報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“ユタと愉快な仲間たち” まとめ

2018-09-26 19:20:25 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
【世界観について】

 人間界:この世界のこと。現世。仏教用語における十界のうちの1つの『人間界』とは異義。魔界や地獄界の住人も紛れ込んでいる。

 魔界:魔王や魔族、妖怪の住む世界。神隠しなどで連れ去られた人間も住んでいる。アルカディア王国やその王都アルカディアシティなど、文明的な都市も存在している。治安の良い地域ではエンカウントすることは無いが、治安の悪い所や町の外ではRPGよろしく、素行不良の者とエンカウントする。ファンタジーの世界でもある為、RPGの世界の住人もここにいる。

 地獄界:基本的には仏教で紹介されている八大地獄がここ。八寒地獄も存在するらしいが、資料に乏しいので割愛する。八大地獄のそれぞれに十六小地獄が存在するが、何故かそこを介して人間界と繋がっているのは……現世もまた十六小地獄の1つなのかもしれませんですなぁ。『ブラック企業小地獄』とかねw

【ダンテ門流魔道師について】

 ・創始者はダンテ・アリギエーリ。
  ・その正体は直属の弟子ですら、全てを知る者はいない。

 ・世界ではいくつかの流派が存在するとされるが、ダンテ一門が1番規模が大きい。
  ・構成人数が100人ほどであり、しかもそれが世界中に散らばっているので、入門してから何年経っても1度も顔を合わせたことの無い同志が多々いる。
   ・それを統率する為、階級制度が設けられている。
    ・稲生やリリアンヌなどの入門者は見習(インターン)。
    ・マリア、エレーナ、アンナはローマスター(Low Master 一人前に成り立て)で、この階級ではまだ弟子は取れない。
    ・その次がミドルマスター(Middle Master 中堅)。よほどの事情が無い限り、まだ弟子は取れない。
    ・これもクリアすると、ハイマスター(High Master ベテラン)となる。ここから弟子を取ることが許される。
    ・イリーナ、ポーリン、アナスタシアなど、ダンテの直属の弟子がグランドマスター(Grand Master)。弟子を取らない方が変わり者扱いされる。

 ・正式には『魔道師』である。
  ・RPGでは『魔道士』という表記もあるが、ダンテ門内では弟子を取っていなくても、後輩に何か教える機会はあり、その時点で教えていることになる為、大抵は『魔道師』表記で統一されている。
  ・但し、アルカディア王国には『宮廷魔導師』という役職があり、これは魔法使いが日本で言えば内閣官房長官、アメリカで言えば大統領補佐官を務めるようなものであるが、この場合の表記は『魔導師』である。

 ・素質のある者がハイマスターやグランドマスターにスカウトされて入門するものであり、自ら志願して入門する者はいない。
  ・どうしても男性より女性の方が多い。
   ・男性は霊力が強いと聖職者の道に進むことが多い為。
  ・稲生は半分志願、半分スカウトである。
   ・大学卒業と同時に入門したので、他の魔道師からは『新卒採用』と揶揄されている。
  ・逆境に遭った女性ほど魔力が強いらしい。
   ・それがダンテ門内で女性が多い理由。
    ・それも性暴力の被害者が多い。
    ・但し、男女比の偏りを他門から批判されることも多い。
     ・ただ単に逆境に遭って霊力が強くなっただけでは、やはり聖職者に行ってしまう為らしい。
  ・人間としての生を終える儀式を執り行う場合もあるし、無い場合もある。
   ・マリアの場合は人間時代、飛び降り自殺を図り、地面に激突する直前イリーナに魔法で助けられ、これを『人間としての生を終える儀式』とした。
   ・稲生の場合、そういう儀式は行われていない。
    ・その必要が無いからもしれないが、それもまた『新卒採用』と揶揄される理由でもあるという。

