[3月13日15時00分 天候:曇 東京都墨田区菊川2丁目 愛原学探偵事務所2階]
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
栃木県の板室温泉でホテルを経営している上野利恵から、宿泊招待券が届けられた。
使用期限がリサのいない春休みのみだったので、どうしようか検討しているところだ。
取りあえず、今のところ、宿泊券はしまっておくことにした。
リサ「ただいまァ!」
リサが学校から帰って来た。
今日は午後まで授業だったらしい。
今は来客が無いので、リサも堂々と制服姿で事務所に入ってきた。
愛原「お帰り。今日は午後まで授業か」
リサ「最後の授業、体育だったから疲れちゃった!」
愛原「嘘つけ。鬼のお前が体育くらいでヘバるわけ無いだろう」
リサ「エヘヘ……」
こういう場合、着替えるのが面倒で、ジャージのまま帰宅するということも多い学生達であるが、リサは制服に着替えていた。
恐らく、ブルマを穿いているからだろう。
リサ「本当はお腹空いた」
パール「3階におやつのビーフジャーキーがありますよ」
リサ「ほんと!」
人間の女子高生ならスイーツだろうに、鬼娘のリサはビーフジャーキーである。
高橋曰く、犬用のジャーキーでもバクバク食うのではないかとのこと。
しかし、リサは……。
リサ「ム!?」
人間形態から鬼形態へと変化すると、赤い瞳をギラリと光らせ、鼻をフンフンをヒクつかせた。
リサ「フンフンフン!フンフンフン!」
そして、私の机に飛び込んで来る。
愛原「わあっ!?何だ何だ!?」」
リサ「変な臭いがする!」
愛原「犬かな!?」
リサ「鬼だよ!この机の中から変な臭いがする!」
この机の引き出しには、上野利恵からもらった宿泊券が保管されている。
なのにリサ、何かの匂いを感じ取ったというのだろうか。
リサ「この中から鬼の臭いがする!」
愛原「引き出しに入る鬼なんかいるわけないだろ!」
リサ「くっ!開かない!」
幸い、宿泊券は鍵の掛かっている引き出しにしまっている。
しかし、リサの鬼の力なら、鍵を壊して開けてしまいそうだ。
愛原「やめなさい!ここには重要書類とかが入ってるんだから!」
リサ「ううーん!」
パール「ほーら、リサさん!ビーフジャーキーですよ!お腹が空いて、イラついてるんでしょ?早くこれを食べてください!」
リサ「ガァァッ!!」
リサ、今度はパールに飛び掛かる。
そして、パールからビーフジャーキーを奪い取ると、それをガツガツ食べ始めた。
愛原「リサ、食べるなら3階でな」
パール「私が連れて行きます」
パールはエレベーターにリサを乗せると、3階に連れて行った。
愛原「たかだか宿泊券で、こんなに反応するなんて……」
私は鍵を取り出すと、それで引き出しを開けた。
高橋「いや、先生。もしかして、これに反応したんじゃないスか?」
高橋は宿泊券が入っていたレターパックを取り出した。
宛先等は手書きで書かれている。
普通は手書きにしても、黒か青のボールペンなどで書かれていることが多い。
ところが、このレターパックに関しては、何故か赤黒い字で書かれていた。
一見して黒いインクのように見えるのだが、よく見ると赤黒い。
その場にいた善場主任曰く、これは『鬼の血』なのだそうだ。
鬼の血そのもので書くわけには行かないから、鬼の血をインクに混ぜて書いたのではないかとのこと。
何故そんなことをしたのかは不明だが、それほどまでに私達に来て欲しいということの表れなのだろうと。
鬼の血が混じっているから、リサの鼻はそれに反応したということなのだ。
これはビニール袋に入れるなどして、匂いが拡散しないようにしなければならない。
人間の鼻であれば、文字に鼻を近づけても、若干インクの匂いがするかしないかといった程度なのだが。
愛原「これだろうな。ビニールのパウチとかは無いかな?レターパックがまるっと入るようなサイズの」
高橋「ちょっとキッチン辺りを探してきます」
