報恩坊の怪しい偽作家!

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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「検査の開始」

2023-02-16 15:32:16 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[10月15日10時00分 天候:不明 神奈川県相模原市緑区某所 国家秘密地下研究施設]

 リサ達の検査が始まった。
 『達』というのは、善場主任も含まれているからである。

 善場「私も一緒に受けますからね、寂しくないですよ」
 リサ「それは良かった……」

 とはいっても、検査内容は若干違うらしい。
 2人とも紺色のワンピースの検査着に着替えていた。

 善場「愛原所長、あまり見ないでくださいね?」

 この検査着、なかなか裾が短く、太ももが丸見えとなる。
 いつもはスーツ姿の善場主任だが、こういうエロ……もとい、薄着になると、なかなかセクシー……。

 リサ「先生……!?」
 愛原「い、いや、そんな見てないっスよ、はい!」
 リサ「善場さんはダメでも、わたしは見ていいからね?」
 善場「リサ、はしたないですよ?」
 リサ「『欲しい男がいたら、遠慮せず狙え』って、高野お姉ちゃんに言われたよ?」
 善場「あんなクソ女の言う事、真に受けてはなりません」
 高橋「く、クソ女……!?」

 善場主任、高野君のことは大嫌いのようで、彼女のこととなると、途端に口と態度が悪くなるのだ。

 主任研究員「あ、あの……そろそろ次の検査に入っても宜しいでしょうか?」
 リサ「あ、はい」
 善場「はい、結構です」
 主任研究員「それでは愛原さんは検尿、善場さんは身体測定をお願いします」
 善場「承知しました」
 リサ「え……検尿?」
 愛原「健康診断ではベタな法則だな」
 リサ「皆の見ている前で放尿しろって?」
 主任研究員「は?」
 愛原「リサ!アンブレラの実験じゃない!」

 日本アンブレラの実験は、それはもう非人道的なものだった。

 主任研究員「ちゃんと、トイレでしてもらいますよ?」
 リサ「ガラス張りの?」
 主任研究員「普通のトイレですよ?」
 リサ「…………」

 それでもリサは不信そうだった。
 検尿の紙コップを渡され、トイレへ案内される。
 しばらくして……。

 愛原「どうだった?」
 リサ「普通のトイレだった。誰も見てなかった」
 愛原「だろう?これが普通さ」
 リサ「わたしのオシッコ見られるんだ。先生にも見せたことないのに。……あ、まだ『1番』のマーキングの上書きをしてなかったね?今度、オシッコしたくなったら、上書きするね?」
 愛原「しなくていい!」

[同日13時00分 天候:不明 同施設・食堂]

 12時から13時の間はここの職員が使用するので、私達はその後の食堂利用となった。
 地下深くにあるからか、研究施設内にも食堂はある。
 但し、火災予防の為か、厨房は無い。
 実は真上には本館の食堂があって、そこの厨房で作られた料理が、専用のエレベーターで運ばれるという仕組みである。

 愛原「お昼は唐揚げ定食か」
 高橋「腹減りましたねぇ……」

 御ひつにご飯と、みそ汁の入った鍋も一緒であり、自分でよそおう所は研修センターの合宿所っぽい。

 リサ「いただきまーす」

 午後も検査がある為、彼女達はまだ検査着のままである。

 高橋「こら!おひつごと食うなっ!」
 リサ「えー?これ、1食分じゃないの?」
 愛原「1食分じゃねーよ!」
 善場「リサ、はしたないですよ?」
 高橋「先生、俺がよそおいますね!」
 愛原「まずは善場主任のをよそって差し上げろ!」
 善場「あ、結構です。自分でやりますので」
 愛原「そ、そうですか?」

 こうして、昼食が始まる。

 愛原「それにしても、検査前とか検査中は絶食というイメージがあるのに、実際は違うんですね?」
 善場「人間の健康診断、人間ドックとは違うのですよ。メインは……体内のウィルスの状態、並びにその影響を調べることですね」
 愛原「なるほど……。何か、やってることが普通の健康診断っぽいから、誤解しちゃいますね」
 善場「アンブレラの研究施設なら、こんなまだるっこしいことしないで、直に検査するのでしょうがね」
 愛原「直に検査?」
 善場「これ以上は、食事が不味くなる話ですので……。まあ、要するに、リサ達が受けてきた内容のようなものですよ」
 愛原「なるほど……」

 人間ドックはあくまでも、オブラートに包む為のものか。
 善場主任は大人だから、多少キツくても我慢できるだろうが、リサはな……。

[同日14時00分 天候:不明 同施設]

 食事をタップリ食べたリサ。
 今度は大きい方をしたくなったそうだが……。

 主任研究員「それはちょうど良かった。それでは愛原さんは、検便をお願いします。善場さんは、採血です」
 善場「分かりました」
 リサ「け、検便……」
 愛原「大丈夫だろ。便のごく一部を採取するだけだ」
 善場「愛原所長、人間の健康診断とは違いますよ?」
 愛原「え……?」
 主任研究員「お手洗いはこちらです」
 リサ「さっきの場所じゃないの?」
 主任研究員「ええ。今度は、違う場所です」

 心配なので、私達もついていく。

 主任研究員「こちらです」
 リサ「和式じゃん!ヤダ!」
 愛原「でもまあ、確かに和式の方が採取はしやすいよな。採取するキットはどこに?」
 主任研究員「いえ、その心配には及びません。この検査では、便の中に含まれているウィルスと寄生虫、その他何か含まれてないかをチェックするのが目的です。従いまして、便全てを採取します。この便器に出された便は、検査場に落ちる仕組みになっております」
 リサ「アンブレラの研究所と同じじゃん!」
 主任研究員「別に、用を足す所の観察とかまではしませんよ?」

 ここの研究員達は一応、アンブレラがどんな研究をしていたのかを把握しているようだ。

 愛原「確かにガラス張りになっていたり、カメラが仕掛けられているわけではない。普通の和式トイレだ。リサ、ここは我慢して頑張って」
 リサ「うう……」
 高橋「おう、リサ!先生の御命令だぞ!?」
 リサ「わ、分かったよ……」
 高橋「オメー、先生にションベン引っ掛けてやるってことは、ションベンする所、先生に見られるってことだぞ?」
 リサ「そうだよ!」
 高橋「ウ○○はダメってか?」
 リサ「ヤダよ!そんなの、どのリサ・トレヴァーもやってないよ!」
 高橋「先生の御命令なら?『俺の見ている前で、ウ○○しろ』って」
 リサ「そ、それは……。せ、先生の命令なら……。恥ずかしいけど……」
 主任研究員「あのー、そろそろ宜しいでしょうか?」
 愛原「そんな命令しないから、さっさと行けっ!」

 全くもう!
 読者に誤解されるだろうが!

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