[3月25日11時08分 天候:曇 東京都千代田区丸の内 JR東日本・東京駅新幹線ホーム→東北新幹線257B列車1号車内]
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/e2/53dcc9e902d4bc746d7ebea45ec7c469.jpg)
やってきた列車は、“はやぶさ”の間合い運用で使用されるE5系と呼ばれる車両だった。
前方に“こまち”用のE6系などが連結されているわけではなく、10両だけの単独編成である。
リサはいないので特に先頭車などの縛りは無いのだが、喫煙所に最も近い車両ということで、最後尾の1号車に乗り込んだ。
助手の高橋とパールが喫煙者だからである。
〔20番線に停車中の列車は、11時8分発、“なすの”257号、郡山行きです。この列車は、各駅に止まります。グランクラスは10号車、グリーン車は9号車、自由席は1号車から4号車です。尚、全車両禁煙です。……〕
座った座席は、3人席。
そこに並んで座った。
私が窓側に座り、中央に高橋、通路側にパールといった感じ。
〔「お待たせ致しました。11時8分発、“なすの”257号、郡山行き、まもなく発車致します」〕
発車の時刻が迫り、ホームから発車ベルが聞こえて来る。
〔20番線から、“なすの”257号、郡山行きが発車致します。次は、上野に、止まります。黄色い点字ブロックまで、お下がりください〕
発車までの間、私は買った缶ビールの蓋を開けて一杯飲んでいた。
愛原「かーっ、これだな!」
高橋「お元気になられました?」
愛原「おかげさまで」
そして、ホームから甲高い客扱い終了合図のブザーが鳴ると、ドアが閉まる。
車両の規格がほぼ統一されているJR東海道新幹線であればホームドアが付いているが、バラバラなJR東日本側ではホームドアが付けられないようである。
なので、車両のドアが閉まれば発車する。
愛原「あたりめあるか?」
高橋「あ、はい。どうぞ」
愛原「やっぱ旅行気分はな、缶ビールとつまみだよな」
高橋「おっしゃる通りです」
〔♪♪(車内チャイム)♪♪。本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。この電車は東北新幹線“なすの”号、郡山行きです。次は、上野に、止まります。……〕
列車が走り出す。
高橋「先生。向こうの駅に着いたら、どうするんですか?」
愛原「ホテル専用の送迎車が来ることになっている。それに乗って、まずはホテルに向かう。なぁに、安心しろ。駅に着いて、喫煙所で一服する時間は確保している」
高橋「先生……!俺達の為に、何と勿体ないお気遣いを……!」
愛原「大したことじゃない。ホテルも客室内は喫煙可だから、まあ大丈夫だろう」
高橋「ありがとうございます」
まあ、私はどちらかというと嫌煙家だから、2人とは別々の部屋がいいんだがな。
ただ、1人部屋だと狭いか。
因みにリサの意識はまだ戻っておらず、点滴治療などが行われているという。
[同日12時20分 天候:晴 栃木県那須塩原市大原間 JR東北新幹線257B列車1号車内→那須塩原駅]
新幹線に関しては、順調な運行を続けていた。
小山駅では後続列車の追い抜きは行われず、宇都宮駅3分停車で行われた。
それから、下車駅に那須塩原駅。
〔♪♪(車内チャイム)♪♪。まもなく、那須塩原です。宇都宮線、黒磯方面はお乗り換えです。お降りの際はお忘れ物の無いよう、お支度ください。那須塩原の次は、新白河に止まります〕
愛原「無事に着いたな」
高橋「それに、晴れて来ましたね。これなら、蓮華達は襲って来れませんよ」
愛原「それな」
上野利恵一派は鬼でも、リサの系譜に近い為に昼間でも活動できる。
しかし、栗原蓮華一派は昼間の太陽が弱点である為、外に出ることができない。
〔「まもなく那須塩原、那須塩原です。お出口は、左側です。那須塩原で、3分ほど停車致します。発車は、12時23分です。発車まで、しばらくお待ちください。那須塩原から宇都宮線下り、黒磯行きは、7番線から12時33分の発車です」〕
列車はグングン速度を落として行き、下り副線ホームに入線した。
本線にはホームが無いので、そこを通過列車が猛スピードで通過して行くわけである。
〔ドアが開きます〕
ドアチャイムではなく、自動アナウンスの後でドアが開く。
