報恩坊の怪しい偽作家!

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“私立探偵 愛原学” 「2人の帰京」

2023-04-20 12:57:56 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[11月6日21時15分 天候:晴 宮城県仙台市青葉区中央 JR仙台駅→東北新幹線9250B列車1号車内]

 私とリサは夕食後、実家の風呂に入浴させてもらい、それから父親の車で仙台駅まで送ってもらった。

 父親「はい、着いたよ」
 愛原学「うん、ありがとう。高橋のこと、よろしくね」
 父親「ああ。こっちは任せてくれ」
 リサ「お世話になりました」
 学「リサ、フード被れ。角が出てるぞ」
 リサ「おっと」

 夏は帽子、それ以外の季節はパーカーのフードを被って角を隠す。
 但し、髪を長く伸ばして、巻き上げることにより、隠す方法も検討中とのこと。
 私とリサは車から降りると、仙台駅西口に入った。

 愛原学「キップは渡しておくよ。窓側でいいな?」
 リサ「うん。ありがとう」

 エスカレーターでまずは2階へと上がり、それからまたエスカレーターで3階へと上がる。
 それから、在来線改札口にある自動改札機と比べて、一回り大きな新幹線改札口の自動改札機を通過した。

 リサ「車内販売ある?」
 愛原「いや、“はやぶさ”でも、仙台始発だと無いだろうな」
 リサ「それじゃ、ここで買ってく」
 愛原「そうか」

 改札内コンコースにあるNewDaysに立ち寄り、リサは飲み物とお菓子を購入した。
 私もコーヒーを買って、新幹線ホームに向かった。

〔14番線に停車中の電車は、21時38分発、“はやぶさ”250号、東京行きです。この電車は、大宮、上野、終点東京の順に止まります。グランクラスは10号車、グリーン車は9号車です。……〕

 先頭の1号車は、車両の形状のせいで定員が少ない。
 反対側の10号車はそこをグランクラスにすることで、売り上げを確保する狙いがあったようだが、さすがに1号車までもがそのようなことはできなかったようだ。
 そこに乗り込んで、指定された2人席に座った。
 進行方向右側である。

〔「ご案内致します。この電車は21時38分発、“はやぶさ”250号、東京行きです。全車両指定席で、自由席はございません。また、仙台を出ますと、次は大宮に止まります。停車駅に、ご注意ください。……」〕

 座席に座ると、リサはテーブルを出して、そこに飲み物やお菓子を置いた。

 愛原「あっ、待って、リサ」
 リサ「ん?」
 愛原「スマホ、充電させてくれ」

 普通車だと、充電コンセントは窓の下にしか無い。
 必然的に窓側席の特権的な位置にある。

 リサ「いいよ」

 私は充電器を出すと、それでリサの足元にあるコンセントに差した。

 リサ「ねえ、先生。こっち見て」
 愛原「何だ?」

 するとリサ、わざと足を開いた。
 黒いスカートの中が、目の前に現れる。
 そこには、白いショーツがあった。
 紺色のブルマを穿いていたはずだが、入浴する時に脱いで、穿かなかったようである。

 愛原「こら、はしたないぞ!」
 リサ「先生になら、いいからね」
 愛原「何でブルマ穿かなかったんだ?」
 リサ「どうせ家に着いたら脱ぐし」
 愛原「大丈夫だろうな?ちゃんと持って来ただろうな?」
 リサ「大丈夫だよ。どうして?」
 愛原「子供の頃、母方の従姉が夏休みとかに遊びに来たことがある。俺よりもズボラな性格で、よくそこら中に脱いだ服をそのままにするもんだから、伯母さんによく怒られてたんだ」
 リサ「ほおほお。それでそれで?」
 愛原「使用済みのパンツやら、ブルマやらね。伯母さんでも回収しきれずに、そのまま帰ってしまったことがある」
 リサ「そして先生は、それをパクッてヌキヌキ……」
 愛原「するかい!……したかったけど」
 リサ「あ、したかったんだw」
 愛原「そろそろ女の子に興味を持つ年頃に、そんなことやられてみー?そういうことだから。オマエも気を付けろよ?今更だけど。何せ東京中央学園は、男女共学だからな」
 リサ「先生の子供の頃の思い出、わたしが再現してあげる!」
 愛原「せんでいい。ちゃんと脱いだ服は片付けるように」

[同日21時34分 天候:晴 JR東北新幹線9250B列車1号車内]

〔14番線から、“はやぶさ”250号、東京行きが発車致します。次は、大宮に止まります。黄色い点字ブロックまで、お下がりください〕

 リサと話をしているうちに、発車の時刻になり、ホームから微かに発車メロディが聞こえてきた。
 地元の管弦楽団『仙台フィルハーモニー』の生演奏を録音したもので、“青葉城恋唄”を発車メロディ用にアレンジしたものである。
 そして、甲高い客扱い終了合図のブザーが響いてきたかと思うと、ドアが閉まる音がする。
 仙台駅にはホームドアが無い為、車両のドアが閉まり切ると、列車が走り出した。
 上り副線ホームに停車していた為、本線に出る為にポイントを渡る。
 その時にガクンと列車が大きく揺れた。

〔♪♪(車内チャイム)♪♪。本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。この電車は、“はやぶさ”号、東京行きです。次は、大宮に止まります。……〕

 まだ、仙台市内においてはそんなにスピードは出さない。
 カーブが続くからだろう。
 仙台市内を出て、隣の名取市内に入る頃には加速を始める。

 愛原「あんまり男をからかうんじゃないぞ?」
 リサ「もちろん、先生以外にはこんなことしないよ。それより、もっと先生の昔の思い出聞かせて?」
 愛原「分かった分かった。母方の従姉はズボラなこともあって、あんまり可愛げは無かったんだけど、父方の従姉は逆でね。当時悪ガキだった俺は、イタズラでそんな従姉のスカートめくりをしたことがある」
 リサ「で、何色のパンツ穿いてた?わたしが再現してあげるよ」
 愛原「いや、パンツは見えなかった。何せ、ブルマを穿いてたんだからな」
 リサ「ああ、そう。何色?」
 愛原「緑。母方の従姉は紺色のブルマだったが、父方の従姉は緑のブルマだったよ」
 リサ「緑なら、東京中央学園と同じだね」
 愛原「そうだな」
 リサ「……あ、先生。他の女にはそんなことしちゃダメだよ?浮気と見なして電撃だからね?」
 愛原「今更そんなことするかい!犯罪だっつの!」

 まだ小学生の悪ガキが、身内にやっているから怒られるだけで済むのである。

 愛原「それより、高橋が心配だ」
 リサ「今更ゾンビ化はしないでしょ」
 愛原「そういうことじゃない!」

 熱が上がったりしないかが心配だと言ってるのに……。

 リサ「先生のブルマの思い出は分かった。あとはスク水の思い出とかは?」
 愛原「いや、それは無い。確かに小中学校では旧式スク水だったが、高校では競泳水着だったな。それは東京中央学園も同じだろ?」
 リサ「そうなんだけど、わたしがスク水着たら、『魔王軍』が真似するようになったね」

 体操服が緑なら、学校指定の水着も緑なのだが、通常は競泳水着タイプであった。
 それがリサが、旧型のスク水を着たら……。
 さすがは『魔王様』である。

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