[9月24日16時15分 天候:曇 東京都港区新橋 新橋バス停→都営バス業10系統車内]
デイライトでの話は、小一時間ほどで終了した。
私達はデイライトの事務所をあとにした。
愛原「上手く行ったな」
高橋「はい、さすが先生です」
愛原「いや、皆のおかげだよ。それじゃ、帰るとしよう」
リサ「ヘイ、タクシー!」
愛原「いや、帰りもバスだよ」
リサ「えー……」
愛原「もう用事は終わったんだからな」
私達はデイライトの事務所近くのバス停に向かった。
ここからバスに乗れば、菊川まで乗り換え無しで帰れる。
愛原「帰って、夕飯にしよう」
高橋「はい。帰ったら、すぐに作りますので」
愛原「頼もしいな」
高橋「ネンショーやムショにいた時のスキルがお役に立てるなんて、最高です」
リサ「わたしも手伝うー」
愛原「ありがとう」
そして、バスがやってくる。
愛原「バス代くらいは、俺が出してやるよ」
高橋「ありがとうございます」
リサ「ありがとう」
私達は前扉からバスに乗り込んだ。
今日は1番後ろに3人並んで座った。
席の並びは……まあ、新幹線と同じだ。
愛原「何だか、曇ってきたな……」
高橋「今日の夜、雨降るらしいっス」
愛原「マジか。洗濯物、取り込んでおいた方がいいな」
まだ9月では、ゲリラ豪雨も降るだろう。
次の台風の予報なんかも出ているし、まだまだ油断はできない。
発車の時刻になり、バスのエンジンが掛かる。
〔「お待たせ致しました。16時17分発、東京スカイツリー駅前行き、発車致します」〕
折戸式の前扉が閉まると、バスが走り出した。
〔発車致します。お掴まりください〕
〔ピンポーン♪ 毎度、都営バスをご利用頂き、ありがとうございます。このバスは銀座四丁目、勝どき橋南詰、豊洲駅前経由、とうきょうスカイツリー駅前行きでございます。次は銀座西六丁目、銀座西六丁目でございます。日蓮正宗妙縁寺へおいでの方は、本所吾妻橋で。日蓮正宗本行寺と常泉寺へおいでの方は、終点、とうきょうスカイツリー駅前でお降りになると便利です。次は、銀座西六丁目でございます〕
たまにこのバスに乗ると、栗原姉妹と乗り合わせることがあるが、今回はそういうことは無いようだ。
高橋「先生、新しい事務所の件っスけど、俺のツテで探してるんですが、どうも……」
愛原「だからさ、オマエの仲間が協力してくれるのは嬉しいが、どうして如何わしい所ばっかりなんだい?」
高橋「いやあ、半グレの悲しい所で、風俗店とかやってるもんで……」
愛原「昔は風俗店の後ろに付いているのは暴力団だったりしたものだけど、今は半グレなんだねぇ……」
高橋「ヤーさん経営の店を追い出して、空き店舗になった所とかあるんスけど……」
愛原「だから、治安の悪い所に事務所構えても、変な仕事しか来ないって」
高橋「さ、サーセン」
愛原「リサの学校のこともあるんだから、なるべく今と近い所の方がいいんだって」
高橋「まあ、そうっスね」
愛原「近くの不動産屋を当たるしかないよ」
高橋「でも、無かったじゃないスか」
愛原「まあな……」
[同日17時15分 天候:曇 東京都墨田区菊川 都営バス菊川バス停→愛原のマンション]
バスは無事に菊川に着いた。
高橋「じゃあ、急いで帰って、飯にしましょう」
愛原「ああ、頼むよ」
コンビニの前を通らないので、リサの買い食いは防げそうだ。
もっとも、マンションの入口に自販機はあるので、そこでリサがよくジュースを買うのだが。
現金しか使えないので、リサが小銭を入れる数少ない機会だ。
高橋「リサ、早くしろ」
高橋が先にマンションの中に入って、エレベーターを呼ぶ。
愛原「どうしたんだ、高橋?」
高橋「いや、さっき雷の音が聞こえたもんで」
愛原「えっ、うそ?!」
高橋「いや、ホントっス」
とはいうものの、まだ9月だというのに、外が随分と暗くなってきたように見える。
雨は夜だと聞いていたが、早まったのか。
