[3月27日06:30.天候:曇 千葉県成田市成田空港内 ホテル成田エアポートレストハウス→成田空港第1ターミナル]
早朝に起床した私達は、朝の支度を整えると、朝食を取りにレストランに向かった。
この時、既に荷物を持っている。
食べ終わった後、すぐにチェックアウトする為だ。
こんなに慌ただしいのは、偏に朝に離陸する飛行機に乗るからに他ならない。
朝食はバイキングだったが、さしものリサも食欲が無いかと思いきや……そんなことはなかった。
リサとの辛い別れの為に、絵恋さんの食欲が無いのとは大違いだ。
愛原:「7時ちょうどにこのホテルから、第1ターミナルに向かうバスが出る。それに乗るから、遅れないようにしないとな」
リサ:「はい」
絵恋:「……はい」
これが本当のリサとの最後の食事であるが、その余韻を楽しむ余裕は無いようだ。
愛原:「いっぱい、お別れしたか?」
リサ:「うん、した。だから、お腹空いた」
どういうお別れをしたのかは聞かないでおこう。
因みに私と高橋が泊まった部屋はツインであるが、この2人の少女が泊まった部屋はダブルである。
どういうお別れをしたのか、【お察しください】。
愛原:「時間までに食べ終わるんだぞ?」
リサ:「分かった」
食事が終わる頃には、もうバスへの乗車時間が始まっている。
私は急いでチェックアウトを済ませると、ホテル前に止まっているバスに向かった。
バスは通常、各ターミナルを循環するコースであるが、朝は各ターミナルへの需要が多いせいか、それぞれ直行便が運行されている。
運転手:「第1ターミナル行きはこちらです」
愛原:「はい、お願いします」
バスは中型の観光タイプだった。
絵恋さんの大きい荷物だけ、トランクルームに入れてもらう。
バスはだいたい窓側の席が埋まり、私達みたいなグループ客が通路側にも座るといった感じの混み具合で出発した。
所要時間は、だいたい5分ほど。
大きな荷物が無ければ、歩いて向かっても良いくらいだ。
こんな空港内の道路で渋滞が発生するわけもなく、バスは本当に5分ほどでターミナル前の降車場に到着した。
運転手:「はい、ありがどうございました」
愛原:「どうも、お世話さま」
絵恋さんの荷物を取り出し、それはリサが軽々と持ってターミナルの中に入った。
愛原:「ピーチ航空の乗り場はどこだ?」
高橋:「えーと……あっちっス」
愛原:「本当だな?」
高橋:「ガチバナっス!この前、ここからバニラ・エアで沖縄に高飛び……もとい、長期旅行に行った知り合いの見送りに行ったんで!」
バニラ・エアもLCCの1つであったが、今はピーチ航空と合併している。
果たして、そこのチェックインカウンターの所には、絵恋さんの母親が待っていた。
絵恋:「お母さん」
母親:「絵恋」
家を出る時、母親はやはりマスコミに囲まれていた。
タクシーが出る時も苦労したくらいだ。
母親:「娘がお世話になりました」
愛原:「いえ、私は大したことはしていませんよ」
母親:「これは報酬です」
愛原:「ああ、ありがとうございます」
今回の絵恋さんの前泊の件は、母親からの依頼によるものだった。
だから、その分の報酬である。
愛原:「それより、早いとこ保安検査場に入った方がいいですよ」
母親:「そうですね。本当にお世話になりました」
リサ:「サイトー、それじゃ元気で」
絵恋:「……リサさん……手紙ちょうだい……」
リサ:「分かった。だけど、サイトーの方から手紙くれないと住所分かんないから」
絵恋:「そ、そうね。着いたら、必ず手紙出すからね」
母親:「絵恋、行きましょう」
2人の母娘は、手荷物検査場に入って行った。
出発時刻表を見ると、8時10分の離陸予定になっている。
那覇空港に着くのは、11時台だ。
高橋:「帰りますか?」
愛原:「外は雨は降ってないな?」