 ・女性魔道師を『魔女』と呼ぶこともあるが、これも一応、門内で決められているという。
  ・人間時代に性暴力の被害に遭い、そのトラウマがまだ抜けていない者を『魔女』と呼ぶことになっている。
   ・但し、殆どの者がこのトラウマを抜けていない。
    ・マリアもその1人だったが、稲生と相思相愛になり、レアなモデルケースとして注目されている。
     ・しかし中にはそんなマリアを裏切り者呼ばわりして、嫌がらせを行う者もいた。
      ・女の怖い世界……。
  ・確認されているだけで、エレーナ、キャサリン、ナディアは対象外。
   ・エレーナは自ら『処女』と言っているし、キャサリンもナディアも人間時代の性暴力被害を明確に否定しているため。

 ・魔法の呪文はダンテの神曲がモデル。
  ・魔法を唱える時の掛け声は、【お察しください】。
   ・え?回復魔法だけスクとエニが混じってるって?知らんなぁ……。

 ・魔法薬のポーションとかエリクサーは、何もFFだけの専売特許ではない。
  ・ウィキを確認してもらえれば分かる。
   ・エリクサーはやっぱ高価らしいな。

 ・日蓮正宗がガチで登場する物語。
  ・元々は“顕正会版人間革命”から始まったものである。
  ・稲生勇太や藤谷春人の所属寺院、東京第三布教区・大化山正証寺は架空の寺院。
   ・東京第三布教区なる教区は実在しない。
   ・モデルは特に無い。作者の「日蓮正宗寺院かくあるべき」の権化。
    ・立地条件だけは法道院を参考にしている。
    ・マリア達が訪れたせいで、近所のキリスト教系カルト教団に『魔女のいる寺』とされて、時折嫌がらせされている。
     ・その度に藤谷達が応対している。
     ・中世ヨーロッパの『魔女狩り』はどうやら単なる集団ヒステリーが原因で、実際はそれにキリスト教会が尻馬に乗っただけらしい。
      ・堂々と異端審問できて功徳〜〜〜〜〜!ってかw

 ・最近はスピンオフ“魔女エレーナの日常”も順調。
  ・エレーナは『ダンテ一門における魔女ではない』にも関わらず、タイトルに『魔女』とある矛盾。
   ・一般人から見れば、エレーナの風貌は魔女以外の何者でもないから。
   ・一般人から見れば非日常であるが、魔女から見れば日常である。
  ・普段は長野県の山中にひっそりと暮らす稲生達が、いちいち物語を進めさせる為に上京させるのが面倒になったからというのは内緒。
   ・やっぱ東京は便利だね〜!
    ・“魔女の宅急便”のキキが都会に出るようにしたのも、それが理由じゃね?
   ・その間、東京周辺では何が起きているのかを紹介する為のスピンオフ。
    ・エレーナ1人だけでは場が繋がらないので、後輩のリリアンヌやストーカー……もとい、熱愛者の鈴木も準レギュラー化。
  ・敵キャラがトリックスターになり、更にそこからスピンオフの主人公にまで上がった稀有なキャラ。
   ・狙おうとしてもなかなか狙えないポジである。
    ・例えば“ゲゲゲの鬼太郎”で、ねずみ男が本編とは別に主人公を務めるスピンオフが作られるようなものである。
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“魔女エレーナの日常” 「台風直撃の中で」

2018-09-26 11:11:32 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[8月29日18:00.天候:雨 東京都江東区森下 ワンスターホテル1Fレストラン“マジックスター”]

 キャサリン:「はーあ……。今日は開店休業だわ……」

 ホテルの建物にテナントとして入居するレストランの経営者、キャサリンは溜め息をついた。
 台風直撃で宿泊客のキャンセルが相次ぎ、また、外来の利用客すらも当て込めない状況だった。

