、今は悠々年金生活」
 小島「いや、聞く限り、家の状態からして、そういう風には想像できないんだけど」
 淀橋「いつ帰ってくるの?」
 リサ「今週の日曜日。要は2泊3日だね」
 淀橋「いいなぁ。制服で新幹線なんて、修学旅行みたい」
 リサ「逆にわたし達、修学旅行で新幹線に乗ることは無かったね」
 小島「無かったねぇ……」

 小島は眼鏡を外し、フッとレンズに付いた埃を吹いた。

 淀橋「中等部の時に乗ったあれは?」
 リサ「あれはスキー合宿でしょ。新潟に行った時の」
 小島「ガーラ湯沢ね。修学旅行とはまた別だよね。確かに、上越新幹線で行ったけど」
 淀橋「本当だったら中3の時、修学旅行で関西方面に行くことになっていたから、その時新幹線に乗れるはずだったんだけどね」

 残念ながら、コロナ禍で中止になった。
 しかし、そこが中高一貫校のメリットで、コロナが少し落ち着いた次の年、代替修学旅行が行われた。
 とはいえ、南会津方面になってしまったが。
 新幹線ではなく、今や珍しい夜行列車に乗れたことが最大の思い出だという生徒もいる。

 リサ「で、来年度は飛行機で沖縄と」
 淀橋「羽田から飛行機だから良かったね。LCCでケチられなくて」
 小島「いや、分かんないよ」
 淀橋「えっ?」
 小島「羽田からでも、LCC出てるし」
 淀橋「マジ!?」
 小島「マジです」
 リサ「愛原先生が、『せめてスカイマークにでも乗れればなぁ』とか言ってたけど?」
 淀橋「PTAでそんなこと言ってるの?」
 小島「いや、スカイマークなら全然マシだよ。あれ、厳密にはLCCじゃないから」
 淀橋「斉藤……じゃなかった。えー……」
 リサ「ガナハ」
 淀橋「そうそう!我那覇さんと会うんだね?」
 リサ「そのつもり。エレンのヤツ、わたし達と同じホテルに泊まるつもりでいやがる」
 小島「いいのかな?飛行機代はヘタするとケチられるかもしれないけど、ホテルは豪華なんでしょ?」
 リサ「愛原先生が、『海の近くのリゾートホテルに泊まりたい』って言ったら、何だか校長先生達がノリノリだったみたいだよ」
 淀橋「何で校長が出て来るの!」
 リサ「わたしが校長先生のレクサス反転したから、目ェ付けられてるみたい」
 小島「また女子レスリング部と勝負したみたい」
 淀橋「懲りないねぇ……」

[同日15時30分 天候:曇 東京都台東区上野 JR上野駅改札外コンコース→新幹線改札内コンコース]

 学校が終わってから、リサとその取り巻き達は上野駅まで行った。

 レイチェル「今度は東北新幹線ですか。リサはよく乗りますね」
 リサ「先生が乗せてくれるんだよ。いいでしょー?」
 淀橋「お土産よろしくね」
 リサ「何がいい?」
 淀橋「“かもめの玉子”」
 小島「それ、仙台じゃないし!」
 淀橋「えっ、違うの?」
 小島「どっちかっていうと、三陸の方」
 淀橋「えーと……」
 小島「とにかく、仙台のお土産じゃない」
 淀橋「そ、そう」
 小島「やっぱり“萩の月”でしょ」
 淀橋「そう、それ!聞いたことある!」
 小島「尾久駅辺りの上に、でっかい看板があるでしょ?」
 淀橋「あったっけ?」
 リサ「後で確認しとく。先生は『笹かまぼこ買って行きたい』とか言ってたな」
 小島「ああ、あれ。愛原先生のことだから、お酒のつまみにするつもりでしょ。うちのお父さんも、仙台に出張に行った時、そうしてたから」
 リサ「なるほど。じゃあ、“萩の月”買って来る」
 淀橋「あざっす!」

 リサはコインロッカーから荷物を取り出すと、そこのポケットに入れていた新幹線のキップを取り出した。

 リサ「15時50分発、“はやぶさ”33号、仙台行き。1号車」
 レイチェル「1番前の車両ですか?」
 小島「いや、1号車だと1番後ろだね」
 レイチェル「OK.ちゃんと決まりは守っていますね」
 リサ「先生はそういうの、ちゃんと守る人だから」

 リサはキップを制服のブレザーのポケットに入れた。
 そして、まずは在来線の改札口へ向かう。
 他の3人も、自分の通学定期なら、在来線コンコースにまでは入れる。
 小島や淀橋は京浜東北線や常磐線でそのまま帰ればいいし、レイチェルも山手線で秋葉原までなら日比谷線に乗り換えることができる。
 そして、新幹線改札口でお別れ。

 

 小島「それじゃ気をつけてね」
 淀橋「お土産よろしく!」
 レイチェル「何かあったら、ヘリで駆け付けます」
 リサ「それじゃ、行ってきまーす」

 リサはキップを自動改札機に突っ込んだ。
 ゲートが開くと、リサは新幹線コンコースに入った。
 そして、『魔王軍』らの見送りを受けて、新幹線ホームに向かった。

 

 リサ「地下深いな。何か、鬼が出て来そう」

 長いエスカレーターで地下ホームに向かう。
 地下にある新幹線ホームというのも、珍しいのではないだろうか。

 リサ「NewDays発見!」

 リサは人間形態をしていたが、コンコース内にある売店を見つけると、一瞬だけ瞳を赤く光らせた。

 リサ「まだ時間あるし、おやつとジュース買って行こー!」

 リサはスタコラとNewDaysに入って行った。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« “私立探偵 愛原学” 「旅行... | トップ | “私立探偵 愛原学” 「旅行... »

コメントを投稿

私立探偵 愛原学シリーズ」カテゴリの最新記事