[9月23日21時45分 天候:晴 宮城県仙台市青葉区中央 JR仙台駅新幹線乗り場→東北新幹線74B列車8号車内]
高橋が喫煙所から戻り、リサもトイレから出てきた。
高橋「先生、どうします?ホームに行きますか?」
列車を待ちますか?
①はい
②いいえ
愛原「①だ!」
高橋「え?」
愛原「……あ、いや、何でもない。ホームに行こう」
高橋「はい」
私達はエスカレーターで、ホームに上がった。
〔13番線に、“やまびこ”74号、東京行きが、10両編成で、参ります。この、電車は、福島、郡山、宇都宮、大宮、上野、終点東京の順に止まります。グランクラスは10号車、グリーン車は9号車、自由席は1号車から5号車です。尚、全車両禁煙です。……〕
〔「13番線、ご注意ください。“やまびこ”74号、東京行きが参ります。本日、東京行きの最終列車です。お乗り遅れの無いよう、ご注意ください」〕
ホームで列車を待っていると、盛岡方向から真っ白なヘッドランプの光を灯らせて、最終列車が入線してきた。
厳密にはこの後にも1本あるのだが、それは郡山止まりである。
〔仙台、仙台。仙台、仙台。ご乗車、ありがとうございました。……〕
JR仙台駅には、ホームドアが無い。
なので、列車が停車すると、すぐにドアが開く。
盛岡始発なので、既に先客が乗っていたが、この駅で降りる乗客も散見される。
そして、私達は前に並んでいる乗客に続いて、8号車に乗り込んだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/fd/b5616aa8e94712eeae7b9e199993b199.jpg)
〔「21時48分発、“やまびこ”74号、東京行きです。本日、東京行きの最終列車です。次は、福島に止まります。ご乗車になりまして、お待ちください」〕
愛原「ここだな」
高橋「先生、荷物上げます」
愛原「ああ」
リサが窓側席に行き、私は真ん中、高橋は通路側というのがセオリー。
大きな荷物は、高橋に棚の上に載せてもらう。
リサはテーブルを出して、NewDaysで買ったお菓子やジュースを置いた。
しばらくして、ホームから発車メロディの音色が聞こえてくる。
さとう宗幸氏の“青葉城恋唄”を地元の仙台フィルハーモニー管弦楽団が演奏したものである。
〔「13番線、ドアが閉まります。ご注意ください。ドアが閉まります」〕
終電あるあるで駆け込み客を待つことがあり、それで発車が遅れることがある。
客扱い遅れは乗務員の責任ではないので、会社側からのペナルティが課せられることはないそうだ。
先述した通り、ホームドアが無いので、車両側のドアが閉まれば、すぐに発車する。
スーッと加速して行き、夜の市街地に入る。
〔♪♪(車内チャイム)♪♪。本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。この電車は、東北新幹線“やまびこ”号、東京行きです。次は、福島に止まります。……〕
高橋「それにしても先生、何とか無事に帰れそうですね?」
愛原「油断するなよ。遠足や修学旅行と同じで、帰るまで仕事なんだからな」
高橋「メモっておきます!」
愛原「今更かよ……」
そもそも帰りの新幹線代から、東京駅からマンションまでのタクシー代やら、デイライトさんに請求できるのだから、やはり帰るまでが仕事なのは間違いないだろう。
例の資料は全てデイライトさんに送ったが、ちゃんと届くまでは、こちらに責任がある。
愛原「今頃は、あの宅急便も、夜の高速を走っているだろう」
高橋「なるほど」
愛原「いや、もしかしたら、貨物列車かな」
高橋「貨物列車ですか」
愛原「大宮駅で、ヤマト運輸のコンテナを積んだ貨物列車を見たことがある。あれかもしれない」
いずれにせよ、明日の午前中に着けば構わない。
一方、リサはポッキーをポリポリ食べていた。
リサ「先生、ポッキーゲームやる?」
愛原「え?」
高橋「バカ野郎、俺が先生とポッキーゲームやるんだよ!」
愛原「オマエら、アホか!」
こいつらといると、退屈しないなァ……。
[同日23時44分 天候:晴 東京都千代田区丸の内 JR東京駅]
愛原「ニュースを見てるけど、さすがにまだ例の地下施設はニュースになっていないようだ」
