報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「探偵の北関東行」 2

2024-04-28 21:43:43 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[3月25日11時08分 天候:曇 東京都千代田区丸の内 JR東日本・東京駅新幹線ホーム→東北新幹線257B列車1号車内]

 

 やってきた列車は、“はやぶさ”の間合い運用で使用されるE5系と呼ばれる車両だった。
 前方に“こまち”用のE6系などが連結されているわけではなく、10両だけの単独編成である。
 リサはいないので特に先頭車などの縛りは無いのだが、喫煙所に最も近い車両ということで、最後尾の1号車に乗り込んだ。
 助手の高橋とパールが喫煙者だからである。

〔20番線に停車中の列車は、11時8分発、“なすの”257号、郡山行きです。この列車は、各駅に止まります。グランクラスは10号車、グリーン車は9号車、自由席は1号車から4号車です。尚、全車両禁煙です。……〕

 座った座席は、3人席。
 そこに並んで座った。
 私が窓側に座り、中央に高橋、通路側にパールといった感じ。

〔「お待たせ致しました。11時8分発、“なすの”257号、郡山行き、まもなく発車致します」〕

 発車の時刻が迫り、ホームから発車ベルが聞こえて来る。

〔20番線から、“なすの”257号、郡山行きが発車致します。次は、上野に、止まります。黄色い点字ブロックまで、お下がりください〕

 発車までの間、私は買った缶ビールの蓋を開けて一杯飲んでいた。

 愛原「かーっ、これだな!」
 高橋「お元気になられました?」
 愛原「おかげさまで」

 そして、ホームから甲高い客扱い終了合図のブザーが鳴ると、ドアが閉まる。
 車両の規格がほぼ統一されているJR東海道新幹線であればホームドアが付いているが、バラバラなJR東日本側ではホームドアが付けられないようである。
 なので、車両のドアが閉まれば発車する。

 愛原「あたりめあるか?」
 高橋「あ、はい。どうぞ」
 愛原「やっぱ旅行気分はな、缶ビールとつまみだよな」
 高橋「おっしゃる通りです」

〔♪♪(車内チャイム)♪♪。本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。この電車は東北新幹線“なすの”号、郡山行きです。次は、上野に、止まります。……〕

 列車が走り出す。

 高橋「先生。向こうの駅に着いたら、どうするんですか?」
 愛原「ホテル専用の送迎車が来ることになっている。それに乗って、まずはホテルに向かう。なぁに、安心しろ。駅に着いて、喫煙所で一服する時間は確保している」
 高橋「先生……!俺達の為に、何と勿体ないお気遣いを……!」
 愛原「大したことじゃない。ホテルも客室内は喫煙可だから、まあ大丈夫だろう」
 高橋「ありがとうございます」

 まあ、私はどちらかというと嫌煙家だから、2人とは別々の部屋がいいんだがな。
 ただ、1人部屋だと狭いか。
 因みにリサの意識はまだ戻っておらず、点滴治療などが行われているという。

[同日12時20分 天候:晴 栃木県那須塩原市大原間 JR東北新幹線257B列車1号車内→那須塩原駅]

 新幹線に関しては、順調な運行を続けていた。
 小山駅では後続列車の追い抜きは行われず、宇都宮駅3分停車で行われた。
 それから、下車駅に那須塩原駅。

〔♪♪(車内チャイム)♪♪。まもなく、那須塩原です。宇都宮線、黒磯方面はお乗り換えです。お降りの際はお忘れ物の無いよう、お支度ください。那須塩原の次は、新白河に止まります〕

 愛原「無事に着いたな」
 高橋「それに、晴れて来ましたね。これなら、蓮華達は襲って来れませんよ」
 愛原「それな」

 上野利恵一派は鬼でも、リサの系譜に近い為に昼間でも活動できる。
 しかし、栗原蓮華一派は昼間の太陽が弱点である為、外に出ることができない。

〔「まもなく那須塩原、那須塩原です。お出口は、左側です。那須塩原で、3分ほど停車致します。発車は、12時23分です。発車まで、しばらくお待ちください。那須塩原から宇都宮線下り、黒磯行きは、7番線から12時33分の発車です」〕

