[9月23日7時13分 天候:曇 栃木県宇都宮市川向町 JR宇都宮駅]
〔♪♪(車内チャイム)♪♪。まもなく、宇都宮です。日光線、烏山線はお乗り換えです。お降りの際は、お忘れ物の無いよう、お支度ください。宇都宮の次は、那須塩原に止まります〕
〔「まもなく宇都宮、宇都宮に到着致します。お出口は、左側です。宇都宮では、後から参ります“はやぶさ”“こまち”1号の通過待ちを致します。5分ほど停車致します。発車まで、しばらくお待ちください。宇都宮からの、お乗り換えをご案内です。宇都宮線下り……」〕
列車はダイヤ通りに走行している。
各駅停車の宿命で、速達列車の通過待ちが発生する。
東海道新幹線と違って本数が少ないせいか、ほぼ各駅で通過待ちが行われるわけではない。
列車は下り副線の線路に入り、そこのホームに停車した。
通過線の本線はホームが無い。
典型的な新幹線の途中駅の構造である。
日蓮正宗信徒にあっては、馴染みのある新富士駅と同じ構造と言えばピンと来るだろう。
愛原「5分停車か……」
私は時計を見た。
愛原「ちょっと、食後のコーヒー買ってくるわ」
私は席を立った。
高橋「それなら、俺が買って来ますよ。先生は待っててください」
愛原「そうか?」
高橋「何にしますか?」
愛原「ブラック無糖以外なら、何でもいいや。ジョージアのエメマンとか、サントリーのボスとかな」
高橋「了解っス」
高橋は席を立って、ホームに降りた。
〔「この列車は7時18分発、“やまびこ”201号、仙台行きです。終点、仙台まで各駅に止まります。グリーン車は9号車、自由席は1号車から6号車です。本日、指定席は7号車、8号車、10号車となっております。……」〕
尚、リサは朝早かった為か、座席にもたれてウトウトしている。
しかし、ゴウッと通過列車が風圧でこちらの列車を揺らして行くと……。
リサ「おっ!」
それで目が覚めたようだ。
リサ「あれ……?ここ、どこ……?」
愛原「まだ、宇都宮だよ。通過列車待ちで止まっているところだ」
リサ「ふーん……。お兄ちゃんは?」
愛原「飲み物買いに行ってもらっていたんだが……」
リサ「あっ、ずるーい。わたしも買いに行く」
愛原「7時18分の発車だからな、急げよ」
リサ「分かった」
リサもまたホームに降りて行った。
高橋「お待たせしました、先生。プレミアムボスです」
愛原「ありがとう」
高橋「リサのヤツ、何しに行ったんですか?」
愛原「あいつもジュース買うんだとよ。オマエ、ちょっと一緒に付いて行ってやれ」
高橋「分かりました」
その後、リサはオレンジジュースを手に、車内に戻ってきた。
〔「お待たせ致しました。7時18分発、“やまびこ”201号、仙台行き、まもなく発車致します」〕
高橋「先生、次に長く停車する駅はどこですか?」
愛原「福島駅でまた5分、その次の白石蔵王駅で4分停車するらしい。ただ、どっちも通過列車は無いんだよなぁ……」
私は首を傾げた。
もっとも、臨時の“はやぶさ”などが仕立て上げられた時の為なのだろう。
コロナ禍のせいで、東北新幹線のダイヤもスカスカになってしまった。
何せ、東北新幹線内においては、付属編成扱いの山形新幹線や秋田新幹線が単独編成で運転されるダイヤが発生しているのだから。
高橋「俺的にはタバコ吸えるダイヤなので、助かります」
愛原「あー、オマエはそうだろうな」
全駅というわけでないが、たまにホームにも喫煙所がある駅というのは、もしかして……。
[同日08時44分 天候:雨 宮城県仙台市青葉区中央 JR仙台駅]
宮城県に入る頃、窓に水滴が付き始めた。
どうやら、予報通りに雨が降ってきたらしい。
〔♪♪(車内チャイム)♪♪。まもなく終点、仙台です。仙石線、仙石東北ライン、仙山線、常磐線、仙台空港アクセス線、仙台市地下鉄南北線と仙台市地下鉄東西線はお乗り換えです。お忘れ物の無いよう、お支度ください。本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございました〕
