※突然ですが、この話より「天候」表記は廃止し、代わりにプレイヤーキャラが誰か(誰視点か)を表記することにします。
[5月7日20:00.アルカディアシティ南端村 魔界稲荷神社 視点:稲生勇太]
夕食を終えた稲生達。
因みに食事は弟子の妖狐達は道場で食べて、稲生達は威吹達の住まいで食べた。
威吹:「すまぬな。酒といっても、清酒と焼酎しか持ち合わせが無くてな」
イリーナ:「別にいいのよ。たまにはSAKEも美味しいものだわ」
稲生:「僕はあまり飲めないかなぁ……」
マリア:「私はもっとムリ」
ワインやウィスキーとアルコール度数は同じでも、日本酒や焼酎だと悪酔いするマリア。
なので、威吹の酒にまともに付き合えるのはイリーナだけであった。
威吹:「今、風呂を用意させている故、今暫し待たれよ」
イリーナ:「ありがとう。威吹君の御弟子さん達はお風呂いいの?」
威吹:「あいつらには道場の風呂に入ってもらう。共同生活で規律を学ばせるのも重要だよ」
稲生:「…………」
威吹の言葉に対し、何か言おうとした稲生はその言葉を飲み込んだ。
それは威吹は気づいていた。
威吹:「マリアとユタには食後の茶を出させよう」
稲生:「申し訳ないね」
6番街でワインやアルコール度数が比較的高めに作られたカクテルを飲んでも平気なマリアが、日本酒の御猪口一杯だけで顔が赤くなってしまう。
こんなところで酔い潰れるわけにはいかないと、そこで飲むのをやめたマリア。
なので今、マリアの顔は赤い。
自重したおかげで潰れることはなく、意識レベルは起動値を超えている。
銀髪:「失礼します。お風呂の準備ができました」
威吹:「うむ。御苦労」
稲生:「ありがたいけど、威吹達も使うお風呂でしょ?威吹達が先に入ったら……」
威吹:「ボクは1番後ででいい。それに、さくら達はもう入った」
稲生:「あ、そうなの」
威吹:「子供を寝かしつけないといけないので、風呂も早めだ」
稲生:「大変だなぁ……」
マリアは部屋の時計を見た。
ゼンマイ式の柱時計が規則正しく振り子を左右に振っている。
マリア:(だいたい20時に寝かしつけるのか。フムフム……)
稲生:「先生方、先に入ってくださいよ」
イリーナ:「ありがとう。ま、その方が勇太君もマリアの残り湯に浸かれるかしら?」
稲生:「先生」
マリア:「師匠!もう酔っ払ったんですか!?……ック」
イリーナ:「マリアもでしょ?」
マリア:「SAKEってのは、後から回って来るから苦手なんですよ!」
イリーナ:「あー、ハイハイ。さっさとお風呂入って寝ましょうね」
威吹:「心配せずとも、風呂の水は交換してるよ」
稲生:「え、そうなの!?」
威吹:「この辺りは水が豊富なもので、どんなに使おうがタダなんだ。強いて言うなら、水道を動かす為のポンプの電気代が掛かるくらいだ」
稲生:「へえ、そりゃいいな」
魔界で確かに水不足という話は聞かない。
恐らく人口が圧倒的に人間界より少ないので、水資源の消費量が少ないのだろう。
もともとのパイが人間界と同じだとすれば。
坂吹:「失礼します。お茶をお持ちしました」
威吹:「御苦労」
稲生:「ありがとう」
イリーナとマリアが自分達の客間に戻ると、坂吹が緑茶を持って来た。
坂吹:「失礼します」
坂吹が退出した。
威吹:「さっきはボクに何を言おうとしたの?」
稲生:「ああ……。規律が守れなくて妖狐の里を追い出されたキミが、今ではそれを指導する側なんてなぁって思ったの」
威吹:「フフフ、さすがはユタ。お見通しだな」
稲生:「いや、失礼なことだと思うね。ごめんごめん」
威吹:「いや、いいんだよ。ユタならそう思って当然だ。ま、ボクなりに反省して指導しているってところかな」
稲生:「なるほど。本当は明日聞こうと思ってたんだけど、僕達への頼み事って何なの?」
威吹:「ボク達も入れて25人の大所帯では、ちょっと生活が苦しくなってきてね。里の方から援助はあるんだが、何しろさくらが3人目をもうすぐ産むということで、何かと物入りなんだ」
