[3月21日15時41分 天候:不明 東京都新宿区西新宿 都営地下鉄新宿線1473K電車・最後尾車内→京王新線新宿駅]
リサ達を乗せた京王電車は、定刻通りに乗り入れ先の都営地下鉄新宿線内を走行している。
既にローズピンクの座席は満席となり、吊り革に掴まる乗客も現れていた。
〔都営地下鉄をご利用くださいまして、ありがとうございました。次は新宿、新宿。お出口は、右側です。都営大江戸線、JR線、小田急線はお乗り換えです。この電車は京王線直通、快速、橋本行きです。笹塚までは、各駅に停車します〕
〔「京王線直通、快速の大沢克……失礼しました。橋本行きです。笹塚までは、各駅に止まります。どうぞこの先も、お気をつけて行ってらっしゃいませ。本日も都営地下鉄をご利用頂きまして、ありがとうございました」〕
電車は都営地下鉄と京王電鉄の境目の駅、新線新宿駅に到着した。
〔「ご乗車ありがとうございました。新線新宿、新線新宿です。お忘れ物、落とし物をなさいませんよう、ご注意ください。4番線の電車は、快速、橋本行きです。笹塚までは、各駅に停車致します。……」〕
リサ達は最後尾の車両に乗っていたが、この駅で電車を降りた。
リサ「先生。レイチェルはこの上で待ってるみたいだけど……?」
愛原「ああ。地下1階のトイレの前で待っててもらってる」
リサ「どうしてトイレ?」
愛原「そこが分かりやすいからだよ。あとは京王線側の3番線にしか無い」
リサ「ふーん……」
エスカレーターで地下1階に向かう。
一旦地下4階まで上がった後、今度は長いエスカレーターで一気に地下1階まで上がるようだ。
リサは大きなキャリーバッグを持っているが、エスカレーターなら楽に運べる。
リサ「あっ、レイチェル!」
レイチェル「Oh!皆さん、こんにちハ!」
待ち合わせ場所には、レイチェルが立っていた。
やや、軍人じみた格好をしている。
くすんだ緑色のジャンパーを羽織り、同じ色のズボンを穿いている。
ジャンパーの下は、黒いシャツを着ていた。
そして、頭には黒いキャップ。
いつものポニーテールの髪は解いている。
もしかしたら、ジャンパーの下は銃を隠しているのかもしれない。
今回はリサの護衛が任務とはいえ、随分と物々しい服を着てくるものだとリサは思った。
リサ「何だか、軍人さんみたい」
レイチェル「Ah...BSAA、国連軍の養成員ですから」
リサ「それもそうか」
愛原「逆にそういう恰好は目立つんじゃないの?」
レイチェル「いいえ。日本人の2人に、アメリカ人の私が一緒というだけで目立つでしょうから、どうせ目立つのなら、いっそのこと、戦闘向きの服を着てきたまでです」
愛原「なるほど」
ジャンパーは私服ではないようで、BSAAのワッペンが入っていた。
BSAAの隊員が同行していることをアピールすることで、栗原蓮華を警戒させる目的もあるようだ。
愛原「電車は16時ちょうどの“京王ライナー”だ。トイレは無いから、今のうちに済ませておくんだな」
リサ「そうする」
リサはそう言って、トイレに入って行った。
レイチェル「護衛します」
リサ「……個室にまでは入って来なくていいからね?」
[同日15時55分~16時00分 天候:曇 同地区内 京王電鉄新宿駅→京王線7001電車・先頭車内]
リサのトイレが済んでから、3人は京王線のホームへと移動する。
愛原「京王ライナー1号は、2番線から出るらしい」
リサ「前にも乗ったことあるよね?」
愛原「まあな」
愛原は既にチケットレスサービスでライナー券を購入しているらしく、紙のチケットを渡してくることは無かった。
レイチェル「普通の電車のようですね……」
愛原「まあ、ライナー専用車両というわけではないからな……」
(リサ達が乗車する“京王ライナー”仕様の5000系電車。写真からでは分かりにくいが、流線形である)
通勤電車の形式ではあるので、車両のドアは片側に4つある。
しかしながら、新宿駅では車両の両端部の2ヶ所ずつしかドアを開けない。