愛原「だいぶ降ってる?」
リサ「降ってるみたい……だね」
愛原「まあ、しょうがないか」
別に台風が来ているというわけではなく、普通の雨である。
秋雨と言った方が良いか。
〔「11番線到着、お出口は右側です。仙台からのお乗り換えをご案内致します。東北新幹線下り……」〕
愛原「まあ、降りる準備するか」
高橋「はい」
列車はATCによる自動ブレーキで、速度を落として行く。
ポイントを通過して下り副線ホームに入ると、もう屋根があるので、雨に当たることはない。
〔「ご乗車ありがとうございました。終点仙台、終点仙台です。新幹線、仙台より先へお越しのお客様は、向かいの12番線ホームにお進みください。……」〕
私達は列車を降りた。
高橋「先生、ここからは?」
愛原「レンタカーを借りるさ。高橋、運転頼むな?」
高橋「お任せください」
駅レンタカーを予約している。
予算の関係で、あまり大きな車は予約できなかったが、この荷物を載せるには十分である。
愛原「ここでは、キップ2枚重ねてな」
リサ「りょ」
在来線に乗り換えることは無い為、そのままもう改札外に出ることになる。
愛原「ヴィッツとかフィットとかになるけど、別にいいよな?」
高橋「まあ、大丈夫っスよ。この前は、先生の実家の車、ノートで行ったんスから」
愛原「それもそうだな」
あの時は真夏だったが、今は少し涼しいくらいである。
前回は半袖でもクソ暑いといった感じだったが、今は半袖でちょうど良いくらいの。
雨が降っているので、尚更涼しく感じるのかもしれない。
仙台駅の駅レンタカーは、やや分かりにくい所にあるという口コミではあるが、私達は迷わずに行けた。
リサ「ちょっと、トイレ行って来る」
愛原「あいよ」
手続きしている間、リサはトイレに向かった。
〔♪♪(車内チャイム)♪♪。まもなく、宇都宮です。日光線、烏山線はお乗り換えです。お降りの際は、お忘れ物の無いよう、お支度ください。宇都宮の次は、那須塩原に止まります〕
〔「まもなく宇都宮、宇都宮に到着致します。お出口は、左側です。宇都宮では、後から参ります“はやぶさ”“こまち”1号の通過待ちを致します。5分ほど停車致します。発車まで、しばらくお待ちください。宇都宮からの、お乗り換えをご案内です。宇都宮線下り……」〕
列車はダイヤ通りに走行している。
各駅停車の宿命で、速達列車の通過待ちが発生する。
東海道新幹線と違って本数が少ないせいか、ほぼ各駅で通過待ちが行われるわけではない。
列車は下り副線の線路に入り、そこのホームに停車した。
通過線の本線はホームが無い。
典型的な新幹線の途中駅の構造である。
日蓮正宗信徒にあっては、馴染みのある新富士駅と同じ構造と言えばピンと来るだろう。
愛原「5分停車か……」
私は時計を見た。
愛原「ちょっと、食後のコーヒー買ってくるわ」
私は席を立った。
高橋「それなら、俺が買って来ますよ。先生は待っててください」
愛原「そうか?」
高橋「何にしますか?」
愛原「ブラック無糖以外なら、何でもいいや。ジョージアのエメマンとか、サントリーのボスとかな」
高橋「了解っス」
高橋は席を立って、ホームに降りた。
〔「この列車は7時18分発、“やまびこ”201号、仙台行きです。終点、仙台まで各駅に止まります。グリーン車は9号車、自由席は1号車から6号車です。本日、指定席は7号車、8号車、10号車となっております。……」〕
尚、リサは朝早かった為か、座席にもたれてウトウトしている。
しかし、ゴウッと通過列車が風圧でこちらの列車を揺らして行くと……。
リサ「おっ!」
それで目が覚めたようだ。
リサ「あれ……?ここ、どこ……?」