〔「ご乗車ありがとうございました。那須塩原、那須塩原です。車内にお忘れ物、落とし物の無いよう、ご注意ください。2番線に到着の電車は、12時23分発、“なすの”257号、郡山行きです。新白河、終点郡山の順に停車致します。……」〕
列車を降りた私達は、すぐに改札口に向かうのではなく、ホーム上の喫煙所に向かった。
私は喫煙所の中には入らず、ホームの自販機でお茶を飲むことにする。
[同日12時40分 天候:晴 JR那須塩原駅西口→送迎車内]
高橋夫婦の喫煙タイムが終わると、ようやく改札口に行く。
非喫煙者からの目線で、喫煙者の喫煙タイムは物凄く効率が悪いように見えてしまう。
運転手「お待ちしておりました!愛原様ですね!」
愛原「あ、はい。愛原です」
那須塩原駅に行くと、ロータリーに白いハイエースが止まっていた。
佐元氏に事務所から東京駅まで乗せられたハイエースと違い、何のカスタムもされていない。
せいぜい、黒い明朝体で、『板室温泉ホテル天長園』と書かれているくらいか。
『天長会』という紺色の法被を着ていた。
見覚えのある男だった。
運転手「お待ちしておりました!」
愛原「待って!あなたは確か、八王子で会った……」
運転手「奇遇ですね。副支配人の指示で、愛原様達をお迎えに参りました。どうぞ、お乗りください」
八王子の東横インで挨拶してきた、上野一派の『半鬼』。
そんな彼が、助手席後ろのスライドドアを開ける。
『半鬼』とはいうが、遺伝子的な『半鬼』の上野姉妹と違い、宗教法人天長会の信者達はまた違う存在らしい。
見た目は普通の人間。
しかも、日光に当たっても全く平気。
愛原「ありがとう」
私達は車に乗り込んだ。
愛原「他にも誰か、宿泊者が乗って来るの?」
運転手「いえ。今回は愛原様方だけでございます。それでは、出発致します」
運転手はリアドアを閉めると、運転席に乗り込んで車を走らせた。
愛原「ホテルの方は大丈夫ですか?栗原蓮華一派との小競り合いがあったと聞きましたが……」
運転手「はい。夜しか活動できない連中と違って、昼間も活動できる私共の方が遥かに有利ですから。利恵様のおかげです」
利恵から『血』を分けてもらったことで、『半鬼』と化した者は、利恵に心酔するようになるようである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/e2/53dcc9e902d4bc746d7ebea45ec7c469.jpg)
やってきた列車は、“はやぶさ”の間合い運用で使用されるE5系と呼ばれる車両だった。
前方に“こまち”用のE6系などが連結されているわけではなく、10両だけの単独編成である。
リサはいないので特に先頭車などの縛りは無いのだが、喫煙所に最も近い車両ということで、最後尾の1号車に乗り込んだ。
助手の高橋とパールが喫煙者だからである。
〔20番線に停車中の列車は、11時8分発、“なすの”257号、郡山行きです。この列車は、各駅に止まります。グランクラスは10号車、グリーン車は9号車、自由席は1号車から4号車です。尚、全車両禁煙です。……〕
座った座席は、3人席。
そこに並んで座った。
私が窓側に座り、中央に高橋、通路側にパールといった感じ。
〔「お待たせ致しました。11時8分発、“なすの”257号、郡山行き、まもなく発車致します」〕
発車の時刻が迫り、ホームから発車ベルが聞こえて来る。
〔20番線から、“なすの”257号、郡山行きが発車致します。次は、上野に、止まります。黄色い点字ブロックまで、お下がりください〕
発車までの間、私は買った缶ビールの蓋を開けて一杯飲んでいた。
愛原「かーっ、これだな!」
高橋「お元気になられました?」
愛原「おかげさまで」
そして、ホームから甲高い客扱い終了合図のブザーが鳴ると、ドアが閉まる。
車両の規格がほぼ統一されているJR東海道新幹線であればホームドアが付いているが、バラバラなJR東日本側ではホームドアが付けられないようである。
なので、車両のドアが閉まれば発車する。
愛原「あたりめあるか?」
高橋「あ、はい。どうぞ」
愛原「やっぱ旅行気分はな、缶ビールとつまみだよな」
高橋「おっしゃる通りです」
〔♪♪(車内チャイム)♪♪。本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。この電車は東北新幹線“なすの”号、郡山行きです。次は、上野に、止まります。……〕