愛原「頼むぞ」
その時、エレベーターが2階に下りて来た。
ドアが開くと、そこからパールが単独で降りて来た。
パール「リサさんはリビングで、おやつとジュースに集中されています」
愛原「よし。リサを暴走させない為にも、この引き出しは春休みまで封印だ」
高橋「鬼除けの御札でも貼りますか?」
愛原「どこから持って来るんだよw」
高橋「ワンチャン、神社で売ってませんかね?」
愛原「そこまでしなくていいよ。それより、お前はリサに怪しまれないよう、早いとこパウチを探してこい」
高橋「分かりました」
高橋はパールが乗って来たエレベーターに乗り込んだ。
愛原「取りあえず、『立入禁止』のシールでも貼っておくか」
パール「どこに貼るつもりだったんです?」
[同日18時00分 天候:晴 愛原家3階ダイニング]
リサは体操服にブルマという姿で、4階から降りて来た。
どうやら引き出しのことについては、もう忘れているようだ。
か、忘れていないが、もう気にしていないか。
レターパックは、高橋が見つけて来たパウチに入れておいた。
案内状も手書きで、同じような色合いだったので、これも封印しておいた。
上野利恵は清楚とした見た目ながら、こういう所は鬼女なんだと気づかされる。
BSAAに狙撃されないよう、人食いを断っているのは本当のようだが。
リサ「先生」
愛原「えっ、何だ?」
リサ「明日は午前中で授業終わりだから」
愛原「そうなのか。お昼は食べて来るのか?」
リサ「そうだね。今度はレイチェルだけじゃなく、他の『魔王軍』のメンバーともランチしたい。……から、お昼代ちょうだい」
愛原「あ、学食は無いのね」
リサ「学食があるのは、午後まで授業がある日だけ」
愛原「それもそうか。Pasmoにチャージするんだろ?」
リサ「そう」
愛原「後で現金やるよ。チャージ忘れんなよ?」
リサ「分かってるよ」
終業式は20日。
PTA会長代行の私も、来賓で招かれている。
多分、来年度からは正式な会長に任命されるのだろう。
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
栃木県の板室温泉でホテルを経営している上野利恵から、宿泊招待券が届けられた。
使用期限がリサのいない春休みのみだったので、どうしようか検討しているところだ。
取りあえず、今のところ、宿泊券はしまっておくことにした。
リサ「ただいまァ!」
リサが学校から帰って来た。
今日は午後まで授業だったらしい。
今は来客が無いので、リサも堂々と制服姿で事務所に入ってきた。
愛原「お帰り。今日は午後まで授業か」
リサ「最後の授業、体育だったから疲れちゃった!」
愛原「嘘つけ。鬼のお前が体育くらいでヘバるわけ無いだろう」
リサ「エヘヘ……」
こういう場合、着替えるのが面倒で、ジャージのまま帰宅するということも多い学生達であるが、リサは制服に着替えていた。
恐らく、ブルマを穿いているからだろう。
リサ「本当はお腹空いた」
パール「3階におやつのビーフジャーキーがありますよ」
リサ「ほんと!」
人間の女子高生ならスイーツだろうに、鬼娘のリサはビーフジャーキーである。
高橋曰く、犬用のジャーキーでもバクバク食うのではないかとのこと。
しかし、リサは……。
リサ「ム!?」
人間形態から鬼形態へと変化すると、赤い瞳をギラリと光らせ、鼻をフンフンをヒクつかせた。
リサ「フンフンフン!フンフンフン!」
そして、私の机に飛び込んで来る。
愛原「わあっ!?何だ何だ!?」」
リサ「変な臭いがする!」
愛原「犬かな!?」
リサ「鬼だよ!この机の中から変な臭いがする!」
この机の引き出しには、上野利恵からもらった宿泊券が保管されている。
なのにリサ、何かの匂いを感じ取ったというのだろうか。
リサ「この中から鬼の臭いがする!」
愛原「引き出しに入る鬼なんかいるわけないだろ!」
リサ「くっ!開かない!」