 列車はグングン速度を落として行き、下り副線ホームに入線した。
 本線にはホームが無いので、そこを通過列車が猛スピードで通過して行くわけである。

〔ドアが開きます〕

 ドアチャイムではなく、自動アナウンスの後でドアが開く。

〔「ご乗車ありがとうございました。那須塩原、那須塩原です。車内にお忘れ物、落とし物の無いよう、ご注意ください。2番線に到着の電車は、12時23分発、“なすの”257号、郡山行きです。新白河、終点郡山の順に停車致します。……」〕

 列車を降りた私達は、すぐに改札口に向かうのではなく、ホーム上の喫煙所に向かった。
 私は喫煙所の中には入らず、ホームの自販機でお茶を飲むことにする。

[同日12時40分 天候:晴 JR那須塩原駅西口→送迎車内]

 高橋夫婦の喫煙タイムが終わると、ようやく改札口に行く。
 非喫煙者からの目線で、喫煙者の喫煙タイムは物凄く効率が悪いように見えてしまう。

 運転手「お待ちしておりました!愛原様ですね!」
 愛原「あ、はい。愛原です」

 那須塩原駅に行くと、ロータリーに白いハイエースが止まっていた。
 佐元氏に事務所から東京駅まで乗せられたハイエースと違い、何のカスタムもされていない。
 せいぜい、黒い明朝体で、『板室温泉ホテル天長園』と書かれているくらいか。
 『天長会』という紺色の法被を着ていた。
 見覚えのある男だった。

 運転手「お待ちしておりました!」
 愛原「待って!あなたは確か、八王子で会った……」
 運転手「奇遇ですね。副支配人の指示で、愛原様達をお迎えに参りました。どうぞ、お乗りください」

 八王子の東横インで挨拶してきた、上野一派の『半鬼』。
 そんな彼が、助手席後ろのスライドドアを開ける。
 『半鬼』とはいうが、遺伝子的な『半鬼』の上野姉妹と違い、宗教法人天長会の信者達はまた違う存在らしい。
 見た目は普通の人間。
 しかも、日光に当たっても全く平気。

 愛原「ありがとう」

 私達は車に乗り込んだ。

 愛原「他にも誰か、宿泊者が乗って来るの?」
 運転手「いえ。今回は愛原様方だけでございます。それでは、出発致します」

 運転手はリアドアを閉めると、運転席に乗り込んで車を走らせた。

 愛原「ホテルの方は大丈夫ですか?栗原蓮華一派との小競り合いがあったと聞きましたが……」
 運転手「はい。夜しか活動できない連中と違って、昼間も活動できる私共の方が遥かに有利ですから。利恵様のおかげです」

 利恵から『血』を分けてもらったことで、『半鬼』と化した者は、利恵に心酔するようになるようである。
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物語の途中ですが、ここで帰省のもようをお伝えします。

2024-04-28 14:53:40 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[2024年4月28日06時40分 天候:晴 東京都渋谷区千駄ヶ谷5丁目 バスタ新宿→京王バス9551便]

 
 JR新宿駅新南口を出た所にある、バスの発車票。
 航空便のタイムテーブルのよう。

 
 バスタ新宿内にあるバスタ新宿の模型。

 
 バスタ新宿内の案内板。

 
 京王バス9551便、仙台行きはA2番から出発。
 尚、壁沿いに並ぶのではなく、車道沿いの柵前に並ぶもよう。

 
 発車標。
 因みにA2や隣の乗り場からは、羽田空港や成田空港行きのバスも出るので、外国人の待ち客も多い。
 仙台行きのバスに、それらしいのは乗っていなかったもよう。
 朝早過ぎるからいないのか、それともマイナーだからなのか……。

 
 私の席は最前列、運転席の真後ろ。
 京王バスでは3列シートといっても、独立3列シートではなく、進行方向左側のA席とB席が2人掛けで、C席が1人用というタイプ。
 私はC席なので、1人席。
 また、車内は時間無制限の無料WiFi付き。

 
 肘掛けの下には、充電用コンセントもある。

 
 シートピッチは広く、人権無しの私の身長なら楽に足を伸ばせる。
 尚、何故か最前列席にだけフットレストが無い。
 また、撮影するのを忘れてしまったが、ヘッドレストは枕(ピロー)付き。
 夜行用の間合い運用だということが分かる。
 バスは6時40分、定刻に出発。