通勤電車では横向きにセットされる座席も、“京王ライナー”では進行方向向きにセットされる。
愛原「ここだな」
リサ達が乗るのは車端部の3人席。
固定されている為、この座席を進行方向向きに変えることはできない。
尚、向かい側は車椅子スペースとなっている為、リサの大きなキャリーバッグはそこに置くことにした。
いい荷物置き場だ。
私の鞄やレイチェルのバッグは、網棚に置くことにする。
車内にはBGMが流れていて、まるで離陸前の航空機内のようだ。
https://www.youtube.com/watch?v=eZc2F2GL3HA
(始発駅停車中、車内に流れる“京王ライナーのテーマ”)
車内の照明は通常の通勤電車としての運用は、普通の白色であるが、“京王ライナー”として運用する場合は暖色系に切り替えられる。
また、WiFiもあるし、ロングシート部分でも充電コンセントが肘掛け下に付いている。
リサ「♪~♪」
車内に流れるオーケストラ調のテーマソングに合わせて鼻唄を歌いながら、小さいバッグの中からポッキーを取り出すリサ。
リサ「レイチェルも食べる?」
レイチェル「Thanks.じゃあ、1本頂きます」
リサ「先生も」
愛原「ああ、ありがとう」
〔ご案内致します。この電車は“京王ライナー”、京王八王子行きです。途中、明大前、府中、分倍河原、聖蹟桜ヶ丘、高幡不動、北野に止まります。この電車は、全車指定席です。あらかじめ座席指定券をお買い求めの上、指定された席をご利用ください〕
尚、放送が流れている間はBGMが止まる。
この自動放送が停車中、2階流れた。
〔「この電車は全席指定の“京王ライナー”1号、京王八王子行きでございます。ご乗車には座席指定券が必要です。指定券をお持ちでないお客様はご乗車になれませんので、ご注意ください。最初の停車駅は明大前です。お待たせ致しました。まもなく発車致します」〕
車掌の肉声放送でも、BGMは止まるらしい。
リサ「このBGM、吹奏楽部に演奏してもらいたいね」
愛原「楽譜が手に入れば、できるんだろうがなぁ……」
ホームから発車ベルの音が聞こえて来る。
リサが自分のスマホを見ると、16時ちょうどを指していた。
どうやら、定刻通りに発車できるらしい。
〔「この電車は、“京王ライナー”です。有料の座席指定券が必要です。扉が閉まります」〕
そして、ホームドアと電車のドアが閉まる。
ドアチャイムは、JR東海の在来線電車と同じ音色だった。
そして、ドアが閉まると、運転席の方から微かに発車合図のブザーが聞こえてきて、ハンドルをガチャガチャ操作する音が聞こえる。
エアーの抜ける音がして、電車は地下のホームをゆっくり発車した。
愛原「よし。善場主任にメールだ」
愛原は予め入力したメールを、善場に送信したようだ。
〔♪♪(車内チャイム)♪♪。京王をご利用くださいまして、ありがとうございます。“京王ライナー”、京王八王子行きです。途中、明大前、府中、分倍河原、聖蹟桜ヶ丘、高幡不動、北野に止まります。次は、明大前です。明大前の次は、府中に止まります〕
電車が地上に出ると、善場から返信が来たらしい。
愛原「『了解しました。こちらでもGPSで確認しています。BSAAの護衛付きとはいえ、油断なさらぬよう、お気をつけください』だって」
リサ「なるほど」
リサは大きく頷いて、今度はジュースのペットボトルを開けた。
愛原「いいか?俺がこの電車を選んだのは、何も趣味とか楽したいからとか、そういうわけではなく、数多くの電車が走る中で、こういう特別な電車の方が、善場主任達も追いやすいからだろうと思ってのことだ」
リサ「というのは表向きで、やっぱり趣味で乗りたいと」
愛原「リサは厳しいな」
リサ「いいんだよ。わたしは先生と一緒にお出かけできるのなら、地獄の果てまでも行くよ」
愛原「勝手に地獄行きにされるのは困るな……」
レイチェル「愛原センセイ。“ゲゲゲの鬼太郎”で、地獄行きのGhost Trainが走ったのは、この線路ですか?」
愛原「何で知ってるんだ?」
リサ「うーん……やっぱり、地獄行きかぁ……」
