報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「機上と地下と地上」

2022-04-24 20:23:25 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[3月27日10:37.天候:晴 日本国内上空 ピーチ航空MM503便機内]
(ここでは三人称です)

 斉藤絵恋とその母親を乗せたLCCは、順調に沖縄に向かって飛行を続けていた。
 使用機種はエアバスA320で、1つの通路を挟んで両側に3人席が並んでいる感じである。
 さながら、やや幅の広いフル規格の新幹線普通車といった感じだろうか。
 シートピッチはそれより明らかに狭いが。
 進行方向左側の窓側に絵恋、真ん中席に母親が座っていた。
 通路側には、絵恋と似た年恰好の少女が座っている。
 リサと同じショートボブだが、リサと違ってウェーブは掛かっておらず、直毛である。
 赤い縁の眼鏡と、白いマスクを着けて本を読んでいた。

 絵恋:「ちょっと、お手洗い行ってくる」
 母親:「行ってらっしゃい」

 A320機は前方と後方にトイレがある。
 比較的前の方に座っていた絵恋は、前方のトイレを目指した。

 少女:「……順調に脱出できたようだな?」

 ふいに少女が母親が声を掛ける。

 母親:「……おかげさまで」
 少女:「あんたのダンナは失敗したようだが、どうやら“青いアンブレラ”が保護しているようだぞ?」
 母親:「分かっています」
 少女:「この体もおかげで順調だ。あんたのダンナに感謝しなくては……」
 母親:「それで、あなたの事は何てお呼びしたら良いのでしょうか?」
 少女:「まあ、待て。まだ決めておらん」
 母親:「従来の名前にしますか?白井さんと」
 少女:「取りあえずはそれでいい。この体の持ち主の名前を呼ぶのも、それはそれで一興だが……」
 母親:「まさか、本当に遺骨で人間を蘇生させることができるなんて、とんでもない話ですね」
 少女:「この技術を使って、永遠に生きてみせるわい」
 母親:(白井伝三郎。何て罪なヤツなの……)

 アレックス・ウェスカーが2011年、転生の技術を使用しようとして失敗したことはBSAAを通して全世界に伝わっている。
 しかし失敗の原因は、アレックスが元の体を捨てる為に自殺しようとした際、死の恐怖に憑かれてしまったことである。
 つまり、それさえ無ければ成功していたかもしれないのだ。
 そして、白井伝三郎は誰かに殺してもらう形で元の体を捨てている。

 絵恋:「ただいま」

 絵恋がトイレから戻ってきた時、少女に転生した白井伝三郎は何食わぬ顔して、ひたすらに手持ちの本を読んでいた。

 絵恋:(何となくリサさんに似てるわね、このコ……)

 そう思いながら、自分の席へと戻った。

[同日10:37.天候:晴 東京都墨田区菊川 都営地下鉄菊川駅→愛原学探偵事務所]
(ここから愛原の一人称です)

 私達を乗せた都営新宿線は、無事に菊川駅に接近した。

 愛原:「それじゃ、俺達はここで」
 高橋:「あっ、了解っス」

 高橋はレンタカーショップに行く為、隣の森下駅まで行くという。

〔……各駅停車、橋本行きです。きくかわ~、菊川~〕

 私とリサは電車を降りた。

 愛原:「ちょっと一旦、事務所に行くぞ」
 リサ:「うん、分かった」

 私達はエスカレーターに向かった。
 先頭車からエスカレーターまでは、少し歩く。
 その間に電車は発車して行き、ホームに強風が巻き起こった。

 リサ:「おっ、サイトーからLINE」
 愛原:「ま、結局はLINEをやってるわけだから、けして寂しいわけじゃないだろ。無料で通話もできるんだし」
 リサ:「うん」
 愛原:「歩きスマホはダメだぞ」
 リサ:「うん。何かね、飛行機でサイトーの近くの席に、わたしに似てるコがいるんだって」
 愛原:「そうなのか」

 リサはかわいい方だが、しかし、珍しい容姿をしているわけではない。
 もちろん、第1形態以降は別だが。
 なので、例えばアキバとかに行けば、リサに似てるコか他にもいるかもしれない。
 それがたまたま飛行機に乗っていたのだろう。