 キャサリン:「しょうがない。今日はもう閉店……」

 すると、ホテル側の入口のドアが開いた。

 キャサリン:「あっ、いらっしゃいませー!」

 ホテル側入口からやってきたのは……。

 エレーナ:「ちわ」
 キャサリン:「あら?エレーナじゃない」
 リリアンヌ:「フヒヒヒ……。こ、こんにちは……」
 キャサリン:「リリィも?」
 鈴木:「すいません。3名です」
 エレーナ:「彼が夕食を奢ってくれるっていうから来たの」
 キャサリン:「ああ、どうぞどうぞ」

 鈴木達は窓側のテーブル席に座った。
 天井の梁にはキャサリンの使い魔のカラスが止まっている。
 魔女の使い魔として、黒猫以外はカラスも有名だ。
 その使い魔が従えている普通のカラスまでいるが、こちらも特に人間のことを気にする様子は無い。
 外が台風なので、避難してきたのだろう。
 使い魔のカラスがサーッと舞い降りて来て、床の上に着地したかと思うと、見る見るうちに人の姿へと変えていった。
 それは黒髪と浅黒い肌を持ち、スタイルも良い女性の姿であった。

 鈴木:「うおっ!?」
 使い魔:「いらっしゃいませ。メニューをどうぞ」

 服装は黒を基調としたウェイトレスの姿である。

 エレーナ:「ほお。変化の術を覚えたのか。さすがはキャサリン先輩だ」
 使い魔:「おかげさまで……」
 リリアンヌ:「フヒヒヒヒ……。こ、この男……え、エレーナ先輩がありながら……は、鼻の下伸ばしてます……」
 鈴木:「い、いや、それは誤解だ!」
 エレーナ:「いや、まあ伸ばしたくもなるだろ。よくこんな完璧に変化できたな〜」
 使い魔:「マスターのおかげです。ご注文は?」
 鈴木:「えーと……。『3種のハーブをふんだんに使ったチキンソテー』で、ライスと食後にコーヒーを付けて」

 カラスの前でチキンソテー頼んでも良いのかと思うが、心配無い。
 カラスは他の鳥も捕食するし、ややもすれば同族同士で共食いをすることもある。

 鈴木:「あの、因みにこれ、カラスの肉じゃないですよね?」
 使い魔:「よくお分かりで」
 鈴木:「ですよねぇ……って、えぇ!?」
 使い魔:「私のテリトリーに無断で侵入したアホを捕獲したものです。ですので、この料理は数量限定に……」

 カラスもまた縄張り意識の強い鳥である。

 鈴木:「や、やっぱりキャンセル!他の料理は……」
 使い魔:「……ですが、マスターに止められたので、鶏の肉になります」
 鈴木:「だっはーっ!」
 リリアンヌ:「フヒヒヒヒ……。ウィッチ・ジョーク(魔女の冗談)……」

 しかし東京都知事が石原慎太郎氏だった頃、捕獲したカラスをミートパイにして東京名物として売り出す計画があったとか無かったとか……。
 で、石原氏自身が試食したとかしなかったとか……。

 エレーナ:「おー、ジョークまで言えるのか。さすがはキャシー先輩だ。じゃあ、私は……」

 尚、この店を切り盛りしているキャサリンは、れっきとしたダンテ一門の魔道師であり、元はポーリン組に所属していた。
 なので、本当にエレーナやリリアンヌの先輩なのである。
 ハイマスター(High Master ベテラン)となってからは独立し、魔法薬や料理の研究をしていたこともあって、その知識と技術を生かした料理店をこのホテルの中に開いた。
 稲生勇太が高校生だった頃、老婆の姿に戻って(キャサリンの実年齢は500〜600歳ほどらしい)、魔法実験で余った魔法薬を使って作ったキャンディーを配るようなことをしていた。
 それが怪談話のネタになったほど。
 店に入る時は30代の女性の姿をしている。

