報恩坊の怪しい偽作家!

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 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「お別れ会開催の話」

2023-01-04 21:52:46 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[9月17日12:30.天候:晴 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校]

 今日は午前中だけ授業があった。
 リサのクラスでは、体育は無い。
 その為、リサは緑色の学校指定のブルマは穿いて来なかった。
 穿いているのは、絵のモデルの衣装用の紺色ブルマ。
 最後の授業が終わると、リサはまずは昼食を食べに学食に向かった。
 といっても、学食は平日しか営業していない。
 この場合は、学食内に設置されている自販機を利用することになる。
 パンの自販機の他、冷凍食品の自販機もある。

 桜谷:「リサ様、今日も宜しくお願いします」
 リサ:「分かった。食べ終わったら、すぐに行く」
 桜谷:「今月中には終わらせる予定ですので、どうかよろしくお願いします」
 リサ:「分かってる」

 リサは自販機で購入したメロンパンと、冷凍食品の自販機で購入した唐揚げとフライドポテトのセットを購入し、飲み物も同じ学食内にある自販機で購入した。
 全て電子マネーである。
 東京中央学園では校内の購買関係を全てキャッシュレスにすることで、現金の盗難やカツアゲを防止する策を取っている。
 金持ちの子女だと、クレカである。
 中流以下だと、電子マネーとか。
 リサはPasmo。

 リサ:「食べ終わった。トイレ行ってから、美術室行こう」
 桜谷:「早っ!」

 桜谷は弁当を持って来ていた。

 リサ:「先に行って準備してるから、桜谷は後で来ていい」
 桜谷:「わ、分かりました」

 リサが早食いの為、周囲の人間も、必然と早食いになるのだという。

 桜谷:「お待たせしました」
 リサ:「ん、こっちは準備万端。早いとこ続きを」
 桜谷:「分かってます!すぐに準備に入りますので、少々お待ちを!」

 リサはいつもの衣装に着替えていた。
 桜谷も画材道具の用意する。
 尚、桜谷はここでは着替えない。
 制服の上から、エプロンを着けて制作に当たる。

[同日15:00.天候:曇 同高校1F美術室]

 栗原蓮華:「あ、やっぱりここにいたのか」

 しばらくして、栗原蓮華が入ってきた。
 同じように、部活で残っていたのだろう。

 リサ:「義足の金属の音が聞こえてきたから、近づいてくるのが分かった」
 栗原:「そうかい。まあ、後ろから忍び寄るやり方は嫌いなんでね。それより、もう下校時刻だよ。さっさと帰ろう」
 桜谷:「え!?もうですか!?まだ17時じゃないですよ?」
 栗原:「台風が近づいて来てるからって、下校時刻が早まったんだ。外を見てみな」

 いつの間にか外はどんよりとした雲が空を多い、風が強く吹いて、窓がガタガタ言っていた。

 栗原:「幸か不幸か、明日、明後日は休みだからね。そしてその後、20日は城ヶ崎さんのお別れ会だ」
 リサ:「う……」
 桜谷:「20日というと、会長が亡くなってから1週間ですね。そんなに掛かるんですか?」
 栗原:「警察が司法解剖するだろ?その後は、どこかの誰かさんのウィルスに感染していたから、その調査もされる。そこでようやく火葬されて、1週間目にお別れ会だよ」
 リサ:「お葬式じゃなくて?」
 栗原:「本当のお葬式は、家族や親族だけでやるだろうよ。その後で、学校としてのお別れ会だよ。むしろ、1週間でも早いくらいじゃないかな?」
 リサ:「わたしは……出るべきじゃないよね?」
 栗原:「いや、逆だから!むしろお別れ会に出て、城ヶ崎さんに謝っておきな」
 リサ:「それはできない。わたしは何も悪くない」

 すると栗原、リサの胸倉を掴んだ。

 栗原:「イジメの加害者は、皆そう言う!結果として人1人死んでるんだから、責任取りやがれ!」
 リサ:「取らない!わたしは何も悪くない!」
 栗原:「死んだのはアンタのせいでしょうが!」
 リサ:「わたしは何もしていない!あいつが勝手に死んだだけ!」

