[3月18日15時18分 天候:晴 東京都中央区日本橋浜町 都営地下鉄浜町駅→都営新宿線1488K電車先頭車内]
事前検査が終わった後、私とリサは再び菊川に帰ることにした。
尚、事前検査の結果は、特に悪い数字が出なければ、私達に教えられることはない。
検査結果のデータはデイライト、そして藤野の研究施設に送られる。
愛原「……よし。送信っと」
私は検査終了の報告を、善場主任にスマホからメールで送信した。
リサ「今時、メールなんだね」
愛原「LINEは外国製だし、セキュリティにも不安があるということで、官公庁や企業の業務報告はメールが未だに使われてるよ」
リサ「ふーん……」
来た道を戻るように、地下鉄の構内へと入る。
リサ「ねぇ、先生。帰り際、ちょっとおやつ食べて行かない?」
愛原「食べる?買うじゃなくて?」
リサ「うん。コーヒーショップとか、カフェとか」
愛原「お腹空いたのか?」
リサ「それもあるね。検査の場合、体がというよりは、精神が疲れる感じ」
愛原「はー、なるほど……」
まあ、私もこの歳になれば、悪い結果が出やしないかとヒヤヒヤすることがあるが。
愛原「分かったよ。検査頑張った御褒美だ。菊川駅に着いてからでいいな?」
リサ「いいよ」
ホームで電車を待っている間、高橋達にも連絡する。
こちらはLINEでいい。
検査が無事に終わってこれから帰るが、その前に休憩してから戻る旨であった。
高橋「了解です。お疲れ様です。パールが、今日の夕飯は鍋にしようかと言ってますが、それでいいですか?」
という返信が返ってきた。
愛原「なるほど。それはいいな……」
リサ「何が?」
愛原「今日の夕飯は、鍋だって」
リサ「すき焼き!?」
愛原「ちょっと待て。聞いてみる」
私は何の鍋かと聞いてみた。
その回答は……。
愛原「寄せ鍋らしい」
リサ「寄せ鍋……」
週末だから、余った食材の一掃が目的だろう。
週末にカレーにするのも、それが理由である。
とはいえ、カレーだけでは材料が限定されるので、それでも一掃できない場合、寄せ鍋にすることがある。
愛原「肉類も多少は入っているだろう。大きな土鍋を使うから、少なくとも足りないってことはないと思うが……」
リサ「まあ、そうだね」
〔まもなく2番線に、各駅停車、本八幡行きが、10両編成で到着します。ドアから離れて、お待ちください。一部、電車とホームの間が広く空いておりますので、足元にご注意ください〕
カーブの途中に駅がある為、菊川駅や岩本町駅よりも、電車は速度を落として入線してくる。
だからか、菊川駅ほど強い風が浜町駅では吹かない。
帰りは京王電鉄の電車がやってきた。
クリーム色のフロント部分が目立つ。
〔2番線の電車は、各駅停車、本八幡行きです。はまちょう、浜町〕
下りの電車は、そんなに混雑していなかった。
帰りは空いているローズピンクの座席に、隣り合って腰かけた。
すぐに短い発車メロディが鳴る。
〔2番線、ドアが閉まります〕
往路の都営の車両とは音色の違うドアチャイムを鳴らしながら、電車のドアが閉まる。
ホームドアも閉まると、運転室内から発車合図のブザーが微かに聞こえる。
そして、ガチャッとハンドルを操作する音が聞こえると、電車が動き出した。
〔次は森下、森下。都営大江戸線は、お乗り換えです〕
愛原「おっ、善場主任から返信が来たぞ」
リサ「ふーん……」
『お疲れ様でした。お気をつけてお帰り下さい』とのことだった。
『特に指示があれば、またこちらから連絡させて頂きます』とも添えられていた。
仮に今回の検査結果が悪い物であれば、連絡するということだろう。
リサ「公一伯父さんのこと、善場さんに報告しなくていいの?」