愛原「いや、終電行った後の臨時電車じゃないからね?」
リサ達を乗せた京王電車は、定刻通りに乗り入れ先の都営地下鉄新宿線内を走行している。
既にローズピンクの座席は満席となり、吊り革に掴まる乗客も現れていた。
〔都営地下鉄をご利用くださいまして、ありがとうございました。次は新宿、新宿。お出口は、右側です。都営大江戸線、JR線、小田急線はお乗り換えです。この電車は京王線直通、快速、橋本行きです。笹塚までは、各駅に停車します〕
〔「京王線直通、快速の大沢克……失礼しました。橋本行きです。笹塚までは、各駅に止まります。どうぞこの先も、お気をつけて行ってらっしゃいませ。本日も都営地下鉄をご利用頂きまして、ありがとうございました」〕
電車は都営地下鉄と京王電鉄の境目の駅、新線新宿駅に到着した。
〔「ご乗車ありがとうございました。新線新宿、新線新宿です。お忘れ物、落とし物をなさいませんよう、ご注意ください。4番線の電車は、快速、橋本行きです。笹塚までは、各駅に停車致します。……」〕
リサ達は最後尾の車両に乗っていたが、この駅で電車を降りた。
リサ「先生。レイチェルはこの上で待ってるみたいだけど……?」
愛原「ああ。地下1階のトイレの前で待っててもらってる」
リサ「どうしてトイレ?」
愛原「そこが分かりやすいからだよ。あとは京王線側の3番線にしか無い」
リサ「ふーん……」
エスカレーターで地下1階に向かう。
一旦地下4階まで上がった後、今度は長いエスカレーターで一気に地下1階まで上がるようだ。
リサは大きなキャリーバッグを持っているが、エスカレーターなら楽に運べる。
リサ「あっ、レイチェル!」
レイチェル「Oh!皆さん、こんにちハ!」
待ち合わせ場所には、レイチェルが立っていた。
やや、軍人じみた格好をしている。
くすんだ緑色のジャンパーを羽織り、同じ色のズボンを穿いている。
ジャンパーの下は、黒いシャツを着ていた。
そして、頭には黒いキャップ。
いつものポニーテールの髪は解いている。
もしかしたら、ジャンパーの下は銃を隠しているのかもしれない。
今回はリサの護衛が任務とはいえ、随分と物々しい服を着てくるものだとリサは思った。
リサ「何だか、軍人さんみたい」
レイチェル「Ah...BSAA、国連軍の養成員ですから」
リサ「それもそうか」
愛原「逆にそういう恰好は目立つんじゃないの?」
レイチェル「いいえ。日本人の2人に、アメリカ人の私が一緒というだけで目立つでしょうから、どうせ目立つのなら、いっそのこと、戦闘向きの服を着てきたまでです」
愛原「なるほど」
ジャンパーは私服ではないようで、BSAAのワッペンが入っていた。
BSAAの隊員が同行していることをアピールすることで、栗原蓮華を警戒させる目的もあるようだ。
愛原「電車は16時ちょうどの“京王ライナー”だ。トイレは無いから、今のうちに済ませておくんだな」
リサ「そうする」
リサはそう言って、トイレに入って行った。
レイチェル「護衛します」
リサ「……個室にまでは入って来なくていいからね?」
[同日15時55分~16時00分 天候:曇 同地区内 京王電鉄新宿駅→京王線7001電車・先頭車内]
リサのトイレが済んでから、3人は京王線のホームへと移動する。
愛原「京王ライナー1号は、2番線から出るらしい」
リサ「前にも乗ったことあるよね?」
愛原「まあな」
愛原は既にチケットレスサービスでライナー券を購入しているらしく、紙のチケットを渡してくることは無かった。
レイチェル「普通の電車のようですね……」
愛原「まあ、ライナー専用車両というわけではないからな……」
(リサ達が乗車する“京王ライナー”仕様の5000系電車。写真からでは分かりにくいが、流線形である)
通勤電車の形式ではあるので、車両のドアは片側に4つある。
しかしながら、新宿駅では車両の両端部の2ヶ所ずつしかドアを開けない。
通勤電車では横向きにセットされる座席も、“京王ライナー”では進行方向向きにセットされる。
愛原「ここだな」