 愛原:「どれ、1日ぶりの事務所だ」

 事務所に入ると、私は自分の席に向かった。

 リサ:「ねぇ、先生。明日来るリコって、どんなコ?」
 愛原:「俺達、まだ会ったことないよな。一応、写真を送ってくれることになっている」

 私はPCを立ち上げた。
 そして、そこのメールボックスに凛さんからのメールが来ていた。

 愛原:「これだ、これ」

 写真は数枚入っていて、小学校の通学服を着ていたり、体操服を着ていたり、私服のワンピースを着ていたり、天長会のものだろうか、巫女装束を着ている写真もあった。
 いずれにせよ、長い黒髪を2つ結び(ツーサイドアップ?)にしていることが分かった。
 この辺、どこにでもいるかわいい女の子といった感じだ。
 他にも写真は2枚添付されていて、来年度から着る東京中央学園中等部の制服を着ているのと、私服ではあるが、鬼姿の写真もあった。
 姉の凛と同様、2本角が短く生えて、耳の先が尖る程度のようだ。
 但し、爪と牙はそれなりに長く鋭くなる。
 半分BOWの血、半分人間の血の特徴なのだろう。
 1本角が長く生えるリサとは、少し違った系譜なのだと分かる。

 リサ:「ほおほお……。なかなかかわいい」
 愛原:「リサの妹の娘だからな、どことなくリサと似ていても不思議じゃないよな」

 なので本来は姪にあたるわけだが、リサが早くからアンブレラに捕まって人体改造を受けたせいで成長が極端に遅くなり、とても姪と伯母の関係には見えなかった。
 従姉妹同士と言った方が、しっくりくる感じである。
 あんまり運動をしているようには見えなかった。
 姉の凛の方がリサよりも更に短く髪を切り、日焼けしているのとは対照的である。
 凛は陸上部に所属していたので。

 愛原:「迎えに行くから、妹さんの顔とかも覚えておかないとな」
 リサ:「リンが一緒にいるから、大丈夫だと思う」
 愛原:「まあな」
 リサ:「東京駅で待ち合わせした後はどうするの?」
 愛原:「そのまま車に移動して、そこから藤野に向かうさ。面会は、なるべく早い方がいいからな」
 リサ:「なるほど。八王子ラーメン食べたい」
 愛原:「まあ、タイミング良くあり付けたらな」

 明日は平日だから、行楽客で混むことはないだろう。
 学生は春休みだから、鉄道やバスは混むかもしれないが。
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“私立探偵 愛原学” 「成田空港からの帰り」

2022-04-24 14:31:55 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[3月27日08:53.天候:曇 千葉県成田市三里塚御料牧場 成田空港駅京成線ホーム→京成本線9A10電車先頭車内]

 斉藤母娘を見送った私達は、帰りは京成線に乗ることにした。
 駅の所在地そのものはJR成田空港駅と同じだが、鉄道会社が違えば、当然改札口もホームも違う。
 そもそも線路の幅が違うので、2つの鉄道会社が同じホームに発着すること自体あり得ない。

〔♪♪♪♪ まもなく2番線に、折り返し、京成本線経由、特急、上野行きが8両編成で到着します。黄色い線の内側に、お下がりください〕

 英語放送が流れた後、トンネルの向こうから電車がやってきた。
 特急といってもリクライニングシートの並んだ有料特急ではなく、ロングシートの通勤電車である。
 なので、特急料金も掛からない。

〔「ご乗車ありがとうございました。成田空港、成田空港、終点です。お忘れ物の無いよう、お降りください。2番線は折り返し、9時8分発、京成本線経由、特急、上野行きとなります」〕

 ここまでの乗客達が降りて来る。
 電車は特に真新しい感じはせず、恐らくは旧型の部類に入るのだろう。

 

 乗客のいなくなった電車の座席に腰かける。
 まだ、発車まで時間があった。

 愛原:「ちょっと善場主任に電話してくる」
 高橋:「了解っス。席取ってます」

 私がスマホ片手にホームに降り、善場主任に電話を掛けた。

 愛原:「もしもし。善場主任ですか?愛原です」
 善場:「愛原所長、お疲れ様です。飛行機は無事に離陸しましたか?」
 愛原:「はい。無事に離陸しました」
 善場:「そうですか。1つ確認したいのですが、今回飛行機に乗ったのは斉藤絵恋さんとその母親だけですよね?」
 愛原:「そうですよ。それが、どうかしましたか?」
 善場:「他には誰も一緒に乗っていませんね?」
 愛原:「そのはずですよ。どうしてですか?」
 善場:「……いえ、何でもないです。お疲れ様でした。気を付けてお帰り下さい」
 愛原:「ありがとうございます。因みに帰りは、京成線と都営新宿線で帰ります」
 善場:「分かりました。お気をつけてお帰り下さい。明日は面会ですね?」
 愛原:「はい。よろしくお願いします」
 善場:「分かりました」

 面会とは、上野姉妹と母親の上野利恵の面会のことである。
 藤野の研究施設に収容されている上野利恵の所に、上京してくる娘の上野姉妹が面会することになっており、私達がそれに付き添うことになっている。

〔「ご案内致します。この電車は9時8分発、京成本線経由、特急、上野行きです。停車駅は空港第2ビル、成田、公津の杜、宗吾参道、酒々井、大佐倉、佐倉、勝田台、八千代台、津田沼、船橋、八幡、高砂、青砥、日暮里、終点上野の順に止まります。途中の佐倉で快速、西馬込行きに。八幡で普通、上野行きにお乗り換えできます。発車まで、しばらくお待ちください」〕