高橋:「降りそうな感じはしますけど、まだ降ってないっス」
愛原:「それじゃ、展望デッキに行こう。そこから、絵恋さんの達の飛行機を見遅れるよ」
リサ:「! それいい!そうしよう!」
愛原:「よし、じゃあ行こうか」
高橋:「どの飛行機だか、分かりますかね?」
愛原:「ピーチは結構、ド派手な機体なんだろ?それで分かりそうなものだ」
高橋:「なるほど」
展望デッキに向かうと、風が結構強かった。
リサは黒い短いスカートを穿いているが、特に気にする様子は無い。
高橋:「これで飛べますかね?」
愛原:「大丈夫だろう。成田空港は濃霧でも離陸するからな」
霧は地表を覆っているだけなので、飛び立ってしまえばどうということはない。
まさか、目的地まで霧に包まれているわけではないだろう。
愛原:「あの飛行機だな」
高橋:「本当だ。尾翼にピーチって書いてありますね」
愛原:「エアバスA320か」
鉄道と違って、そんなにダイヤ通りに出るわけではないだろう。
ましてや、成田空港も混雑する空港の1つである。
コロナ禍で国際線は閑古鳥かもしれないが、国内線については蔓延防止が解除されたこともあり、少しずつ客が戻りつつある。
しばらく誘導路に待機していたかと思うと、ようやく滑走路に移動した。
愛原:「おおっ、離陸した」
エンジンの轟音を立て、滑走路を急加速して、絵恋さん達を乗せたピーチ航空は離陸した。
愛原:「今度こそお別れだな」
リサ:「うん……」
愛原:「来年度には、新しい仲間が入って来るから」
リサ:「リンとリコか……」
愛原:「そうだ。明日には卒業旅行で上京してくる。寂しがってる暇は無いぞ」
高橋:「先生、帰る前に一服していいっスか?」
愛原:「ああ、いいぞ」
私達は展望デッキをあとにした。
高橋:「帰りはどうします?」
愛原:「そうだな……。帰りは京成に乗るか。本八幡経由で帰れるだろう」
高橋:「了解っス」
早朝に起床した私達は、朝の支度を整えると、朝食を取りにレストランに向かった。
この時、既に荷物を持っている。
食べ終わった後、すぐにチェックアウトする為だ。
こんなに慌ただしいのは、偏に朝に離陸する飛行機に乗るからに他ならない。
朝食はバイキングだったが、さしものリサも食欲が無いかと思いきや……そんなことはなかった。
リサとの辛い別れの為に、絵恋さんの食欲が無いのとは大違いだ。
愛原:「7時ちょうどにこのホテルから、第1ターミナルに向かうバスが出る。それに乗るから、遅れないようにしないとな」
リサ:「はい」
絵恋:「……はい」
これが本当のリサとの最後の食事であるが、その余韻を楽しむ余裕は無いようだ。
愛原:「いっぱい、お別れしたか?」
リサ:「うん、した。だから、お腹空いた」
どういうお別れをしたのかは聞かないでおこう。
因みに私と高橋が泊まった部屋はツインであるが、この2人の少女が泊まった部屋はダブルである。
どういうお別れをしたのか、【お察しください】。
愛原:「時間までに食べ終わるんだぞ?」
リサ:「分かった」
食事が終わる頃には、もうバスへの乗車時間が始まっている。
私は急いでチェックアウトを済ませると、ホテル前に止まっているバスに向かった。
バスは通常、各ターミナルを循環するコースであるが、朝は各ターミナルへの需要が多いせいか、それぞれ直行便が運行されている。
運転手:「第1ターミナル行きはこちらです」
愛原:「はい、お願いします」
バスは中型の観光タイプだった。
絵恋さんの大きい荷物だけ、トランクルームに入れてもらう。
バスはだいたい窓側の席が埋まり、私達みたいなグループ客が通路側にも座るといった感じの混み具合で出発した。
所要時間は、だいたい5分ほど。
大きな荷物が無ければ、歩いて向かっても良いくらいだ。