リサ達が乗るのは車端部の3人席。
固定されている為、この座席を進行方向向きに変えることはできない。
尚、向かい側は車椅子スペースとなっている為、リサの大きなキャリーバッグはそこに置くことにした。
いい荷物置き場だ。
私の鞄やレイチェルのバッグは、網棚に置くことにする。
車内にはBGMが流れていて、まるで離陸前の航空機内のようだ。
https://www.youtube.com/watch?v=eZc2F2GL3HA
(始発駅停車中、車内に流れる“京王ライナーのテーマ”)
車内の照明は通常の通勤電車としての運用は、普通の白色であるが、“京王ライナー”として運用する場合は暖色系に切り替えられる。
また、WiFiもあるし、ロングシート部分でも充電コンセントが肘掛け下に付いている。
リサ「♪~♪」
車内に流れるオーケストラ調のテーマソングに合わせて鼻唄を歌いながら、小さいバッグの中からポッキーを取り出すリサ。
リサ「レイチェルも食べる?」
レイチェル「Thanks.じゃあ、1本頂きます」
リサ「先生も」
愛原「ああ、ありがとう」
〔ご案内致します。この電車は“京王ライナー”、京王八王子行きです。途中、明大前、府中、分倍河原、聖蹟桜ヶ丘、高幡不動、北野に止まります。この電車は、全車指定席です。あらかじめ座席指定券をお買い求めの上、指定された席をご利用ください〕
尚、放送が流れている間はBGMが止まる。
この自動放送が停車中、2階流れた。
〔「この電車は全席指定の“京王ライナー”1号、京王八王子行きでございます。ご乗車には座席指定券が必要です。指定券をお持ちでないお客様はご乗車になれませんので、ご注意ください。最初の停車駅は明大前です。お待たせ致しました。まもなく発車致します」〕
車掌の肉声放送でも、BGMは止まるらしい。
リサ「このBGM、吹奏楽部に演奏してもらいたいね」
愛原「楽譜が手に入れば、できるんだろうがなぁ……」
ホームから発車ベルの音が聞こえて来る。
リサが自分のスマホを見ると、16時ちょうどを指していた。
どうやら、定刻通りに発車できるらしい。
〔「この電車は、“京王ライナー”です。有料の座席指定券が必要です。扉が閉まります」〕
そして、ホームドアと電車のドアが閉まる。
ドアチャイムは、JR東海の在来線電車と同じ音色だった。
そして、ドアが閉まると、運転席の方から微かに発車合図のブザーが聞こえてきて、ハンドルをガチャガチャ操作する音が聞こえる。
エアーの抜ける音がして、電車は地下のホームをゆっくり発車した。
愛原「よし。善場主任にメールだ」
愛原は予め入力したメールを、善場に送信したようだ。
〔♪♪(車内チャイム)♪♪。京王をご利用くださいまして、ありがとうございます。“京王ライナー”、京王八王子行きです。途中、明大前、府中、分倍河原、聖蹟桜ヶ丘、高幡不動、北野に止まります。次は、明大前です。明大前の次は、府中に止まります〕
電車が地上に出ると、善場から返信が来たらしい。
愛原「『了解しました。こちらでもGPSで確認しています。BSAAの護衛付きとはいえ、油断なさらぬよう、お気をつけください』だって」
リサ「なるほど」
リサは大きく頷いて、今度はジュースのペットボトルを開けた。
愛原「いいか?俺がこの電車を選んだのは、何も趣味とか楽したいからとか、そういうわけではなく、数多くの電車が走る中で、こういう特別な電車の方が、善場主任達も追いやすいからだろうと思ってのことだ」
リサ「というのは表向きで、やっぱり趣味で乗りたいと」
愛原「リサは厳しいな」
リサ「いいんだよ。わたしは先生と一緒にお出かけできるのなら、地獄の果てまでも行くよ」
愛原「勝手に地獄行きにされるのは困るな……」
レイチェル「愛原センセイ。“ゲゲゲの鬼太郎”で、地獄行きのGhost Trainが走ったのは、この線路ですか?」
愛原「何で知ってるんだ?」
リサ「うーん……やっぱり、地獄行きかぁ……」
愛原「いや、終電行った後の臨時電車じゃないからね?」