[同日08時05分 天候:晴 埼玉県羽生市弥勒 東北自動車道・羽生パーキングエリア]

 乗務員氏「担当乗務員は、京王バス○○営業所の○○です。仙台までの運行時間は、5時間15分を予定しております」

 ……何か、旅客機の機長の挨拶みたいだな。
 しかしながら、首都高速はだいたい空いていたが、東北道が混んでいた。
 浦和料金所を過ぎて、すぐに渋滞。
 乗務員氏の放送によると、定刻では7時45分くらいに羽生パーキングエリアに着く予定だったらしい。

 
 ゴールデンウィークだからか、大規模なサービスエリアやパーキングエリアには交通誘導員が配置されていた。
 警備会社に臨時警備として、委託したものだろう。
 今日は暑いので、同業者達は大変だ。
 しかし、こういう警備員達が配置されているからこそ、大型駐車場に駐車しようとするマナー違反普通車を防ぐことはできるんだからな。
 バスもまた、誘導員に従ってスムーズに駐車できるのだから助かる。
 ここで家族と、仙台の友人に土産を買って行く。
 15分休憩なので、8時20分に出発。

[同日09時48分 天候:栃木県那須郡那須町 同道・那須高原サービスエリア]

 

 埼玉県内の渋滞の後は、栃木県内の混雑。
 しかし、それでも東名高速や中央自動車道に比べればマシなのだろう。
 一般道並みのスビードでは走れたのだから。
 御登山での行き帰り、メチャ混みの東名高速を知っている身からすれば、東北自動車道はまだ人間界だな。
 もちろん、東名高速が地獄界なのに対してという意味で。
 10時ちょうどの発車だというので、トイレだけ済ませてバスに戻る。

 

 
 因みにバスは、平成顔の三菱ふそう。
 乗車率としては、窓側席が殆ど埋まる感じか。
 それでも、バスタ新宿の空席情報では『△(多少の空席あり)』と表記されていた。
 ゴールデンウィーク中でも満席ではないのだから、穴場なのかもしれない。
 実際、中央高速バスや空港行きのバスは軒並み満席の表示になっていたくらいだから。

[同日11時25分 天候:晴 福島県伊達郡国見町 同道・国見サービスエリア]

 
 ここで最後の休憩。
 トイレを済ませた後は、缶コーヒーでも買って腹を誤魔化しておく。
 因みに朝食は、バスタ新宿内にあるコンビニのパンを買って食べた。
 ファミマは撤退して、今はデイリーヤマザキになっている。
 この時点で、定刻より30分の遅れ。
 機長……もとい、乗務員氏の話によると、仙台駅前着は12時30分頃になるだろうとのこと。

[同日12時20分 天候:晴 宮城県仙台市青葉区郷六 同道・仙台宮城インターチェンジ]

 かつては宮城郡宮城町にあったので、こういう名前。
 それより、ここは料金所からして渋滞していた。
 別に、料金所で何かあって渋滞しているわけではないらしい。
 接続している国道48号線のバイパス、仙台西道路で何かあったらしい。

 
 既に出口ランプ上で、このような渋滞。
 X(Twitter)によると、青葉山トンネル内で事故が発生しているとのこと。
 もっとも、私のバスが来た頃には事故処理が終わった直後だったようで、事故車両の片付けなども終わっていた。

[同日12時50分 天候:晴 宮城県仙台市青葉区中央 仙台駅前40番バス停]
 
 
 バスは凡そ1時間弱の遅延で到着。
 ここまで長距離・長時間運転してくれた乗務員氏に礼を言って、バスを降りる。
 バスファンの勝手な想像だが、この後は共同運行先の宮城交通富谷営業所まで回送し、そこでバスの洗車は整備などして、折り返し、夜行便として新宿に帰るのだろう。
 上り便の場合、終点は渋谷マークシティだが、どちらも京王電車が出ている駅の最寄りであることに変わりは無い。

 この後は迎えに来てくれた家族の車に乗り、昼食を食べてから実家に向かった。
 弟夫婦とは会えなさそうだが、まあ、こっちの友達に会ったりして、ゆっくり過ごさせてもらうとしよう。
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