報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“大魔道師の弟子” 「顕正じゃ 宗門・創価じゃ 身延派じゃ どうじゃこうじゃと というが愚かじゃ」

2017-11-27 12:22:18 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[11月5日17:36.天候:地下なので不明 地下鉄仙台駅→JR仙台駅]

〔仙台、仙台。出入り口付近の方は、広くドアにご注意ください〕

 電車がホームに滑り込む。
 副駅名があるのが東西線の特徴だが、仙台駅にだけは無い。

〔「ご乗車ありがとうございました。仙台です。お忘れ物の無いよう、ご注意ください」〕

 たまに肉声放送があるが、ワンマン運転の為、これは運転士が行っている。

 稲生:「先生、降りますよ」
 イリーナ:「んおっ……?日本の電車は寝れるねぇ……」
 マリア:「この治安の良さは地味に羨ましい」
 稲生:「国民性です」

〔仙台、仙台。南北線、JR線、仙台空港アクセス線はお乗り換えです〕

 ここで電車を降りる。

 稲生:「それでは……夕食は牛タンで」
 イリーナ:「うん、行こう行こう」

 地下深い場所にある東西線ホームからJR仙台駅の3階まで。
 これだけでアクションやRPGなら、一ステージ並みである。

 稲生:「東西線が開通したことで、少し仙台駅構内のマップの難易度が上がりましたね」
 イリーナ:「そう。じゃ、私も屋敷の難易度を上げようかしら?」
 稲生:「あれ以上、即死トラップを仕掛けられても困ります」

 因みに東口も再開発が進んでいるので、そちらも難易度が上がりそうである。
 構造は比較的シンプルなのに、人の多さのせいで難易度高めの大宮駅東口の再開発は何時?

[同日18:00.天候:曇 JR仙台駅3F牛タン通り]

 テーブル席に案内されて、まずは飲み物。

 稲生:「僕はビールですが、先生達はワインですか」
 イリーナ:「そう。ウォッカ無いし」
 稲生:「……無いですね」
 マリア:「ここでウォッカ飲む方もどうかと思いますが……」

 定番は定食であるが、他には牛タンシチューやカレーもある。
 詳しくはぐるなび辺りでも参照願いたい。

 稲生:「シチューも美味しそうですね」
 イリーナ:「確かに。ユウタ君はシチューも好きだったね」
 稲生:「ええ」

 マリアの屋敷では、基本的にイリーナやマリアの好みに合わせた料理しか出てこない。
 その為、こういう旅行の時には稲生は日本食を狙うことが多々ある。
 シチューやハンバーグなど、日本でも当たり前になっているものが出てくるとホッとするのだ。
 カレーが出てくることもあった。
 何もこれは稲生に合わせてくれたわけではなく、イギリス人のマリアに合わせたものだ。
 長い間インドを植民地としていたイギリスに、インドからカレーが入り、それがイギリス国内でアレンジされ(特にカレールーを投入する所)、そこから日本に入った来たものだ。
 表向きはそういうことになっているが、やっぱり少しは稲生に合わせてくれたのだと思う。

 イリーナ:「うん、この牛タンやわらかい。こういう魔法を使っていても、やっぱり硬い物はねぇ……」
 マリア:「顎の力までは維持できませんか」
 イリーナ:「うん……まあね」

 屋敷に出てくる料理の中でステーキが出てくる際、イリーナだけレアになっているのはその為か。

 イリーナ:「いいねぇ。屋敷でも普通にディナーに出そうか?」
 マリア:「食材の調達が難しいんじゃないですか」
 稲生:「通販なら買えますけど、やっぱり単価が高いからなぁ……」

[同日19:00.天候:曇 JR仙台駅2F]

 夕食に牛タンを食べた後は、土産物を扱っているエリアに向かった。

 稲生:「お土産に萩の月でも買って行くか。大石寺に行ったはずなのに、何故かお土産が仙台の萩の月ってのもインパクトあるかな」
 イリーナ:「おっ、それいいね」

 稲生は萩の月を買ったのだが……。

 イリーナ:「『地方発送承ります』か。なるほど」

 イリーナが買ったのは冷凍の牛タンと、缶詰やレトルトパック入りの牛タンシチューなど。

 イリーナ:「これらは宅急便ね。フフフ……」
 稲生:「あの、大宮でミク人形達の着物も買うんですよね?」

 エレーナがホウキでフラフラと飛びながら運んで来る姿が目に付いた。

 稲生:(絶対運んできた時、追加料金請求してくるパターンだな……)

 稲生は口を歪めた。
 マリアは何をしているかというと……。
 頭にゆるキャラ“むすび丸”の付いたボールペンで、何やら試し書きをしている。
 それも、一心不乱に何かを……。

 マリア:「ハァ、ハァ……!どう!?ユウタ!」

 ワイン3杯を平らげて、白い肌が赤く染まっているマリア。
 そのテンションは高めだ。
 試し書き用のメモ用紙に書いたのは……。

『IユウタIユウタIユウタIユウタIユウタIユウタIユウタIユウタIユウタIユウタIユウタIユウタIユウタIユウタIユウタIユウタIユウタIユウタIユウタIユウタIユウタIユウタIユウタIユウタIユウタIユウタIユウタIユウタIユウタIユウタIユウタIユウタ』(以下、無限ループ)

 稲生:(怖っ!嬉しいけど怖っ!!)

 因みに稲生が正式に弟子入りする前、この魔女はユウタのぬいぐるみを多数作り、自分のベッド周りに飾っていた描写が当作品内で公表されている。
 稲生が震え上がっていると、イリーナが後ろからそっと耳打ちする。

 イリーナ:「ユウタ君、魔女に惚れるっていうことは、こういうことなのよ」
 稲生:「は、はは……」(引きつった笑みを浮かべている)
 イリーナ:「これでもまだマリアはマシな方だからね?」
 稲生:「ええ。既に2人程知っています」

 稲生の頭の中に、アナスタシア組のアンナとポーリン組のリリアンヌの顔が浮かび上がった。
 尚、マリアは他に魔法陣を試し書きしていた。
 何でも、『恋の願いが叶うおまじない』とのことだが、それが何故魔法陣なのかは聞かない方が良いだろう。

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