 と、そこへ、美術室に入ってくる者がいた。

 学年主任:「おい、何を騒いでいる!?下校時刻が過ぎてるんだぞ!早いとこ帰れ!」
 リサ:「あ゛……!」
 栗原:「すいません、三上先生!すぐに帰りますから!」

 どうやら3年生の学年主任らしい。

 三上:「栗原か。いくら進学先が決まってるからといって、ダラダラしてるんじゃない!」
 栗原:「はい!」
 三上:「あとの2人は……美術部か?確かに来月、展覧会やコンクールがあるのは知ってるが、校則は守れ!」
 リサ:「ゴメンナサイ……」
 桜谷:「すみません。すぐに帰ります」

 リサは急いで着替え、桜谷も急いで画材道具を片付けた。
 そして、学校をあとにした。

 桜谷:「また台風が近づいて、学校で制作できないなんて残念です」
 リサ:「また家に来て描く?」
 桜谷:「いえ、多分間に合うので大丈夫です」
 栗原:「文学部でもコンクールに出す小説を書いているコがいるけど、あれはパソコンで書けるから、家で書いてもいいしね」
 桜谷:「そうですね。その点、絵の方は、そうもいかなくて……」
 栗原:「まあ、あれだけ大きいとね。……で、続きだけど、リサはお別れ会に来た方がいいって。どうせ、学校の体育館でやるんだから」
 リサ:「でも……」
 栗原:「愛原先生には、私から言っといた」
 リサ:「え!?」
 栗原:「そしたら先生も、『お別れ会に出るべき』だって仰ってたよ。ウソだと思うなら、いくらでも確認してくれて構わないから」
 リサ:「そんな勝手なこと……」

 ビュウッとそこへ強い風が吹いてくる。

 リサ:「おっと!」
 桜谷:「きゃ!」
 栗原:「っ!気を付けて!スカートの中!」

 スカートが捲れ上がって、中が一瞬見えてしまった。
 リサは紺色のブルマ、桜谷は緑色のブルマ、栗原は黒色のスパッツを穿いていた。

 桜谷:「これは、急いで帰った方が良さそうですね」
 リサ:「ていうか皆して、スカートの中、バラバラ」
 桜谷:「私は今日、体育があったので……」
 リサ:「わたしは体育は無かったけど、絵のモデルがあったから」
 栗原:「で、『魔王軍』でもない私は、従来通り、スパッツと」
 リサ:「センパイ、この前はブルマ穿いてたのに……」
 栗原:「別に、アンタ達の意見に賛同したわけじゃないよ。ただ、試しに穿き比べてみただけ」
 リサ:「で、どうだった?」
 栗原:「まあ、生理の時以外はいいんじゃない?陸上部なんか、生理中の時もあれで走るんだから改めて凄いと思った」
 桜谷:「ですよねぇ……」
 リサ:「剣道部は?」
 栗原:「確かにナプキンだとズレるから、タンポン使うけど、走るわけじゃないしね。そういった意味では足を大きく使う空手部とか、合気道部のコとか凄いと思う」
 リサ:「ふむふむ……」

 ようやく上野駅に到着する。

 リサ:「あ、聖クラリスのコ達」

 地下鉄上野駅からセーラー服の女子高生3人が出てくる。

 栗原:「御嬢様学校でも、女子校なものだから、凄い光景らしいよ」
 桜谷:「そうなんですか?どんな風に?」
 栗原:「授業中にナプキンが飛び交ったり、体育の着替え中、忘れ物を取りに、下着姿のまま廊下を走るらしい。聖クラリスに限った話じゃないけどね」
 リサ:「『1番』のヤツ、『女子校がやりやすい』とか言ってやがったけど、そういうことか?」
 栗原:「何で人食い鬼が共学校に来るのよ?男漁りに来たのかと思ったよ」
 リサ:「わたしに言わないで、それはディライトに言って」

 リサは地下鉄銀座線で帰る栗原と、地下鉄日比谷線で帰る桜谷に別れを告げ、自分はJR上野駅に入って行った。
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