愛原「次の伯父さんの行き先は分かってる。上野利恵の所だ。そこで何かあったらBSAAが出動するだろうから、どうせそこで分かるよ」
リサ「ふーん……」
愛原「伯父さん、ああ見えて金持ちだから、俺達の時も、きっと高い御祝儀を貰えるぞ?」
リサ「! それもそうか!」
低かったリサのテンションが、やや上がったw
[同日15時21分 天候:曇 東京都墨田区菊川 都営地下鉄菊川駅→珈琲館菊川店]
〔菊川、菊川。警備会社の全日警、東京中央支社はこちらでお降りください〕
電車が自宅最寄り駅に到着する。
〔2番線の電車は、各駅停車、本八幡行きです。きくかわ~、菊川~〕
ドアが開くと、私達は電車を降りた。
リサ「わっ!」
出て行く反対方向の電車の風に、リサが被っていたパーカーのフードが少しズレた。
愛原「別に今は人間形態だから、被らなくていいんじゃないか?」
リサ「それもそうだね」
リサは完全にフードを取った。
黒いおかっぱ頭が現れる。
鬼形態になると、髪の色も変わるから不思議だ。
毛先がオレンジ色になるだけだったり、髪全体が脱色したような色になったりとバラバラ。
因みに栗原蓮華は、見事な銀髪となっている。
上野利恵やその娘達は、特に髪の色が変わることはない。
愛原「どこの店がいい?」
リサ「珈琲館。ホットケーキ食べたい」
愛原「そういうことか」
エスカレーターで改札階に上がり、それから改札口を出る。
そこから地上に向かうエスカレーターに乗るが、それは途中までで、あとは階段を上る。
愛原「やっと帰ってきたな……」
新大橋通りに面している出口から地上に出ると、リサのお目当ての店に向かった。
リサ「先生は何か食べるの?」
愛原「いや、俺はコーヒーだけでいいよ」
リサ「少食」
愛原「そ、そうかな?まあ、夜は鍋だし」
リサ「そうだけどさ……」
今日は少し肌寒い日だから、鍋でちょうど良いだろう。
私とリサは店内に入ると、空いているテーブル席に向かい合って座った。
事前検査が終わった後、私とリサは再び菊川に帰ることにした。
尚、事前検査の結果は、特に悪い数字が出なければ、私達に教えられることはない。
検査結果のデータはデイライト、そして藤野の研究施設に送られる。
愛原「……よし。送信っと」
私は検査終了の報告を、善場主任にスマホからメールで送信した。
リサ「今時、メールなんだね」
愛原「LINEは外国製だし、セキュリティにも不安があるということで、官公庁や企業の業務報告はメールが未だに使われてるよ」
リサ「ふーん……」
来た道を戻るように、地下鉄の構内へと入る。
リサ「ねぇ、先生。帰り際、ちょっとおやつ食べて行かない?」
愛原「食べる?買うじゃなくて?」
リサ「うん。コーヒーショップとか、カフェとか」
愛原「お腹空いたのか?」
リサ「それもあるね。検査の場合、体がというよりは、精神が疲れる感じ」
愛原「はー、なるほど……」
まあ、私もこの歳になれば、悪い結果が出やしないかとヒヤヒヤすることがあるが。
愛原「分かったよ。検査頑張った御褒美だ。菊川駅に着いてからでいいな?」
リサ「いいよ」
ホームで電車を待っている間、高橋達にも連絡する。
こちらはLINEでいい。
検査が無事に終わってこれから帰るが、その前に休憩してから戻る旨であった。
高橋「了解です。お疲れ様です。パールが、今日の夕飯は鍋にしようかと言ってますが、それでいいですか?」
という返信が返ってきた。
愛原「なるほど。それはいいな……」
リサ「何が?」
愛原「今日の夕飯は、鍋だって」
リサ「すき焼き!?」
愛原「ちょっと待て。聞いてみる」
私は何の鍋かと聞いてみた。
その回答は……。
愛原「寄せ鍋らしい」
リサ「寄せ鍋……」
週末だから、余った食材の一掃が目的だろう。