 電話を終えて車内に戻ると、私は高橋とリサの間に座った。
 リサが寄り掛かるように引っ付いてくる。

 愛原:「明日は上野姉妹が上京してくるから、その迎えだな」
 高橋:「車なら用意しますよ」
 愛原:「ああ、頼む」
 リサ:「サイトーから返信が来ない……」
 愛原:「飛行機の中だからな、しょうがない」

 機内モードでLINEって使えるんだっけ?
 使ったことないから分からんな。

[同日09:08.天候:不明 京成本線9A10電車・先頭車内]

〔「お待たせ致しました。9時8分発、京成本線経由、特急、上野行き、発車致します」〕

 発車の時間が迫る頃には、座席は半分ほどが埋まるようになった。
 今は成田スカイアクセス線もあり、東京都心に出るにはそちらの方が早い為、だいぶ本線経由の乗客は減った感じである。

〔♪♪♪♪。まもなく2番線から、京成本線経由、特急、上野行きが発車致します〕

 英語放送の後で、普通の発車ベルが地下ホームに鳴り響く。
 特に駆け込み乗車も無く、ドアは再開閉することなく、すんなりと閉まった。
 運転室から発車合図のブザーが聞こえたかと思うと、ガチャッとハンドルを操作する音が。
 そして、エアーの抜ける音がして、スーッと電車が走り出して行く。
 今時流行りのVVVFインバータは搭載していないのか、そういった類の音が聞こえてくることはない。

〔京成電鉄をご利用頂きまして、ありがとうございます。この電車は京成本線経由、特急、京成上野行きです。次は空港第2ビル(成田第2・第3ターミナル)、空港第2ビル(成田第2・第3ターミナル)です。お出口は、右側です〕

 放送は自動放送だった。
 英語放送を流す為だろう。
 昔は車掌が日本語の肉声放送をして、英語放送だけ自動ということもしていたそうだ。
 さすがに国際空港アクセス列車で、英語放送無しは無理があるだろう(かといって、中国語や朝鮮語はやり過ぎだと思う)。

 リサ:「通勤電車じゃ、Wi-Fiが無いから節約しないと……」
 愛原:「もうパケット通信、制限掛かってんのか?」
 リサ:「もうすぐでマックスになる」
 愛原:「高校生のプランじゃ、ギガ数は少ないよな」
 高橋:「やり過ぎんなってことだよ」

 駅構内ではWi-Fiが飛んでいるので、それが使えるのだが、電車内となると、なかなか無い。

 リサ:「おっ、リンからLINE」
 愛原:「ほお、そうか」
 リサ:「明日、よろしくだって」
 愛原:「分かった。高橋、帰ったらレンタカーの予約よろしく」
 高橋:「分かりました。車種はいつものでいいっスか?」
 愛原:「それでいいよ」
 高橋:「うス。じゃ、今から予約します」

 高橋は自分のスマホを取り出した。

 愛原:「あ、そうか。ネットで予約できるのか」
 高橋:「そうです」

 便利な時代になったものだ。
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“私立探偵 愛原学” 「別離」

2022-04-24 11:30:18 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[3月27日06:30.天候:曇 千葉県成田市成田空港内 ホテル成田エアポートレストハウス→成田空港第1ターミナル]

 早朝に起床した私達は、朝の支度を整えると、朝食を取りにレストランに向かった。
 この時、既に荷物を持っている。
 食べ終わった後、すぐにチェックアウトする為だ。
 こんなに慌ただしいのは、偏に朝に離陸する飛行機に乗るからに他ならない。
 朝食はバイキングだったが、さしものリサも食欲が無いかと思いきや……そんなことはなかった。
 リサとの辛い別れの為に、絵恋さんの食欲が無いのとは大違いだ。

 愛原:「7時ちょうどにこのホテルから、第1ターミナルに向かうバスが出る。それに乗るから、遅れないようにしないとな」
 リサ:「はい」
 絵恋:「……はい」

 これが本当のリサとの最後の食事であるが、その余韻を楽しむ余裕は無いようだ。

 愛原:「いっぱい、お別れしたか?」
 リサ:「うん、した。だから、お腹空いた」

 どういうお別れをしたのかは聞かないでおこう。
 因みに私と高橋が泊まった部屋はツインであるが、この2人の少女が泊まった部屋はダブルである。
 どういうお別れをしたのか、【お察しください】。

 愛原:「時間までに食べ終わるんだぞ?」
 リサ:「分かった」

 食事が終わる頃には、もうバスへの乗車時間が始まっている。
 私は急いでチェックアウトを済ませると、ホテル前に止まっているバスに向かった。
 バスは通常、各ターミナルを循環するコースであるが、朝は各ターミナルへの需要が多いせいか、それぞれ直行便が運行されている。