高橋「報道規制ですかね?」
愛原「どうだろうな……」
〔♪♪(車内チャイム)♪♪。まもなく終点、東京です。お忘れ物の無いよう、お支度ください。本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございました〕
もう終電なので、乗り換え案内はされない。
もっとも、まだ通勤電車は運転されている。
〔「23番線到着、お出口は右側です。各在来線にお乗り換えのお客様は、最終列車にご注意ください。……」〕
愛原「駆け足の仕事だったな」
高橋「まさか、終電で帰ることになるとは思いませんでしたね」
リサは私に寄り掛かるようにして寝ている。
愛原「リサ、起きろ。そろそろ降りるぞ」
リサ「うーん……」
列車は地下トンネルを出て、秋葉原駅、神田駅と通過していく。
平日なら並走する通勤電車も、もっと混んでいるだろうが、祝日の今日は客が少ない。
そして、列車は東京駅の新幹線ホームに滑り込んだ。
この車両はこのままこのホームで夜明かしをし、明日の始発列車として運転される。
隣の東海道新幹線ホーム14番線にも、似たような運用がされると思われるN700系が停車していた。
〔「ご乗車ありがとうございました。終点、東京、終点、東京です。お忘れ物、落とし物をなさいませんよう、ご注意ください。23番線の列車は、回送です。ご乗車になれませんので、ご注意ください」〕
私達は荷物を手に、ホームに降りた。
愛原「それじゃ、タクシーにでも乗るか」
高橋「へい」
エスカレーターでコンコースに下り、八重洲中央口の改札を出る。
それから八重洲側のタクシー乗り場へ。
荷物はトランクを開けてもらい、そこに載せた。
後ろに3人で乗る。
セダンタイプのタクシーに3人で乗ると狭いが、リサと高橋は、私と密着できる御褒美らしい。
愛原「菊川1丁目【中略】までお願いします」
運転手「はい、ありがとうございます」
タクシーは深夜の東京駅を出発した。
愛原「ちょ……狭い!寄り掛んな!」
高橋「気のせいっスよ~」
リサ「気のせいっスよ~」
愛原「……お前ら、後で説教な」
高橋が喫煙所から戻り、リサもトイレから出てきた。
高橋「先生、どうします?ホームに行きますか?」
列車を待ちますか?
①はい
②いいえ
愛原「①だ!」
高橋「え?」
愛原「……あ、いや、何でもない。ホームに行こう」
高橋「はい」
私達はエスカレーターで、ホームに上がった。
〔13番線に、“やまびこ”74号、東京行きが、10両編成で、参ります。この、電車は、福島、郡山、宇都宮、大宮、上野、終点東京の順に止まります。グランクラスは10号車、グリーン車は9号車、自由席は1号車から5号車です。尚、全車両禁煙です。……〕
〔「13番線、ご注意ください。“やまびこ”74号、東京行きが参ります。本日、東京行きの最終列車です。お乗り遅れの無いよう、ご注意ください」〕
ホームで列車を待っていると、盛岡方向から真っ白なヘッドランプの光を灯らせて、最終列車が入線してきた。
厳密にはこの後にも1本あるのだが、それは郡山止まりである。
〔仙台、仙台。仙台、仙台。ご乗車、ありがとうございました。……〕
JR仙台駅には、ホームドアが無い。
なので、列車が停車すると、すぐにドアが開く。
盛岡始発なので、既に先客が乗っていたが、この駅で降りる乗客も散見される。
そして、私達は前に並んでいる乗客に続いて、8号車に乗り込んだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/fd/b5616aa8e94712eeae7b9e199993b199.jpg)
〔「21時48分発、“やまびこ”74号、東京行きです。本日、東京行きの最終列車です。次は、福島に止まります。ご乗車になりまして、お待ちください」〕
愛原「ここだな」
高橋「先生、荷物上げます」
愛原「ああ」
リサが窓側席に行き、私は真ん中、高橋は通路側というのがセオリー。
大きな荷物は、高橋に棚の上に載せてもらう。
リサはテーブルを出して、NewDaysで買ったお菓子やジュースを置いた。
しばらくして、ホームから発車メロディの音色が聞こえてくる。