〔上に参ります〕
私達は急いでエレベーターに乗った。
愛原「雨が降る前に、洗濯物取り込んでおくぞ」
リサ「もう乾いてるかな?」
愛原「乾いていない場合は、室内干しだな。俺がやっておくから、リサは高橋の手伝いをしてくれ」
リサ「分かった」
部屋に戻ると、リサは着替えに自分の部屋へ。
私はベランダに向かって、洗濯物を取り込み始めた。
確かに遠雷が聞こえる。
どうやら、ゲリラ豪雨が早まったようである。
さすがに、まだ生乾きなので、リビングの上に設置している物干し竿に引き続き干し直す。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/4b/1d1e373e640d81757a58bb554f5aab32.jpg)
リサのブルマや黒いショーツが干されているのも干し直す。
リサ「先生、もっと見たい?」
後ろから声を掛けられて振り向くと、体操服とブルマに着替えたリサが言った。
ブルマはもう1着の緑色であった。
学校指定の物で、いま洗濯しているのは通販で購入したものだが、いま穿いているのは、学校指定の衣料店で購入したものだ。
愛原「オマエ、それで高橋を手伝うのか?」
リサ「うん!」
リサはそう言って、その上からエプロンを着用した。
愛原「まあ、いいけどさ……」
リサ「あ、そうだ。わたし、明日、学校行くから」
愛原「また、絵のモデルか?」
リサ「うん。サクラヤが、仕上げに入りたいんだって」
愛原「そうか。もう仕上げの段階なのか」
リサ「そう。できたら、先生にも見せてあげるね」
愛原「それは楽しみだ」
高橋「おい、リサ。早くこっちに来い」
リサ「はーい」
愛原「今日のメニューは何だ?」
高橋「いつも週末はカレーじゃないっスか」
愛原「それもそうだ。昨日は出張で食えなかったから、今日に代替ってか」
高橋「そういうことです。リサがどうしても、ビーフカレーがいいって言うんですけど、それで良かったっスか?」
愛原「別にいいよ」
王道だと思うが、リサが何も言わなかったら、何のカレーにするつもりだったのだろうか?
それを聞こうとした時、私のスマホが鳴った。
画面を見ると、善場主任だった。
私は自分の部屋に入ると、電話に出た。
愛原「はい、愛原です」
善場「愛原所長、お疲れさまです」
愛原「主任、お疲れさまです。先ほどは、ありがとうございました」
善場「いいえ、こちらこそ」
愛原「何かありましたか?」
善場「リサの方ですが、何か異常はありませんか?」
愛原「リサですか?いいえ、別に。リサが、どうかしたんですか?」
善場「アンブレラ側のデータによると、Gウィルス保有者が特異菌に感染すると、突然変異が発生する恐れがあるとあったものですから……」
愛原「ええっ、そうなんですか?!」
善場「リサは特異菌クリーチャー、モールデッドからの攻撃を受けたんですよね?」
愛原「ええ。でも、リサもBOWですから、回復薬無しですぐに回復しましたが」
善場「何かアイテムを使用したりはしましたか?」
愛原「はい。レッドハーブを使いました」
善場「レッドハーブですか」
愛原「はい」
善場「使ったアイテムは、それだけですか?」
愛原「そうですけど……」
善場「分かりました。異常が出たら、いつでも構いませんので、すぐに連絡してください」
愛原「わ、分かりました」
私は電話を切った。
そして、また部屋を出て、ダイニングに行った。
高橋「何だァ?化け物でも、玉ねぎ切れば、涙出るんだな?」
リサ「そうだよ……」
高橋「あれ?先生、どうしました?」
愛原「あ、いや。リサのヤツ、大丈夫か?」
高橋「玉ねぎ切って、涙が出ただけっスよ。確か先生、玉ねぎはみじん切りの方がいいんでしたね?」
愛原「あ、ああ、そうだな。頼むぞ」
高橋「はい」
愛原「リサ」
リサ「なに……?」
愛原「体の具合が悪くなったら、すぐに言うんだぞ?」
リサ「分かった……」