こんな空港内の道路で渋滞が発生するわけもなく、バスは本当に5分ほどでターミナル前の降車場に到着した。
運転手:「はい、ありがどうございました」
愛原:「どうも、お世話さま」
絵恋さんの荷物を取り出し、それはリサが軽々と持ってターミナルの中に入った。
愛原:「ピーチ航空の乗り場はどこだ?」
高橋:「えーと……あっちっス」
愛原:「本当だな?」
高橋:「ガチバナっス!この前、ここからバニラ・エアで沖縄に高飛び……もとい、長期旅行に行った知り合いの見送りに行ったんで!」
バニラ・エアもLCCの1つであったが、今はピーチ航空と合併している。
果たして、そこのチェックインカウンターの所には、絵恋さんの母親が待っていた。
絵恋:「お母さん」
母親:「絵恋」
家を出る時、母親はやはりマスコミに囲まれていた。
タクシーが出る時も苦労したくらいだ。
母親:「娘がお世話になりました」
愛原:「いえ、私は大したことはしていませんよ」
母親:「これは報酬です」
愛原:「ああ、ありがとうございます」
今回の絵恋さんの前泊の件は、母親からの依頼によるものだった。
だから、その分の報酬である。
愛原:「それより、早いとこ保安検査場に入った方がいいですよ」
母親:「そうですね。本当にお世話になりました」
リサ:「サイトー、それじゃ元気で」
絵恋:「……リサさん……手紙ちょうだい……」
リサ:「分かった。だけど、サイトーの方から手紙くれないと住所分かんないから」
絵恋:「そ、そうね。着いたら、必ず手紙出すからね」
母親:「絵恋、行きましょう」
2人の母娘は、手荷物検査場に入って行った。
出発時刻表を見ると、8時10分の離陸予定になっている。
那覇空港に着くのは、11時台だ。
高橋:「帰りますか?」
愛原:「外は雨は降ってないな?」
高橋:「降りそうな感じはしますけど、まだ降ってないっス」
愛原:「それじゃ、展望デッキに行こう。そこから、絵恋さんの達の飛行機を見遅れるよ」
リサ:「! それいい!そうしよう!」
愛原:「よし、じゃあ行こうか」
高橋:「どの飛行機だか、分かりますかね?」
愛原:「ピーチは結構、ド派手な機体なんだろ?それで分かりそうなものだ」
高橋:「なるほど」
展望デッキに向かうと、風が結構強かった。
リサは黒い短いスカートを穿いているが、特に気にする様子は無い。
高橋:「これで飛べますかね?」
愛原:「大丈夫だろう。成田空港は濃霧でも離陸するからな」
霧は地表を覆っているだけなので、飛び立ってしまえばどうということはない。
まさか、目的地まで霧に包まれているわけではないだろう。
愛原:「あの飛行機だな」
高橋:「本当だ。尾翼にピーチって書いてありますね」
愛原:「エアバスA320か」
鉄道と違って、そんなにダイヤ通りに出るわけではないだろう。
ましてや、成田空港も混雑する空港の1つである。
コロナ禍で国際線は閑古鳥かもしれないが、国内線については蔓延防止が解除されたこともあり、少しずつ客が戻りつつある。
しばらく誘導路に待機していたかと思うと、ようやく滑走路に移動した。
愛原:「おおっ、離陸した」
エンジンの轟音を立て、滑走路を急加速して、絵恋さん達を乗せたピーチ航空は離陸した。
愛原:「今度こそお別れだな」
リサ:「うん……」
愛原:「来年度には、新しい仲間が入って来るから」
リサ:「リンとリコか……」
愛原:「そうだ。明日には卒業旅行で上京してくる。寂しがってる暇は無いぞ」
高橋:「先生、帰る前に一服していいっスか?」
愛原:「ああ、いいぞ」
私達は展望デッキをあとにした。
高橋:「帰りはどうします?」
愛原:「そうだな……。帰りは京成に乗るか。本八幡経由で帰れるだろう」
高橋:「了解っス」
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