さとう宗幸氏の“青葉城恋唄”を地元の仙台フィルハーモニー管弦楽団が演奏したものである。
〔「13番線、ドアが閉まります。ご注意ください。ドアが閉まります」〕
終電あるあるで駆け込み客を待つことがあり、それで発車が遅れることがある。
客扱い遅れは乗務員の責任ではないので、会社側からのペナルティが課せられることはないそうだ。
先述した通り、ホームドアが無いので、車両側のドアが閉まれば、すぐに発車する。
スーッと加速して行き、夜の市街地に入る。
〔♪♪(車内チャイム)♪♪。本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。この電車は、東北新幹線“やまびこ”号、東京行きです。次は、福島に止まります。……〕
高橋「それにしても先生、何とか無事に帰れそうですね?」
愛原「油断するなよ。遠足や修学旅行と同じで、帰るまで仕事なんだからな」
高橋「メモっておきます!」
愛原「今更かよ……」
そもそも帰りの新幹線代から、東京駅からマンションまでのタクシー代やら、デイライトさんに請求できるのだから、やはり帰るまでが仕事なのは間違いないだろう。
例の資料は全てデイライトさんに送ったが、ちゃんと届くまでは、こちらに責任がある。
愛原「今頃は、あの宅急便も、夜の高速を走っているだろう」
高橋「なるほど」
愛原「いや、もしかしたら、貨物列車かな」
高橋「貨物列車ですか」
愛原「大宮駅で、ヤマト運輸のコンテナを積んだ貨物列車を見たことがある。あれかもしれない」
いずれにせよ、明日の午前中に着けば構わない。
一方、リサはポッキーをポリポリ食べていた。
リサ「先生、ポッキーゲームやる?」
愛原「え?」
高橋「バカ野郎、俺が先生とポッキーゲームやるんだよ!」
愛原「オマエら、アホか!」
こいつらといると、退屈しないなァ……。
[同日23時44分 天候:晴 東京都千代田区丸の内 JR東京駅]
愛原「ニュースを見てるけど、さすがにまだ例の地下施設はニュースになっていないようだ」
高橋「報道規制ですかね?」
愛原「どうだろうな……」
〔♪♪(車内チャイム)♪♪。まもなく終点、東京です。お忘れ物の無いよう、お支度ください。本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございました〕
もう終電なので、乗り換え案内はされない。
もっとも、まだ通勤電車は運転されている。
〔「23番線到着、お出口は右側です。各在来線にお乗り換えのお客様は、最終列車にご注意ください。……」〕
愛原「駆け足の仕事だったな」
高橋「まさか、終電で帰ることになるとは思いませんでしたね」
リサは私に寄り掛かるようにして寝ている。
愛原「リサ、起きろ。そろそろ降りるぞ」
リサ「うーん……」
列車は地下トンネルを出て、秋葉原駅、神田駅と通過していく。
平日なら並走する通勤電車も、もっと混んでいるだろうが、祝日の今日は客が少ない。
そして、列車は東京駅の新幹線ホームに滑り込んだ。
この車両はこのままこのホームで夜明かしをし、明日の始発列車として運転される。
隣の東海道新幹線ホーム14番線にも、似たような運用がされると思われるN700系が停車していた。
〔「ご乗車ありがとうございました。終点、東京、終点、東京です。お忘れ物、落とし物をなさいませんよう、ご注意ください。23番線の列車は、回送です。ご乗車になれませんので、ご注意ください」〕
私達は荷物を手に、ホームに降りた。
愛原「それじゃ、タクシーにでも乗るか」
高橋「へい」
エスカレーターでコンコースに下り、八重洲中央口の改札を出る。
それから八重洲側のタクシー乗り場へ。
荷物はトランクを開けてもらい、そこに載せた。
後ろに3人で乗る。
セダンタイプのタクシーに3人で乗ると狭いが、リサと高橋は、私と密着できる御褒美らしい。
愛原「菊川1丁目【中略】までお願いします」
運転手「はい、ありがとうございます」
タクシーは深夜の東京駅を出発した。
愛原「ちょ……狭い!寄り掛んな!」
高橋「気のせいっスよ~」
リサ「気のせいっスよ~」
愛原「……お前ら、後で説教な」
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