 運転手:「第1ターミナル行きはこちらです」
 愛原:「はい、お願いします」

 バスは中型の観光タイプだった。
 絵恋さんの大きい荷物だけ、トランクルームに入れてもらう。
 バスはだいたい窓側の席が埋まり、私達みたいなグループ客が通路側にも座るといった感じの混み具合で出発した。
 所要時間は、だいたい5分ほど。
 大きな荷物が無ければ、歩いて向かっても良いくらいだ。
 こんな空港内の道路で渋滞が発生するわけもなく、バスは本当に5分ほどでターミナル前の降車場に到着した。

 運転手:「はい、ありがどうございました」
 愛原:「どうも、お世話さま」

 絵恋さんの荷物を取り出し、それはリサが軽々と持ってターミナルの中に入った。

 愛原:「ピーチ航空の乗り場はどこだ?」
 高橋:「えーと……あっちっス」
 愛原:「本当だな?」
 高橋:「ガチバナっス!この前、ここからバニラ・エアで沖縄に高飛び……もとい、長期旅行に行った知り合いの見送りに行ったんで!」

 バニラ・エアもLCCの1つであったが、今はピーチ航空と合併している。
 果たして、そこのチェックインカウンターの所には、絵恋さんの母親が待っていた。

 絵恋:「お母さん」
 母親:「絵恋」

 家を出る時、母親はやはりマスコミに囲まれていた。
 タクシーが出る時も苦労したくらいだ。

 母親:「娘がお世話になりました」
 愛原:「いえ、私は大したことはしていませんよ」
 母親:「これは報酬です」
 愛原:「ああ、ありがとうございます」

 今回の絵恋さんの前泊の件は、母親からの依頼によるものだった。
 だから、その分の報酬である。

 愛原:「それより、早いとこ保安検査場に入った方がいいですよ」
 母親:「そうですね。本当にお世話になりました」
 リサ:「サイトー、それじゃ元気で」
 絵恋:「……リサさん……手紙ちょうだい……」
 リサ:「分かった。だけど、サイトーの方から手紙くれないと住所分かんないから」
 絵恋:「そ、そうね。着いたら、必ず手紙出すからね」
 母親:「絵恋、行きましょう」

 2人の母娘は、手荷物検査場に入って行った。
 出発時刻表を見ると、8時10分の離陸予定になっている。
 那覇空港に着くのは、11時台だ。

 高橋:「帰りますか?」
 愛原:「外は雨は降ってないな?」
 高橋:「降りそうな感じはしますけど、まだ降ってないっス」
 愛原:「それじゃ、展望デッキに行こう。そこから、絵恋さんの達の飛行機を見遅れるよ」
 リサ:「! それいい!そうしよう!」
 愛原:「よし、じゃあ行こうか」
 高橋:「どの飛行機だか、分かりますかね?」
 愛原:「ピーチは結構、ド派手な機体なんだろ?それで分かりそうなものだ」
 高橋:「なるほど」

 展望デッキに向かうと、風が結構強かった。
 リサは黒い短いスカートを穿いているが、特に気にする様子は無い。

 高橋:「これで飛べますかね?」
 愛原:「大丈夫だろう。成田空港は濃霧でも離陸するからな」

 霧は地表を覆っているだけなので、飛び立ってしまえばどうということはない。
 まさか、目的地まで霧に包まれているわけではないだろう。

 愛原:「あの飛行機だな」
 高橋:「本当だ。尾翼にピーチって書いてありますね」
 愛原:「エアバスA320か」

 鉄道と違って、そんなにダイヤ通りに出るわけではないだろう。
 ましてや、成田空港も混雑する空港の1つである。
 コロナ禍で国際線は閑古鳥かもしれないが、国内線については蔓延防止が解除されたこともあり、少しずつ客が戻りつつある。
 しばらく誘導路に待機していたかと思うと、ようやく滑走路に移動した。

 愛原:「おおっ、離陸した」

 エンジンの轟音を立て、滑走路を急加速して、絵恋さん達を乗せたピーチ航空は離陸した。

 愛原:「今度こそお別れだな」
 リサ:「うん……」
 愛原:「来年度には、新しい仲間が入って来るから」
 リサ:「リンとリコか……」
 愛原:「そうだ。明日には卒業旅行で上京してくる。寂しがってる暇は無いぞ」
 高橋:「先生、帰る前に一服していいっスか?」
 愛原:「ああ、いいぞ」

 私達は展望デッキをあとにした。

 高橋:「帰りはどうします?」
 愛原:「そうだな……。帰りは京成に乗るか。本八幡経由で帰れるだろう」
 高橋:「了解っス」
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