 リリアンヌ:「フヒヒヒヒ……。わ、私は魚料理で……」
 エレーナ:「リリィは魚が好きだなぁ」

 注文を終えると、まずはジョッキに入ったビールがやってくる。

 鈴木:「リリィちゃんはソフトドリンクね。分かってるよね?日本の法律では『お酒は20歳になってから』」
 リリィ:「…………」

 リリィは鈴木と目を合わせようとしない。

 エレーナ:「悪いな。リリィは人間時代のトラウマで、男と話ができないんだ」
 鈴木:「稲生先輩とは話ができるのに?」
 エレーナ:「稲生氏は同じ魔道師だし、マリアンナという保証人もいるから」
 鈴木:「保証人!?」
 エレーナ:「まあまあ。確かにリリィに酒を飲ませると、大変なことになるからな。酒は肉体年齢20歳以上の私達だけで飲もう」

 まずは乾杯。

 リリアンヌ:「で、でもエレーナ先輩の実年齢はぁ……」
 エレーナ:「黙ってろ。私ゃ、ここでは鈴木よりも年下だ」
 リリアンヌ:「フヒッ!?はいっ!」
 鈴木:「ここでは?」

 ビールで一杯やってると、妖艶な女性の姿に変身したキャサリンの使い魔が、できた料理を運んで来た。

 使い魔:「お待たせを……」
 鈴木:「おおっ!正に創作料理って感じ!……3種のハーブって結局何なの?」
 使い魔:「グリーンハーブ、レッドハーブ、ブルーハーブです」
 鈴木:「……ん?どこかのゲームで見たような?いや、ポンコツ探偵がゾンビ無双する作品でも出て来たような……?」

 鈴木が何度も首を傾げていると、エレーナが、

 エレーナ:「レッドハーブが手に入ったのか!これはなかなか手に入らないものだもんな!」

 しきりに感心していた。

 キャサリン:「ハーブも生ものだからね、早く料理に使わないといけないのよ」

 厨房からキャサリンが出て来た。

 キャサリン:「そのタイミングでこれだものねぇ……」

 キャサリンは残念そうに窓の外を見た。
 昼間よりは雨は弱まった……というか、殆ど止んでいるように見えるが、まだ風がビュウビュウ吹いている。
 この風のせいで沿岸部の鉄道はもちろん、比較的内陸を走る鉄道もダイヤ乱れや運転見合わせが発生しているという。

 エレーナ:「マリアンナもせっかくの稲生氏デートがこれでパーになったっていうし、マジでアナスタシア組は〜……」
 リリアンヌ:「フフフ……」

[同日20:00.天候:曇 同ホテル1F]

 エレーナ:「それじゃ、今日はごちそう様」
 鈴木:「いいんだよ。こんなかわいいコ達と食事ができるなんて功徳だよ」
 エレーナ:「功徳ねぇ……」

 エレーナはエレベーターのボタンを押した。

 エレーナ:「神に仕えた時点で私らの敵になるけど、仏に関しては何の通達も無いんだよねぇ……」
 鈴木:「大丈夫だよ。キリストと違って日蓮大聖人様は、そんな御方じゃないよ!」

 イエス・キリストが、というよりそれを信仰する宗教団体の方に問題があるような気がする。
 ま、それは日蓮正宗も似たようなものだ。

 エレーナ:「それじゃ、私達はもう休むから」
 鈴木:「今度は俺の家に遊びに来てよ」
 エレーナ:「……それって、『ヤらせろ』ってか?」
 鈴木:「い、いや、そういうつもりじゃ……」
 エレーナ:「じゃ、おやすみ」
 鈴木:「お、おやすみなさい!」

 エレーナとリリアンヌは先にエレベーターに乗り込んだ。
 そして、地下1階に下りる設定をする。
 ドアが閉まって、エレベーターが降下した。

 リリアンヌ:「フヒヒ……!せ、先輩……!あ、あいつ、絶対先輩の体を……!」
 エレーナ:「ああ。そりゃ狙ってるだろうな。でなきゃこんなことしないだろ」
 リリアンヌ:「い、いい今のうちに、ぼ、ボボ、ボコして……!」
 エレーナ:「いいから放っときな。また飯とか奢ってもらえるぞ」
 リリアンヌ:「は、はい……」
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