稲生:「お金か。分かった。僕から先生に頼んで、いくらか融通して……」
威吹:「いや、そういうことじゃない。資金が云々なら、もう1つ当てがある。だが、一筋縄ではいかない。どうかそこの所、ユタ達の助力をお願いしたいというわけなんだ」
稲生:「僕達にできることなら任せてよ」
威吹:「ありがとう。詳細は明日話すが、要は賞金稼ぎに行ってもらいたいってことさ。それも、できればボクの弟子も一緒に連れて行ってもらってね」
稲生:「威吹は来ないの?」
威吹:「申し訳ないが、ボクはボクで別に金策に走らなくてはならない。ボクの金策と、ユタ達が賞金を稼いでくれれば、しばらくは安泰なんだ。要は、里からの援助が取り付くまでの間ね」
稲生:「分かった。そういうことなら任せてよ」
威吹:「かたじけない。しかしユタは承諾してくれたが、あの2人は承諾してくれるだろうか?」
稲生:「マリアは反対しそうだけど、イリーナ先生が首を縦に振れば大丈夫だよ。ボク達はイリーナ先生からの課題を達成する為に魔界に来たんだからね。威吹の協力依頼が課題だっていうんなら、マリアも反対できないさ」
威吹:「それは頼もしい。……っていうか、ユタ」
稲生:「ん?」
威吹:「いつの間にか、先輩魔女を呼び捨てにできるようになったんだね」
稲生:「先生や他の人達がいる前では、『後輩』だよ」
威吹:「それが2人きりの時とかは『恋人』……いや、『旦那』か?」
稲生:「まだ結婚してないよ」
威吹:「だが、もう『契り』は交わしたようだな。匂いで分かるぞ」
稲生:「そ、そうなの!?」
威吹:「ああ。(カマかけてみただけなんだが、どうやら当たりのようだ)」
稲生:「あ、あの、話は変わるけど、賞金稼ぎの内容は?」
威吹:「6番街と似たようなことをしてくれればいい。正義の味方として、ちょっと悪を懲らしめる的な」
稲生:「そうなのか」
その後、イリーナとマリアは風呂から出た。
稲生は1人で入るつもりだったが、威吹も一緒に入って来た。
男同士、裸で将来を語り合ったのだが、別に変な意味ではないので悪しからず。
[5月7日20:00.アルカディアシティ南端村 魔界稲荷神社 視点:稲生勇太]
夕食を終えた稲生達。
因みに食事は弟子の妖狐達は道場で食べて、稲生達は威吹達の住まいで食べた。
威吹:「すまぬな。酒といっても、清酒と焼酎しか持ち合わせが無くてな」
イリーナ:「別にいいのよ。たまにはSAKEも美味しいものだわ」
稲生:「僕はあまり飲めないかなぁ……」
マリア:「私はもっとムリ」
ワインやウィスキーとアルコール度数は同じでも、日本酒や焼酎だと悪酔いするマリア。
なので、威吹の酒にまともに付き合えるのはイリーナだけであった。
威吹:「今、風呂を用意させている故、今暫し待たれよ」
イリーナ:「ありがとう。威吹君の御弟子さん達はお風呂いいの?」
威吹:「あいつらには道場の風呂に入ってもらう。共同生活で規律を学ばせるのも重要だよ」
稲生:「…………」
威吹の言葉に対し、何か言おうとした稲生はその言葉を飲み込んだ。
それは威吹は気づいていた。
威吹:「マリアとユタには食後の茶を出させよう」
稲生:「申し訳ないね」
6番街でワインやアルコール度数が比較的高めに作られたカクテルを飲んでも平気なマリアが、日本酒の御猪口一杯だけで顔が赤くなってしまう。
こんなところで酔い潰れるわけにはいかないと、そこで飲むのをやめたマリア。
なので今、マリアの顔は赤い。
自重したおかげで潰れることはなく、意識レベルは起動値を超えている。
銀髪:「失礼します。お風呂の準備ができました」
威吹:「うむ。御苦労」
稲生:「ありがたいけど、威吹達も使うお風呂でしょ?威吹達が先に入ったら……」
威吹:「ボクは1番後ででいい。それに、さくら達はもう入った」
稲生:「あ、そうなの」
威吹:「子供を寝かしつけないといけないので、風呂も早めだ」
稲生:「大変だなぁ……」
マリアは部屋の時計を見た。
ゼンマイ式の柱時計が規則正しく振り子を左右に振っている。