週末にカレーにするのも、それが理由である。
とはいえ、カレーだけでは材料が限定されるので、それでも一掃できない場合、寄せ鍋にすることがある。
愛原「肉類も多少は入っているだろう。大きな土鍋を使うから、少なくとも足りないってことはないと思うが……」
リサ「まあ、そうだね」
〔まもなく2番線に、各駅停車、本八幡行きが、10両編成で到着します。ドアから離れて、お待ちください。一部、電車とホームの間が広く空いておりますので、足元にご注意ください〕
カーブの途中に駅がある為、菊川駅や岩本町駅よりも、電車は速度を落として入線してくる。
だからか、菊川駅ほど強い風が浜町駅では吹かない。
帰りは京王電鉄の電車がやってきた。
クリーム色のフロント部分が目立つ。
〔2番線の電車は、各駅停車、本八幡行きです。はまちょう、浜町〕
下りの電車は、そんなに混雑していなかった。
帰りは空いているローズピンクの座席に、隣り合って腰かけた。
すぐに短い発車メロディが鳴る。
〔2番線、ドアが閉まります〕
往路の都営の車両とは音色の違うドアチャイムを鳴らしながら、電車のドアが閉まる。
ホームドアも閉まると、運転室内から発車合図のブザーが微かに聞こえる。
そして、ガチャッとハンドルを操作する音が聞こえると、電車が動き出した。
〔次は森下、森下。都営大江戸線は、お乗り換えです〕
愛原「おっ、善場主任から返信が来たぞ」
リサ「ふーん……」
『お疲れ様でした。お気をつけてお帰り下さい』とのことだった。
『特に指示があれば、またこちらから連絡させて頂きます』とも添えられていた。
仮に今回の検査結果が悪い物であれば、連絡するということだろう。
リサ「公一伯父さんのこと、善場さんに報告しなくていいの?」
愛原「次の伯父さんの行き先は分かってる。上野利恵の所だ。そこで何かあったらBSAAが出動するだろうから、どうせそこで分かるよ」
リサ「ふーん……」
愛原「伯父さん、ああ見えて金持ちだから、俺達の時も、きっと高い御祝儀を貰えるぞ?」
リサ「! それもそうか!」
低かったリサのテンションが、やや上がったw
[同日15時21分 天候:曇 東京都墨田区菊川 都営地下鉄菊川駅→珈琲館菊川店]
〔菊川、菊川。警備会社の全日警、東京中央支社はこちらでお降りください〕
電車が自宅最寄り駅に到着する。
〔2番線の電車は、各駅停車、本八幡行きです。きくかわ~、菊川~〕
ドアが開くと、私達は電車を降りた。
リサ「わっ!」
出て行く反対方向の電車の風に、リサが被っていたパーカーのフードが少しズレた。
愛原「別に今は人間形態だから、被らなくていいんじゃないか?」
リサ「それもそうだね」
リサは完全にフードを取った。
黒いおかっぱ頭が現れる。
鬼形態になると、髪の色も変わるから不思議だ。
毛先がオレンジ色になるだけだったり、髪全体が脱色したような色になったりとバラバラ。
因みに栗原蓮華は、見事な銀髪となっている。
上野利恵やその娘達は、特に髪の色が変わることはない。
愛原「どこの店がいい?」
リサ「珈琲館。ホットケーキ食べたい」
愛原「そういうことか」
エスカレーターで改札階に上がり、それから改札口を出る。
そこから地上に向かうエスカレーターに乗るが、それは途中までで、あとは階段を上る。
愛原「やっと帰ってきたな……」
新大橋通りに面している出口から地上に出ると、リサのお目当ての店に向かった。
リサ「先生は何か食べるの?」
愛原「いや、俺はコーヒーだけでいいよ」
リサ「少食」
愛原「そ、そうかな?まあ、夜は鍋だし」
リサ「そうだけどさ……」
今日は少し肌寒い日だから、鍋でちょうど良いだろう。
私とリサは店内に入ると、空いているテーブル席に向かい合って座った。