列車が走り出す。
高橋「先生。向こうの駅に着いたら、どうするんですか?」
愛原「ホテル専用の送迎車が来ることになっている。それに乗って、まずはホテルに向かう。なぁに、安心しろ。駅に着いて、喫煙所で一服する時間は確保している」
高橋「先生……!俺達の為に、何と勿体ないお気遣いを……!」
愛原「大したことじゃない。ホテルも客室内は喫煙可だから、まあ大丈夫だろう」
高橋「ありがとうございます」
まあ、私はどちらかというと嫌煙家だから、2人とは別々の部屋がいいんだがな。
ただ、1人部屋だと狭いか。
因みにリサの意識はまだ戻っておらず、点滴治療などが行われているという。
[同日12時20分 天候:晴 栃木県那須塩原市大原間 JR東北新幹線257B列車1号車内→那須塩原駅]
新幹線に関しては、順調な運行を続けていた。
小山駅では後続列車の追い抜きは行われず、宇都宮駅3分停車で行われた。
それから、下車駅に那須塩原駅。
〔♪♪(車内チャイム)♪♪。まもなく、那須塩原です。宇都宮線、黒磯方面はお乗り換えです。お降りの際はお忘れ物の無いよう、お支度ください。那須塩原の次は、新白河に止まります〕
愛原「無事に着いたな」
高橋「それに、晴れて来ましたね。これなら、蓮華達は襲って来れませんよ」
愛原「それな」
上野利恵一派は鬼でも、リサの系譜に近い為に昼間でも活動できる。
しかし、栗原蓮華一派は昼間の太陽が弱点である為、外に出ることができない。
〔「まもなく那須塩原、那須塩原です。お出口は、左側です。那須塩原で、3分ほど停車致します。発車は、12時23分です。発車まで、しばらくお待ちください。那須塩原から宇都宮線下り、黒磯行きは、7番線から12時33分の発車です」〕
列車はグングン速度を落として行き、下り副線ホームに入線した。
本線にはホームが無いので、そこを通過列車が猛スピードで通過して行くわけである。
〔ドアが開きます〕
ドアチャイムではなく、自動アナウンスの後でドアが開く。
〔「ご乗車ありがとうございました。那須塩原、那須塩原です。車内にお忘れ物、落とし物の無いよう、ご注意ください。2番線に到着の電車は、12時23分発、“なすの”257号、郡山行きです。新白河、終点郡山の順に停車致します。……」〕
列車を降りた私達は、すぐに改札口に向かうのではなく、ホーム上の喫煙所に向かった。
私は喫煙所の中には入らず、ホームの自販機でお茶を飲むことにする。
[同日12時40分 天候:晴 JR那須塩原駅西口→送迎車内]
高橋夫婦の喫煙タイムが終わると、ようやく改札口に行く。
非喫煙者からの目線で、喫煙者の喫煙タイムは物凄く効率が悪いように見えてしまう。
運転手「お待ちしておりました!愛原様ですね!」
愛原「あ、はい。愛原です」
那須塩原駅に行くと、ロータリーに白いハイエースが止まっていた。
佐元氏に事務所から東京駅まで乗せられたハイエースと違い、何のカスタムもされていない。
せいぜい、黒い明朝体で、『板室温泉ホテル天長園』と書かれているくらいか。
『天長会』という紺色の法被を着ていた。
見覚えのある男だった。
運転手「お待ちしておりました!」
愛原「待って!あなたは確か、八王子で会った……」
運転手「奇遇ですね。副支配人の指示で、愛原様達をお迎えに参りました。どうぞ、お乗りください」
八王子の東横インで挨拶してきた、上野一派の『半鬼』。
そんな彼が、助手席後ろのスライドドアを開ける。
『半鬼』とはいうが、遺伝子的な『半鬼』の上野姉妹と違い、宗教法人天長会の信者達はまた違う存在らしい。
見た目は普通の人間。
しかも、日光に当たっても全く平気。
愛原「ありがとう」
私達は車に乗り込んだ。
愛原「他にも誰か、宿泊者が乗って来るの?」
運転手「いえ。今回は愛原様方だけでございます。それでは、出発致します」
運転手はリアドアを閉めると、運転席に乗り込んで車を走らせた。
愛原「ホテルの方は大丈夫ですか?栗原蓮華一派との小競り合いがあったと聞きましたが……」
運転手「はい。夜しか活動できない連中と違って、昼間も活動できる私共の方が遥かに有利ですから。利恵様のおかげです」
利恵から『血』を分けてもらったことで、『半鬼』と化した者は、利恵に心酔するようになるようである。