今のところ、特に異常は無いようだが……。
デイライトでの話は、小一時間ほどで終了した。
私達はデイライトの事務所をあとにした。
愛原「上手く行ったな」
高橋「はい、さすが先生です」
愛原「いや、皆のおかげだよ。それじゃ、帰るとしよう」
リサ「ヘイ、タクシー!」
愛原「いや、帰りもバスだよ」
リサ「えー……」
愛原「もう用事は終わったんだからな」
私達はデイライトの事務所近くのバス停に向かった。
ここからバスに乗れば、菊川まで乗り換え無しで帰れる。
愛原「帰って、夕飯にしよう」
高橋「はい。帰ったら、すぐに作りますので」
愛原「頼もしいな」
高橋「ネンショーやムショにいた時のスキルがお役に立てるなんて、最高です」
リサ「わたしも手伝うー」
愛原「ありがとう」
そして、バスがやってくる。
愛原「バス代くらいは、俺が出してやるよ」
高橋「ありがとうございます」
リサ「ありがとう」
私達は前扉からバスに乗り込んだ。
今日は1番後ろに3人並んで座った。
席の並びは……まあ、新幹線と同じだ。
愛原「何だか、曇ってきたな……」
高橋「今日の夜、雨降るらしいっス」
愛原「マジか。洗濯物、取り込んでおいた方がいいな」
まだ9月では、ゲリラ豪雨も降るだろう。
次の台風の予報なんかも出ているし、まだまだ油断はできない。
発車の時刻になり、バスのエンジンが掛かる。
〔「お待たせ致しました。16時17分発、東京スカイツリー駅前行き、発車致します」〕
折戸式の前扉が閉まると、バスが走り出した。
〔発車致します。お掴まりください〕
〔ピンポーン♪ 毎度、都営バスをご利用頂き、ありがとうございます。このバスは銀座四丁目、勝どき橋南詰、豊洲駅前経由、とうきょうスカイツリー駅前行きでございます。次は銀座西六丁目、銀座西六丁目でございます。日蓮正宗妙縁寺へおいでの方は、本所吾妻橋で。日蓮正宗本行寺と常泉寺へおいでの方は、終点、とうきょうスカイツリー駅前でお降りになると便利です。次は、銀座西六丁目でございます〕
たまにこのバスに乗ると、栗原姉妹と乗り合わせることがあるが、今回はそういうことは無いようだ。
高橋「先生、新しい事務所の件っスけど、俺のツテで探してるんですが、どうも……」
愛原「だからさ、オマエの仲間が協力してくれるのは嬉しいが、どうして如何わしい所ばっかりなんだい?」
高橋「いやあ、半グレの悲しい所で、風俗店とかやってるもんで……」
愛原「昔は風俗店の後ろに付いているのは暴力団だったりしたものだけど、今は半グレなんだねぇ……」
高橋「ヤーさん経営の店を追い出して、空き店舗になった所とかあるんスけど……」
愛原「だから、治安の悪い所に事務所構えても、変な仕事しか来ないって」
高橋「さ、サーセン」
愛原「リサの学校のこともあるんだから、なるべく今と近い所の方がいいんだって」
高橋「まあ、そうっスね」
愛原「近くの不動産屋を当たるしかないよ」
高橋「でも、無かったじゃないスか」
愛原「まあな……」
[同日17時15分 天候:曇 東京都墨田区菊川 都営バス菊川バス停→愛原のマンション]
バスは無事に菊川に着いた。
高橋「じゃあ、急いで帰って、飯にしましょう」
愛原「ああ、頼むよ」
コンビニの前を通らないので、リサの買い食いは防げそうだ。
もっとも、マンションの入口に自販機はあるので、そこでリサがよくジュースを買うのだが。
現金しか使えないので、リサが小銭を入れる数少ない機会だ。
高橋「リサ、早くしろ」
高橋が先にマンションの中に入って、エレベーターを呼ぶ。
愛原「どうしたんだ、高橋?」
高橋「いや、さっき雷の音が聞こえたもんで」
愛原「えっ、うそ?!」
高橋「いや、ホントっス」
とはいうものの、まだ9月だというのに、外が随分と暗くなってきたように見える。
雨は夜だと聞いていたが、早まったのか。
〔上に参ります〕
私達は急いでエレベーターに乗った。
