報恩坊の怪しい偽作家!

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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「成田空港に向かう」 2

2023-05-21 15:14:48 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[12月23日19時35分 天候:小雨 千葉県印旛郡酒々井町 東関東自動車道・酒々井パーキングエリア]

 都内では傘が無いと厳しいくらいの強さの雨だったが、このパーキングエリアに来る頃には止んでいた。
 止んでいたというか、傘が要らないくらいの小降りになったと言った方が正しいか。
 平日の夕方出発の下り方向で、しかも雨ともなれば、スムーズに高速道路を走るのは難しい。
 スムーズにいけば40分強で到着できるそうなのだが、今回は1時間ほど掛かった。

 リサ「お腹空いた……」

 リサなど空腹の為に正体を隠せなくなっており、頭から角が2本生え、耳は長くて尖り、両手の爪も長く伸びている。
 グレーのパーカーを着ているので、そのフードを被って隠しているが……。

 愛原「松屋でガッツリ食えばいいだろ。ですよね?善場主任」
 善場「はい。時間調整も兼ねているので、夕食はゆっくり取って頂いて構いませんよ」
 愛原「それは良かった」

 駐車場はそこそこ賑わっていた。
 成田空港に最も近いパーキングエリアということもあり、規模もそこそこ大きい。
 大きめのパーキングエリア、小さめのサービスエリアといった感じだろうか。
 パーキングエリアには珍しいガソリンスタンドもある。
 さすがに、東北道の羽生パーキングエリアほどは大きくない。

 部下「ここでいいですか?」
 善場「大丈夫」

 車は空いている駐車スペースに駐車した。

 愛原「何時何分に出発しますか?」
 善場「予定では、20時15分くらいにしたいと思います」
 愛原「すると、40分休憩ですか。まあまあですね」

 私達は車を降りた。
 確かに傘は要らないくらいであった。
 しかし、時折顔に湿気のようなものが掛かる感じからして、弱い霧雨といった感じだろうか。

 リサ「御飯!御飯!」
 愛原「早く行こう」

 入るとフードコートがあり、確かに松屋があった。

 愛原「何がいい?」
 リサ「カルビ焼き定食ダブル!」
 愛原「……だろうなぁ」

 私はリサに食券を買ってあげた。

 愛原「俺は牛定でいいや。高橋は?」
 高橋「牛めし大盛りでオナシャス」
 愛原「あいよ。善場主任は……って、あれ?いない?」

 部下の人も来なかった。

 愛原「どこ行ったんだろう?」
 高橋「トイレとかじゃないっスか?」
 愛原「そうか。まあ、いいや」

 私達は空いているテーブルに座った。

 愛原「絵恋さん達は順調だって?」
 リサ「うん。ただ、成田空港が混んでるから、着陸が少し遅れるかもだって」
 愛原「そうなのか……」

 LCCは第3ターミナルに到着するそうだ。
 幸い高速道路のインターから最も近い所にある。
 しばらくして、食券の番号が読み上げられる。

 リサ「やっと食べれるー」

 リサはバーベキューソースをたっぷり掛けて、そこに七味唐辛子をドバドバ掛けた。

 愛原「うあ……」
 高橋「先生……マジでこいつに蒙古タンメン食わせてみたくなりました」
 愛原「あ、ああ。今度行くか……。後で、店の場所教えてくれ」
 高橋「う、うス……」
 リサ「んー!」

 変化前はどちらかというと甘い物が好きだったリサだったが、変化後はガチガチの辛党になってしまった。
 唐辛子まみれのカルビ牛肉を美味そうにガツガツ食べている。
 私は普通にポン酢タレを掛けて食べたが、高橋は高橋で、やっぱりちょこっとでも唐辛子を掛けて食べるのだった。

 愛原「どうせ俺は甘党だよ、ケッ!」
 リサ「んんっ!?」
 高橋「どうしたんスか、先生!?」

[同日20時15分 天候:雨 同パーキングエリア]

 食事が終わった後、私達はトイレに向かった。
 高橋はそれにプラスして、喫煙所にてタバコタイム。
 私とリサは自販機コーナーにて、食後のコーヒーとジュース。
 さて、それにしても、善場主任達はどこにいるのやら?
 そう思っていると、私のスマホにメールが着信した。

 善場「そろそろ出発しますので、車に戻ってください」

 とのことだった。

 愛原「予定通りの出発だな。リサ、行くぞ」
 リサ「おー」

 私は高橋にもLINEを送って、車に戻るように促した。

 愛原「うわ、また降ってきたな!」
 リサ「降ったり止んだりだね」
 愛原「そのようだ!」

 私達は車に戻った。

 善場「お疲れさまです」
 愛原「いえいえ、戻りました!」
 善場「それでは出発を」
 部下「はっ!」
 愛原「いや、ちょっと待ってください。まだ高橋が!」
 善場「おっと、そうでした」

 善場主任、もしかしてわざとか?
 少しして、高橋も戻って来た。

 高橋「サーセンっス!案外、喫煙所遠くて……」
 愛原「それは大変だったな。今度こそ大丈夫です」
 善場「はい」

 車が動き出す。

 善場「それでは第3ターミナルへ」
 部下「はっ!」
 愛原「善場主任は、夕食どうされたんですか?」
 善場「ああ、所長の事務所に来る前に少し食べてきましたので……。それに先ほど、スターバックスで食べて来ました」
 愛原「ああ、スタバ行かれたんですか!」
 高橋「さすがは姉ちゃんだぜ」

 高橋は、どういう意図で言ったのか分からない言葉を言った。

[同日20時35分 天候:雨 千葉県成田市 成田国際空港第3ターミナル]

 私達は一般車と同様、第3ターミナルの一般車乗降場のような場所で降ろされるのかと思った。
 だが、そうではなかった。
 途中でパトカーが待機している場所に立ち寄り、善場主任が警察官と何か話をしている。
 そして、車はパトカーの先導で、封鎖されているバリケードの向こうへ進んだ。

 高橋「何だか、VIP待遇っスね」
 愛原「おいおい……。以外と、警戒が厳重だな……」

 ややもすると、国際指名手配ものの白井伝三郎がここに来るかもしれないのだ。
 しかも、BOW化して。
 それでは確かに、警戒も厳重となるか。

 善場「皆さんには、ここで降りてもらいます」
 愛原「あ、はい」

 確かにそこは第3ターミナルの建物と思しき場所だった。
 しかし、その向こうには鉄扉がある。

 高橋「まさか、開けたらいきなり滑走路なんてことは無ェよな?」
 善場「そんなわけないでしょう」

 私達はとにかく自分達の荷物を手に、車を降りた。
 鉄扉の向こうは何だかバックヤードらしき通路となっており、そこを抜けてようやく一般客のいるエリアに着いた。
 どうしてこんなルートなのかは不明だが、とにかく着いた。

 愛原「飛行機はまだ着いていないようだな?」
 リサ「そうみたい」

 私達は絵恋さん達が到着するまで、ロビーで待っていることにした。

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1 コメント

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つぶやき (雲羽百三)
2023-05-21 21:00:54
 https://www.youtube.com/watch?v=rCuDF5hIVvo

 私の往年の作品、“アンドロイドマスターシリーズ”において、ボーカロイド達にミュージカルをやらせるシーンがあるのだが、人間もやってたw
 “七つの大罪”シリーズは、曲調がオペラやミュージカルみたいなので、本当にボーカロイド達にやらせてみたのだが、私と同じ考えの人間は他にもいたようだ。
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