報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「八王子前泊の旅」 4

2024-04-16 20:35:20 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[3月21日22時00分 天候:雨 東京都八王子市三崎町 ホテル東横イン八王子駅北口・リサとレイチェルの部屋]

 レイチェル「……それで、教官のジョージ軍曹が言ったんです。『オマエ、臭いからもう少し離れてろ。1光年』(笑)」
 リサ「1光年って、地球の外に出ろって!?www」
 レイチェル「American jokeです」
 リサ「いやあ、レイチェルの話、面白い!」
 レイチェル「私自身はそんなにjokeが得意ってわけでもないんですけど、先輩達が、ですね」
 リサ「前にネットで観た『アルフ』みたい!」
 レイチェル「『アルフ』ですか。あれでAmerican jokeを勉強したという日本人は多いらしいですね?」
 リサ「あんなトークが毎日交わされるの?」
 レイチェル「まあ、毎日ってわけじゃないですけど」
 リサ「もしかして、本当に宇宙人を捕獲していたり?」
 レイチェル「それはBSAAの仕事ではありません」
 リサ「おや、否定しない。ということは、もしかして?」
 レイチェル「それよりリサ、そろそろ寝る準備を。明日は6時起きでしたね?」
 リサ「うっ、もうそんな時間か……」
 レイチェル「バスタブにお湯を入れてきます」
 リサ「一緒に入る?」
 レイチェル「残念ですが、セパレートタイプではありませんね。セパレートタイプの広いバスルームならそうしても良いのですが、このホテルではやめておきましょう」
 リサ「トイレと一緒になったユニットバスだもんね。京王プラザホテルの客室だったら、そうだったのかも」
 レイチェル「リサ、私が先に入ってもいいですか?」
 リサ「いいよ」
 レイチェル「いいですか?私がバスルームにいる間、窓には近づいてはいけませんよ?」
 リサ「分かったよ」

 リサはペットボトルの飲み物を飲み干した。

 リサ「あっ、水が無くなった。ちょっと下に行って買って来る。ホテルから出なければいいんだよね?」
 レイチェル「そうです。1歩でも外に出た場合、『脱走&暴走』と見なし、掃討と対象となりますので、注意してください」
 リサ「怖い怖いw」
 レイチェル「お金はありますか?」
 リサ「一応、小銭は愛原先生からもらってる」

 リサは小銭入れを持ち出した。

 レイチェル「カードキーも忘れずに」
 リサ「分かってるよ。わたしのコールドカードキーじゃ開かないかな?」
 レイチェル「それはアンブレラの施設のみを開けられるカードですので、関係無いこのホテルのロックは開けられないと思います」
 リサ「それは残念。レイチェルはどうする?」
 レイチェル「じゃあ、私のもお願いします」
 リサ「いえっさー!」

 リサはカードキーと小銭入れを持つと、部屋を出た。
 深夜帯になったとはいえ、合宿所やドミトリーではないので、廊下の照明が落とされるということはない。
 当然ながら、エレベーターも通常通りに稼働していた。
 それに乗って1階のロビーに向かう。
 ホテルのエレベーターにしては珍しく、マンションのそれのように、ドアに窓の付いているタイプだ。

 リサ「あー、そうか」

 ロビーには自販機の他、ウォーターサーバーもある。

 リサ「この水飲んでもいいんだよね」

 リサはウォーターサーバーの水を飲んだ。

 リサ「んー!」

 それとは別に、自販機で水を買う。

 リサ「雨か……」

 ホテルに入って来た別の宿泊客が傘を差していたのを見て、リサは外が雨だと気づいた。
 そこそこの強さらしい。

 リサ(バイオハザード発生中のラクーンシティも、雨が降ってたらしいねぇ……)

 リサがエレベーターに乗ろうとすると、上から下りて来た愛原と鉢合わせになった。

 愛原「おっ、リサ!?何やってるんだ!?」
 リサ「あっ、先生。ペットボトルの水が切れたら、買い足しに来ただけだよ?1本はレイチェルの分」
 愛原「何だ、そうか。実は俺もなんだ」
 リサ「そうだったんだ。ねぇ、先生」
 愛原「何だ?」
 リサ「先生が初めて霧生市のバイオハザードに巻き込まれた時も、こんな雨だったの?」
 愛原「いや、普通に晴れてたぞ。雨に降られたのはその何日か後、大山寺で孤立していた時だったな」
 リサ「そうなんだ」
 愛原「どうしてそんなこと聞くんだ?」
 リサ「いや、アメリカのラクーンシティでは、雨が降ってたらしいね?」
 愛原「滅菌作戦実行前の数日前か。そうだな」
 リサ「何か、それに似てるなぁって思って」
 愛原「今更、Tウィルスなんてばら撒く奴はいないだろ。今は特異菌の時代だ」

 本来ならリサの持つGウィルスも過去の遺物のはずだが、物の見事に取り込んでいる日本のリサだけが唯一の存在だ。

 愛原「早いとこ寝ろよ。明日も早いんだから」
 リサ「分かってるよ」

 リサと愛原は再びエレベーターに乗り込んだ。

 リサ「何か、動きある?」
 愛原「何が?」
 リサ「ほら、さっき、ロビーにリエの手下が来たでしょ?そいつら、何かしてないかなぁって……」
 愛原「いや、特に何の連絡も無いな……」

 エレベーターが客室フロアに着いて、エレベーターを降りると、外から微かにパトカーのサイレンの音が聞こえて来た。
 非常階段のドアの窓から外を見ると、繁華街の方に赤色灯を点けたパトカーが止まっているのが見えたが、何の事件だか分からない。
 繁華街の中なので、酔っ払いのケンカとかかもしれない。

 愛原「取りあえず、何とも無いだろう。気をつけて寝ろよ」
 リサ「分かった」

 リサは愛原と別れると、自分の部屋に戻った。

 リサ「ただいまー」

 手持ちのカードキーでドアの鍵を開けて、中に入る。
 ドアを閉めたら、すぐに内鍵を閉めた。
 部屋の中にレイチェルはいなかったが、バスルームからシャワーの音がするので、入浴しているのだろう。
 リサは買ってきた水を冷蔵庫の中に入れた。
 そして、自分のキャリーバッグを開けて、替えの下着などを用意する。
 藤野では洗濯機があって、自由に使えるとのことだった。
 とはいうものの……。

 リサ(刑務所の独房みたいな場所だったらヤだなー……)
コメント
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