愛原「雨が降る前に、洗濯物取り込んでおくぞ」
リサ「もう乾いてるかな?」
愛原「乾いていない場合は、室内干しだな。俺がやっておくから、リサは高橋の手伝いをしてくれ」
リサ「分かった」
部屋に戻ると、リサは着替えに自分の部屋へ。
私はベランダに向かって、洗濯物を取り込み始めた。
確かに遠雷が聞こえる。
どうやら、ゲリラ豪雨が早まったようである。
さすがに、まだ生乾きなので、リビングの上に設置している物干し竿に引き続き干し直す。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/4b/1d1e373e640d81757a58bb554f5aab32.jpg)
リサのブルマや黒いショーツが干されているのも干し直す。
リサ「先生、もっと見たい?」
後ろから声を掛けられて振り向くと、体操服とブルマに着替えたリサが言った。
ブルマはもう1着の緑色であった。
学校指定の物で、いま洗濯しているのは通販で購入したものだが、いま穿いているのは、学校指定の衣料店で購入したものだ。
愛原「オマエ、それで高橋を手伝うのか?」
リサ「うん!」
リサはそう言って、その上からエプロンを着用した。
愛原「まあ、いいけどさ……」
リサ「あ、そうだ。わたし、明日、学校行くから」
愛原「また、絵のモデルか?」
リサ「うん。サクラヤが、仕上げに入りたいんだって」
愛原「そうか。もう仕上げの段階なのか」
リサ「そう。できたら、先生にも見せてあげるね」
愛原「それは楽しみだ」
高橋「おい、リサ。早くこっちに来い」
リサ「はーい」
愛原「今日のメニューは何だ?」
高橋「いつも週末はカレーじゃないっスか」
愛原「それもそうだ。昨日は出張で食えなかったから、今日に代替ってか」
高橋「そういうことです。リサがどうしても、ビーフカレーがいいって言うんですけど、それで良かったっスか?」
愛原「別にいいよ」
王道だと思うが、リサが何も言わなかったら、何のカレーにするつもりだったのだろうか?
それを聞こうとした時、私のスマホが鳴った。
画面を見ると、善場主任だった。
私は自分の部屋に入ると、電話に出た。
愛原「はい、愛原です」
善場「愛原所長、お疲れさまです」
愛原「主任、お疲れさまです。先ほどは、ありがとうございました」
善場「いいえ、こちらこそ」
愛原「何かありましたか?」
善場「リサの方ですが、何か異常はありませんか?」
愛原「リサですか?いいえ、別に。リサが、どうかしたんですか?」
善場「アンブレラ側のデータによると、Gウィルス保有者が特異菌に感染すると、突然変異が発生する恐れがあるとあったものですから……」
愛原「ええっ、そうなんですか?!」
善場「リサは特異菌クリーチャー、モールデッドからの攻撃を受けたんですよね?」
愛原「ええ。でも、リサもBOWですから、回復薬無しですぐに回復しましたが」
善場「何かアイテムを使用したりはしましたか?」
愛原「はい。レッドハーブを使いました」
善場「レッドハーブですか」
愛原「はい」
善場「使ったアイテムは、それだけですか?」
愛原「そうですけど……」
善場「分かりました。異常が出たら、いつでも構いませんので、すぐに連絡してください」
愛原「わ、分かりました」
私は電話を切った。
そして、また部屋を出て、ダイニングに行った。
高橋「何だァ?化け物でも、玉ねぎ切れば、涙出るんだな?」
リサ「そうだよ……」
高橋「あれ?先生、どうしました?」
愛原「あ、いや。リサのヤツ、大丈夫か?」
高橋「玉ねぎ切って、涙が出ただけっスよ。確か先生、玉ねぎはみじん切りの方がいいんでしたね?」
愛原「あ、ああ、そうだな。頼むぞ」
高橋「はい」
愛原「リサ」
リサ「なに……?」
愛原「体の具合が悪くなったら、すぐに言うんだぞ?」
リサ「分かった……」
今のところ、特に異常は無いようだが……。