愛原「まだ、宇都宮だよ。通過列車待ちで止まっているところだ」
リサ「ふーん……。お兄ちゃんは?」
愛原「飲み物買いに行ってもらっていたんだが……」
リサ「あっ、ずるーい。わたしも買いに行く」
愛原「7時18分の発車だからな、急げよ」
リサ「分かった」
リサもまたホームに降りて行った。
高橋「お待たせしました、先生。プレミアムボスです」
愛原「ありがとう」
高橋「リサのヤツ、何しに行ったんですか?」
愛原「あいつもジュース買うんだとよ。オマエ、ちょっと一緒に付いて行ってやれ」
高橋「分かりました」
その後、リサはオレンジジュースを手に、車内に戻ってきた。
〔「お待たせ致しました。7時18分発、“やまびこ”201号、仙台行き、まもなく発車致します」〕
高橋「先生、次に長く停車する駅はどこですか?」
愛原「福島駅でまた5分、その次の白石蔵王駅で4分停車するらしい。ただ、どっちも通過列車は無いんだよなぁ……」
私は首を傾げた。
もっとも、臨時の“はやぶさ”などが仕立て上げられた時の為なのだろう。
コロナ禍のせいで、東北新幹線のダイヤもスカスカになってしまった。
何せ、東北新幹線内においては、付属編成扱いの山形新幹線や秋田新幹線が単独編成で運転されるダイヤが発生しているのだから。
高橋「俺的にはタバコ吸えるダイヤなので、助かります」
愛原「あー、オマエはそうだろうな」
全駅というわけでないが、たまにホームにも喫煙所がある駅というのは、もしかして……。
[同日08時44分 天候:雨 宮城県仙台市青葉区中央 JR仙台駅]
宮城県に入る頃、窓に水滴が付き始めた。
どうやら、予報通りに雨が降ってきたらしい。
〔♪♪(車内チャイム)♪♪。まもなく終点、仙台です。仙石線、仙石東北ライン、仙山線、常磐線、仙台空港アクセス線、仙台市地下鉄南北線と仙台市地下鉄東西線はお乗り換えです。お忘れ物の無いよう、お支度ください。本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございました〕
愛原「だいぶ降ってる?」
リサ「降ってるみたい……だね」
愛原「まあ、しょうがないか」
別に台風が来ているというわけではなく、普通の雨である。
秋雨と言った方が良いか。
〔「11番線到着、お出口は右側です。仙台からのお乗り換えをご案内致します。東北新幹線下り……」〕
愛原「まあ、降りる準備するか」
高橋「はい」
列車はATCによる自動ブレーキで、速度を落として行く。
ポイントを通過して下り副線ホームに入ると、もう屋根があるので、雨に当たることはない。
〔「ご乗車ありがとうございました。終点仙台、終点仙台です。新幹線、仙台より先へお越しのお客様は、向かいの12番線ホームにお進みください。……」〕
私達は列車を降りた。
高橋「先生、ここからは?」
愛原「レンタカーを借りるさ。高橋、運転頼むな?」
高橋「お任せください」
駅レンタカーを予約している。
予算の関係で、あまり大きな車は予約できなかったが、この荷物を載せるには十分である。
愛原「ここでは、キップ2枚重ねてな」
リサ「りょ」
在来線に乗り換えることは無い為、そのままもう改札外に出ることになる。
愛原「ヴィッツとかフィットとかになるけど、別にいいよな?」
高橋「まあ、大丈夫っスよ。この前は、先生の実家の車、ノートで行ったんスから」
愛原「それもそうだな」
あの時は真夏だったが、今は少し涼しいくらいである。
前回は半袖でもクソ暑いといった感じだったが、今は半袖でちょうど良いくらいの。
雨が降っているので、尚更涼しく感じるのかもしれない。
仙台駅の駅レンタカーは、やや分かりにくい所にあるという口コミではあるが、私達は迷わずに行けた。
リサ「ちょっと、トイレ行って来る」
愛原「あいよ」
手続きしている間、リサはトイレに向かった。