マリア:(だいたい20時に寝かしつけるのか。フムフム……)
稲生:「先生方、先に入ってくださいよ」
イリーナ:「ありがとう。ま、その方が勇太君もマリアの残り湯に浸かれるかしら?」
稲生:「先生」
マリア:「師匠!もう酔っ払ったんですか!?……ック」
イリーナ:「マリアもでしょ?」
マリア:「SAKEってのは、後から回って来るから苦手なんですよ!」
イリーナ:「あー、ハイハイ。さっさとお風呂入って寝ましょうね」
威吹:「心配せずとも、風呂の水は交換してるよ」
稲生:「え、そうなの!?」
威吹:「この辺りは水が豊富なもので、どんなに使おうがタダなんだ。強いて言うなら、水道を動かす為のポンプの電気代が掛かるくらいだ」
稲生:「へえ、そりゃいいな」
魔界で確かに水不足という話は聞かない。
恐らく人口が圧倒的に人間界より少ないので、水資源の消費量が少ないのだろう。
もともとのパイが人間界と同じだとすれば。
坂吹:「失礼します。お茶をお持ちしました」
威吹:「御苦労」
稲生:「ありがとう」
イリーナとマリアが自分達の客間に戻ると、坂吹が緑茶を持って来た。
坂吹:「失礼します」
坂吹が退出した。
威吹:「さっきはボクに何を言おうとしたの?」
稲生:「ああ……。規律が守れなくて妖狐の里を追い出されたキミが、今ではそれを指導する側なんてなぁって思ったの」
威吹:「フフフ、さすがはユタ。お見通しだな」
稲生:「いや、失礼なことだと思うね。ごめんごめん」
威吹:「いや、いいんだよ。ユタならそう思って当然だ。ま、ボクなりに反省して指導しているってところかな」
稲生:「なるほど。本当は明日聞こうと思ってたんだけど、僕達への頼み事って何なの?」
威吹:「ボク達も入れて25人の大所帯では、ちょっと生活が苦しくなってきてね。里の方から援助はあるんだが、何しろさくらが3人目をもうすぐ産むということで、何かと物入りなんだ」
稲生:「お金か。分かった。僕から先生に頼んで、いくらか融通して……」
威吹:「いや、そういうことじゃない。資金が云々なら、もう1つ当てがある。だが、一筋縄ではいかない。どうかそこの所、ユタ達の助力をお願いしたいというわけなんだ」
稲生:「僕達にできることなら任せてよ」
威吹:「ありがとう。詳細は明日話すが、要は賞金稼ぎに行ってもらいたいってことさ。それも、できればボクの弟子も一緒に連れて行ってもらってね」
稲生:「威吹は来ないの?」
威吹:「申し訳ないが、ボクはボクで別に金策に走らなくてはならない。ボクの金策と、ユタ達が賞金を稼いでくれれば、しばらくは安泰なんだ。要は、里からの援助が取り付くまでの間ね」
稲生:「分かった。そういうことなら任せてよ」
威吹:「かたじけない。しかしユタは承諾してくれたが、あの2人は承諾してくれるだろうか?」
稲生:「マリアは反対しそうだけど、イリーナ先生が首を縦に振れば大丈夫だよ。ボク達はイリーナ先生からの課題を達成する為に魔界に来たんだからね。威吹の協力依頼が課題だっていうんなら、マリアも反対できないさ」
威吹:「それは頼もしい。……っていうか、ユタ」
稲生:「ん?」
威吹:「いつの間にか、先輩魔女を呼び捨てにできるようになったんだね」
稲生:「先生や他の人達がいる前では、『後輩』だよ」
威吹:「それが2人きりの時とかは『恋人』……いや、『旦那』か?」
稲生:「まだ結婚してないよ」
威吹:「だが、もう『契り』は交わしたようだな。匂いで分かるぞ」
稲生:「そ、そうなの!?」
威吹:「ああ。(カマかけてみただけなんだが、どうやら当たりのようだ)」
稲生:「あ、あの、話は変わるけど、賞金稼ぎの内容は?」
威吹:「6番街と似たようなことをしてくれればいい。正義の味方として、ちょっと悪を懲らしめる的な」
稲生:「そうなのか」
その後、イリーナとマリアは風呂から出た。
稲生は1人で入るつもりだったが、威吹も一緒に入って来た。
男同士、裸で将来を語り合ったのだが、別に変な意味ではないので悪しからず。