幸い、宿泊券は鍵の掛かっている引き出しにしまっている。
しかし、リサの鬼の力なら、鍵を壊して開けてしまいそうだ。
愛原「やめなさい!ここには重要書類とかが入ってるんだから!」
リサ「ううーん!」
パール「ほーら、リサさん!ビーフジャーキーですよ!お腹が空いて、イラついてるんでしょ?早くこれを食べてください!」
リサ「ガァァッ!!」
リサ、今度はパールに飛び掛かる。
そして、パールからビーフジャーキーを奪い取ると、それをガツガツ食べ始めた。
愛原「リサ、食べるなら3階でな」
パール「私が連れて行きます」
パールはエレベーターにリサを乗せると、3階に連れて行った。
愛原「たかだか宿泊券で、こんなに反応するなんて……」
私は鍵を取り出すと、それで引き出しを開けた。
高橋「いや、先生。もしかして、これに反応したんじゃないスか?」
高橋は宿泊券が入っていたレターパックを取り出した。
宛先等は手書きで書かれている。
普通は手書きにしても、黒か青のボールペンなどで書かれていることが多い。
ところが、このレターパックに関しては、何故か赤黒い字で書かれていた。
一見して黒いインクのように見えるのだが、よく見ると赤黒い。
その場にいた善場主任曰く、これは『鬼の血』なのだそうだ。
鬼の血そのもので書くわけには行かないから、鬼の血をインクに混ぜて書いたのではないかとのこと。
何故そんなことをしたのかは不明だが、それほどまでに私達に来て欲しいということの表れなのだろうと。
鬼の血が混じっているから、リサの鼻はそれに反応したということなのだ。
これはビニール袋に入れるなどして、匂いが拡散しないようにしなければならない。
人間の鼻であれば、文字に鼻を近づけても、若干インクの匂いがするかしないかといった程度なのだが。
愛原「これだろうな。ビニールのパウチとかは無いかな?レターパックがまるっと入るようなサイズの」
高橋「ちょっとキッチン辺りを探してきます」
愛原「頼むぞ」
その時、エレベーターが2階に下りて来た。
ドアが開くと、そこからパールが単独で降りて来た。
パール「リサさんはリビングで、おやつとジュースに集中されています」
愛原「よし。リサを暴走させない為にも、この引き出しは春休みまで封印だ」
高橋「鬼除けの御札でも貼りますか?」
愛原「どこから持って来るんだよw」
高橋「ワンチャン、神社で売ってませんかね?」
愛原「そこまでしなくていいよ。それより、お前はリサに怪しまれないよう、早いとこパウチを探してこい」
高橋「分かりました」
高橋はパールが乗って来たエレベーターに乗り込んだ。
愛原「取りあえず、『立入禁止』のシールでも貼っておくか」
パール「どこに貼るつもりだったんです?」
[同日18時00分 天候:晴 愛原家3階ダイニング]
リサは体操服にブルマという姿で、4階から降りて来た。
どうやら引き出しのことについては、もう忘れているようだ。
か、忘れていないが、もう気にしていないか。
レターパックは、高橋が見つけて来たパウチに入れておいた。
案内状も手書きで、同じような色合いだったので、これも封印しておいた。
上野利恵は清楚とした見た目ながら、こういう所は鬼女なんだと気づかされる。
BSAAに狙撃されないよう、人食いを断っているのは本当のようだが。
リサ「先生」
愛原「えっ、何だ?」
リサ「明日は午前中で授業終わりだから」
愛原「そうなのか。お昼は食べて来るのか?」
リサ「そうだね。今度はレイチェルだけじゃなく、他の『魔王軍』のメンバーともランチしたい。……から、お昼代ちょうだい」
愛原「あ、学食は無いのね」
リサ「学食があるのは、午後まで授業がある日だけ」
愛原「それもそうか。Pasmoにチャージするんだろ?」
リサ「そう」
愛原「後で現金やるよ。チャージ忘れんなよ?」
リサ「分かってるよ」
終業式は20日。
PTA会長代行の私も、来賓で招かれている。
多分、来年度からは正式な会長に任命されるのだろう。